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ロンドンから徒然に

屋内と屋外と、心地よい疲労感

2008-01-04 | 映画・演劇
 昨日の字幕に懲りずに、今日もまたメキシコ映画を観て来ました。(と言っても資本が複雑に絡んでいるので、ドイツ映画という方がいいのでしょうか。)
 Silent Light(原題はStellet Licht)はメキシコ人監督カルロス・レイガダスの3作目の長編映画で、昨年のカンヌ映画祭で審査員賞を取った映画です。

 計算し尽くされた(あるいは天才的な勘なのか)長廻しのワン・ショットや、ため息が出るほど見事に切り取られた風景、一見ハンサムでも美人でもない出演者たちの胸に迫る苦悩が伝える存在感、何気ないホーム・ビデオにも思える子供たちの自然な振る舞い…..ハリウッド映画のテンポに慣れた人には退屈と思われるかもしれはいほど、スローで重厚な2時間余りの上映時間中、ずっと画面に引き込まれてしまいました。
表題にかけたわけでもないのかもしれませんが、文字通り音のない状態(silent)の中で続くエンドロールの時間が終わっても、立ち上がることができないほど、良い意味で疲れました。

 屋内でこんな濃厚な時間を過ごしたら、何だか屋外で身体を動かしたくなって、サウス・ケンジントンの博物館横にあるスケート・リンクのナイターに出かけました。
 何十年ぶりかのスケートは、初めのうちこそ勘を取り戻せずに苦労しましたが、そのうち楽しくなって、これまた心地よい疲労感です。

 今日はゆっくり眠れそうです。