ごろっと、えほんをひろげよう

子供と一緒に絵本、本を読んで早や10年。今は学校図書館司書をしています。読んできた本読みたい本を綴りたいと思ってます。

肥後の石工

2018-05-07 20:38:05 | 児童書
 毎年、春と秋に公共図書館から季節のイチオシ本が
学年ごとに決まり紹介文が届きます。

 今年は6年生に「肥後の石工」が選ばれていました。
私は読んだかうろ覚えでしたのでもう一度借りて
読んでみました。

 薩摩藩での石を使った橋作りを終えた肥後の石工三五郎が
肥後の国に帰るところから話は始まります。
 思いがけない展開で話に引き込まれていきます。
この作品自体はもう50年位前のものですが、全く古さを
感じません。今大河ドラマで鹿児島が舞台ですし、
肥後(熊本県)も大きな地震から復興中で建造物の
価値も興味深いものがあります。

 今西祐行さんのプロフィールをみたら「浦上の旅人たち」
とありました。まさに私が小学生の時に読んだ本です。
時代は変わっても、よい本はよい本です。
今の子供たちにも読んで貰えたらなと思います。
 また「肥後の石工」の最後に今西さんの戦時中の
話が載っていました。生死の境目を感じる話に
驚きました。こうした体験も是非いまの子供たちに
伝えられたらと思います。