ゼロからのレコードレーベル

アメリカで日本人がゼロからスタートしたインディー・レーベル。純粋に音楽の楽しさを追求するレーベルの将来はいかに!?

アラン・メリル〜ロックを愛して

2020-03-30 06:13:24 | 音楽


ジョーン・ジェット(元ザ・ランナウェイズ)が放ったスマッシュヒット「アイ・ラヴ・ロックンロール(I Love Rock 'n' Roll)」を初め聴いたのは、1982年のことだが、元々このロックアンセムとして知られる名曲は、アラン・メリル (Alan Merrill)が在籍したジ・アローズ (The Arrows)が1975年にリリースしたものだ。

ヘヴィ・メタに熱中していたギターキッズの僕には、当時シンプル過ぎて、夢中になった記憶はないが、この曲は色あせることなく時代を超えてロックファンに親しまれていることは間違いない。

そのアラン・メリルを初めて生で見たのが、今はなきマンハッタンのB.B.キングブルースクラブでのライブ。もちろん、同名曲を演奏してくれた。2015年9月19日のことだ。ライブ後は、友人を介して気さくに話をしてくれたが、その縁あって、2015年12月6日、2010年から共同プロデュースしていた東日本大震災支援イベント「j-Summit NY」に、なんとアラン・メリル・バンドが出演してくれた。

その後も、2017年8月6日にも同イベントが老舗ビターエンド(The Bitter End)で開催された際にも出演してくれた。

あのライブから、2年7ヶ月。つい昨日のことだが、現在、世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスが彼の命を奪っていった。69歳という若さである。

3分のロックソング『I Love Rock 'n' Roll』。人間の一生に比べれば、一瞬の時間だが、この名曲によって数えきれないほどの人々に、喜びと希望、そして生命力を与えてくれたと思う。彼が愛したロックンロールを、彼と共に同じ時間と空間の中で共有できたことに心から感謝して止まない。

アラン・メリル氏のご冥福を心からお祈りいたします。

映画祭トレーラー

2020-03-24 21:18:27 | 音楽


2012年6月にデビューしたインディペンデント日本短編映画祭『ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト』。毎年、日本とインディペンデントをテーマに集められた短編映画プログラムをニューヨーク市マンハッタンにあるアジアソサエティで上映し、日米各都市で巡回上映を行うが、今年で9年目を迎える。

現在、新型コロナウィルスの影響で開催日程が決まらない状態だが、今年も素晴らしい作品が集まり現在最終選考中だ。

この映画祭の一つの楽しみはトレーラーを作成することだが、その音楽は個人的に気に入ったアーティストの曲を使わせてもらっている。ジャンルは一切問わず、その年に関わりのあったアーティストや気になるバンドが採用されている。

さて、今年のトレーラーにはどんなアーティストのどんな曲が選ばれるのだろう。

下記にこれまでのトレーラーとアーティストを年代順にリストしてみたので、是非チェックしてほしい。

第1回開催(2012年) トレーラー
音楽: A Whole New You / Taarka

第2回開催(2013年) トレーラー
音楽: Double Helix / Electric Asturias

第3回開催(2014年) トレーラー
音楽: Beautiful World / Shiho

第4回開催(2015年) トレーラー
音楽: Stand By U / Round Face

第5回開催(2016年) トレーラー
音楽: Candy / Monday Michiru

第6回開催(2017年) トレーラー
音楽: Save Your Soul / Lust

第7回開催(2018年) トレーラー
音楽: あなたがいてもいなくても / ささき ちか

第8回開催(2019年) トレーラー
音楽: Light / Ka-Na

フレンチホルン~山村優子コンサート

2014-11-04 07:14:29 | 音楽
2013年4月19日、友人に紹介され知り合ったフレンチホルン奏者、山村優子。
以来、彼女のライブをブッキングしたり、日本でもデビュー・アルバムの全国流通販売をしている。

彼女に会うまでフレンチホルンの音楽を、まともに聞いたことがなかったが
2012年にジョンレノン・ソングライティング・コンティストのジャズ部門で最優秀賞を受賞したり
2014年にはアメリカン・ソングライティング・アワードに選ばれたり
彼女の作曲能力の評価は非常に高く、
フレンチホルンの響きと音色を常に意識しているという音楽は
聴いていても、とても心地が良い。
彼女の温厚な人柄も曲に大きく反映されていると思う。

筆者連載のよみタイム(11月2日号)のオンガク喫茶でも彼女を取り上げたが
来る11月13日(木)にはクラシックのパコ・ロドリゲスをスペインから迎え
ニューヨークならではのフレンチホルンの夢の共演が楽しめる。

記事にも書いたが、クラシックとジャズ、日本とスペイン、女性と男性と、あらゆる角度からフレンチホルンを堪能できるだろう。

【国境を越えて~2本のフレンチホルンによる音楽対話/Crossing Borders:Music Dialog of Two French Horns】
【日時】11月13日(木)7:00pm
【会場】Opera America
【住所】330 Seventh Ave., 7F, New York, NY 10001
【入場料】前売$20、当日$25 オンライン購入をする

最後に、記事に織り込めなかった山村優子との一問一答をご紹介します。

質問:これまで、どんな音楽を好んで聴いてきましたか?
山村:やはりジャズが多いです。といっても、沢山のアーティストを聴いてきた訳ではなくて、好きになったアーティストや曲を飽きずに延々聴き続けるタイプです。


質問:尊敬する作曲家がいれば教えて下さい。
山村:素晴らしいと思う作曲家は沢山います。多すぎて書けません(笑)。けれども最近クラシックの作曲家の作品にとても学ぶ事が多いと感じています。


質問:和太鼓とフレンチホルンを使ったアジャーリアのコンセプトを教えて下さい。
山村:ジャズや即興音楽と、和太鼓、日本古典を中心とし た民族音楽を融合させながらジャンルの境界を超えた音世界を表現したいと思って片岡亮太(和太鼓・パーカッション)と立ちあげました。前例のない編成によるデュオが生み出す音楽を通して、フレンチホルン
や、和楽器の可能性を広げ、音楽的な文化の融合を図りたいと思っています。


質問:海外でジャズの演奏活動をしていて自分が日本人であることを痛感する時はどんな時ですか?また日本人であることでのプラス面、マイナス面はありますか?
山村:あえてジャズを演奏していて日本人であるという事を感じる事は、特にありません。以前は、「日本人だからジャズは難しいのか」とか、「日本人としてのジャズアプローチがあるはずだ」とか「これは日本的だ」とか思う事もありましたが、今は「今、出している音が自分なんだ」「ただ単に、自分の中から生まれてくる音楽」といった印象の方が大きいです。いい意味で力が抜けて自然に音楽を携える事が出来るようになったのかもしれません。最終的に演奏や作曲作品を聴いて頂いた時に、もしかしたら日本的な表現が含まれているかもしれませんが、それも踏まえての自分。自分は日本人なのだからそういう表現が生まれて当たり前、という心持ちです。そしてそういった個人のバックグラウンドも許容してくれる音楽の懐の深さに気付かされます。
 けれどもやはり、私は間違いなく日本人で、英語のネイティブスピーカーではないので、音楽や気持ちを言葉で表現する事が難しい事があるので、歯がゆい思いをする時も多々あります。(そういう時に頼れる友人達の存在に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ここまで、決して一人ではやってこれなかったと思います。)


質問:今回、パコ・ロドリゲスと共演の経緯と見どころを教えて下さい。
山村:私の使っているホルンのメーカーであるハンスホイヤーのNYショールームに私が訪れた際の写真を、インターネットで彼が見つけてコンタクトを取って来てくれたことがきっかけです。彼はハンスホイヤー・インターナショナル・アーティストなのですが、その後何度も、スペインとNYでメールのやり取りをし、CDを送り合い、共感し、お互いに刺激を受けて、今回のコンサートに至りました。
 色彩豊かで情熱に満ちた彼の演奏は、現代を生きるホルン奏者として、確実に私達の心に新しいクラシック音楽の発見と感動を与えてくれると思います。ぜひ、一人でも多くの方に足をお運び頂きたいです。そして、来年は私がスペインに赴いて、コンサートを開催する準備もしています。

ニューヨーク、雪ニモマケズ

2014-01-03 10:23:10 | 音楽
昨日からニューヨークは大雪。
本降りの夜は人や車の往来もなく静かなものだった。

コンサート、イベントは、天候によって集客が変わるし
交通機関が麻痺すれば、キャンセルも強いられることがあるが
今回の雪はさほどでもなく、中止になるコンサートはなさそうだ。

しかし、ニューヨークはライブが多過ぎて、知らないうちにコンサートが終わっていることがある。
対策として、ありとあらゆるコンサート会場のメーリングリストに登録し
ミュージシャン、アーティストたちとも接触し、最新ライブ情報を常に入手する。
それでも、同じ夜に複数重なってしまい行けないパターンもある。やはり全部は見れない。

「たかが音楽じゃないか!」と侮ってはいけない。
音楽で人生も考え方も変わることがある。
人と出会うのと同じくらい音楽との出逢いは大切。
素晴らしいライブ音楽は、やはり見逃したくない。

さて、今週末からUTE LEMPERが一週間ライブをやる。
ここ数年、Joe's Pubでやっていたが、今回の会場は、54 Below

Wed, Jan 8 9:30 pm $40-50 Doors 8:45pm
Sat, Jan 11 8:00pm $50-60 Doors 5:00pm
Mon, Jan 13 7:00pm $40-50 Doors 5:00pm
Mon, Jan 13 9:30pm $40-50 Doors 8:45pm
Tue, Jan 14 9:30pm $40-50 Doors 8:30pm

詳細はコチラ

元々、ブロードウェイのシカゴにも出ていたし、
「三文オペラ」で知られるクルト・ワイルの曲も得意なので
会場のロケーションとしてはピッタリなのかも。

ドイツ語、フランス語、英語で歌うが、語学力も素晴らしい。




ちなみに彼女の伴奏を務めるピアノのVANA GIERIG
よくNUBLUで演奏しているが
自身が率いるカルテットグループも必見必聴。





同郷ロッカー、Shu Nakamura

2013-10-22 09:49:57 | 音楽
海外に住んでいると同郷人との出逢いや活躍は嬉しいものだ。
ニューヨークには同じ名古屋市出身でギタリスト/シンガーとして
活動を続けるShu Nakamuraがいる。

今年、彼は新作「Join The Spree」を完成させた。
アルバムには、山本リンダの「どうにもとまらない」や
坂本九の「上を向いて歩こう」と言った懐かしい日本の歌も
彼のロックなアレンジで収録されているが
例えロックファンじゃない人が聞いても
充分楽しめる内容になっている。

ブルース、ロックンロール、ロカビリー、
グラムロックなど「ロック」を素直に受け継ぎ
自分なりに消化し作り上げた王道サウンドが満喫できる。
ハンブルパイやフェイセズなんかが好きならお薦め。

音楽が多様化し、こうしたロックの基本を兼ね備えた
ミュージシャンの数が幾分減って来た感が否めない今、
彼のような存在は貴重であり、今後も活動を続けて欲しい1人である。

そのShuさんが新作CDの発売を記念して
マンハッタンのThe Delanceyでライブを行う。

今晩は、彼が日本人である云々抜きにして、
純粋にロックステージを楽しみたいと思う。

Facebookイベントページ

Shu Nakamura 2013 Album "Join The Spree" Release

2013年10月22日(水) 午後9時~
The Delancey
168 Delancey Street
New York, NY 10002

Shu Nakamura & The Spree;

Eric Seftel: ドラム
Nate Schweber: ハーモニカ / ボーカル / パーカッション
KG: ギター
Anand Gan: ベース / ボーカル
Shu Nakamura: ギター / ボーカル

関連リンク:
http://www.spankingcharlene.com/
http://www.newheathens.com/
http://www.reverbnation.com/lilysparks
http://www.reverbnation.com/flytrapmusicproduction
http://shunakamura.com/

チャリティアルバム「ACTION MOVES PEOPLE」発売!

2013-08-27 10:59:39 | 音楽
フィンランド出身のシンガーソングライター、
パウラ・ヤーッコラ(Paula Jaakkola)、
日本からはプログレ・ロックバンドの
エレアス(エレクトリック・アストゥーリアス)と
共に参加したチャリティ・アルバム「ACTION MOVES PEOPLE」が、
ようやく発売となりました。

今年の5月ペンシルヴェニア州ゲティスバーグで開催された
RoSfestで知り合ったケヴィン・マッキーの依頼で
エレアスがアルバムに曲を提供することになっていましたが、
別の曲で、女性シンガーを探しているということで
パウラを紹介し、彼女の参加も決まった訳です。

個人的にはエレアスが参加する「(Japan's) March to Recovery」の日本語訳の詩を担当しました。
この詩はケヴィンの娘、アーリン・マッキーが書いたものですが
東日本大震災で被害者となった方たち、現在も復旧中の被災地の方々へ向けての思いが込められています。

アルバムにはエイジアキング・クリムゾン、UKで知られる
ジョン・ウェットンも語りで参加しています。

なお、アルバムの収益金は非営利団体「MOVE THIS WORLD」に寄付されます。

購入先:CDBaby

日本伝統楽器シリーズ第3弾:月舞~つくまい~

2013-05-15 05:44:23 | 音楽
今年3月からスタートした日本伝統楽器シリーズを
5月22日(水)Still Mind Zendo(禅堂)で開催する。

今回は金子純恵(三味線、箏、唄)と宮崎信子(フルート、篠笛)のデュオをフィーチャする。
既に4月28日にコネチカット州グリニッチ図書館で行われたコンサートで
デビューした二人だが、マンハッタンで公演するのは初めて。

箏、三味線、篠笛は日本の伝統楽器の部類だが
現代音楽でも使われる「今を生きる」楽器たち。

彼女たちの音楽性は非常に幅が広く
古典音楽には興味がないという人にも
充分、楽しんでもらえるだろう。
また音楽とは関係なくとも
禅や瞑想に興味がある人にもお薦め。

今回は3人の中でデュオ名の候補にもなっている
「月舞~つくまい」と題した2部構成だが
演目は現代音楽から古典音楽へと時代を遡っていくものの
オーディエンスは二人の演奏を聴きながら
宇宙とつながる未来へ向かって行く興味深い内容。

当日はしっかりと演出して、あちらの世界へお連れします...

日本伝統楽器シリーズ第3弾
月舞~つくまい~
アーティスト: 金子純恵(三味線、箏、唄)、宮崎信子(フルート、篠笛)
開催日:2013年5月22日(水)
開場: 8:00PM
開演: 8:30PM
会場: Still Mind Zendo
住所: 37 West 17th Street, 6 Floor (btwn 5th and 6th Aves.) New York, NY 10011
地図: http://goo.gl/maps/nqSo9
入場料: $15.00 (前売), $20.00 (当日)
予約要: contact@marcreation.com / 917-400-9362




春の日本伝統楽器シリーズ

2013-02-26 09:34:48 | 音楽
ここ数年、米国で活動する日本の伝統楽器奏者たちと交流を深め
イベント、コンサートで関わって来た。伝統楽器の可能性を感じるからだ。
海外に居住する日本人として、日本の伝統を大切にしたいと言う気持ちも強い。

来る3月に弊社で「春の日本伝統楽器シリーズ」を開催することになったが
できれば、このシリーズは毎月でもやりたいくらいに思う。

さて、今回は昨年もイベントで何度かご一緒させて頂いた尺八奏者の小濱明人氏
そして、箏、三味線奏者の木村伶香能氏を迎えてのコンサートシリーズ。
昨年8月にも古典楽器のイベントをやったが、その時と同様、今回も
伝統楽器の生演奏をPAを通さずアコースティックで楽しんでもらうのがポイント。
これらの楽器は演奏者の気が感じられるくらいの小さな室内で聞くのが一番良いのだ。

ということでニューヨーク近郊にお住まいの方は是非この機会をお見逃しなく!

前売券を購入ご希望の方は、contact[at]marcreation.com までメールにてどうぞ。


マリオン・ロウジューダスのビデオ「Gravedigger」

2013-02-24 17:01:42 | 音楽
よみタイム「オンガク喫茶」(2013年1月11号)で紹介した
マリオン・ロウージューダス
ジョースパブで行われた彼女のソロコンサート(2013年1月26日)には
筆者も居合わせましたが、この時に収録されたカバー曲
「Gravedigger/Dave Matthews」のビデオがYouTubeで公開されました。
彼女のお気に入りの曲ということです。
ライブを見れなかった皆さん、ぜひご覧ください。

このビデオにも映っている女性コーラスのタビサ・フェアですが、
このコンサートで知り合った別のシンガーソングライター
シェリー・ミラーの先日行われたコンサートでも
出演していてステージ後に再会を果たしました。
相変わらずの美声で見事に脇役シンガーとして役目を果たしていて
次回は彼女のソロコンサートをキャッチしたいと思います。

エミリー・オータムのニューヨーク公演

2013-02-23 13:58:42 | 音楽
昨日(2月22日)、エミリー・オータム
ニューヨーク公演を見てきました。

音楽コンサートと言うより音楽シアターという内容で、
彼女が実際に目指しているブロードウェイの舞台を想定した
発展途上のステージという感じでした。
でも決して未完成という意味ではなく
可能性を大きく秘めたものということ。

生演奏はアンコールでの鍵盤演奏以外、
基本的に全くなくバイオリン演奏を期待していた筆者としては
弱冠、肩すかしだったのだけど
彼女のシンガーソングライターの資質を
知らしめるには充分なものだったし、
エロチシズムとバーレスクの間を行ったり来たりしながら
歌い、シャウトし、踊る彼女のパフォーマンスは充分に楽しめました。
そして、それを支えるヴェロニカ・ヴァーロウ
キャプテン・マゴット
とても刺激的に見せ場を作っていました。

今後はグラマシーシアターを埋め尽くした
熱狂的なゴス系ファンだけに留まらない
幅広い層へのアピールが
今後の更なる成功への鍵となりそう。

「Times Square」に掲載された
彼女の英文インタビューはこちらです。