たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

姥穴山はやはり地味~いな山だった

2010年01月18日 | 桐生市周辺の山
◎2010年1月17日(日)─1人

 今日も桐生で野暮用があった。桐生の山が特別にお気に入りといったわけではないが、2日続きになってしまった。昨日もそうだったが、夕方にも桐生に来ないといけないので、桐生エリア以外に選択の余地がない。それでも昨日は、山を下りてからの時間つぶし場所もあったからいいが、相手の都合もあるし、今日は遠慮した。洗濯もしないといけないし、一旦、家に帰ることを前提にすれば、せいぜい3時間といったところか。そこで目にしたのが足利の小俣から入る城山~姥穴山コース。地味ながらも時間的にはちょうどいい。「おっさんの山旅」ルートで歩いてみた。駐車場は、春日神社向かいの集会所の空地に勝手に置かせてもらった。

(春日神社)

(石仏群)


 8時50分出発。昨日は寒さが応えた。股引を穿き、シャツも厚手。お湯も持参。春日神社に寄る。江戸時代前期の建立のようだ。参道の入り口にある近所の会社の看板が雰囲気を台無しにしている。道路をはさんで向かい側には石仏、石碑群。これはOKか。「おっさんの山旅」や他のネット情報では、この先の宝珠坊橋を渡ってすぐに右折、取り付きに馬頭観音や供養塔の碑があるという。ところが、どこをさがしても、目印になるようなものはない。第一、右折するようなところがないのである。民家が4~5軒ほど立ち並び、右折すれば、民家の庭先に入ってしまう。まさかこんなところから入るわけにはいかないだろう。しばらく道路沿いに歩き、民家から離れた雑木林に入ってみた。しかし、こことて道があるわけはない。民家を回りこむにはこれしかない。背丈を超えるヤブが広がっている。仕方なしの強行突破。竹ヤブをくぐり、かなり密な雑木の間をかきわけながら右上向きにトラバースしていく。枯葉が滑る。枝が顔にあたり、ザックや衣類にひっかかる。そして、出来る限り民家から遠ざかるようにして上に向かわないと、ザワザワとした物音で騒ぎを起こしてしまう。もちろん空は見えないから、勘で行くしかない。苦しまぎれに何度も叫びたくなった。それ以上に、民家の上の方で、自分がとんでもない悪いことをしているような錯覚になった。

(岩場の展望地から石尊山)


 15分ほどもがいて、ようやくヤブも疎になり、空が見えだした。全身、枝葉だらけになっていた。民家の屋根も大分下で小さくなっている。石尊山も見えている。尾根状になっているから、これを歩けばいいのだろうが、踏み跡といっても、獣道が左右に走っているので、あったとしても役には立つまい。ここまで大量に汗をかいた。これで風が冷たいとなったら、たまったものじゃないなぁと思ったが、昨日と違い、ここは赤城おろしもモロには届かない。地形的なこともあるのだろう。吾妻山~鳴神山の稜線が風よけになっているのかも。

 9時20分、展望の良い大岩の左下に石祠を発見。大きさこそ違え、何で、石祠はこうも同じ形をしているのだろう。決まりがあるのか、それとも、かつて、指定の工房でもあったのか。この大岩からは尾根上の道の形もしっかりしてきた。石祠もあるぐらいだから、正式なルートが別にあってここに合流しているのだろうか。しかし、石祠の周囲を見ても、明瞭なのはあちこちに走る獣道だけ。ということは、ここに下りはしたが、そのままUターンしたか、てんで勝手に下って行ったといったところか。バリエーションルートも同時に終わってしまった。後はずっと地味な里山歩きのスタイルとなる。

(城山)

(城山山頂)


 9時20分、共同アンテナ。こういうのって、地デジになっても役目が続くのかね。北西方面の山並みが見えてくる。赤城山は昨日よりも姿が薄くなっている。吹雪だな。9時36分、城山分岐。表示板が初めて現れた。自分が上がって来たルートには「宝珠坊橋」の表記。そのまま城山に向かう。直下にはトラロープがあった。こう乾燥していると、土も滑りやすくなっていて、下りでは助かった。こじんまりしたピーク。小俣城址。謙信の軍勢を退散させたとか。これから向かう姥穴山が正面に見える。その左側には浅間山がきれいに見える。下にはゴルフ場。春先の陽光ハイキングにはいい所かも。

 城山を下る。今日は今日で、服装を間違った。風がない。厚着に失敗。暑い。絶えず汗が流れている。向こうから人の声。6人のジイサン、バアサングループ。リーダー格が「姥山に行くんかい?」と聞いてきた。確実に上州人。このグループ以外に今日は会わなかった。ここも登山道が荒れている。何か所も倒木が道をふさいでいる。10時、「カタクリ群生地」への分岐標示があった。駐車地にも「カタクリ群生地」の看板があったけど、どこかという説明はなかった。ここから2つほどのピークを越える。2つ目には桐生市基準点が置かれていた。

(姥穴山山頂)


 10時27分、姥穴山分岐。小さな植林地を通り、急斜面を登っていく。ジグザグにつけられたロープが助かる。10時38分、姥穴山。細長い山頂。石祠と石像。この山も山名が複数あるらしい。他に御嶽山、障子山。石祠に彫られた名前は御嶽山。年号が記されている。大正だから、それほど古くはない。天正の間違いではあるまい。石像は何神なのかオレには分からない。セメントだかコンクリートで補修してあった。ここを桐生市街に向かって下ると、石祠や石碑、石像にお目にかかれるらしいが、今日はそれほどの気分もないので、そのまま白葉峠を目指して下る。

(向こうに昨日歩いた吾妻山からの稜線)

(白葉峠)


 2つほどピークを越えながらの下り。左手には、昨日歩いたコースがはっきりと見える。11時7分、白葉峠。ここからは車道歩きになる。車道をはさんで向かい側にロープが垂れていた。後で知ったことだが、この先に高萩山という山があり、車道を通らなくとも麓に下りられるらしい。知っていれば、そっちを歩いたのにちょっと残念だ。ということで、30分の車道歩きで駐車場に着いた。林道では車1台にも会わなかった。ここの林道はゴミの投棄がすごく、目をそむけながら歩いた。

 石尊山あたりは混んでいたのであろうか。神社を含めて車が15台くらい置かれていた。前に石尊山から深高山に行き、猪子トンネルからここまで車道を1時間かけて歩いたことがあったなぁ。11時40分、駐車場。ちょうど良い時間だ。2時間50分か。持参したお湯の出番は結局なかった。昨日と違って暖かいものが欲しくもならない。帰りに気になって、宝珠坊橋のすぐ側に車を駐め、改めて入り口付近を探ってみた。やはり、馬頭観音は目につかなかった。これ以上探索すると、不審に思われるのでいい加減で切り上げた。

※後日、ネットで確認すると、この碑を確認できずに、この地の方に聞いてやっと分かったという記事があった。放置されたままになっていて、だれも歩かず、草に埋もれてしまっているらしい。

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6 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2010-01-18 22:47:49
いいですねぇ~。
午前中に、お山に登り、午後には下界の用事を済ませる。おいらには考えられません。どんな小ヤマでも、一日掛かりですもの。

小ヤマとはいえ、歴史の宝庫。深めるつもりになれば、色々と面白そうな趣も感じられますね。

栃木弁と群馬弁、おいらもほぼ完璧に聞き分けられます。栃木弁と茨城弁はときに間違えるときがあります。
ぶなじろうさんへ (たそがれオヤジ)
2010-01-19 08:45:59
いや違うんですよ。午前、夕方ともに桐生で用事があったのです。つまり、送迎なのです。ですから、その間に行けるところといったら、桐生周辺しかなかったわけです。
私も栃木、茨城に福島が加わると時として間違えますね。
連チャンですね。 (ハイトス)
2010-01-19 14:13:31
こんにちは。
同じく土日と連チャンで山歩きをしていたハイトスです。
藪こぎ、お疲れ様でした。
姥穴山はいつも見ている近場なのですがいつも通り過ぎていました。
そのためまだ未踏です。
宝珠坊橋のすぐ側の馬頭観音ですが、見つかり辛い場所に有るようですね。
今度行ったら探してみましょう。
北から降りてきて宝珠坊橋を渡ったらすぐに川に沿って右に行くと有るそうですが、草をかき分けなくてはならないのですね。
姥穴山は御嶽山、障子山の他に桐生山野研究会hisiyamaさんによると桐生の北部の人は桐生富士と呼んでいたそうです。
別名の多い山ですよね。
ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2010-01-19 20:53:33
今晩は。桐生富士ともいうのですか。確かに富士山ぽく見えなくもないですけどね。むしろ城山の方が富士山型に近いような。でも城山では桐生富士にならないですね。足利のお山ですから。
この山、ハイトスさんはまだでしたか。お薦めしますよ。私のルート(といっても、ヤブはやめた方が無難です)に、白葉峠から高萩山、石尊山経由でやってみてください。
姥穴山拝見 (オッサン)
2010-01-20 08:51:23
たそがれオヤジさん
姥穴山の山行記拝見しました。
取り付き地点の宝珠坊橋を渡り右折すると、近くに馬頭観音が置かれていたのですが、月日が経過してヤブに埋もれてしまったのでしょうか?確かに民家の裏をごそごそ取り付くのは、さすがに気が引けますよね。オッサンは気が弱いので、下山時に民家の庭に降り立つてしまったときなどオドオド気が動転してしまいます。たそがれさんが書いていられるように何故か悪いことをしているような錯覚になります。

クタクタ山歩きのブログですが、オッサンのリンク集に載せておきました。悪しからず御了承お願いします。
オッサンさん (たそがれオヤジ)
2010-01-20 12:17:30
リンク集の件、ありがとうございます。以前から親しんでおりました「オッサンの山旅」です。むしろ光栄です。
今後とも、ドタバタの山歩きに励みます。

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