ゼロからのレコードレーベル

アメリカで日本人がゼロからスタートしたインディー・レーベル。純粋に音楽の楽しさを追求するレーベルの将来はいかに!?

日米同時配信コンサート

2021-03-01 12:02:19 | よみタイム記事
ニューヨークで、新型コロナウイルスの感染拡大により自宅待機令されたのが、2020年3月22日。間も無く1年になろうとしている。パンデミックでイベント業界は壊滅状態となり、ひたすらオンライン作業が続いている。

そんな中、新たなプロジェクトとして着手したのが日米同時配信コンサートで、新宿WALLYと新宿ROTTという強力なパートナーを得て、昨夜第一回目のコンサートが開催された。バンドは2014年から付き合いがあるゴスロリバンド「Hollow Mellow」。

会場のWALLYでは25名限定の有観客ライブで、その模様をVeepsという米国のプラットフォームを使って世界配信をしたわけだが、視聴者は日本とアメリカ以外からも、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ドイツなど、文字通り世界各国から集まった。

演奏も映像も反響も良く、このライブは第2弾、第3弾と継続していく。これからライブの在り方、見方、楽しみ方が、さらに変化していくことは間違いない。日本のインディーズ・アーティストをアメリカで、世界へ向けて、東京のライブハウスから紹介できる喜びは格別。ここから未来のスターが生まれてくると信じている。





音楽ライター

2020-03-18 15:39:11 | よみタイム記事
このブログでも何度か紹介したが、2012年12月から音楽ライターとして、よみタイムという無料日系情報紙の「オンガク喫茶」というコーナーで執筆を始めた。きっかけは同紙編集長に音楽に強いライターがいないから書いてみないかと言う誘いだったのだが、その後、今日(2020年3月19日)までに書いた記事は115件。最近の執筆は不定期で、面白いアーティストを見つけた時のみだが、継続はしている。

ニューヨークでコンサートが決まっている、気になるアーティストのライブを探し、取材を申し込み、インタビューすると言う仕組みだ。個人的に気になるアーティストに「メディア」と言う肩書を使って、堂々とアプローチできたのは非常に効率が良く、有益だった。セルフ・マネジメントも多かったが、ある程度、名前が通っているとマネージャーやパブリシスト(広報担当)がついていて、業界人とコネクションを作る意味でも役に立った。

オンガク喫茶以外での記事も含め、リストに纏めてあるので、興味のある方はご覧ください。


年末年始スペシャル~リチャード・ボナのニューヨーク公演!

2014-12-28 17:04:25 | よみタイム記事
写真 (c) Ingrid Hertfelder

アフリカのカメルーン出身のベーシスト/ボーカリストのリチャード・ボナが、
2014年を締めくくり、2015年の幕開けを祝うべく、
マンハッタンのジャズ・スタンダードにやってくる。

今回は自身が率いるマンデカン・クバーノでアフロ・キューバン音楽の神髄を聞かせる。

この公演に先駆けて、よみタイム12月20日号)のオンガク喫茶
スカイプ・インタビューさせてもらったが、ツアーで飛び回っている為
中々、スケジュールが合わせず、実現できないかもと冷や汗ものだったが何とか遂行。

インタビューは英語で行われたが、演奏同様、てきぱきと軽快に回答してくれる。
考え方も含め、非常に頭の回路が整理されている人なんだと思う。

彼が生まれ育った村で聞いた音楽には全て物語があった。
彼にとって、歌詞があるかないかは問題ではなく、
インストゥルメンタル曲も同じようにストーリーを聞かせるものらしい。

確かに歌詞の意味が判らない外国の曲を聞いて感動することがある。
それはアーティストが描こうとする情景や感情が
リスナーの心情や過去の経験などとシンクロナイズするからだが、
実際に、音楽は言葉や国境を越えるものだと思う。

デジタル時代に突入し、クリック一つで音楽が流れ
誰もがパソコンで音楽を創作できるようになった。
しかし、彼にとって電子音楽は真の意味で音楽ではなく
カラオケ・トラックに合せて演奏することなど到底考えられないと言う。
本物の音楽家は、来る日も来る日も練習に明け暮れ、
一生をかけて努力を積み重ねている人たちだと、はっきりと言う。

カメルーンを出て、パリ、ニューヨークと移住して来たリチャードだが
ビッグアップルの生活も長くなったし、そろそろ潮時かな、ということで
未だ決めていないけどスペインかな、と次の目的地をほのめかす。

また新しい音楽を聞かずして、どうやって作曲するんだい?
というくらい、新しい音楽に関しても敏感で、
最近では、韓国のジャズシンガー、ユーン・スナ
アメリカのゴスペルシンガー、キム・バレル
同じくアメリカのジャズシンガー、セシル・マクロリン・サルヴァントなどを聞いているらしい。

そんなリチャード・ボナのニューヨーク公演です。

【アーティスト】Richard Bona: Mandekan Cubano
【日程】2014年12月30日(火)~2015年1月4日(日)7:30pm / 10:00pm / 11:45pm (1月2日、3日のみ)
【会場】JAZZ STANDARD
【住所】116 E. 27th St. Tel: 212-576-2232
【予約】www.jazzstandard.com
【料金】$35
 ※12月31日(水)7:30pmは$135、10:00pmは$195

【メンバー】
- Richard Bona (ベース、ボーカル)
- Dennis Hernandez (トランペット)
- Rey David (トロンボーン)
- Osmany Parredes (ピアノ)
- Luisito Quintero (パーカッション)
- Roberto Quintero (パーカッション)

【公演スケジュール】
- 12/30(火) 7:30PM ($35.00)
- 12/30(火) 10:00PM ($35.00)
- 12/31(水) 7:30PM ($135.00)
- 12/31(水) 10:30PM ($195.00)
- 1/1(木) 7:30PM ($35.00)
- 1/1(木) 10:00PM ($35.00)
- 1/2(金) 7:30PM ($35.00)
- 1/2(金) 10:00PM ($35.00)
- 1/2(金) 11:45PM ($35.00)
- 1/3(土) 7:30PM ($35.00)
- 1/3(土) 10:00PM ($35.00)
- 1/3(土) 11:45PM ($35.00)
- 1/4(日) 7:30PM ($35.00)
- 1/4(日) 10:00PM ($35.00)

アリス=紗良・オット、ニューヨーク公演

2014-11-29 21:00:24 | よみタイム記事

写真:Esther Haase and DG

昨年、マンハッタンのLe Poison Rougeアリス=紗良・オットのコンサートを見た。
ピアノ演奏は神がかっていたが、ステージ後に話をしてみると
本当にごく普通の明るく礼儀正しい女性で、そのギャップに親近感を覚えた。

そして、よみタイムのオンガク喫茶(11月16日号)
彼女にインタビューする機会が巡ってきた。
ドイツにいる彼女にスカイプで30分ほど話を聞かせてもらったが
何よりも印象に残っているのは、音楽家としては勿論のことだが、
一人の人間として考え方が、とてもしっかりしていて、頷かされることばかりだったこと。
本当に素晴らしい音楽家だと感心させられた。

ピアノに対しての愛情と言えるくらいの深い敬意と
音楽に取組む上での、真摯で謙虚な姿勢には頭が下がる思いだった。

子供の頃、日本語学校に通っている時に読んだという伝記シリーズ。
それらの書物からキューリー夫人、ヘレン・ケラー、
ナイチンゲールの存在を知り、強い女性に憧れたと言う。

音楽にのめりこむ毎日だが、ピラティスをしたり
他にも料理をするのが好きらしい。

妹のモナ=飛鳥・オットは、アリスを追うようにしてピアノを習い始め、
18歳になるまで同じ先生の元、二人で腕を上げ、絆もどんどん深めた。
今でも音楽やピアノなど何でも率直な意見を交せることができる双子のような存在だと言う。

また姉妹だからと言うだけで、全くタイプの妹と比較されることはナンセンスとし
比べられるなら、同じ世代のピアニストの方が良いとも主張していた。

ステージでは靴を履かないアリスだが、その理由は、5年程前、晩年のフランツ・リストが演奏したという
ドイツの会場でコンサートをした時、ハイヒールを履いていては膝がピアノの下に入らない為、
裸足で演奏したのがきっかけだったと言う。

ただ演奏面で裸足でも靴を履いていても変わらないとのことで
強いて言えば、裸足だとペダルがひんやりして気持ちいいくらい、そうだ。

もう明日になったが、ニューヨークで3回目の公演を行うアリス。

演目はベートーヴェンの『テンペスト』とリストの『パガニーニによる大練習曲』だが
両方とも子供の頃に組んだことがあり、とても思い入れがあると言うことで
今回のコンサートの準備にも力が入っている感じだった。

Alice Sara Ott
■11月30日(日)11:00am
■会場:Walter Reade Theater
 165 W. 65th Street, New York, NY 10023
■電話: 212-875-5600
■入場券:$22



ニューヨーク音楽情報オンラインメディア-VAW

2014-05-19 06:39:47 | よみタイム記事
昨年暮れに、友人の紹介で音楽に情熱を燃やす
デザイナー/イラストレーターと出逢い、
それがきっかけで以前からアイデアを温めていた
ニューヨーク発の音楽情報メディアを始めることになった。

名前は「Velvet Air Wave」の頭文字をとって「VAW」。
相棒が音楽を聞き始めるきっかけとなったジャネット・ジャクソンの「The Velvet Rope」
そして、僕に多大なる影響を与えてくれた「Velvet Underground」に共通する「Velvet」、
さらに音楽は空気を通して伝わるという意味を込め「Air Wave」を繋ぎ合わせた。

現在はFacebookTwitterInstagramから配信中。

2003年レーベルから始まって、イベントを手がけるようになり
会社が10周年記念を迎えた今、音楽情報を配信するメディアもスタートできた。

これから、もっと音楽シーンが活発になるように
ニューヨークのライブ音楽を含めた情報発信をしていく。

2014幕開け

2014-01-01 18:07:22 | よみタイム記事
明けましておめでとうございます。

無事、2014年を健康で迎えることができ、まずは感謝。
昨年から始まった様々な企画、計画、目標を
今年は一つずつ確実に形にしていく年になる。

自分の会社も11年目に突入したこともあり、更に気合いが入る。

さて、1月上旬は二つのライブがある。

サンバジャズのMIKA(ピアノ)のトリオ、
そして、花魁ジャズシンガー(実は立派な古典楽器奏者)金子純恵(唄、三味線)のトリオ。

ここ1、2年、彼女たちのライブグッキングを含め
様々な形で関わって来ていてることもあり、大きく飛躍して欲しい二人。

MIKAは1月5日(日)にSomethin' Jazz Clubで
金子純恵は1月8日(水)にTomi Jazzで各々公演。

ニューヨークの音楽シーンを、こんな二人が盛り上げていってくれる。





究極のコンサート・クルーズ!

2013-12-25 17:40:18 | よみタイム記事
2013年3月16日から20日にかけてクルーズに参加した。
しかし、これは普通のクルーズとは異なる音楽ファンならたまらないコンサートクルーズだった。
筆者が参加したのは80年代から活動を続けるヘヴィメタル・バンドが召集される
モンスターズ・オブ・ロック・クルーズ

日本からはラウドネス、英国からはサクソン、
ロンドン・クワイヤーボーイズ、カナダからはヘリックス、
ノルウェーからTNTなどが参加し、
それ以外にも、テスラ、グレート・ホワイト、リンチ・モブ、
リタ・フォード、アルカトラズ、キール、クイーンズライチ、
ストライパー、キックス、トム・キーファーが急遽不参加となったものの
シンデレラなど、淙々たるバンドが名を連ねた。

実は、このクルーズを運営するオン・ザ・ブルー社は
メタルクルーズのみならず、クラシックロックに特化した
ムーディー・ブルーズ・クルーズ、プログレッシブロック・バンドが
大集合するクルース・トゥ・ジ・エッジと3つのコンサートクルーズを
同じ船、機材、船員たちを使って無駄がなく、ビジネスとしても実に良く考えられているし
大好きなバンドと一緒に航海するという、音楽ファンの気持ちも、とても良く理解している内容で本当に感心させられる。

そして、この3大コンサートクルーズが、2014年の春にも開催されることになった。
よみタイム「オンガク喫茶」で、このことについて書いたので是非ご覧いただきたい。

来年は日本のプログレユニット、エレクトリック・アストゥーリアスと一緒に
クルーズ・トゥ・ジ・エッジに参加することになっていて、伝説のプログレバンド、イエスを始め、
スティーブ・ハケットやパトリック・モラーツ、サーガ、マリリオン、
タンジェリン・ドリーム、PFM、なども出演するとのことで、
青い空と海、そして、思う存分プログレロックを満喫してこようと思う。




オンガク喫茶:マザー・フェザー(Mother Feather)

2013-08-24 16:38:15 | よみタイム記事
マザー・フェザーを初めて見たのは、オンガク喫茶で書いた
トリクシー・ウィットリーをブルックリンのGlasslandsで見た時でした。
彼らはトリクシーの前座として出演していたのだけど
クラブに行ったら時間がある限り
バンドを見る習慣があるので
この日も早めに会場入りしていました。

ただ、この時はステージングは面白いバンドだなと思ったものの
音楽が今ひとつ印象に残らず、その後、忘れていました。

ただ最近あることがきっかけで
彼らのことを思い出し、マザー・フェザーPVを見たら
中々いかしていたので、今回オンガク喫茶で取り上げた訳です。

このバンド、地味ながらタイトな演奏陣がいいです。
リードシンガーのアン・コートニーは
マイクを口の中にスッポリ入れてしまったり
ペットボトルの水を自分の頭にかけたり、見ていて飽きない。

キーボード兼ボーカルのリズとの絡み、
二人の振付けは、たまに滑稽に映る時もあるけど
衣装もメイクもばっちり決めて
エンターテイメントしている彼女たちのライブは楽しい。
お客さんも大いに盛り上がってました。

よみタイム Vol.212:2013年8月16日号 オンガク喫茶:マザー・フェザー(Mother Feather)

オンガク喫茶:デビッド・ブローザ(David Broza)

2013-05-18 22:34:55 | よみタイム記事
イスラエルでは大スターのシンガーソグライター、デビッド・ブローザ。
4月22日、シンガーNOA(Achinoam Nini)のコンサートで
マイケル・フェイゲンバウムに紹介されるまで
恥ずかしながら、彼の名前すら知らなかった。

この時、NOAを通してイスラエル人アーティストのコンサートを初体験したが
NOA、そして彼女を支える伴奏陣が余りにも素晴らしく、圧倒されてしまった。

実はデビッド、彼女がデビューする前にオーディションで審査した人物ということで
彼の音楽を聴くまでものなく、5月20日に同会場でコンサートをやるという
デビッド・ブローザをオンガク喫茶で取り上げようと即断。

後日、トライベッカのカフェでインタビュー。
デビューして36年も経っているのに、
日本のメディアに取材を受けたのは
僕が初めてということで光栄に思った。

印象的だったのは、彼が「相手の目を見れば恐いものはない。
恐れは目を背けることから自分が生み出しているもの」と言い
僕の目をじっと見つめたこと。

本物の男は、強さと優しさを持ち合わせている。

余談だが、オンガク喫茶で取り上げたシロ・バプティスタ
デビッド・ブローザのバンドのメンバーである。

今回、彼と知り合って、イスラエル人アーティストに非常に興味を持った。
世界は音楽を通してどんどんと広がる。

よみタイム Vol.206:2013年5月17日号 オンガク喫茶:デビッド・ブローザ(David Broza)

オンガク喫茶:ザ・マミーヘッズ(The Mommyheads)

2013-03-11 07:18:06 | よみタイム記事
一つ前の記事になってしまったが
アメリカのインディーロックバンド
ザ・マミーヘッズのことを書かずにはいられない。

今回の記事は、今年の1月3日、トロントの自宅に居た
キーボードのマイケル・ホルトへの1時間の電話インタビュー、
そして、1月17日にマンハッタンにスタジオを持つ
アダム・エルクを訪問してた際のインタビューの
二つを織り込んで書き上げたものだ。

彼らを発見して以来、ひたすらマミーヘッズの音楽を聞いて惚れ込んでしまったが
3月2日のライブを見て、ますます好きになってしまった。
彼らのライブは、機材がシンプルで、セットアップも片付けも早い。
ラインチェックすらしない。さすが百戦錬磨のライブバンドだ。

そして、演奏もずば抜けて巧い。
技巧的いうのではなく、味のある巧さなのだ。
簡単そうに聞こえて、実は複雑なことを涼しい顔でやってのける。
そして、抜群のメロディーセンスとハーモニー。

ボーカル兼ギターのアダムは
譜面か歌詞かを開いて近くに置いているのに
一向にそっちを見たりしない。
唄う時も目を閉じてることが多いのだ。
何の為に置いているのか良く判らない。

しかし、こんないいバンドが未だにインディーズで
ほとんど知られていないとは恐ろしい。

さらに、前回の彼らのライブは昨年の8月で、その後、
今回のライブまでに、たった一回しかリハーサルをしていないと
ベースのジェーソンはライブの後に話してくれた。
リハもしないのに、このまとまりの良さは、どこから来るのか。
音楽では喰っていけない、と苦笑していたが、
音楽が本職じゃないのに、どうしてこんな巧いのか..

もちろん、マイケルやアダムは音楽の仕事をしているが
やはりマミーヘッズからの収入はないに等しいらしい。

日本にも是非行きたいと言うアダム。
いつかジャパンツアーを実現させてあげたい。
そう思わせるくらい、マミーヘッズは素晴らしかった。

感動。必見。必聴。

よみタイム Vol.200:2013年2月22日号 オンガク喫茶:ザ・マミーヘッズ(The Mommyheads)