たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

山伏峠から御正体山、石割山

2009年12月28日 | 富士山見物
◎2009年12月27日(日)―1人

 栃木の山から見た富士山はぼんやりして小さかった。富士山を間近から無性に見たい。それだけのこと。この時期になると毎年繰り返す一種の発作。三ツ峠山から見た富士山も大きかったけど、地図を調べると、地理的にも、石割山やら御正体山が富士山に近い。近けりゃ、きっと、感動もより大きいだろう。正直のところ、両山ともに、調べるまで知らなかった山。御正体山は皇太子も行かれたことがあるらしい。保証付きということだ。地元としても、まずい富士山をお見せするわけにはいかないだろう。昭文社のエリアマップでは、この界隈、3エリアにまたがっている。「富士山」「高尾・陣馬」「丹沢」。いずれも持っていたから、勤務先のコピー機でちゃっかりカラーコピーをしたのだが、つなげられなかった。緯度・軽度のブロックで編集されているはずなのに、どうしてずれるの?結局、1/25,000の「御正体山」を買って出かけた。現場に行かないと、状況がよく分からず、コースを変えないといけない場合もある。一通り網羅している地図の方が具合がいい。

 4時に起き、4時半に出発。東松山から入り、圏央道。今日は日曜日だから、てっきり1,000円だと思っていたが、山中湖で下りる際に3,000円超えの表示が出ていた。後で知ったことだが、今日は適用外だったらしい。年末に1,000円運用はしないことにする話は聞いていたが、せいぜい31日までの3日間だと勝手に思い込んでいた。今日まで待って欲しかった。これでは、帰りはケチらないとだめだな。

 山中湖に着いたのは、ちょうど7時前の日の出。湖畔に富士山を撮る観光客があふれていた。裾野から山頂まで丸見え。自分も朝焼けの富士を撮りたかったが、我慢して先を急ぐ。山中湖が正面に入った富士山を撮るよりも、山中湖を見下ろす富士山の方がいい。道志道に入る。山伏トンネルの周辺には、ネットで読んだ諸事情があって車を置けないらしい。確かに、トンネルを越えて道志村に入っても、路肩駐車すら無理だった。引き返し、トンネルの手前、300mくらいの、車が4~5台置ける空き地を見つけて駐めた。7時5分出発。トンネルの右側の旧ホテル(跡地?)の入り口には、見張り役の方が2人立っていた。トンネルをくぐり、広場の脇から峠に向かう。くねくねした急坂を登って、峠。7時18分。

(石割山分岐)


 早々に汗をかいた。今日は雪の心配をして出てきた。下着も、この時期用の長袖、長タイツまで穿いている。暑い。さらに、アイゼンと杖2本、富士山を眺めながらラーメンを食べようと、ガスとコンロ、コッヘル一式が加わり、結局、最後まで一切使うことはまったくなかったものまで担いでいた。石割山分岐7時50分。左手に富士山がちらちらと見える。なるほどでかい。木々が邪魔して写真には撮れない。御正体山からは富士山は望めないらしい。唯一この先、高圧線鉄塔の周辺が刈り払われていて、展望がすこぶる良いようだ。右手にその鉄塔が見える。御正体山はその遥か先に見える。結構、距離があるよ。

(奥ノ岳から御正体山)

(鉄塔からの富士山。石割山に続く尾根)


 奥ノ岳を通過して鉄塔。8時2分。感嘆のため息が出た。右手には真っ白な南アルプスの峰々が続く。神々しい光景だ。しばらく休む。富士山の手前にある山が石割山の手前の山か。あそこも遠い。石割山からの富士山がもっとでかいだろうことは予想がつく。一時、迷った。御正体山はもういいのではないか。どうせ、この先、これ以上の富士山眺望は期待できない。このまま、石割山に行こうかと。迷いを捨てて、御正体山に向かう。少し、気になった。今日の天気は午後から崩れる。本当は昨日の予定にしていたが、昨日は今日と反対に午後から良くなった。富士山ライブカメラを見ていたら、確かに、富士山が見え出したのは午後からだった。天気予報は当たっている。今日も当たるかもしれない。心なしか、富士山のバックが白くなってきているような。

(南アルプス)


 ここから、アップダウンが続く。中ノ岳8時34分、前ノ岳8時59分。だれかのブログに、石割山側からの奥ノ岳、中ノ岳、前ノ岳の順序の配置が釈然としないと記されていた。これを御正体山側からの論理にすると、妥当な位置関係にはなると思うが、南を正面ととらえれば、前、中、奥、本体が正当な位置関係かなとも思ってしまう。それはともかく、前ノ岳を過ぎてから、傾斜は急になってきた。左手の樹間に富士山がちらちら見える。確かに、邪魔のない富士山は見られなくなった。

(急な斜面が続く)

(御正体山山頂)


 9時38分、山頂到着。同年輩が1人食事中。三輪神社の先の林道から歩いて来たそうだ。7時歩き出しで、2時間半か。大宮から来たと言っていたが、彼もまた、オレと同様、1,000円高速の年末勘違いだった。鹿留川から入るコースとの合流点からの富士山もきれいらしい。皇太子がどのコースをお歩きになったかは知らないが、整備されてアップダウンの少ない北側からのコースが設定されたのだろう。皇族である以上は、三輪神社からのコースが相応しいと思うのだが。やはり、ここは展望に恵まれない山頂である。恒例により、ミニ三脚を置いてセルフ。見ていた大宮さんが撮りましょうかと言ってくれたが、大宮さんは一眼レフカメラだったから、こちらが気恥ずかしくなって、「いつもこれですから」と断った。一眼レフをあやつる方に、コンデジを預けるのはためらいがある。15分ほどいて下山する。大宮さんも下って行った。

 中ノ岳を過ぎたあたりで、登ってくる親子に出会った。山頂に人がいるかどうかをえらく気にしている。何故かは知らない。車はトンネルの山中湖側出口すぐのところに置いたらしい。ちょうど、旧ホテルの入り口だ。確かに、道の真ん中には赤い警告ポールが置かれていたが、その手前、3~4台の駐車が可能なエリアは使ってもいいということだろうか。話好きなパパらしく、長い立ち話になってしまった。

(次第に霞んできた)


 なかなかきつい下り。アップダウンがあるから、上りにさしかかるとうんざりする。この繰り返しでようやく富士山展望の鉄塔に着く。10時58分。足も痛くなってきた。今日はろくに食べていない。往路時にここでウイダーインを含み、山頂でアンパンを食べただけだ。富士山を見ながらオニギリを1個食べる。ずっと眺めていても本当に飽きのこない山だ。やはり、雲が多くなってきた。石割山はどうしよう。富士山の下に見える、石割山に向かういくつかの山のコブ。地形図で見ると、標高からして、石割山はさらに先ではなかろうか。今日は、余力があればというよりも、余力があることを前提に石割山をも予定に組み込んでいたが、余力はなくなっていた。上り時の山頂直下の急登、下り時のアップダウンにやられてしまった。また迷った。ここは迷いの鉄塔だね。出た結論は、行けるところまで行くということ。ただ、己のふがいなさを正当化するため、天気が崩れることを期待した面もある。富士山が見えなきゃ、石割山もただの山にすぎないわけだから、「雲が出て富士山が見えなくなったから、途中で戻った」と言い訳するシチュエーションを、無意識の中で想定したわけだ。

 コースタイムでは、分岐からの往復が2時間30分。早くて3時間はかかるか。分岐出発11時14分。最初は下りだったからまだいい。そして上り。数十歩登って休む連続。むろん、休んでハーハーしている時間が長くなる。こんなことをやっていたら、富士山が雲に隠れるのに間に合わないんじゃないの。笹薮に入る。背丈を越すが、しっかりとした道が中を通っている。ここも起伏が多い尾根だ。目の前の1446mピークがうとましいく見える。ところが、道は、尾根を巻くようについている。高みに登る手前に「この先行き止まり」の表示が置かれている。道型はしっかりと上に向かっているが、最近は歩かれていないようだ。ほっとした。尾根を実直に歩かずともいいわけだ。ただ、気にはなる。石割山よりも高い標高だ。富士山の見え具合はどんなものだろうか。もっとも、その時、そんな思いを抱く余裕はなかった。この先、ずっと尾根巻きの道が続いていた。

(石割山山頂)


 ここにもある鉄塔。その先には平坦な場所が見える。「石割山5分」の標示。ただ、「5」はつぶしている。その平坦な場所が石割山山頂だった。12時13分到着。何とか間に合った。まだ富士山が見える。周りには夫婦者らしき2組。赤土がやたらぬかるみ、歩くたびに靴底がどんどん厚くなる。うっとうしい。草地を選んで腰をかけオニギリを食べる。隣で夫婦が湯をわかしてカップラーメンを食べている。こっちもラーメンを食べたくなったが、何だか面倒くさくなってやめた。到着して10分。富士山はついに消えてしまった。危ういところだった。

(石割山からの富士山。下に山中湖)


 何とか、山伏峠の分岐に到着。13時15分。転倒1回。トラロープが張ってあった意味を転んで理解した。辺りが薄暗くなり、御正体山も見えなくなってしまっていた。ここからが気分的にかなり長かった。まさに延々といったところ。陽が陰ってきたら寒くなってきた。山伏峠13時39分。ここから山中湖側に降りて、戻された人がいるみたいだ。駐車地に着いたのは13時52分。最近、長時間歩きはほとんどなくなったが、今日の7時間歩きはちょっと長かったかな。

(山伏トンネル)


 帰りは、このまま道志村を通って相模湖インターから帰ることにする。節約コース。山道ゆえ、カーブが多い。汗をかなりかき、風呂に入りたかったが、中央高速の渋滞を考え、下着を取り替えるだけで我慢した。木から電話が入った。受話器を通して、聞き覚えのある犬の吠え声がする。ウチに来年のカレンダーとタクアンを持ってきたが、だれもいないから置いていくとのこと。吠えていた犬はウチの犬だったのか。タクアンを犬に食われていなけれゃいいが。木家のタクアンはやや酸味が強く、刺激臭もあるが、オレにとっては一種の美味だ。楽しみにしている。中央高速は意外にスムーズ。やはり、1,000円無効高速代の影響だろうか。さて、年内にあと1回くらい、どこかに行けるかな。

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4 コメント

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男前 (K女)
2009-12-28 22:33:48
やはり、富士山は素敵ですね。真っ白になっている姿もいいね~。ついこの前まで、1/3位の雪だったのに、さすが日本一の山 アップダウンが多くて、7時間はご苦労様でした。雪が無かったのは意外でした。年末にもう1回、挑戦ですか?寒波が来るから注意してくださいね。
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Unknown (ぶなじろう)
2009-12-28 23:55:09
じつは、おいらも富士山好きだったんですよ。但し、見るだけ。

そして、山から逃げ出す事をいつも考えているのも同じ。何か理由をつけて帰っちゃう。判りますです。

おいらの場合、1000円と思っていた高速代が1900円。目が点になったです。何かの間違えではないかと。この記事を見て、はじめて知りましたです。年末も高速代、とられるとは!
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K女さんへ (たそがれオヤジ)
2009-12-29 09:12:58
K女さんにとっては、富士山も全容が良かったですかね。今思うと、朝焼けの富士山を山中湖の裾野から撮った写真を入れられれば良かったですけど。何せ、初めてのところで、気持ちの余裕もなかったものですから。機会があったらということにしておいてください。しばらくは富士山も遠くから眺める山にしておきます。
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ぶなじろうさんへ (たそがれオヤジ)
2009-12-29 09:20:10
高速代1,000円は流通業界からの申し入れで1日からということらしいですね。めちゃ混みでしょう。久しぶりに日光方面とも思っているのですが、ぶなじろうさんの場合、高速利用ですから、1日以降なら渋滞にはまりますね。私は一般道で行けますから、その点は影響はありません。ぶなじろうさんのブログを拝見していると、決して「山から逃げ出す事を~」とは思えませんね。悪天でも、雪が上から落ちてきてからでも、結構、長丁場を歩いているじゃないですか。感心しますよ。
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