ごろっと、えほんをひろげよう

子供と一緒に絵本、本を読んで早や10年。今は学校図書館司書をしています。読んできた本読みたい本を綴りたいと思ってます。

狐笛のかなた

2017-08-18 15:14:59 | 児童書
 夏休みは、子ども達に貸し出されなかった本を
借りて読むようにしています。
 上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」シリーズは
6年生の男子が「テレビで見たので頑張って読んでみる!」
と借りていき、私は残っていた「狐笛のかなた」を借りてきました。
2003年刊と意外と古い本だったのですが、今までチェックした
ことが無かったです。

 読み始めれば、さすが上橋さんの作品、すぐにグッと
引き寄せられてしまいます。主人公の小夜、近くに住む
小春丸、助けてあげた子狐の野火、それぞれが物語の
進行とともにどんどん絡み合っていく様は、次が気になって
止めることが出来なくなってします。
かつて「精霊の守り人」を読んだ時と重なるようでした。
しかも1冊で完結なので、おいしいところがギュっと詰まった
作品となっていました。

 全体の情景も古き日本の国の景色といった様相なので
読む人も、違和感が無いと思います。
ファンタジーがあまり読まれなくなっている昨今ですが
優れた作品なので、ぜひ読んで欲しいと思いました。