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ロンドンから徒然に

ルイーズ・ブルジョアの巨大な蜘蛛

2008-01-23 | アート
 地下鉄でセント・ポールの駅を降りて、テームズ川にかかるミレニアム・ブリッジを渡る時の風景は、ロンドンでも指折りの景勝のひとつだと思います。
 東にロンドン・ブリッジ、タワー・ブリッジの勇壮な姿、西にはロンドン・アイ、ビッグ・ベンという新旧の名所を臨み、北側を振り返ればセント・ポール寺院が華麗な姿を見せます。

 そして足を向ける南側には、もともとバンクサイド発電所だった建物を改装した美術館テート・モダンが。建物の真ん中に聳える99mの高さの煙突が目に飛び込んで来ます。

 こちらの入り口から入る時にいやでも目につくのが巨大な蜘蛛のオブジェです。六本木ヒルズにもあるこのMamanと呼ばれる10m近い蜘蛛は、パリ出身のアメリカの彫刻家ルイーズ・ブルジョアの手によるものです。

 この蜘蛛、最近ではテート・モダンの付属物の感さえあるくらい、周りの景色に馴染んでいましたが、実は館内で行われていたブルジョアの展覧会に合わせて展示されていたものなので、今日を以て撤去されました。

 ルイーズ・ブルジョアは1911年生まれですから、もう97歳になったんですね。
 彼女の再評価のきっかけになったのが、1984年のMoMA(ニューヨーク近代美術館)での個展ですから、この時点で既に72歳、Mamanを制作したのは1990年代に入ってからです。

 芸術家は本当に亡くなる間際まで創作活動を続ける人が多いですよね。100歳の記念に何かMamanを超える作品でも残してくれたらいいのに、なんて思っています。