マックンのメモ日記

気になったニュースや関心事などをピックアップ。
今チワワのプッチという犬を飼っています。
可愛いですよ。

トヨタ100年への計!

2012-11-18 19:59:17 | 経済・金融・投資
9月にトヨタが都内で開いた環境自動車の説明会は新開発の電気自動車(EV)のお披露目を兼ねたイベントだったのですが、明らかにしたのは「100万台」の大台を超えると言われる2012年のハイブリット車(HV)の世界販売見通しだったのです。そして新型車と合わせて計21車種を追加投入する計画も公表し、HV重視の姿勢を改めて示したのです。

その理由として加藤課長は「エコカー開発は全方位で進めるが、優先順位ははっきりさせると言い切った」のです。いま世界でEVやダウンサイジングなどエコカー市場に新たな技術が登場する中で、なぜとトヨタはHVにこだわり続けるのでしょうか?それは10年以上積み上げてきた技術への自信と次世代エコカーへの布石があったのです。

トヨタが世界初となる乗用車タイプのHV「プリウス」を発売したのは1997年のことですが、それは世界中のライバルとの激しい競争の末にトヨタだけが単独開発に成功したのです。こうして成功した陰には、モーターに強い電装やギアに詳しいアイシン精機など、グループで幅広くエンジニアを抱えるトヨタだからこそできたことなのです。実際、電気モーターとエンジンを組み合わせてガソリンの消費量を減らす技術は、100年続いたガソリン車の歴史を塗り替えたのです。

その原点とも言えるのが豊田喜一郎の口癖であった「自動車ではなくて自動車産業を作れ」だったのです。今も続くこの精神がHVと言うエコカーの先駆けを生んだのです。そしてこのHVシステムを土台に進めているのがCO2を排出しない燃料電池車(FCV)の研究です。と言うのは、トヨタのHVシステムはタンクや電池を入れ替えるだけでFCVに応用できるのです。「インフラができればFCVは電気自動車よりも先に普及する」と考えたのです。つまり、HVの量産でシステムのコストを下げ、15年に投入するFCV価格も下げようとの思惑です。

こうした戦略はトヨタの提携戦略にも好循環をもたらし、BMWの幹部はトヨタが説明した将来技術のラインナップに舌を巻き、「当社にはできない省エネ性能だ」と言っています。そこまで先の先を見据えて動いていたことに感心したのだと思います。そしてプライドの高さで知られるBMWですが、包括提携を決断、HVからFCVへと連なるトヨタの環境技術を新車開発に生かす考えなのです。米国勢ではフォードもトヨタのHV技術に興味を持ち11年に提携しています。中国では今月、HVの公道実験が始まったそうです。中国とは尖閣諸島を巡り関係が悪化していますが、現地企業とのHV開発は停滞することなく続いているのです。

しかしそれでも課題があって、「消費者の9割はほしいと言うが、値段を聞くと9割が買わない」とインドネシア現地法人の幹部は言います。安くなったと言っても同国の一般消費者にとっては高根の花なのです。これではいくら良いものでも、買ってもらえなければ家電業界と同じ轍を踏まないとも限りません。国内販売のうち4割をHVが占め、HV依存が進んでいます。技術に拘りし過ぎることなく、世界中でバランスよく「売れるEV」をつくるということを考えて行かないと、技術はあっても宝の持ち腐れになってしまっては企業としては衰退してしまいます。

テレビの二の舞にならないよう技術供与と言う形で提携し、市場を形成するなどし、販売や価格で主導権を握り続けることが持続可能な成長を実現するカギなるです。