７月 ３１日

　　　　　　　　　　　　　　（　風鈴　）


停戦ニュース鳴り出す風鈴寝顔の上　　　　　　　　沢木欣一


風鈴の待てば中々鳴らざりし　　　　　　　　　　　　　細見綾子






隧道に風鈴売の入りにけり 　　　　　　　　　　　　菅原鬨也


風鈴の下行き過ぎて音変る 　　　　　　　　　　　　鈴木鷹夫


風鈴やひとりに適ふ路地暮し 　　　　　　　　　　　菖蒲あや


風鈴のそろはぬ音なれ二つ吊り 　　　　　　　　　　中村汀女



伊吹嶺の俳句　（ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています）
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風鈴の下のびきつて仔犬寝る　　　　　　　　　　　栗田せつ子


風鈴やひそと過ぎたる夜の風　　　　　　　　　　　梅田　葵


鍛冶町に音色たがへし軒風鈴　　　　　　　　　　　鈴木みすず



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７月 ３０日

　　　　　　　　　　　　　　（　踊り・盆踊　）



盆踊り汗水節といふ曲も　　　　　　　　　　　　沢木欣一


をみならに今の時過ぐ盆踊 　　　　　　　　　　　森 澄雄


影大き手が何まねく盆踊 　　　　　　　　　　　　鷲谷七菜子


竹山を越えて踊の唄きこゆ 　　　　　　　　　　　福田甲子雄


てのひらをかへせばすゝむ踊かな 　　　　　　　阿波野青畝



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葬儀屋の寄附金多し盆踊　　　　　　　　　　　　片山浮葉


爪先に踊の火照り残りけり　　　　　　　　　　　　大島知津


つまづきて鼻緒ゆるびし踊り下駄　　　　　　　　山本悦子


あを白く山城灯る盆踊　　　　　　　　　　　　　　兼松　秀


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７月 ２９日

　　　　　　　　　　（　花火・遠花火　）


東京も連日の猛暑日が続いています　いつもこのブログを観て頂いている方々には
暑中お見舞い申し上げます
今日は横浜での「山ゆり句会」へ参加してきました
猛暑の中，熱心な連衆と楽しく有意義な時間を過ごしてきました
成績は・・・　そこそこ　でした



魚減りし海に花火を打ちに打つ　　　　　　　　　沢木欣一


花火見る茣蓙の上なる一家族　　　　　　　　　　細見綾子


暗く暑く大群衆と花火待つ 　　　　　　　　　　　　西東三鬼


ねむりても旅の花火の胸にひらく 　　　　　　　　大野林火


二重三重すぐ八重咲きの揚花火 　　　　　　　　　鷹羽狩行



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生きてゐるだけで幸せ遠花火　　　　　　　　　　　清水弓月


大花火果てて騒めく下駄の音　　　　　　　　　　　上杉和雄


見えぬ目を研ぎ澄まし見る大花火　　　　　　　　　牧田　章


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７月 ２８日

　　　　　　　　　　　　（　日傘・ひからかさ・パラソル　）



人力車降りて開きぬ白日傘　　　　　　　　　　　　栗田やすし


白日傘海に回せば海のいろ 　　　　　　　　　　　　勝田享子


水を切る仕ぐさや日傘たたみても 　　　　　　　　　岡本眸


砂山に泳がぬ妹の日傘見ゆ 　　　　　　　　　　　　日野草城





印象派の日傘の女になりすます 　　　　　　　　　松原小蕾


日傘さす光と影をしたがへて 　　　　　　　　　　　大高翔


パラソルは私のつばさ風の道 　　　　　　　　　　　神木美恵


パラソルを細巻きにしてちひろ館 　　　　　　　　　高岡いつ



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７月 ２７日

　　　　　　　　　　　（　夏蝶・揚羽蝶・しじみ蝶　）


風紋に影やはらかし黒揚羽　　　　　　　　　　　　栗田やすし


黒揚羽水辺の石で息したり　　　　　　　　　　　　細見綾子







山の子に翅きしきしと夏の蝶 　　　　　　　　　　　秋元不死男


夏蝶の越ゆる国境検問所 　　　　　　　　　　　　　水田光雄


しじみ蝶ふたつ先ゆく子の霊か 　　　　　　　　　　能村登四郎


くもり日は曇り日の色しじみ蝶 　　　　　　　　　　　小川允子






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落日の妙義山背に黒揚羽　　　　　　　　　　　　　奥山ひろ子


夏蝶来伊勢の家並の古格子　　　　　　　　　　　　矢野孝子


夏蝶の離れては来る矢立句碑　　　　　　　　　　　武藤光


影見えて影より大き黒揚羽　　　　　　　　　　　　　梅田　葵



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７月 ２６日

　　　　　　　　　　　　（　芙蓉　）


妹逝く背戸の芙蓉の桃色に　　　　　　　　　細見綾子


初花の芙蓉に澄めり稽古笛 　　　　　　　　　能村登四郎


祭くる木曽の晴夜の白芙蓉 　　　　　　　　　福田甲子雄


おはじきは今朝の空いろ芙蓉咲く 　　　　　　古沢太穂


電話より手紙待たるる紅芙蓉 　　　　　　　　西村和子






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開かんと青味帯びたる白芙蓉　　　　　　　　　　中川幸子



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７月 ２５日

　　　　　　　　　　　　　（　白粉花・夕化粧　）



染め汁の虎色の川よおしろい花　　　　　　　　　細見綾子


本郷に残る下宿屋白粉花 　　　　　　　　　　　　瀧　春一


白粉の花の紅白はねちがひ 　　　　　　　　　　　富安風生







花白粉農の常口ひろやかに 　　　　　　　　　　　石川桂郎


白粉花の風のおちつく縄電車 　　　　　　　　　　河野南畦





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おしろいの花島原の廓跡　　　　　　　　　　　　伊藤旅遊


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７月 ２４日

　　　　　　　　　　　　　　　（　いたどりの花・虎杖の花　）



いたどりの花を活けたり加賀料理　　　　　　　　　　　　細見綾子


虎杖の花の散りこむマンホール 　　　　　　　　　　　　　岡本 眸


義経堂虎杖の花なだれ咲く 　　　　　　　　　　　　　　　皆川盤水


虎杖の花の月夜の簗番屋 　　　　　　　　　　　　　　　　宮下翠舟


虎杖の花に鏡山肌かくあらは 　　　　　　　　　　　　　　鈴鹿野風呂


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虎杖の花のこぼるる登山道　　　　　　　　　　　　　　　角田勝代


昌平坂いたどりの花散りしきる　　　　　　　　　　　　　若山智子


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カサブランカ　　　

７月 ２３日

　　　　　　　　　　　　　　（　青柿　）


青柿に囲まれし家豆腐冷ゆ　　　　　　　　　　　　細見綾子


青柿の堅さ女の手にすわる 　　　　　　　　　　　　西東三鬼


城守る青柿ばかり会津なる 　　　　　　　　　　　　杉本寛


青柿やこの道に師と呼ばしめず 　　　　　　　　　　石田波郷


塔古きまほろばの村柿青し 　　　　　　　　　　　　内藤好子


柿青し御詠歌にして子守唄 　　　　　　　　　　　　加藤覚範


青柿の青きままなる許六庵 　　　　　　　　　　　　塩川雄三








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７月 ２２日

　　　　　　　　　　　　　　　（　糸瓜の花　）



糸瓜咲て痰のつまりし仏かな 　　　　　　　　　　　正岡子規


さらし井や糸瓜の花に水を打つ 　　　　　　　　　　松瀬青々


古希以後のひと日大事に糸瓜咲く 　　　　　　　　岸風三楼


朝毎の数へもきらぬ花へちま 　　　　　　　　　　　邊見京子


鶏小屋の屋根に人をり花糸瓜 　　　　　　　　　　　徳丸峻二








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口ずさむ子規の絶筆花へちま　　　　　　　　　　　　三井あきを



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