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ロンドンから徒然に

波乱のゴールデン・グローブ賞 受賞式

2008-01-15 | 映画・演劇
 ゴールデン・グローブ賞が決まりました。作品賞はAtonement『 (邦題) つぐない』。この映画はこちらに来た時はとっくにロードショーは終わっていましたが、二番館ではロングランが続いていて、けっこう観客は多かったです(特にお年寄りの方)。作品の良さが評価されている証なのでしょう。

 この映画の終盤に往年の大女優ヴァネッサ・レッドグレーヴが出て来て懐かしく感じたのですが、今日の主演女優賞が、これまた懐かしいジュリー・クリスティでした。ふたりとも生まれたのは1940年前後のはずなので大ベテランですが、こうして活躍しているのを見るのは嬉しい限りです。

 ところで、今回のゴールデン・グローブ賞は前代未聞の事態になりました。米脚本家組合のストライキが続き、それに俳優組合が同調したため、従来の華やかな授賞式が取り止められて、記者会見方式での受賞者の発表になったのです。

 この授賞式の中止で一番打撃を受けたのが、これを放映する予定だった米NBCです。当てにしていたCM収入20億円前後が失われたとのことです。
 その他、授賞式後のパーティ代、取材のカメラマンのギャラ、運転手のギャラ、等々で合計すると約90億円の経済効果損失が見込まれるらしいです。

 今回の会場となったビバリー・ヒルトン・ホテルの前でデモを行ったIATSEに注目してみましょう。この団体、実は制作の現場のスタッフによる組合で、ヘアメイク、大道具、照明、ケータリング等の仕事に携わる人達の集まりなのです。
 彼等にしてみたら、このストライキが続く限り、自分たちの仕事が上がったりなわけで、早速食うのに困る人も出てくるというわけです。早く片付いて欲しいという願いは誰よりも切実でしょう。

 色んな人達の色んな思惑を含んで、2月のアカデミー賞の行方が注目されます。

 (写真は、うちの近くのよく通っている映画館です。ロサンジェルスのものとは違って寂しいですが)