Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

LA BOHEME (Fri, Dec 26, 2008)

2008-12-26 | メトロポリタン・オペラ
先週のシリウスでの感想で、”技術的には全然駄目なところがてんこもり”とまで言いながら、
その”まとまってなさゆえの独特の荒削りな魅力”にかなり私の期待が高まっていたコヴァレフスカのミミ。
どれくらい高まってしまったかというと、元々チケットを保有しているラン最後に近い日程の公演では
ロドルフォがマッシモ・ジョルダーノであったことに今更ながら気付き、
早くコヴァレフスカのミミを生で聴きたいのと、ヴァルガスとのコンビも見ておきたい気持ちが
沸々と湧きあがり、チケットを買い足してしまったくらいなのです。
それも、こんなに直前に手配したために、好きに席を選ぶなどという自由も利かず、
パーテールボックスというとんでもない大盤振る舞いをしなければならなくなったにも関わらず。
『タイス』ではクリントン元大統領ご家族が座っていらしたというボックスですが、
ここ数年の席種によるチケット価格の見直しにより、このパーテールボックスは
本当に法外な価格になってしまい、今では私はほとんど座りません。
(ちなみに今日のチケットは約$350。)
というのも、価格が音や視界の良さと正比例するならともかく、私には全然そうは思えない。
今日座ってみて、再確認しましたが、私の好みにしては、パーテールは少し歌手の声に比べて
オケの音が大きく聴こえる傾向にあるように思います。
グランド・ティアの座席代に$100以上上乗せしてパーテールに座る意味はでは何か?というと、
”雰囲気”、これのみです。
各ボックスに入るには、アッシャーに鍵を開けて入れてもらわなければならず、
そのボックスのチケットを持たない人はアクセスできない、とか、
ボックス毎に専用のコートかけがある、、くらいですが。
ということで、ガラなど特別な機会をのぞいては、元々割とカジュアルな雰囲気で知られるメトですが、
その中では、”オペラハウスに来た!”という雰囲気は楽しめると思います。
実際、服装も、若干他の席種より正装&盛装な人が多いように思います。

ということで、傾向として、普段は割に裕福な年配の人が多い席種でもあるのですが、
それにしては今日のパーテールの客筋はとても若い!お年を召した客と半々くらいの感じで、
20代前半から半ばと思われる友人連れ、カップルなどが交じっています。
みんな派手ではないけれど、さりげなくおしゃれをしていてとってもいい感じ。
クリスマスのプレゼントにカップルのどちらかがオペラのチケットを贈ったのか(25日は公演がないので、
クリスマスに最も近い公演日は、今日26日になります。)、
お年を召したサブスクライバーが孫たちにチケットを譲ったのか、
(そして孫がいない人の分がチケット返しで私のところに回ってきたに違いなし。
あまりにどセンターのど真ん前の、普通ではあまり出てこないような座席だったので。)
事情は知りませんが、彼らが本当にお行儀が良くて、一生懸命鑑賞しながら、
小さく”へー”とか”うわあ”という声をあげたり、惜しみなく拍手をしている様子は、
見ていてとても微笑ましいものがありました。



さて、なぜ私がこれほどまでにコヴァレフスカのミミを聴いてみたい!と思ったかというと、
彼女の歌のちょっとレトロな感じがいいな、と思ったからです。
レトロというのは表現が良くないかもしれませんが、最近、世界中の歌手が、
それも、必ずしも歌ではなくてルックスなどを基準にしてオペラの舞台に立つことが多くなった今、
なんだかエキセントリックなミミに接することが普通になってしまっている気がします。
公演回数がメトで最も多い『ラ・ボエーム』なので、毎年上演があるのですが、
ここ数年をさかのぼっても、スウェンソン、ドマス、ネトレプコ、マランビオ、ゲオルギュー、
といった顔ぶれがミミを歌い、南北アメリカおよびロシア、東欧あたりの歌手が実に多いことがわかります。
私は、”イタリアっぽくないと聴く気がしない!”とまでは思わないし、
イタリア・オペラしてなくっても、何か他で大きく埋め合わせる魅力があれば、
それはそれでいい、とは思っているのですが、しかし、ふと、
かつての、フレーニとかスコットとか、ああいう感じでミミを歌う人は今どこにいるんだろう?と、
ふと思ったりして、その心の隙間に、コヴァレフスカがにょろり、と入り込んで来たのです。

例えばネトレプコは、スコットについて歌を習っているそうですが、
彼女の独特の歌唱には、ベル・カントらしさを感じる人はほとんどいないんではないかと思います。
で、コヴァレフスカはラトヴィア出身ということで、実は全く期待しておらず、
ネトレプコと似て、イタリア・オペラっぽくない歌になるんだろう、と予想していたのです。
しかし、以前彼女が歌った『オルフェオとエウリディーチェ』『カルメン』のミカエラでは気付かなかったのですが、
この『ラ・ボエーム』の彼女は、いくつかの欠点は置いておくとしても、
また、かなり荒削りである、という注釈つきではありますが、
ベースの部分に、きちんと”イタリアらしさ””ベル・カントらしさ”を感じさせるものがある。
言葉にするのが難しいのですが、そこから来る、他の歌手にはない、
独特のたおやかさ、とか、のんびりした感じもあります。
それで、シリウスの感想のところで、”スコットに似て感じられる”と書いたのですが、
彼女のオフィシャル・サイトによると、2003年から、ミレッラ・フレーニについて歌を習っているそうです。
ということで、生徒にきちんとベル・カントのテクニックを伝授できている、という点では、
ネトレプコとコヴァレフスカを比較する限り、フレーニ先生の勝利!なのでした。

コヴァレフスカは、最近聴いたミミの中では、この役に必要な”要素”をほとんど完璧に備えた
数少ないソプラノです。
例えば、ゲオルギューにとってのヴィオレッタ(『椿姫』)のように、
役の方が歌手を選んでいるような気がするほどぴったりの組み合わせというものがあるものですが、
このコヴァレフスカのミミは、それに近いものを感じます。
まず、声の質、トーン、サイズや彼女が勝負強い声域と役に必要とされるそれがマッチしている、
見た目がぴったりで、美人なのだけど、決してゲオルギューのような押し付けがましさを感じさせる美人とは違い、
まさにつましい、という言葉がぴったり来るタイプの美人、
しかし、貧乏くさすぎるか?と言われれば決してそうではなく凛とした感じもある、
何より、彼女の歌唱のスタイルがこの役にぴったりで、
彼女の一番の美点は、決してやり過ぎない歌と演技、これです。
昨年、ゲオルギューのミミのオーバーアクティングさには鳥肌が立った私ですが、
コヴァレフスカのミミのその自然さ、演技の無理のなさ、には、
観客が自然に釣り込まれる魅力があって、特に第四幕の彼女は本当に良いです。
ゲオルギューは優れた歌手だと思うのですが、私が不満として感じるのは、
公演の中で、一つのフォーカル・ポイントを作っているみたいで、
その部分に関してはものすごい気合を感じるのですが、
それ以外の場面を同じテンションで歌ってくれないことにあります。
その点、コヴァレフスカは、逆にややフォーカル・ポイントの作り方がやや浅くて、
そこが、まさに”スター”として羽ばたいていくのに、一歩押しが足らない感じにつながってしまうのかもしれませんが、
どの場面も手抜きがなくて、不器用なんでしょうか?でも、そんな不器用さが彼女の美点だと思います。

ただ、今の段階では、世界でミミといえばコヴァレフスカ!という
レベルに達するにはまだまだ課題も多いです。
高音域がやや緊張したきんきんした音になりがちなのは何とかしたいし、
指揮者との意思疎通の技術にまだ拙いところがあるし、
(このシャスリン?シャスラン?という指揮者にも、歌手に十分な時間を与えずに
いきなり思いつきでテンポを変えたり、全てにきちんとキューを出さない、という
落ち度はあるのですが、ヴァルガスとかクウィーチェンがダメージを最小限に抑えて歌いこなしているのを見ると、
彼女はまだまだ。一級の歌手となっていくには、必要な技術のはずです。)
さっき言及した点と重なりますが、もうちょっと彼女の場合はフォーカル・ポイントを意識して作っても
いいかも知れません。
まだ少し殻に閉じこもっているというのか、そこから飛び出せた時、彼女の真価が発揮されるはずです。
欠点を隠しながら、小さくまとまってそれらしく歌っているだけのソプラノと違って、
今ある欠点を体当たりで真正面から克服したならば、この役で大化けするのではないかと期待しています。





ロドルフォを歌ったヴァルガスは、今シーズンの『ラ・ボエーム』の初日から
ずっと本調子でない気がします。
もともとこの役を歌うには声のサイズが小さい、云々ということは、
去年の公演の様子からわかりきっていることではあるのですが、
去年の彼は、それ以外の、どの音もおろそかにしない丁寧かつ繊細な歌いまわし、
ドラマの表現の上手さ、などでそれを大いにカバーしていました。
しかし、今日の公演では、声が本人の思い通りに鳴っていないようで、
そこから気持ちが引けてしまっているのと、それが繊細な歌いまわしという彼の得意技にまで
悪い影響を投げかけていて、あまり彼らしくない出来だったと思います。
二重唱なんかの場面でも、綺麗にぽーんと前に出てくるコヴァレフスカの声に比べると、
なんだか薄幕のむこうにいるのかと思えるような乾いた声で、
いつものヴァルガスはどこに行ったのか?という感じです。
ヴァルガスが本調子だったなら、さらに公演自体がヒートアップした可能性があるのでは?と思うと残念。
この不調では当然ですが、”冷たい手を”はやはりオリジナルのキーではありませんでした。

しかし、そんなことより、私が今日のキャストで許せなかったのは、ムゼッタを歌ったフィリップスというソプラノ。
こんなところで安くあげやがったな、メト!という感じです。
というのは、このムゼッタ役について、ここ近年のラインアップを見ると、
私が観ただけでも、ネトレプコ、ラセット、サムイル、アルテータと、
なかなかの布陣。なかでも、この役に関しては、ネトレプコがほとんど本人の地を行く雰囲気で、
非常に魅力的だったのが記憶に残っています。
彼女以外の3人も、全員、どちらかというと舞台姿は美人に入るソプラノたちで、
歌と演技で、きちんと、派手好きなところ、気の強さ、そして、何より、その奥にある人間としての優しさを
表現できてました。
やっぱりムゼッタはそうでなきゃなりません。
なのに、今日のこのフィリップスのムゼッタは、声自体も特別でなければ、
変にへにょへにょと声にしなを作るのも勘にさわるし、
こんな魅力のない”Quando men vo 私が街を行くと”を聴いたのは何年ぶりでしょう?
というか、メトでは初めてかもしれません。
芝居もコケティッシュさに欠け、ムゼッタがこんな間抜けな女に見えたことはない!
しかも、これでまだネトレプコも真っ青というような超美人ならともかく、
このルックス、どうでしょう!?!?



ムゼッタをメトで歌うと決まった時点でもうちょっと垢抜けようとは思わないのか?!
去年の公演の、美人のアルテータが懐かしい!

頭を抱えたくなるようなムゼッタのミスキャストですが、
男性陣、これが今日の公演は極めて魅力的でした。
まず、マルチェッロを歌ったクウィーチェン。
彼のこの役は素晴らしいです。昨シーズン、ルチアのエンリーコを歌ったときは、無理して悪人してる感じが
ちょっとせわしなく、違和感ありましたが、地はこの役に近いのかな?
この役がこんなに生き生きとして見えたのは本当に久しぶりです。
このとっつぁん坊やのような髪も地毛かしら?



一幕の彼が歌う第一声から迷いのない発声で、不調だったヴァルガスに代わって、
場の雰囲気を牽引していたのは彼。
また、最終幕の頭のロドルフォとの二重唱でも、マルチェッロの旋律が立っている部分では、
スケールの大きい歌唱を聴かせ、しかし、ヴァルガスと共に歌う場面では、
すっと下がって彼を立たせ、絶妙なバランスの声量で歌うなど、端々に気を配った歌唱。
こういうマルチェッロがいると本当に舞台がしまります。
四幕で、ミミが息絶えるあたりで、静かに鍋をかきまわしている彼の姿が、
なんとも哀愁をそそりました。
去年のテジエも悪くなかったけれど、少し神経質そうというか、複雑な感じのするマルチェッロでした。
私はクウィーチェンのやや単細胞ちっく、人だけは良さそうな、からりとしたマルチェッロの方が好みです。
声域的にも合っていて歌いやすいのと、ピンで歌う登場場面が割と少なく、
プレッシャーも少ないため、気持ち的な余裕もあるのでしょうが、
初日の日から彼の好演が光っています。

コッリーネを歌ったグラデュスは、ヴァルガスと共に、昨シーズンの公演からの居残り組。
”外套の歌”を含め、特別強い印象が残る歌唱ではないのですが、
逆にキャスト間の調和を乱していないのは立派。地味ながら、きちんと仕事してます。
ハカラもショナール役にはちょっともったいないんじゃないか?と思うし、
私はちょっとこのショナール役は頭が弱いんじゃないかと思っていて、
(しかも、ケチ。彼がロドルフォとミミのために最後にしてやることは、
その場をはずすことだけ。それも、コッリーネに促されてやっと、、。)
それにしてはちょっとハカラ本人の雰囲気が理知的すぎる感じがするのですが、
四人、つまり、ヴァルガス、クウィーチェン、グラデュス、ハカラのケミストリーはとっても良く、
いいキャスティングだと思います。



私はこの作品、第三幕で涙腺をやられることが多いのですが、
今日は圧倒的に第四幕が良かった。
それはやはりアンサンブル(マイナス ムゼッタ。きーーーっ!!)に力があったからだと思います。
先にもふれた、ミミが息を引き取る場面の、舞台の美しさは、
ゼッフィレッリがこの演出を考えたとき、まさにこのような場面を想像していたに違いありません。

消えてゆくミミの命と彼女を思う全員の心のけなげさと
その二つをあたかも小さなことのように見せている
窓の向こうに広がる夕焼けをバックにしたパリの街。

カーテンコールにあらわれた歌手全員が、すぐに役から抜け出せず、
笑みひとつ出ないまま礼をするなか、一人でにかにか満面の笑みを浮かべている女が、、。
ぎゃーーーーっ!!!
あの程度の歌を歌って、”上手く行った!”と思っているとは垢抜けないばかりか、自信過剰?!
誰かどうにかしてっ!!

Ramon Vargas (Rodolfo)
Maija Kovalevska (Mimi)
Susanna Phillips (Musetta)
Mariusz Kwiecien (Marcello)
Oren Gradus (Colline)
Tommi Hakala (Schaunard)
Paul Plishka (Benoit/Alcindoro)
Conductor: Frederic Chaslin
Production: Franco Zeffirelli
Set Design: Franco Zeffirelli
Costume Design: Peter J. Hall
Lighting Design: Gil Wechsler
Stage Direction: J. Knighten Smit
Center Parterre Box Front
ON

*** プッチーニ ラ・ボエーム Puccini La Boheme ***

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10 コメント

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いつもながらの (keyaki)
2008-12-28 15:01:44
詳細なレポート楽しく読ませていただきました。
ヴァルガスとかキーチェン、コヴァレフスカは、日本でもお馴染みの歌手さんです。
若い層の観客が多かったとか...映画「月の輝く夜に」を思い出しました。あの映画大好きなんです。紹介記事を書いてます。
http://keyaki.blog.so-net.ne.jp/2005-11-20

コヴァレフスカは、新国では、《フィガロの結婚》の伯爵夫人でしたが、スラリと背が高くて地味目の美人ですよね。その時の私の一言コメントは、「背はスラリと高いのですが華奢です。喜怒哀楽の表情も豊かです。歌にもうちょっと表現力が欲しいところですが、若くて、まだまだ情熱を失っていない伯爵夫人でした。ラトビアって美人が多いのかしら、ガランチャもラトビア出身ですね。」なんて書いてます。
http://keyaki.blog.so-net.ne.jp/2007-10-25

コヴァレフスカは、2006年にスペインのヴァレンシアでミミを歌っていますが、最初の予定では、ロドルフォは、ヴィットリオ・グリゴーロだったんですよ。美男美女のカップルだったのに....グリゴーロは、出たかったんだと思いますが、ポップツァーでダメになったようです。
http://colleghi.blog.so-net.ne.jp/2008-08-29
返信する
Moonstruck! (Madokakip)
2008-12-29 12:47:46
keyakiさん、

>映画「月の輝く夜に」!!

私も大好きなんですよ!!
以前の記事のコメントで、この映画の話が出たのですが、
残念ながら、gooブログの検索機能はコメント欄は対象外のようです。
そこで書いたことと少し重複してしまいますが、
オペラハウスの周辺と、おそらくロビーのシーンの一部はまぎれもなくメトで撮影されたものと思われるのですが、
舞台のシーンに関してはメトから許可がおりず、
カナダのオペラハウスのものが使われている、と聞いたことがあります。

いずれにせよ、メトやオペラへの愛が溢れていて、大好きな映画の一つです。
シェールの家族の一人一人の描写がまた細かくて面白いですよね。
お父さん、ランデブーの場所をメトにするのは失策!!(笑)

コヴァレフスカ、確かに華奢ですよね。
すらり、としているというか、痩せてますよね。
私も、彼女に関しては、役により、少し声がうるさく感じることが多かったんですが、
(痩せてるから声を張り上げてしまうんでしょうか?)
『ラ・ボエーム』ではそれを感じさせないです。

>歌にもうちょっと表現力が欲しい

そうなんですよね、彼女はそこを突き抜けると、本当にすっごく良くなると思います。

グリゴーロのロドルフォにコヴァレフスカのミミ、、

なんかくらくらするくらいの美男美女カップルですね!
ヴァルガスに昨年から今年にかけて散々堪能させてもらった
”見た目は冴えなくても、真心のあるロドルフォ”とは、
そろそろ違う路線のロドルフォを見たいです。
グリゴーロ、アルフレードでもロドルフォでも、
もうどの役でも好きに選んでいいから、メトに早く来てください~。
1月は、”昔の基準では素敵な部類だった、
しかし今ではグリゴーロのような歌手がいるのでそうでもない”テノール、
ジョルダーノのロドルフォにキャストが変わります。
(他の役は全て同じです。)
これで少しは違う路線のロドルフォが見れるかも、と期待してます。
返信する
確信犯(?) (シャンティ)
2008-12-29 16:37:13
ヴァルガス、ぜひいつか下げずに歌って 名誉挽回していただきたいですね。
映画版のヴィラゾンを聞きましたが 下げてました...ということは、もういつも下げているのでは? 映画を見た人がこれが正しい音程と思うのか なんか変と思うのか どうでしょう。
返信する
映画版 (Madokakip)
2008-12-30 05:35:46
 シャンティさん、

この日はちょっぴり不調でしたが、
一般的には、ヴァルガスの歌唱にはハイCはなくても、他に優れた点がある、ということで、
無罪放免になっているようです(笑)。
実際、下げているということがわかっていても、
彼の歌を悪く言う人はほとんどいないんですね。人徳です。

>映画版のヴィラゾン

ヴィラゾン、ネトレプコ、キャベルらで最近リリースされた『ラ・ボエーム』のCDはライブですよね?
(家のどこかに転がっているんですが、全く聴いていない、、。)
このCDがご覧になった映画版のサントラになるらしい、というような話を聞いたことがあるような気がするんですか、本当ですか?
それとも映画は映画で別の音源なんでしょうか?

今に始まったことではないのかもしれないですが、レコード会社の頓珍漢ぶりも悲しいですよね。
録音してほしいいい歌手が他にもいるのに、
同じ歌手の録音ばかり、、しかもこのヴィラゾンのロドルフォみたいに大して合ってない役まで歌わせて、、。

例えばネトレプコなんかでも、
実際にオペラハウスで聴くと、レパートリーによっては
いい歌唱を聴かせてくれますし、
今みたいに何でもかんでも歌わず、演目を絞ってじっくり取り組んで歌いこめば、
もっときちんとした評価が得られるはずの歌手だと思うんですが、、。

最近発売された彼女のSouvenirsというアルバムを聴きましたが、
あまりのやっつけ仕事的な録音に本当にがっかりしました。
買い手を馬鹿にしているとしか思えません。
本来ならもっといい歌を歌える彼女なので、
余計怒ってます。
オペラヘッドたちの彼女への風当たりが強い昨今ですが、
こういうCDを出していては無理もないと、
本当は彼女のことを応援したい私でも思えてきます。
返信する
サントラ (シャンティ)
2008-12-30 16:06:42
わたしが聞いた(見た)のは、NHKが23日に来年の公開前にTV放送をしたものです。サントラ(ハイライト)CDは 1月21日発売だそうで、オペラ版の切り取りかはよくわかりません。TV放送の録画は、冷たい手を聞いた後、倍速で流し、そのまま消去してしまいました。(家にはG.ライモンディのがあり そちらを聴いてしまうとあまりに違い過ぎてしまって...)出演者を照らし合わせれば、わかったかもしれないのですが、お役にたてなくて、すみません。
返信する
映画 (チャッピー)
2008-12-30 17:58:05
これですね;
http://blog.intoxicate.jp/content/2008/12/intoxicate-pres.html
私もNHKで見ました。お金出して見る気はイマイチしないなあ。
返信する
映画公式サイト (チャッピー)
2008-12-30 18:06:30
公式サイトもありました。
「ラ・ボエーム」チョコレートも発売される模様。
http://laboheme.eiga.com/
しかっし、いくらBSハイビジョン放送でも、公開される前にテレビ放送しちゃって良いのかねえ。ネトレプコってそんなに人気ある?
返信する
即効消去の刑!/眉毛がぴくり (Madokakip)
2008-12-31 11:42:49
頂いた順です。

 シャンティさん、

相当だめだったのですね、即効消去の刑とは(笑)。
お気遣いをさせてしまってすみませんでした。
you tubeなどにあがっている映像、また、チャッピーさんにご紹介いただいたサイトなどを見るに、
登場している歌手たちが全幕盤のCDと同じなので、
多分サントラは同じ音源からの抜粋だと思います。

しかし、かくいう私も、この全幕盤のCD、ちょろちょろと飛ばし聴きしたあと、
(それでキャベルのムゼッタがいまいちだと思った記憶があります)
ちらかった部屋のどこに隠れているのか行方が知れないという、
蒸発の刑に処してしまいました。
絶対どこかに隠れているはずなので、年末年始、発掘し、通しで聴きたいと思っています。

 チャッピーさん、

『ラ・ボエーム』チョコレートって、、(笑)。
発売時期がどうやらバレンタイン周辺をあてこんでいるようですが、
こんな、食べたらカップルのどちらかが肺病を病んで死んでしまいそうな商品、買う人いるんでしょうか?

しかし、それよりも私を固まらせ、
そしてすぐに頭から蒸気を吹き出させたのは、
公式サイトについているトレーラーの映像に入るキャプションです。
きっと、チャッピーさんなら、もうお気づきのことでしょう。
いや、もしかしたら、これに気付いて、
あえてこのブログで教えてくださったのではないかとすら思うのですが(笑)。

>現代最高のテノール、ローランド・ヴィリャソン

最高かどうかは意見が分かれるかもしれませんが、
現代、とついているところに少し遠慮を感じます。
まあ、いいでしょう。

しかし。

> マリア・カラスの再来、アンナ・ネトレプコ

はーーーーーああっっ?!?!
私はオペラヘッドの中では珍しく彼女に好意的な方ですが、
マリア・カラスってどこがだよ?!です!!
大体、歌手として全然タイプが違えば、
声質も全く違うし、
レパートリーだって、ネトレプコが彼女には向いていないベル・カントものを歌うからそこはかろうじて
重なってますが、
本来は全然違っています。
こんな適当なキャプションは絶対許さん!
きーっ!!
返信する
実は私も・・・ (娑羅)
2008-12-31 15:23:27
シャンティさんと同じく、TVでネトレプコ&ヴィリャゾンのボエームを見たのですが、どうもなんだか・・・
2011年のMET来日公演では、この2人のボエームも持ってくる予定ですし、すっごく期待して見たのですが、まだ消去はしてないものの、1幕を見終わった時点で見る気が失せてしまい、たぶん、このまま見ることはないと思います。

なぜか、ショナールとコッリーネは、歌と演技が別の人になっていて、なんだか不自然な感じ。
さらに、ネトレプコのミミのメイクが濃い・・・。
真っ赤な口紅に、真っ赤な胸の開いたドレス。
アイシャドーもバッチリのフルメイク姿。
歌を聴く以前に、このミミの登場に唖然!でした。
ネトレプコの声は好きですし、彼女はメイクが薄いほうがかわいいと思うのに、ガッカリでした。
ヴィリャゾンも・・彼の声も好きなのですが、どうにもこうにも、全てが熱すぎて・・・
1幕の終わりには、2人でベッドインしてしまい、「え?これからカフェ・モミュスに行くんじゃないの?マルチェッロ達は待ちぼうけ?」と、変な心配までしてしまいました
一緒に見ていた母も、「こんなシーンあった?」と言ってました(笑)

う~ん・・映画にしたのは失敗だったかも。
凝りすぎなのかもしれません。
ま、1幕しか見ていなくて、えらそうなことは言えませんが
返信する
あまりの受けの悪さに (Madokakip)
2009-01-01 07:26:55
 娑羅さん、

これほどまでに当ブログを読んでくださっている皆様から受けが悪いこの映画、
怖いものみたさで、観たくなってきました(笑)。

ちらっと公式サイトや、you tubeに上がっている抜粋の映像を観ただけですが、

>真っ赤な口紅に、真っ赤な胸の開いたドレス

ゲオルギューのライブ・イン・HDの時と似た罠にはまっているのかなと思いました。
もちろんネトレプコを”見せる”ため、ということもあるんでしょうが、
当時のパリのお針子の中には愛人業をやって身を立てていた場合が多かった、という話があって、
(ムゼッタとか、もろにそんな感じですよね。)
ミミはそんなうぶな女の子なんかじゃないわ!というのが、
あの昨年のライブ・イン・HDでのゲオルギューのミミ役の解釈だったと思うのです。
ロドルフォより先に自分のろうそくを消したりして、
超積極的ですよね。

なので、このネトレプコとかゲオルギューの路線は
決して歴史的には間違っていないのかもしれないですが、
でも、それと、作品の根っこにあるものを表現することとは同じではないですよね。

史実を無視して、徹底的にけなげな女性としてミミを演じるコヴァレフスカの方が
ゲオルギューやネトレプコのミミより心を打つのはなぜなんでしょう?

オペラでは時に、事実を事細かく忠実に描くことよりも、
それを捨てることが大事なときもある、という例のような気がします。

>2人でベッドイン

実は、二人の会話の中にそうしたのかも、、と思わせる部分があるとは思います。
(ここ、実は、以前からとっても気になっていたんです!ご指摘、ありがとうございます!)
さすがにメトの舞台では絶対に入りませんが、そんなシーン、、。
でも、おっしゃるとおり、その間、友達は何をしていたんだろうという疑問はありますよね。
ロドルフォ、もしや、めちゃくちゃ手早く、、。
下世話ですみません

でも、これもさっきと同じなんですよね。
そんなこと、いちいち描写しなくていいんですよね。
ああ、二人は結ばれたのかな?と感じさせるだけで十分なんです!

私も早く全幕観て吠えたいです
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