セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「画家と庭師とカンパーニュ」

2024-05-06 15:08:25 | 映画日記/映画雑記
 「画家と庭師とカンパーニュ」(「Dialogue avec mon jardinier」、2007年、仏)
   監督 ジャン・ペッケル
   脚本 ジャン・ベッケル  ジャン・コスモ  ジャック・モネ
   原作 アンリ・クエコ
   撮影 ジャン=マリー・ドルージュ
   音楽 
   出演 ダニエル・オートゥイユ
      ジャン=ピエール・ダルッサン
      ファニー・コタンソン
      エロディー・ナヴァール
      アレクシア・バルリエ 

 パリの生活に疲れ離婚の危機を迎えてる画家キャンパス(渾名)が数十年ぶりに故郷へ帰って来た、或る日、小学校時代の親友ジャルダン(渾名)が庭師として雇ってくれるよう訪ねてくる、二人は2回目の親友時代を過ごしていく・・・。

  予告編 https://eiga.com/movie/53750/video/

 一言で言えばジャン・ベッケル版「デルス・ウザーラ」なんだけど薄っぺらい。
 インテリが陥る病、都会人より地に根付いた地方の人達こそが逞しく哲学に満ちている、それ自体、インテリの思い上がりそのものに感じてしまい物語に没入出来なかった。
 親友に雇い主と雇用人の上下を付ける代わりに人間観察や生きる哲学に於いては雇用人の方が上にしてバランスを取ってるのだけど、それ自体、小賢しく感じてしまう(わざわざ画家自身に画家の仕事は観察する事だと言わせ、都会人の浅はかさを強調)。
 会話劇なんだけど会話そのものも起伏がなく退屈、見るべきものはフランスの田舎風景とジャルダン役のジャン=ピエール・ダルッサンの朴訥とした演技くらいでした。
 「自然に帰れ」の哲学者ジャン=ジャック・ルソーもフランス系スイス人、まぁ、同族の考えは似てるということか。

   蒲公英の 綿毛飛ばして 遊んだ日
    遠く過ぎさり 白髪がそよぐ

※庭師は神の代理人だね。

 R6.5.5
  DVD
コメント
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