「一風呂浴びて帰るから」、盗難された月天子が帰って来た話! | 絵本作家*仁科幸子
神棚の八咫鏡に、いつからかなんとなく観音様が座っているようなお姿が浮かんでいるように見えるようになった。 それもあって、神棚に祈る時にも観音様のことが心...
絵本作家*仁科幸子
抜粋
京都の日蓮宗本山・立本寺の月天子像が2021年の6月に
盗まれていた。
このお寺のご住職は、ユニークで有名な三木大雲さんだ。
三木住職は、それこそ一年間、血眼になって仏像を探していたという。
必ず、そのうちヤフオクに出品されるから、チェックしていれば
きっと見つかると助言を受けて、毎日寝る前に、ヤフオクに
しがみついて見つけていたという。
けれど、一年経っても出品されず、海外に持って行かれたらもう会える
こともないと思っていたある日、夢を見たそうだ。
あの月天子が夢に現れて、「ごめんね、心配させて、でも、そこまで
心配しなくても大丈夫。一風呂浴びてから、もうすぐ帰る」と
言ったのだという。
それで、諦めず、またヤフオクを見ていたある日、知り合いから電話が
入った。「なんかヤフオクに出ているのは、お宅の仏像じゃないか?」と。
見ると、まさに月天子さま!!!、三木住職は、知り合いからもお金を
集めて落札しようと、ものすごい高額で値を付けたのだという。
けれど、その後しばらくしてサイトを見ると、その像はなくなっていた
というのだ。
もちろん、警察に連絡もしていた。
すると、警察から連絡が入り、その像の出品者を逮捕したということだった。
これでいいですね、と見た写真は、なんか顔の色も白く、お寺にあった
像より綺麗だったけれど、そうです、うちの仏像だ。
ということで、無事にその像は帰って来たのだが、確かに嫌に綺麗に
なっていた。
実は、この像を購入した人は、実は仏師でまさか盗難と知らずに
骨董屋から購入し、仏像を綺麗にしてオークションに出品していたのだという。
「一風呂浴びて帰る」これは、そういうことか!!
綺麗になって帰ってくるという意味だったのだ!。