曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

〇 時局妙観   (安倍首相の「象徴天皇制憲法反逆」問題)

2019年04月18日 12時51分40秒 | 政治

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◎「日本一新運動」の原点―434                                

日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

〇 時局妙観   (安倍首相の「象徴天皇制憲法反逆」問題)
 

4月7日、統一地方選の前段(知事・県議・政令市長・市議) の投票日、結果は安倍自民党の圧勝だ。理由は4月1日(月)に 事前発表された新元号「令和」効果である。  元号法に違反し、憲法に反逆、天皇を政治利用して戦前の国家 主義に回帰させようとの魂胆が見え見えである。  統一選挙中、山口弁護士からファックスが届く。「新元号の事 前発表は、元号法違反だ」との怒りの指摘。昭和53年大平内閣 の時代、私は衆議院議院運営委員会事務の課長補佐だった。 「元号法案」の審議が紛糾した現場にいた。山口弁護士の指摘の 鋭さを直ちに理解した。元号法には「皇位の継承があった場合に 限り改める」と明記してある。 「生前譲位」を法制化した際に、事前発表できるかどうかを法定 化しないままに放置していたことに原因がある。新元号の事前発 表については、カレンダー等、国民生活に関係が出るので1年前 に発表すべしなどの意見があった。ならば元号法改正による措置 が必要であった。安倍内閣は元号法の拡大解釈で事前発表できる としたものだ。天皇制が関わる事柄をこのような乱暴な解釈運営 で済ませる安倍内閣には恐怖さえ感じる。  さらに「新元号」の発表と説明を、誰がどんな方法で行うかに 法令の規定はない。先例は「昭和」から「平成」に改元された時 しかない。昭和天皇の崩御ということもあり、小渕官房長官から の発表と説明、そして実務的な「首相談話」であった。当然のこ とながら、政治利用を避けようとする配慮が先例といえる。
 新元号「令和」の意味や、決定手続きについて、私は意見を言 うつもりはない。事前発表の安倍首相の記者会見における発言は、 憲法4条第1項「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為の みを行ひ、国政に関する権能を有しない」に違反するという法律 論と別次元で反逆行為だと論じておきたい。この「国政に関する 権能を有しない」という文理の本質は「権力による天皇の政治利 用」を背後から厳禁するものである。  安倍首相の談話と質疑を報道でみると、次の点に問題がある。 談話の内容に「元号が日本人の心情に溶け込み、日本国民の精神 的な一体感を支えるものとなっています」とあるが、これは天皇 制に直結する「新元号」を利用して、安倍的「ナショナリズム」 を、国民の意識に植え付けようとするものだ。  さらに記者の質問に応じて、4月1日に施行する「働き方改革 法」に託けて、「次世代を担う若者たちが頑張っていける一億総 活躍社会をつくり上げることができれば、日本の未来は明るいと 確信している」と発言している。戦前生まれの私は「国家総動員 法」施行で、太平洋戦争に突き進んだ社会状況を思い出す。  この記者会見は安倍首相の国民へのメッセージということだろ うが、私には、政治的には安倍首相からの新天皇への所信表明と 思える。 仮に安倍政権が伝えられるように長く継続して、後継も安倍政治 の延長となった場合のことを考えると私は背筋が凍る思いである。 このような天皇の政治利用を国会もマスメディアも、そして学識 者さえも「見ざる聞かざる言わざる」の現状を放置してよいもの だろうか。
(明治憲法下の天皇と軍部の軋轢と現状)
 昨年から、昭和初期のファシズム化と重なる平成の歴史を研究 している。テーマのひとつは天皇と軍部の関係だ。昭和天皇が陸 軍と緊張関係になったのは昭和2年、陸軍大将だった田中義一政 友会内閣のころからのようだ。  翌年の張作霖事件で田中首相が天皇に虚偽の報告をし、天皇か らの叱責で辞任するようになる。陸軍がそれを根に持ち緊張関係 が強まる中、昭和六年の満州事変が始まる。在朝鮮日本軍が満州 に越境し、事変は拡大していく。陸軍の越境は明治憲法11条に よる天皇の統帥権の許可が必要であった。陸軍はそれを無視し、 国内マスメディアは事実先行を容認して陸軍を支持した。  若槻内閣は閣内不統一で総辞職、国内混乱で天皇はなすすべも なく後になって「天皇の統帥権を干犯した」と反省を怒りとする。  これは当時の法規に照らしても陸軍の内乱であった。この憲法 論がなく、後継の犬養首相は翌七年に軍部から射殺され暗黒の時 代となる。5・15事件である。その後、昭和10年に天皇機関 説事件、そして翌11年に2・26事件が起き、続く廣田内閣は 「思想犯保護観察法」を成立させ、治安維持法とともに国民の思 想信条を縛りつけて、戦争への道を切り拓いたのである。 安倍首相の憲法秩序壊乱政治を続けると、戦前の歴史の繰り返し となることは必定。枝野立憲民主党代表に、この歴史観をもって もらいたい。                    (了)

 


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