マックンのメモ日記

気になったニュースや関心事などをピックアップ。
今チワワのプッチという犬を飼っています。
可愛いですよ。

ジョージ・フリードマン『100年予測』

2012-11-29 19:39:18 | 経済・金融・投資
今日は本の紹介しをしたいと思います。 本書は今後100年間に世界中で起こる紛争や人口の増減、さらに科学技術の進歩などについて「地政学」で予測するもので、著者はその道の第一人者であるジョージ・フリードマンです。フリードマンはブダペスト生れの政治学者で「影のCIA」と評されるストラトフォーの創設者であり、フリードマンによるとそもそも人間とは自分が生まれ育った環境(部族・都市・国家)に対して忠誠心を持っているもので、国家の未来や国際関係は地理的考察によってかなりの精度で予見することができるというものです。

彼は1990年代末から日刊で情報配信を行っていたのですが、1999年には、NATO軍によるコソボ空爆の記事を通じて大いに注目されました。当初は一般の閲覧が無料であったが、これをきっかけに1999年末から、記事のほとんどは会員にのみ提供されるようになりました。2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件では「臨時ニュース」欄を設けて一般に提供し、アルカイダとブッシュ政権の戦争を予言しました。

本書ではこのような見地から今後100年間の情勢をシミュレーションするもので、宇宙空間で発電された電力がもたらす爆発的な好景気の到来や、先進工業国の労働人口激減による移民の誘致争奪戦が各国で起こると予見し、さらにアメリカとイスラムの戦争終局。勢力を回復したロシアとアメリカは再び冷戦状態になることや、今後、日本・トルコ・ポーランドが台頭した結果、今世紀半ばに新たな世界大戦が起こり、紆余曲折を経て世紀末になるとメキシコが台頭してアメリカと覇権を争うことになると分析しています。

ほとんどのシナリオがアメリカの世界戦略を中心に書かれたもので、事象の展開にこじつけらしき部分も感じられるところもあると言いますが、未来の世界大戦の戦場が宇宙空間であることや、エネルギー資源の動向や宇宙空間の覇権争いなど興味深い記述が書いてあります。これまでの戦争は海洋を征した国家が覇者となりましたたが、100年後の覇者は宇宙空間を征する国家だと言っています。

全世界で思考の糧になったと評されるこの本。年末年始かけてじっくり読むのに最適な一冊だと、サーチナの記事として書評が載っていました。実はこの本のことは野村証券の元社員の方から聞いたもので、将来の世界の流れを大きなスパンで見た時の経済問題にも参考になると言う話だったのです。そうでなくとも大変面白いと思います。話の内容を聞きこれは面白いと思ったので書いてみました。興味を感じた人は一度読んで見てはいかがでしょう。

書名:『100年予測』著者:ジョージ・フリードマン(著)、出版社:早川書房価格:1890(税込)