マインドフルネス最前線 瞑想する哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師を訪ねて探る、マインドフルネスとは何か? (サンガ新書) | |
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永井均さんの本は、(良くも悪くも、論理の展開がトンガっていて)
哲学という学問の面白さを
存分に味わわせてくれるのでよく読む。
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その永井さんが、仏教の瞑想法が現代医療にとりいれられたと最近話題の
「マインドフルネス」(ストレスを解消し
免疫力を劇的に向上させる効果があるとされる)をめぐって、
精神科医・香山リカ氏と対談している、、、、
と知り、早速アマゾンで取り寄せて読んだのが、
冒頭に掲げた、「マインドフルネス最前線」。
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哲学という学問、思惟を積み重ねているうちに
とんでもない方向に暴走する(現実と遊離してしまう)
という危険を、常に、はらんだ学問だが、
(そして、世間では永井さんの哲学世界はその最たるものの1つと捉えられているのだが)
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ここに収録された対談では、(仏教の瞑想法に関する)永井氏の発言に対し、
精神科でリアルな医療に携わる立場から、
香山リカさんが、素朴な質問を投げかけ、あるときは反論する(現実に引き戻す)
というかたちで、相当突っ込んだダイアローグが成立している
(ある意味稀有な)興味深い本。
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同書には、永井さんとの対談のほか、
香山リカさんが行った、アルボムッレ・スマナサーラ(初期仏教長老)
永沢哲(宗教人類学者)、熊野宏昭(心療内科医)
との対談も収録されている。
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以下は、その「マインドフルネス最前線」の内容紹介。
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「 精神科医・香山リカが各界の最前線で活躍する研究者・実践者を訪ねて
現代の瞑想法マインドフルネスの最先端を探る。
マサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士が開発した
マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)などで話題のマインドフルネス。
ストレスにさらされる現代社会で心を健康にして生きるための、
脳科学的な実証のある最新の方法である。
そして、そのルーツはサマタ・ヴィパッサナー(止観)と言われる仏教瞑想にあるといわれている。
本書では、自ら仏教瞑想を実践する哲学者、瞑想を指導する仏教僧、
瞑想と脳科学の最先端を研究する宗教人類学者、
臨床の場でマインドフルネスを活用する心療内科医との対談を通して、
その全体像と最新研究を紹介する。
第1章 ヴィパッサナー瞑想を哲学する
坐禅をへて初期仏教の瞑想を始めた哲学者の真意と思考実験
対談:永井均(哲学者)
第2章 マインドフルネスブームと仏教の方法
仏教の伝統が現代に与えたインパクト――マインドフルネスは仏教瞑想を盗んだのか?
対談:アルボムッレ・スマナサーラ(初期仏教長老)
第3章 マインドフルネスと脳科学の可能性
最先端の研究から生まれた瞑想の脳科学、そして人間の未来
対談:永沢哲(宗教人類学者)
第4章 臨床におけるマインドフルネス
臨床医学の最前線で活用される瞑想の技術と日本の現状
対談:熊野宏昭(心療内科医) 」
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「 現代医療が仏教瞑想を取り入れた。
心身医療の現場で、そして
欧米のIT企業で導入される瞑想の技術「マインドフルネス」とは何か。
人文から医療にまたがる4人の専門家に訊く、心と脳の科学の現在 」
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( 追記 )
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NHK の番組でも、最近頻繁にこの「マインドフルネス」が
とりあげられるが、
下は、そのNHKの番組にも登場した
心療内科医の熊野宏昭さんが、NHK出版から出された本。
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ストレスに負けない! 心のストレッチ はじめてのマインドフルネス (NHKまる得マガジン) | |
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NHK出版 |
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