2月 28日

2021-02-28 05:40:32 | Weblog
                      二月尽・二月果つ


     二月尽天城山葵に涙して             細見綾子


     厨芥車滴り長し二月尽              沢木欣一


     雨あとの畦のもろさよ二月尽           下里美恵子


     杼を通す音軽やかや二月尽            岸本典子


     わが名記す護摩木の炎二月果つ          山下 護


     二月尽ピアノのくもり拭ひたる          中川幸子


     ママレード琥珀に煮詰む二月尽          岡田佳子


     二月尽句友と出湯へ一夜旅            山下智子


     鉄柵に豹が爪研ぐ二月尽             長谷川郁代


     竹林の濡れて明るし二月尽            中山ユキ


     雨あがる青空閏二月尽く             松本恵子


     座禅堂に干さるる草鞋二月尽           廣島幸子



          



     托鉢も日向を選るや二月尽            角川春樹


     ますぐなる幹に雨沁む二月尽           福永耕二


     二月尽母待つ家がときに憂し           鈴木栄子


     怒濤には男のにほひ二月尽            鍵和田釉子 


     老友の睦むあはれや二月尽            福田蓼汀


     水底に稚魚のくれなゐ二月尽           飯田龍太


     瀬の岩へ跳んで銭鳴る二月尽           秋元不死男




          

          さらしなしょうま


         三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

        非常事態宣言が3月7日まで延長されました
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2月 27日

2021-02-27 06:10:21 | Weblog
                       黄水仙・喇叭水仙


     そよ風に首振るばかり黄水仙           栗田やすし


     廃れ家の庭に咲きたり黄水仙           中山敏彦


     スキップの稚児の靴先黄水仙           小田二三枝


     休日の茶房明るし黄水仙             佐藤喜美子


     黄水仙朝日に雫震へをり             中山ユキ


     黄水仙午後の日差しの柔らかし          大津千恵子


     黄水仙雨に明るき碧の句碑            市江律子


     路地奥の地蔵に供ふ黄水仙            大原悦子



          



     母にだけ言ふ悲しみや黄水仙           野島禎子


     喇叭水仙軍楽隊の楽変はる            平井伊都子


     黄水仙瞠きて咲く殉教碑             中山純子


     喇叭水仙希臘の壷に挿し剰り           草間時彦


     祝ぐまへの小言ひとつや黄水仙          石田あき子


     母恋ふておろかに泣けり黄水仙          岡本 眸


     半生の手記ぼろぼろに黄水仙           三橋鷹女



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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2月 26日

2021-02-26 05:34:25 | Weblog
                      ミモザの花・ミモザアカシア・ギンヨウアカシア

          あの黄色いぽんぽんの花は、アカシアの花です。ミモザという植物はありません。
          正式名称は〇〇アカシアです 〇〇の種類はかなり多いようです
          元々は南半球の植物で雨の少ない地域で生えてるものが多いとか
          ( ネットから知識拝借いたしました)
           3月8日はミモザの日なのに歳時記のアカシアの花の季は夏になって不思議ですね



     塵のごとくアカシヤの花手に足に         沢木欣一


     ミモザ咲き遠き母との日を想ふ          栗田やすし


     陶房の窓いつぱいにミモザ咲く          下里美恵子


     ミモザの黄女子学院のガラス窓          武藤光晴


     窯小屋の屋根に枝垂るる花ミモザ         沢田充子


     アカシアの花に風湧く信濃かな          金田義子


     誕生日瓶にミモザを溢れ挿す           大嶋福代


     町筋に咲き満つミモザ夕茜            山下善久


     花アカシア仔牛の爪のはやらかし         中根多子


     ミモザ咲く明るき道を赤子見に          長江克江


     坂の上にひろごる町や花ミモザ          栗生晴夫




          



     野外劇はじまるミモザ降る下に          星野立子


     ミモザ見てつぎつぎくぐる冠木門         飯田龍太


     鬱と高し花アカシアの万の房           神蔵 器


     水割りの水にミモザの花雫            草間時彦


     ミモザ咲く島に醤油屋佃煮屋           谷中隆子


     林ゆく風の道あり花アカシヤ           石田 波郷


     少女期のふしぎな眩暈花ミモザ          堺 信子



          

         三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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2月 25日

2021-02-25 06:11:32 | Weblog
                      蒲公英・鼓草・たんぽぽ・タンポポの絮


     縄文の土葺き屋根に鼓草             栗田やすし


     しあはせに短かたんぽゝ昼になる         細見綾子


     蒲公英や石垣匂ふ海のふち            沢木欣一


     たんぽぽの絮貴婦人の風情あり          河原地英武


     古希近したんぽぽの絮吹き飛ばす         佐藤とみお


     たんぽぽや寝ころんで見るグライダー       関根切子


     たんぽぽや御願所際に基地フェンス        平 千花子


     たんぽぽの絮とぶ日和石舞台           上田博子


     廃校に子らの手形や鼓草             中村たか


     たんぽぽや画板の下に小さき膝          服部鏡子


     たんぽぽの土手に双子のベビーカー        小田二三枝


     閉店の貼り紙茶屋に鼓草             東口哲平



          



     蒲公英が咲き睡たさが風にのり          菖蒲あや


     蒲公英や空より戻る観覧車            佐藤幸子


     夕方の空の肌いろ鼓草              山西雅子


     たんぽぽや母を呼ぶとき吾幼し          林 翔


     たんぽぽ咲きティッシュペーパーつぎつぎ湧く   正木ゆう子


     蒲公英の白ばかりなり墳のみち          大森三保子


     蒲公英やローンテニスの線の外          政岡子規



          

           三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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2月 24日

2021-02-24 06:19:00 | Weblog
                      蓬(よもぎ)・餅草・艾草・蓬摘む


     西行庵十歩離れずよもぎ摘む           細見綾子


     搗き終へし杵にほのかや蓬の香          栗田やすし


     庭先の餅草摘める夕べかな            矢野愛乃


     指先に明日香の蓬匂はせて            国枝洋子


     地震跡に山の日射しや蓬摘む           金原峰子


     道草を刈るや蓬の匂ひけり            夏目隆夫


     古里の土手やはらかし蓬の芽           菊山静枝


     エプロンにくるむ蓬の匂ひ濃し          玉井美智子


     大利根の風をうなじに蓬摘む           横森今日子


     柴又に行き来の渡し蓬積む            幸村志保美


     初瀬川土手の餅草香り濃し            廣島幸子



          



     餅草の大きく伸びて野の日美し           村山故郷


     舟伏せしその辺蓬萌えてをり            清崎敏郎


     指先の傷やきのふの蓬摘み             能村登四郎


     引力の匂ひなるべし蓬原              正木ゆう子


     手の中へふくらんでくる蓬摘む           坂巻純子


     いにしへの田に蓬萌ゆ進むべし           鍵和田釉子


     灸にする餅にする蓬摘みにけり           政岡子規



          

          

           三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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2月 23日

2021-02-23 06:18:29 | Weblog
                      馬酔木の花・花馬酔木・あせび・あせみ・あせぼ


          馬酔木は有毒植物の一種で牛馬が食べると痺れて酔ったようになるのでこの名前に
          なったということです。写真は自生のものでピンクの馬酔木は園芸品種です



     人遠し馬酔木の下のくぐり水           細見綾子


     花馬酔木顔より昏るる念怒仏           栗田やすし


     舞姫の歌碑に木洩れ日花馬酔木          上田博子


     花あせび蓑虫庵の縁先に             小田和子


     大寺の畳廊下や花馬酔木             高橋ミツエ


     花あしび池ささ濁る直也の居           井沢陽子


     継ぐ人の絶えし旅籠や花馬酔木          小澤明子


     山門をくぐる馬酔木の花にふれ          笹邊基子



          



     来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり       水原秋櫻子


     つくばへる石より低く花馬酔木          富安風生


     奈良の夜は女人の匂ひ花あしび          飴山 實


     中尊寺道白珠の馬酔木咲く            秋元不死男


     月よりもくらきともしび花馬酔木         山口青邨


     馬酔木咲く向うで欠伸夢の僧           金子兜太


     樒かとまがふ山路の馬酔木かな          河東碧梧桐



          

          もう少しです 三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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2月 22日

2021-02-22 06:09:20 | Weblog
                       牡丹の芽・芽牡丹


     早起きの妻のけはひや牡丹の芽          沢木欣一


     牡丹の芽筆ほどといふしか思ふ          細見綾子


     武蔵野の土やはらかし牡丹の芽          栗田やすし


     紅濃かり綾子愛せし牡丹の芽           国枝隆生


     牡丹の芽影置くほどに伸びにけり         矢野愛乃


     忌を修す母の牡丹の芽に屈み           都合ナルミ


     人気なき山の御堂や牡丹の芽           松平恭代


     細竹で囲みて守る牡丹の芽            相澤勝子


     菰解きて日ざしあふるる牡丹の芽         倉田信子


     臥す夫が牡丹の芽吹き問ふてをり         八尋樹炎


     忌明けの雨にほつるる牡丹の芽          内田陽子




          



     一寸にして火のこころ牡丹の芽          鷹羽狩行


     支へ木も紐もこまやか牡丹の芽          岡本 眸


     嫁ぐ子へ日の剥がれゆく牡丹の芽         林 翔


     みほとけに上品下品牡丹の芽           六本和子


     のぞみいつか子へ移りゆく牡丹の芽        能村登四郎


     牡丹の芽の覗かれてばかりゐる          石田郷子


     鎌倉の古き土より牡丹の芽            高濱虚子



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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2月 21日

2021-02-21 06:38:47 | Weblog
                       下萌・草萌・草青む


     西行の跡いくたびの草の萌え         細見綾子


     草萌ゆる予科練生の夢見し地         栗田やすし


     弁当の蓋の米つぶ土手青む          河原地英武


     草青む野につながれし山羊二匹        清水弓月


     空濠に角突く鹿や草萌ゆる          奥山ひろみ


     下萌や杭一本の馬の墓            森垣一成


     神事の矢それて草萌打ちにけり        篠田法子


     下萌に膝ついて切る山羊の爪         佐々木美代子


     飛火野に鹿のぬた場や草青む         江口ひろし


     キャンパスの内なる古墳下萌ゆる       石川紀子


     御手洗の水の煌めきなづな萌ゆ        武田稜子


     草萌に鱗とばして鯛捌く           上杉美保子



          



     おちついて死ねさうな草萌ゆる        種田山頭火


     てらてらと目刺を干して草青む        清崎敏郎


     もの縫へば何やら安し草萌ゆる        中村汀女


     まだ出来る爪立ち歩き草青む         岡本 眸


     萌え出でしばかりの草を耘れり        富安風生


     断崖に萌え出てすでに石蕗の艶        能村登四郎


     四阿の柱をめぐり草萌ゆる          山口青邨



          

          節分草


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2月 20日

2021-02-20 06:02:31 | Weblog
                        猫柳・えのころ柳


     来て見ればほゝけちらして猫柳          細見綾子


     鵜蹟に下りやはらかき猫柳            栗田やすし


     ねこやなぎ活けて如庵の静もれり         石原進子


     白壁の土蔵住ひや猫柳              水野時子


     猫柳川はひかりを流しをり            丹羽一橋


     旭光や雨だれ弾く猫柳              月光雨花


     猫柳呆けて川の水にごる             渋谷さと江


     引き売りの荷に猫柳一抱へ            山下智子


     猫柳ほほけ野川の水嵩む             荻野文子


     毛先まで光あつめし猫柳             高岸弘子


     芦ノ湖の水ひたひたと猫柳            夏目隆夫


     水郷の中洲に光る猫柳              市川美智子



          



     ねこやなぎ音楽の尾のきらめきて         正木ゆう子


     猫柳女の一生野火のごと             三橋鷹女


     水車場の震へここまで猫柳            鷹羽狩行


     山裾の水の迅さや猫柳              飴山 實


     頁繰る二月の季寄せ猫柳             星野立子


     ボクシング・ジム裏口の猫柳           小川軽舟


     猫柳紅さへふくみ銀鼠              山口青邨



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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2月 19日

2021-02-19 05:35:21 | Weblog
                      土筆・つくづくし・土筆和え・つくしんぼ・筆の花


     頭の黒きつくし野におく旅かばん         細見綾子


     山姥の目敏く土筆見つけたり           沢木欣一 


     土筆摘む土手揺るがして汽車過ぐる        栗田やすし


     土筆摘む狂言一つ見過して            国枝隆夫


     太りたる染屋の庭のつくしんぼ          岸本典子


     だんまりを決めて土筆の袴剥く          武藤光晴


     土筆摘屈めば遠く波の音             矢野孝子


     波静か遠流の島に土筆摘む            鈴木みすず


     掌に余るつくし摘みたり下校の児         上杉美保子


     文楽の幟立つ畦土筆摘む             豊田紀久子


     雪抜けて小指ほどなるつくしんぼ         青山美佐子


     膝つけば土の温さよ土筆摘む           笹邊基子



          



     まゝごとの飯もおさいも土筆かな         星野立子


     土筆摘みて二日の指に草の色           伊藤敬子


     父なくて母のまはりにつくづくし         岸田稚魚


     修務僧の土筆をよける竹箒            中村純代


     せせらぎや駈けだしさうに土筆生ふ        秋元不死男


     だんだんに人と離れて土筆摘む          上田 芳子


     学帽が土筆の籠に代りけり            白根純子



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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