マックンのメモ日記

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「韓流」はなぜ世界に広がったのか?N03

2012-11-27 20:30:42 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
韓国エンターテインメントはなぜ、ここまで貪欲に海外を目指すのかと言えば、1つは、韓国の国内市場が小さいことです。韓国の人口は日本の半分に満たないほどで、日本は米国に次ぐ大きなコンテンツ市場であり、日本への進出は右肩上がりの成長を続けるためには欠かせない存在なのです。日本で韓国のコンテンツ振興を手がける政府系機関、韓国コンテンツ振興院・日本事務所長によると、2010年の統計で、韓国から輸出されるコンテンツの約54%が日本向けだそうです。ほかには台湾が約13.2%、中国が約8.8%とほとんどがアジア諸国に集中しているのです。

コンテンツの中で最も輸出額が多いのはネットゲームだそうで、それ以外には放送ですがそれにはドラマが含まれています。これらコンテンツ産業の割合は、韓国の2011年の貿易輸出の総額約5565億米ドルのうち、その占める割合は、わずか41.6億米ドルでしかないのです。過去5年以上、音楽、ドラマ(放送)の輸出額は右肩上がりで伸びていると言うものの、スマートフォンや薄型テレビなど、電子機器の輸出額に比べれば、決して大きなビジネスではないのが現状です。

「しかし、音楽やドラマが海外で認知度を高めることが、韓国のイメージを上げ、それが韓国メーカーの製品の購買や観光客を増やすいという、間接的効果は非常に大きいと韓国政府は見ている」のです。韓国輸出入銀行海外経済研究所の試算によると、K-POPの輸出が100米ドル増えると、韓国製の電子製品やIT機器の輸出は平均395米ドル増加すると言うのです。コンテンツに力を入れるようになったのは、1997年のアジアの通貨危機により、韓国はデフォルト寸前まで行き、その時、多く企業が倒産するなど社会が大混乱したのです。そこで財政再建と同時に、世界に勝つための経済政策として、IT産業や、文化事業の振興を選択したのです。それは例えば、2000年前後から、音楽や映像のプロを育てる大学や専門学校が数々数多く設立し文化人を育てたのです。その効果は10年で出て、音楽、映像の専門教育を受けた人材が育ち、今の韓流ブームを現場で支えている」と言うわけです。

人気者のKARAは2012年、海外での活動が評価され、「韓国観光の星」の特別賞(功労賞)に選出され政府から表彰されました。これを見ても、韓国政府がアーティストの力で世界に韓国ブランドを広める戦略に重きを置いていることが分かるはずです。K-POPアーティストは、海外で成功すれば、金銭的に豊かになるだけでなく、国のイメージアップに貢献した立役者として、名誉ある地位を得ることもできるのです。「高収入と名誉」の2つが、韓流スターの高いモチベーションとなっているのです。

こうした成功を導いたのがインターネットだったのです。K-POPについては、YouTubeのトップページには、常に韓国アーティストるいからをyの最新映像がアップロードされています。事務所にとって、アーティストを飛行機に乗せて海外でプロモーションさせるには莫大なコストがかかりますが、新しい映像をインターネットで発信すれば、配信コストはタダなのです。こうした、ネットを巧みに使った戦略が今日のK-POPの躍進を支えたのです。ここでもなぜ日本がJ-POPをこうした方法で世界に売り込むことができなかったのかとも言えるのです。しかもJ-POP売り上げはどんどん減少していたにも限らず手を打っていなかったのです。アニメや寿司ブームがあったにもそれも生かしていなかったのです。

「今や、iPhoneに曲をダウンロードして聴いて、YouTubeで映像を見るというスタイルが世界の若者には定着しているのは知っていたはずです。しかし韓国はそういう聴き方に合った「音の付いた映像」を提供したから、K-POPは成功した」(元ソニー・ミュージック社長の丸山氏)のだと言います。この点で家電業界と同じで、日本は有効な手立てを打たず古いやり方に安住していたと言われても仕方ありません。YouTubeのサイト上で公開されている世界地図を見ると、どの国のユーザーが映像を見ているかがよくわかります。それをみると、K-POPアーティストがうまく本国以外のユーザーの興味を引いていることが分かります。

こうした時代背景以外に、K-POP自体が持っている音楽的な特徴も、ブームの広がりに大きな影響を与えているのです。K-POPは、ダンスの魅力と、分かりやすいサビ、ノリの良さが重視されていて、歌詞で聴かせる歌ではありません。その結果、K-POPは、共通の言語を持たない、アジア、欧米の人々にも楽しんでもらえています。

今後、日本においても、海外で日本人アーティストが活躍できる体制を立て直す必要があるわけで、ネット環境も音作りの技術も日本は整っています。必要なのは、過去のしがらみにとらわれず、今のファンのニーズを形にできる若い世代の人材育成にかかっているのだと思います。それと素人の中にも夏列なファンのいる人材を探し育てる努力も必要でしょう。