2月 29日

2024-02-29 05:52:01 | Weblog
                         二月尽・二月果つ( 閏年 )




          厨芥車滴り長し二月尽              沢木欣一


          二月尽天城山葵に涙して             細見綾子


          雨あとの畦のもろさよ二月尽           下里美恵子


          二月尽ピアノのくもり拭ひたる          中川幸子


          鉄柵に豹が爪研ぐ二月尽             長谷川郁代


          ママレード琥珀に煮詰む二月尽          岡田佳子





                




                




          怒濤には男のにほひ二月尽            鍵和田釉子 


          ますぐなる幹に雨沁む二月尽           福永耕二


          川幅のいくばくふとり二月尽           能村登四郎


          瀬の岩へ跳んで銭鳴る二月尽           秋元不死男


          二月尽母待つ家がときに憂し           鈴木栄子


          水底に稚魚のくれなゐ二月尽           飯田龍太





                




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2月 28日

2024-02-28 06:41:38 | Weblog
                              ぜんまい・薇




            薇(ゼンマイ)は、シダ類で、湿気の多い山野に生えています。若い紫色の芽は、
            渦巻き状の白い綿毛に覆われたもの




                




          干しぜんまい浸して春の水と知る          細見綾子


          ぜんまいののの字ほぐるる日和かな         下里美恵子


          木洩れ日にぜんまい緩ぶ隠れ里           鈴木みすず


          峡日和笊にぜんまい乾き切る            小田二三枝


          薇の鋼のごとく干し上がる             坂本操子


          井戸蓋に干ぜんまいや尼の寺            澤田正子





                




          ぜんまいののの字ばかりの寂光土          川端茅舎


          ぜんまいが疑問符つくる島の道           秋元不死男


          ぜんまいを貫くシュールレアリスム         櫂未知子


          村中の莚の並ぶぜんまい干し            小林輝子


          ぜんまいは仲よく拗ねて相反き           富安風生


          待ちて今日ぜんまい土をやぶりけり         水原秋櫻子





              




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2月 27日

2024-02-27 06:29:10 | Weblog
                         野蒜・野蒜摘む・山蒜・沢蒜




             ノビル(野蒜)はユリ科(植物分類体系ではネギ科)ネギ属の多年草で、日本全国で見られます
             地下に小さなラッキョウほどの鱗茎(球根)があり、食べられるので、酢味噌でビールのつまみに
             しています 秋に長さ20~30cmほどの細い葉を出し、春先球根が育っている頃がたべごろです
             花期は5~6月





                  




          国分寺跡へのびるを摘みながら          細見綾子


          渡し守畦の野蒜を摘みくれし           栗田せつ子


          鈴鹿嶺の風くる土手に野蒜掘る          国枝洋子


          野蒜摘む匂ひ漂ふ陶干場             澤田正子


          古城址の本丸でつむ野蒜かな           平 千花子


          草くぐり来し水音や野蒜摘む           中野一灯





                




          竜巻に野蒜飛ぶなり鰻池             水原秋桜子


          雪を削ぐ山風いたし野蒜摘み           能村登四郎


          一と鍬に野蒜の白き球無数            川島彷徨子


          野蒜抜きをれば空より韓の歌           猿田咲子


          野蒜掘れば強きにほひや暮の春          松本たかし


          ダムに落ちさうな野蒜の畑かな          刈谷 桂子





                




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2月 26日

2024-02-26 06:07:06 | Weblog
                          山葵・山葵田・山葵沢




          二ン月の雪が山葵のみどりに降る         細見綾子


          山葵田を抜け来し水に鍬浸す           栗田せつ子


          水尾との重なりひびく山葵沢           坂本操子


          山葵田の小石均して苗植うる           豊田紀久子


          山葵田をめぐるさざ波まぶしかり         高橋孝子


          畝をきる鍬音響く山葵沢             小田和子





                




                




          透き水のさざめき通る山葵沢           桂 信子


          ほろほろと泣き合ふ尼や山葵漬          高濱虚子


          山葵田に雪まじりなる雨の音           福永耕二


          山葵田の水もて山葵洗ひあぐ           赤座閑山


          言もなし臀向けあひて山葵掘           石田波郷


          安曇野や水脈のたばしる山葵沢          内田 圭介





                



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2月 25日

2024-02-25 06:55:25 | Weblog
                   木瓜の花・緋木瓜・花木瓜・草木瓜・更紗木瓜




          木瓜燃ゆるところ杜国の細き墓          細見綾子


          木瓜咲くや怠け教師として終る          栗田やすし


          聞き役に徹してひと日木瓜の花          岸本典子


          一葉の露地にはみ出す木瓜の花          松本恵子


          風化せし寄せ墓白し木瓜の花           武藤光晴


          蛸壺にぼけの花さす乾物屋            河村恵光





                



                

                  草木瓜




          平氏二十三代緋木瓜つぶらにて          鷲谷七菜子


          木瓜咲きぬ歯と飯茶碗欠けもせで         秋元不死男


          うらうらと緋木瓜の花の多弁かな         飯田龍太


          わがこゑか否かひぐれの木瓜の花         加藤秋邨


          木瓜挿して壷中の闇をつらぬけり         中嶋秀子


          木瓜を見てをれば近づきくる如し         石田 波郷





                

                   更紗木瓜




          降りつつむ雨の明るし更紗木瓜           水原秋櫻子


          腹空けばそのことばかり更紗木瓜          八木林之助


          母を訪ふひととき明し更紗木瓜           山田みづえ


          客人の絶えし茶室や更紗木瓜           金原峰子





                



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2月 24日

2024-02-24 05:57:45 | Weblog
                             小綬鶏




             今ごろの散策の楽しみに野鳥との出会いがあります。人間の勝手で季語になってしまっていますが、
             眼白(夏)翡翠(夏)頬白(春)鶺鴒(秋)鵯(秋)四十雀(夏)等など・・・今の季節でも見かけ、
             その声も楽しませてくれます。平日の植物園は人も少なく、野鳥を楽しむには最高です。
             時たま草むらからシャシャと掃くような音がします,眼を凝らしてみると小綬鶏が草の中を嘴で掻き分け、
             虫や木の実を漁っています。最初は雉鳩だろうと思っていましたが,よく見ると小綬鶏でした。 
             俳句をするようになって野鳥への感心も深まりこれも俳句のまわりを楽しむことなのでしょうね。




                




          小綬鶏の妻恋ひ節のちよつと来い         沢木欣一


          小綬鶏に呼び起こされし寮泊まり         栗田やすし


          小綬鶏や明治の巡査身じろがず          武藤光晴


          小綬鶏の鋭声響けり政子の井           栗田せつ子


          小綬鶏の声つつぬけや絵付小屋          澤田正子


          小綬鶏の声の奥なるカレー店           ころころ





                




          小綬鶏や病む娘と一つ屋根に住み         阿部みどり女


          空白み小綬鶏愛を高らかに            林 翔


          小綬鶏に呼ばれどほしや昼の酒          矢島渚男


          はけの径小綬鶏の声せはしかり          佐久間俊子


          子を連れて小綬鶏夫婦太りたる          清水基吉


          小綬鶏の鳴く少年の隠れ小屋           中西しげる





                




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2月 23日

2024-02-23 06:33:15 | Weblog
                           猫柳・えのころ柳




          来て見ればほゝけちらして猫柳          細見綾子


          鵜蹟に下りやはらかき猫柳            栗田やすし


          白壁の土蔵住ひや猫柳              水野時子


          引き売りの荷に猫柳一抱へ            山下智子


          毛先まで光あつめし猫柳             高岸弘子


          猫柳ほほけ野川の水嵩む             荻野文子





                




                




          ぎんねずに朱ヶのさばしる猫柳          飯田蛇笏


          頁繰る二月の季寄せ猫柳             星野立子


          猫柳紅さへふくみ銀鼠              山口青邨


          万葉の古江の春や猫柳              水原秋櫻子


          ねこやなぎ納屋の荷駄鞍罅はしる         能村登四郎


          ねこやなぎ音楽の尾のきらめきて         正木ゆう子





                




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2月 22日

2024-02-22 06:47:37 | Weblog
                         草餅・蓬餅・草団子・母子餅




          草餅の黄な粉をこぼす毛越寺           細見綾子


          草餅を土産に妻の帰り来し            栗田やすし


          老い母の尽きぬ話や草の餅            矢野孝子


          宇陀に買ふ餡の重たき蓬餅            足立サキ子


          草だんご頬ばり帝釈橋渡る            豊田紀久子


          ふるさとの草餅母の指のあと           金原峰子





                




               




          大仏に草餅あげて戻りけり            正岡子規


          草餅に草の香つよし小糠雨            林 翔


          草餅はみどり淫らに供さるる           櫂 未知子


          ふるさとや粗にして甘き草の餅          上村占魚


          いつまでも淡海の冷やよもぎ餅          藤田湘子


          草餅や故郷出し友の噂もなし           寺山修司
 





                





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2月j 21日

2024-02-21 07:27:05 | Weblog
                             雛飾る・古雛




             お雛様はいつ飾るの
            立春(節分の翌日、2月4日ごろ)から2月中旬にかけてがよいと言われています。 節分で豆まきをして
            厄を払ったあとに飾り、雛祭りの一週間前ぐらい前までは済ませるようにするのが良いとされています
            昨日は「二十四節気」の2番目の節気 雨水「雨水に雛人形を飾り始めると良縁に恵まれる」
            という言い伝えから、雛人形を飾るのにおすすめの日だそう。




                




          古雛が古き顔して春に逢ふ            細見綾子


          本棚の一段を空け雛飾る             栗田やすし


          天井に水陽炎や雛飾る              都合ナルミ


          雛飾る部屋に一揆の手斧あと           鈴木真理子


          塩の道箱階段に享保雛              上田博子


          ひとつづつ声かけほどく雛の箱          ころころ





                




          音ほどは見えぬ両脚雛飾る            鍵和田釉子


          雛飾るときは良人に指図する           品川鈴子


          雛飾がらんどうなるものばかり          神野紗希


          仕る手に笛もなし古雛              松本たかし


          母様のその母様の古雛              佐土井智津子


          東西に嫁して姉妹や雛飾る            石 昌子





                




                




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2月 20日

2024-02-20 04:30:19 | Weblog
                   馬酔木の花・花馬酔木・あせび・あせみ・あせぼ




             馬酔木は有毒植物の一種で牛馬が食べると痺れて酔ったようになるのでこの名前に
             なったということです。写真は自生のものでピンクの馬酔木は園芸品種です





                




          人遠し馬酔木の下のくぐり水           細見綾子


          笹小径下る馬酔木の香を浴びて          栗田やすし


          舞姫の歌碑に木洩れ日花馬酔木          上田博子


          継ぐ人の絶えし旅籠や花馬酔木          小澤明子


          山門をくぐる馬酔木の花にふれ          笹邊基子


          大寺の畳廊下や花馬酔木             高橋ミツエ





                




          来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり       水原秋櫻子


          こころみに足袋ぬぎし日や花あしび        林 翔


          中尊寺道白珠の馬酔木咲く            秋元不死男


          月よりもくらきともしび花馬酔木         山口青邨


          掌にのせてすこしつめたき花あしび        西川保子


          馬酔木咲く向うで欠伸夢の僧           金子兜太





                




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