古い手帳に、ちょっと新しい文字を。
「ブラック・スワン」(2010年・米)監督ダーレン・アロノフスキー
出演ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス
メフィストフェレス的な風味のある作品。
「器でない者の悲劇」という「マクベス」味もしてる。
「両極端な性格を併せ持つ母親にスポイルされた子供が、自立に目覚
める」というパターンは、何の映画だったっけ。(笑)
白と黒、純情と妖艶、正気と狂気、厳格と溺愛。
二元化された世界で、次第に人格が引き裂かれていくヒロイン・二ナ。
それはニナを、現実と幻覚が入り混じる世界へ落とし込んでいく。
兎に角、目の回る映画。(笑)
カメラがニナの背後霊のように至近距離で居ることが多く、また、それを
振り回すものだから遊園地の回転モノに乗ってるみたいな気分になりまし
た。
ただ、この欠点、バレエの場面では効果を出していると思います。
これも、まあ、本職のプリマバレリーナじゃないので「引き」を多用すると
ボロが出る不安があって、「寄り」で乗り切る作戦なんだと思いますが、カ
メラ・アングルは、かなり考え抜いてるんじゃないでしょうか。
息遣いの聞こえる距離でのバレエは新鮮で迫力がありました。
途中で、シリアス物なのにSFXになってしまうのは、何と言えばいいのか
解りませんが・・・。
主演のN・ポートマンは、世評通り、長期間のバレエ特訓を生かしきって
いて見事だと思いますが、決して、そればかりではなく、ニナという人間の
心の揺らぎを的確に演じています、アカデミーの主演女優賞に相応しい演
技だったと思います。
あと、これは、最近のハリウッド(日本も)に共通した事ですが、効果音の
使い方が、安直、且つ、うるさ過ぎます。
「英国王のスピーチ」(2010年 英・豪)監督トム・フーバー
出演コリン・ファース、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェフリー・ラッシュ
「ブラック・スワン」と正反対に、全く「奇をてらわず」に徹頭徹尾オーソドッ
クスな作りの映画。
しっかりした脚本、腰の据わったカメラ、正攻法で押していく演出。
「良い脚本」があれば、ジタバタしなくても人を感動させる映画が出来る、
そんな見本のような映画。
ただ、20年後、「語り継がれてる映画」になってるかは、ちょっと「微妙」。
一種の「サクセス・ストーリー」で、このタイプの映画に必要な、挫折、苦悩、
失敗、上昇が過不足なく展開していき、もう一つの必需品である、寄り添う
パートナー、的確なアドバイザーも、きちんと物語に調和してる。
映画という「虚構の世界」に真実味を感じさせ、物語に引き込み、共感させ
るには、これらの要素が皆、上手に揃っていなければなりません。
この映画は、それらが全て揃ってる映画だと思います。
役者も、ジョージ6世役のコリン・ファース、その妻を演じたヘレナ・ボナム
=カーター、共に好演しています、そして、これは儲け役だと思うんだけど、
ライオネル・ローグ役のジェフリー・ラッシュが、いい味を出しています(ちょ
っとヒギンズ教授~笑)。
薄霧のロンドンを、ジョージ6世とライオネルが肩を並べて歩いていく、そ
んな、何でもないシーンが妙に印象に残ってる映画です。
「ブラック・スワン」(2010年・米)監督ダーレン・アロノフスキー
出演ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス
メフィストフェレス的な風味のある作品。
「器でない者の悲劇」という「マクベス」味もしてる。
「両極端な性格を併せ持つ母親にスポイルされた子供が、自立に目覚
める」というパターンは、何の映画だったっけ。(笑)
白と黒、純情と妖艶、正気と狂気、厳格と溺愛。
二元化された世界で、次第に人格が引き裂かれていくヒロイン・二ナ。
それはニナを、現実と幻覚が入り混じる世界へ落とし込んでいく。
兎に角、目の回る映画。(笑)
カメラがニナの背後霊のように至近距離で居ることが多く、また、それを
振り回すものだから遊園地の回転モノに乗ってるみたいな気分になりまし
た。
ただ、この欠点、バレエの場面では効果を出していると思います。
これも、まあ、本職のプリマバレリーナじゃないので「引き」を多用すると
ボロが出る不安があって、「寄り」で乗り切る作戦なんだと思いますが、カ
メラ・アングルは、かなり考え抜いてるんじゃないでしょうか。
息遣いの聞こえる距離でのバレエは新鮮で迫力がありました。
途中で、シリアス物なのにSFXになってしまうのは、何と言えばいいのか
解りませんが・・・。
主演のN・ポートマンは、世評通り、長期間のバレエ特訓を生かしきって
いて見事だと思いますが、決して、そればかりではなく、ニナという人間の
心の揺らぎを的確に演じています、アカデミーの主演女優賞に相応しい演
技だったと思います。
あと、これは、最近のハリウッド(日本も)に共通した事ですが、効果音の
使い方が、安直、且つ、うるさ過ぎます。
「英国王のスピーチ」(2010年 英・豪)監督トム・フーバー
出演コリン・ファース、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェフリー・ラッシュ
「ブラック・スワン」と正反対に、全く「奇をてらわず」に徹頭徹尾オーソドッ
クスな作りの映画。
しっかりした脚本、腰の据わったカメラ、正攻法で押していく演出。
「良い脚本」があれば、ジタバタしなくても人を感動させる映画が出来る、
そんな見本のような映画。
ただ、20年後、「語り継がれてる映画」になってるかは、ちょっと「微妙」。
一種の「サクセス・ストーリー」で、このタイプの映画に必要な、挫折、苦悩、
失敗、上昇が過不足なく展開していき、もう一つの必需品である、寄り添う
パートナー、的確なアドバイザーも、きちんと物語に調和してる。
映画という「虚構の世界」に真実味を感じさせ、物語に引き込み、共感させ
るには、これらの要素が皆、上手に揃っていなければなりません。
この映画は、それらが全て揃ってる映画だと思います。
役者も、ジョージ6世役のコリン・ファース、その妻を演じたヘレナ・ボナム
=カーター、共に好演しています、そして、これは儲け役だと思うんだけど、
ライオネル・ローグ役のジェフリー・ラッシュが、いい味を出しています(ちょ
っとヒギンズ教授~笑)。
薄霧のロンドンを、ジョージ6世とライオネルが肩を並べて歩いていく、そ
んな、何でもないシーンが妙に印象に残ってる映画です。
「英国王のスピーチ」です。
>しっかりした脚本、腰の据わったカメラ、正攻法で押していく演出。
>「良い脚本」があれば、ジタバタしなくても人を感動させる映画が出来る、
そんな見本のような映画。
>ただ、20年後、「語り継がれてる映画」になってるかは、ちょっと「微妙」。
仰るとおりです~。
この映画、好きではありません。
っていうか、だんだん嫌いになってきました(爆)。
俳優陣は皆良いし、お話も良いし、演出も良いし、とっても良い映画だと思います。
特にあんまり映画を見ない人なんか「イチコロ」ですよね~。
でもね~「・・・だから何?」って思うんですよね~。
現王室に気使いまくりで、アホちゃう?って感じです(笑)。
この映画もですが、最近見た「ハート・ロッカー」「恋の手ほどき」
3作品とも、オスカー作品賞だなんて、ダメダメダメと思っています(マジ)。
記事がありますので、URLに入れさせて頂きましたので
お時間頂けたらお願いします♪
冒頭のシーン、集まった大群衆の人達が静まりかえって、その視線が一斉にこちらを注視する所、迫力有りました。
僕自身、極端な上がり性なので怖かった。(笑)
あと、色彩のトーンが好きというか、自分の好みに合っていました。
現王室の話で、まだ現役の方もいらっしゃられる訳ですから、ある程度は綺麗に纏めなきゃいけないし、この辺が手の打ちどころかと・・・。
ただmiriさんも同意して下さった「後々残る映画か」は、たった1年でに人の口に上らなくなってますから、記録に残った映画になるのは予想より早いかもしれませんね。
(僕個人としては、敗戦国の人間なので連合国側の勝利秘話には、どこか屈折した感情が滲み出てしまいます)
もしかしたら「ブラック・スワン」の方が、毒の有るぶん生き残るかも。
>メフィストフェレス的な風味のある作品。
>「器でない者の悲劇」という「マクベス」味もしてる。
そんな大層な映画ではなかったと思います。
>兎に角、目の回る映画。(笑)
>ただ、この欠点、バレエの場面では効果を出していると思います。
>効果音の使い方が、安直、且つ、うるさ過ぎます。
このあたり、全部共感です☆
>心の揺らぎを的確に演じています、アカデミーの主演女優賞に相応しい演技だったと思います。
でもこれはちょっとね~???と思います。
見ている間、ずっと気持ち悪くて(いろんな意味の気持ち悪さが、いっぱい)
見おわってみれば、ただただ「ヘンな映画だったな~」としか思えず、
B級映画とか以外で、ここまで話題になった作品にしたら久々に
「時間返せ~!!!」と、こころの声がさく裂しました♪
助演のミラ・クニスは、あのお目々ドッキリで、「ステイ・フレンズ」見に行って以来のファンです。
今回もすっごく良かった!!!
>もしかしたら「ブラック・スワン」の方が、毒の有るぶん生き残るかも。
映画としてのデキ等を考えるとやはり「英国王のスピーチ」に軍配が上がると思います。
お忙しいところ、お邪魔しました~。
メフィストフェレス的>格調高い作品を引き合いに出しましたが、
要は、破滅と引き換えに成功を得る、くらいな意味です。(笑)
最近の映画って、何で効果音が馬鹿でかいんでしょう?
(今の人って、みんな難聴気味なんでしょうか)
使い方も脊髄反射だし・・・。
バラエティ番組の「笑い声」の挿入と同レベルだと思います。
ミラ・クニス>印象的でした。
正と邪、白と黒、学級委員と問題児、コントラストの強いほうの役だから、ある意味、儲け役かもしれませんね。
TV画面で「アザーズ」を見てキッドマンの顔は一発で覚えたのですが、スクリーンで観たのにポートマンの顔は覚えられなかった(1年たったら輪郭あやふや~笑)。
「時間返せ~!!!」>ロードショーじゃなくて良かったですね。(笑)
僕はそれ程でもないけど、有楽町まで20分電車賃かけて行ってきましたよ。
作品的には「英国王のスピーチ」>「ブラック・スワン」だと僕も思います。
ただ、優等生と問題児ですからね。
10年後、どっちが記憶にこびり付いているかは解りませんよ。(笑)
私もあがり症だし、コンプレックスの塊のような人間なので、かなり感情移入して見られました。
映画としての出来もホント”優等生”って感じで。
最後までハラハラしながら見守って、ラストのスピーチでは爽やかな感動を味わえました。
>ただ、20年後、「語り継がれてる映画」になってるかは、ちょっと「微妙」。
これはあるかもしれませんね~。淡々とした作品だし、英国王室に馴染みがあるわけでもないし、何よりパンチが足りなかったです。
まあ、タイトルを聞けばよい映画だったと思い出す…くらいでしょうか。
コメントありがとうございます!
私もあがり症だし、コンプレックスの塊のような人間>
この部分、僕も100%同じです。
そういう意味で、あの冒頭のシーンはイヤですね。(笑)
観てるだけで心拍数が上がります。
何よりパンチが足りなかったです>それだ!!
この映画、何か足りないと思ってたのですが、当にそれです。
「英国王のスピーチ」、「ブラック・スワン」、もう観てから2年半経ったのだけど、
今は、「英国王~」なら、もう一回観てもいいけど、「ブラック・スワン」は出来たら避けたい、そんな気分です。
「パーフェクトブルー」の気持ち悪さ、後味の悪さ(褒め言葉です)と比べたら、「ブラック・スワン」は痛快・爽やか・ハッピーエンド!(笑)
機会があったらぜひ♪(冗談です)
N・ポートマンの演技については同感です。バレエはわからないけど、しっかり”不感症の小娘”に見えました。その後の変化もお見事!
主演が別の女優だったら、ただのB級スリラーになってたと思います。
あと、ひとりでホラーしてたお母さんがよかったですね。「キャリー」の母親を連想してしまいました。
ラストは彼女にとってもハッピーエンドだったかも。
そして伝説に…!
コメントありがとうございます
サイコスリラー〉あ、そうか。
ジャンルで分けるとそこなんだ。
妙に納得。
レジェンドでハッピーエンド〉ある意味そうですね。
ずっとプリマを張れる程、図太くなさそうだし。
キャリーの母親〉アハハ、やっぱり。
あれは僕も直ぐイメージに浮かびました。
N・ポートマン〉いい演技だったと思います。
でも、この人の顔、今だに覚えられないんですよ。(汗)
「パーフェクトブルー」気持ち悪さ、後味の悪さ〉ははは、どうしましょう。
「肝試し大会」の候補作が出来ました。(笑)