たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

栗山尾根~バラモ尾根。暑くて戦意喪失歩き。

2013年07月28日 | 秩父の山
◎2013年7月28日(日)

ダム脇駐車場(7:07)……栗山尾根取り付き(7:21)……奥秩父線8号鉄塔(7:30)……新秩父線66号鉄塔(7:44)……栗山(8:25)……岩場通過(8:59)……1160m地点撤退(10:13)……バラモ尾根への下り(10:24)……作業道下木影線(11:03)……駐車地(11:43)  ※各々、到着時刻

 天候が不安定な状態が続いている。昨日は、犬と年寄りの世話があったので山には行けなかったが、あの天気では、行かなくて正解だったようだ。今日は、どうにでも歩かないと足がなまくらになる。だからといって、足尾や日光に行って、雷雨にあたっているのでは悲惨だ。天気のことを考えると近場で短コース。ろくなコースが浮かばない。夏の時期向きではないが、しぶしぶの妥協で秩父となった。栗山尾根(ここで記す栗山尾根とは、浦山ダムから栗山を経由して、大ドッケに通じる尾根)の下部分、バラモ尾根の上部が未通になったままだ。この機会に埋めてしまおう。かんかん照りにならないのを祈っている。
 天気予報を見たり、犬の世話をしていたら、出だしが遅くなってしまった。ダム脇の駐車場に着いた時は薄ぼんやりとした天気。ラッキーか、と思っていたが、すぐに日差しが出てきた。まだ、時間的には涼しい。速攻といこう。といっても、スタート時点の心持ちはいつもこうだ。30分も持たない。

(うらやまおおはし脇の林道に入る。「進入止」とは珍しい警告)

(浦山ダム)

(ここからは尾根に取り付く)

(これが、途中から急になる)

(8号鉄塔)


 ネイチャーランド浦山に向かう分岐林道のゲートは閉まっている。時間が早いのか、営業していないのかは分からない。当初は、尾根末端から歩くつもりでいたが、左手に「奥秩父線8号に至る」の標識を見てしまい、脇の階段を上がってしまった。巡視路があるのに使わない手はない。階段が切れると、尾根に沿ってジグザグに登る。昨夜はこちらも雨が降ったのか、やたらと滑る。ぜいぜいしながら尾根に上がり、8号鉄塔に到着。展望はあまり良くない。尾根の上方向に別系統の鉄塔が1本見えている。隣の9号方面への巡視路はかすかなものだ。

(栗山尾根。巡視路と共用のため、今のところしっかりはしている)


 「新秩父線66号に至る」の標識があり、巡視路は尾根通しになっている。そろそろ、汗がポタポタと落ちる状態になり、息切れもひどい。ここのところ、滝見やら沢登りの初級が続いていたせいか、ある意味、楽な歩き続きで、この程度の尾根歩きは、しこたま応える。どうにかせんとな。しかし、きつく感じる。

(矢岳方面)

(大持山方面)


 66号鉄塔に到着。ここからの見晴しはいい。西の尾根斜面は広大な伐採地。ということは確か篠戸山。左側のピークが矢岳らしい。なるほど、あれがフナイド尾根か。東側にはピークがいくつか続いている。大持、小持山も見えるはずだろうが、特定ができない。ウイダーインを含んで休憩。30分程度しか歩いていないのに、いやぁ、疲れた。気温はじわりじわりと上がっている。無風。手拭いはもう汗でびっしょり。

(前に来た時は、あそこから下った)

(栗山山頂)


 途中から、巡視路は消えた。代わって、赤い杭なんぞが続く。テープも散見。歩いている人は極めて少ないようで、踏み跡もない。尾根は明瞭だから、間違うことはないだろう。尾根が広がりだし、左手に見覚えのある伐採地が出てきた。栗山尾根を下りに使った際、この伐採地に沿って下りた。12月のことだったから、周囲の様相は随分と違って見える。緑の多いこの時期、やけに薄暗く感じる。これは、この先も続く。
 栗山に到着。昭文社地図には「丸山」と記されている。小さな手書きの山名板には「栗山」。地名の栗山が麓にあるから、栗山が正解ではないのか。三角点の脇に座ってしばらく休む。地べたに座っても、山ヒルには縁のない山のようだ。ここまで1時間20分か。フツーの方なら、1時間くらいで着いているのではないのか。
 暑くなってきてから、身体が少しおかしい。立ちくらみはするは、足がもつれたりもしている。これ、熱中症の初期症状かねぇ。かなりの戦意喪失だが、バラモ尾根はともかく、せめて見たいものがある。前回見られなかった石祠だ。「山の神」と言われているらしい。この先の岩場にあるはず。前回の下りでは、岩場を大迂回して、石祠の大分先に出てしまった。今回はそれがために、下から登っている。しかし、このおぼつかない足取りで、あの危険極まりない(この時はそう思い込んでいた)岩場を通過できるのだろうか。今回もまた迂回かもな。蛇足だが、当時、この岩場の通過でえらく疲労し、翌日に予定されていたハイトス隊の奈良部山攻略に不参加を余儀なくされた経緯がある。

(岩場が出てくる)

(ここは慎重になった)

(巻き道?かと思う。テープ類はない)

(ここが最後の岩場だった)


 しばらく行くと、岩場が出てきた。そろそろだ。迂回路なのか、左右に踏み跡が分岐する。かまわずそのまま行く。ヤセの岩場。岩は滑るが、何とか通過した。危ういところもあったが、危険は感ぜずに済んだ。右手が伐採地になり、どうやら岩場は終了したようだ。右先には大平山が見えてくる。見覚えあり。はて、これは異な。前回、70mも下って巻いた、あの岩場はどこにいったのか。そして、肝心の石祠は?注意深く左右を確認しながら歩いたのに。上を少し巻いたところが一か所あったが、あそこだったろうか。それにしても、すんなりと通過できる岩場ではなかったはずなのに。間違ったかと、GPSを確認する。律儀に尾根上を歩いている。何とも不思議だ。戻って、こける危惧もあるので、ここはあきらめる。

(右手は伐採地)

(大平山方面からの作業道終点)

(大平山)

(長沢背稜)


 薄暗い植林の中に入った。どうも陰気くさいので、伐採地側の上を歩いた。歩きづらい。西側に続いている作業道。大平山の下に向かっていると思われるが、ここが終点になっている。日差しに出ると、めちゃくちゃ暑く、温度計は30℃を指している。そそくさと林に戻る。

(ここでUターン)

(バラモ尾根には、ここから右に下る)


 さて、この先、ここまで来たら、予定通りにバラモ尾根を下るつもりでいるが、特別な意識もなく、上に向かっている。別に、大ドッケに行くつもりはない。気づかぬうちに、平らになっているバラモ尾根分岐を通過していた。なおも、薄暗い植林の中の登りを続けている。地形図を見ると、無意識に1145m標高点の上まで来ていた。この辺、迂回路があったのに、無理して急登をしていた。別に楽しんでいたわけでもない。二重山稜のようなところに出て、鞍部で休んだ。ここで撤退しよう。何だか、やる気のない歩きになってしまっている。
 分岐に戻る。確か、ここには赤いテープがあったかと思ったが、見あたらない。白いテープだけが巻かれている。ここでミス。尾根型に合わせて下ったら、別尾根に入り込んでしまった。コンパスを見たら、別方向。トラバースして、バラモ尾根に入り、コンパスを首にぶら下げて下る。ひからびたスズタケが繁茂しているが、何ら影響なし。踏み跡はない。

(バラモ尾根はこんな感じ)

(この辺は、前に来た際に歩いている)

(ここまで、栗山尾根を含めて、怪しげなキノコが結構あった)


 なかなか急で、上りに使うとなると、やっかいそうだ。ただ、この尾根、上り使用は確実。下り使用だと、下部で北に軌道修正しないと断崖に突きあたる。やけに栗のイガが落ちている。秋には、クマもかなり出てくるのではないのか。
 尾根から外れた右側に赤テープが見えた。下りてみた。その先は伐採地で、ネットが下に続いていた。おそらく、ネット伝いに下っても作業道に出られるだろうが、ここは尾根に戻る。間もなく、前回、ガスでUターンした個所に着いた。後は安心だ。右側にネットが見え出し、作業道も覗く。作業道真上の鉄塔で菓子パンを食べる。

(作業道からバラモ尾根寸断部分)


 ここから、小学校だか中学校跡まで、バラモ尾根を下るつもりはない。作業道を下るつもりだ。すでに帽子は汗を吸いこんで重くなり、手拭いをかぶって下る。
 この作業道、最近の雨のためか、かなり荒れていて、車は通れない状態になっている。道の真ん中にシカの骸。最近のものだ。上から落ちて来たのだろうか。この様子では、車は通ってもいないだろう。沢で顔を洗う。ふと、缶コーヒーが開けられないままに冷やしてあった。日付は10日前に切れているが、無性に飲みたい衝動にかられた。きっと、元気も回復するんじゃないのか。だが、さっき、シカの骸を見たばかりだ。自分も道路の真ん中に骸になって横たわり、ハエがたかっている図を想像したくもない。水に戻した。

(林道終点。ここから舗装道)


 林道を出て舗装道を下る。えらく暑くなっている。33℃だ。身体はネバネバ。木蔭に入り込み、ショートカットしようとしたが、途中で行き止まり。戻って、また汗をかく。今日もまた水をあまり採らなかった。1リットルの水筒の半分。汗はいったいどこから出てくるのやら。

(駐車場に到着)


 駐車場に着いた。ほっとした。着替えの前に、エアコンをつけて涼んだ。ボーっとしていた頭の巡りがようやく戻ってきた。標高の高い奥秩父の山ならともかく、半端な標高の秩父の山は、この時期、やはりやめておけばよかった。だけど、バラモ尾根、栗山尾根ともに全通は念願でもあったから、それが叶ってよしとするか。石祠は、再訪することもあるまい。HIDEJIさんあたりが見つけてくれるかもしれないし。
 早い時間での帰りだったため、秩父市内の渋滞にはまることはなかった。だが、家までの1時間ちょい、眠くてどうしようもなかった。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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14 コメント

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暑さ訓練 (ななころび)
2013-07-29 07:14:00
こんにちは。
変な天気が続きます、ここ数日日光方面は毎日雷、雨の連続です。27,28日は山歩き無しでした。
5時間でだけでも歩けたたそがれさんは、羨ましいです。
私も、次の週末は気合を入れて歩かねばと思っています。
栗山尾根、バラモ尾根共に、春秋や冬などに歩くのはよさそうな所ですね、私は全く土地勘がない所です。そのうち、足を向けてみようと思っています。
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ななころびさん (たそがれオヤジ)
2013-07-29 08:53:49
おはようございます。
この記事、だれからもコメントはナシと思っておりましたが、ななさんからいただくとは。
そうですか。ななさんは今日はどこにいらしているのだろうかと思っておりましたが、山梨県でしたか。珍しい。
5時間だけ歩いても、熱中症なりかけの歩きなんざ、まったく意味なしですよ。
この辺、ズバリ、冬向けです。植林帯ですから、紅葉はさほどでもないでしょう。機会がありましたら歩いてみてください。
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バラモ尾根 (ハイトス)
2013-07-29 21:17:12
こんばんは。
この時期に千メートル前後の秩父の山を選ぶとはホントにしぶしぶの妥協の産物なのでしょうね。
標高的には桐生の鳴神クラスですものね。

バラモは以前話題に上がり結構下調べをした覚えがありますが、いつの間にか頓挫しておりました。
たそがれさんと同行しましょうか等と行っていた記憶もありますが。(スミマセン、記憶には残っておりました)
他に面白そうな場所が多いと言うことでしょうかね。

気になっていた未踏尾根を走破したと言うことで一件落着でしょうか。
でもあの大岩は結構厳しそうだとの記憶がありましたがたそがれさんに掛かるとなんてこと無いのかぁ。
さすがです。
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Unknown (ぶなじろう)
2013-07-29 22:05:07
今晩は。
今冬、いつものサボり癖が出て、この辺りの徘徊がおろそかになってしまいました。
しかしながら、本記事は大変参考になりました。様子が何となく判りました。

紅葉の件ですが・・・。最もポピュラーな「峠の尾根」の紅葉は、大ドッケ?より下で、とても素晴らしいものがあります。紅葉見物でしたら、「峠の尾根」が超お勧めです。ポピュラーなのに、人には出会った事がありません。

そうそう、今日立ち読みしてビツクリしたのですが、新ハイキング社のガイド本に福○○の位置が地図入りで出ていました。ネットの世界での配慮もこうなるとダイナシですねぇ~。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2013-07-29 22:23:27
こんばんは。
ハイトスさんが興味をお持ちだったのは、私の記憶違いでなければ、バラモ尾根ではなく、大久保沢から大平山ルートだったかと。そのルートはそのままにしてありますが、今回のように、どこにも行くところがなければ、一人で歩いて来る可能性はあるでしょう。しかし、暑いうちは歩けませんよ。
確かに、未踏部分はカバーしたということで、目障りなところはなくなったというところですが、神秘めいていたバラモ尾根の近くにフェンスがずっと続いていたというのも、がっかりものです。
あの岩場は、何でしょうかね。別のところを歩いている感じでした。上りと下りの様相がこんなに違うとは…。
今日、他の方の記事をヤマレコで見ましたが、私が「最後の岩場」と記した写真の場所の手前にあったようですね。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2013-07-29 22:33:53
こんばんは。
この辺によく入られるぶなじろうさんに、少しでも参考になれば幸いです。ただ、この時期と、晩秋から春先にかけての雰囲気は全然違いますから、お役に立てるかどうか。
峠ノ尾根の紅葉、確か、ぶなじろうさんの記事で拝見した記憶があります。そうでしたね。失念しておりました。「紅葉はさほどではない」。この発言は訂正いたします。自分で確認していたわけでもないので、機会がありましたら、見に行ってまいりますよ。
新ハイキングの記事、私も見ました。あれはないですね。沢に降り立つ手前の斜面が随分と崩れていましたが、さらに崩れれば、当分は行けなくなるのではないでしょうか。ある意味、期待もしたくなるところです。
最近の新ハイキングの記事に赤岩滝が出ていました。あれを見て、しばらくは、赤岩滝に行くこともなくなりましたよ。
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栗山尾根 (HIDEJI)
2013-07-30 00:07:08
こんばんは。
秩父にご出張されたのですね。
記事を拝見し、昨年、矢岳を訪れた際のいやな暑さとしんどさが蘇りました。

前回、3月に太平山に訪れた際、大ドッケを外してしまい、少し悔いが残っており、また、たそがれさんのバラモ尾根の記事を見て、栗山尾根もしくはバラモ尾根をあたり絡めて、いずれは再訪しなければと考えておりましたが、今の時期は、さすがに厳しいですね。。
あの暑さ、矢岳の時に懲りておりますので、涼しくなりましたら、チャレンジしたいと思います。
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HEDEJIさん (たそがれオヤジ)
2013-07-30 05:41:37
おはようございます。
やはり、秩父の出張、暑さに負けました。矢岳は、少なくもこの倍は時間もかかるはず。考えただけでもぞっとしますよ。自分も行きませんね。
HEDEJIさんは大ドッケ残しておりましたか。何ということのないピークで、ピークそのものも、果たしてこれでいいのかと思うようなところですが、さも山奥の象徴といった感じのニュアンスはありますね。
ぶなじろうさん情報では、峠ノ尾根が素晴らしいようです。その時期ねらいがいいようですね。
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あえて (みー猫)
2013-07-30 22:44:18
こんばんわ。
真夏の低山、今年はまだですがこのくらいの標高ですと、小川か、ぴちゃぴちゃ程度の沢が欲しいところですね。なかなかそのような適地がないのですが、近場の低山でも探索してみようかなと思いましたです。お疲れ様でした。
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2013-07-31 05:40:30
おはようございます。
沢付きの低山、いいですね。早速、お願いいたしますよ。
みー猫さんのローテーションからすると、次回は近場ということになりますかね。即、後追いさせていただきます。あまり、危険そうでないところでよろしく。だけど、レベルの感覚が違いますからね。参考程度になるかも。
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