4月 30日

2021-04-30 05:47:51 | Weblog
                       すかんぽ・酸模・すいすい


     高館に長きすかんぽ折りたるよ           細見綾子


     すかんぽやひがな水鳴る母の里           下里美恵子


     宮跡の土手のすかんぽ赤芽立つ           国枝洋子


     すかんぽの紅きざす風古戦場            上杉美保子


     教会の丘すかんぽの背丈ほど            石原進子


     すかんぽや湖北の奥の船着き場           安藤幸子


     友の訃に土手の酸葉を噛み歩く           松永敏江


     すかんぽや首を傾げし六地蔵            山田悦三


     すかんぽを食む木曽馬の長睫            平松公代



             



     春もはやすかんぽ長けし畦ばかり          水原秋櫻子


     淋しさのあるとき惨め酸模噛み           岡本 眸


     すかんぽの一本を折り山の雨            桂 信子


     すかんぽや千體佛の間より             星野立子


     都府楼趾すかんぽばかりはびこりて         菖蒲あや


     すかんぽ土手いつの代どこでも子は馳けて      平井さち子


     すかんぽのみなすいすいと明るき野         加藤三七子



          

       たび東京・大阪・京都・兵庫に緊急事態宣言が出されました
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4月 29日(昭和の日)

2021-04-29 05:55:02 | Weblog
                       4月の花々 ② 海桐の花・花海桐・とべらの花


     命絶えし子を抱く像や花海桐           栗田やすし


     花海桐匂ふ誓子の旧居跡             国枝隆生


     肩に触れ匂ふ関址の花とべら           坪野洋子


     魚臭き島の夕暮れ花海桐             ころころ


     
     沖に降る雨のおよびて花とべら          大石悦子 


     海女のもの脱ぎ捨ててあり花海桐         仁尾正文


     蜑が家は路より低し海桐咲く           道川源治郎


     海桐咲き産屋に残る力綱             神戸道子



          
     

             紫蘭・白及・しらんの花



     西行の歌碑に紫蘭の影伸ぶる           武藤光晴


     棺出す庭に紫蘭のこぼれけり           小栁津民子


     によつこりと顔出すやうに紫蘭咲く        大石ひさを



     雨を見て眉重くゐる紫蘭かな           岡本 眸


     司書の眼をときどきあげて紫蘭咲く        富安風生


     君知るや薬草園に紫蘭あり            高濱虚子



          

            春蘭・ほくり・ほくろ・はくり



     春蘭の花をコップに誕生日            細見綾子


     人送り来て春蘭に屈みたる            矢野孝子


     指ほどの春蘭ひらく古窯址            伊藤範子


     春蘭の和紙のごとくに花芽透く          中根多子



     春蘭や小瀧の多き裏高尾             水原秋櫻子


     ドア開ける度び春蘭の匂ひ立つ          稲畑汀子


     春蘭や酒仙住みにし深廂             鷹羽狩行


     春蘭や実生の松にかこまれて           星野立子



          

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4月 28日

2021-04-28 06:36:47 | Weblog
                      4月の花々 ①  都忘れ・野春菊


     家移る都忘れを置きざりに       栗田やすし


     日溜りの都忘れや比丘尼寺       武藤光晴


     都忘れ活け落柿舎の二畳の間      平松公代


     山涼し都忘れと聞くからに       阿波野青畝


     教へ子の来る日よ都忘れ買ふ      辻 恵美子


     庭隅に都忘れを紺屋かな        松崎鉄之介



               
                 石楠花・しゃくなげ



     石楠花のたわむ樹間に朝の富士       山下善久


     不開門址に石楠花朱を極む        磯田なつえ


     石楠花や女人高野の奥の院        益田しげる


     石楠花にひびきて深き渓の水       深見けん二


     石楠花は日蔭をよしと盛りなる      高浜年尾


     石楠花にかくれ二の滝三の滝       宮下翠舟



               

                  踊子草・踊草・踊花



     踊子草萌え初む紫香楽宮趾かな      金田義子


     乱れ咲く踊子草や夢二の居        田畑 龍


     踊子草咲き乱れたる無人駅        増田和代


     下萌の踊子草もはやたむろ        山口青邨


     内海へなだれ屋島の踊子草        鷹羽狩行


     踊子草おけさの島は人減ると       上田五千石



          

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4月 27日

2021-04-27 05:47:14 | Weblog
                      葱坊主・葱の花


     葱坊主燈台に風鳴るところ            沢木欣一


     空き瓶に水入れて葱坊主挿す           細見綾子


     葱坊主つつ立つ道を秘仏見に           下里美恵子


     井戸神は丸き石なり凪坊主            上杉和雄


     ちちははの声知らず古稀葱坊主          佐藤とみお


     葱坊主畑の真中に入鹿塚             小長哲郎


     授産所の子らの朝礼葱坊主            沢田充子


     葱坊主坊主くづして花咲けり           中根多子


     裏畑に葱の花咲く奈良井宿            市原美幸


     暮れてなほ空の明るき葱坊主           横森今日子


     しりとりの続きは明日葱坊主           鈴木 栄


     「どうして」の増ゆる幼子葱坊主         小原米子



          



     葱の花ふと金色の佛かな             川端茅舎


     愛されて放任されて葱坊主            岡本 眸


     風呂敷をはたけば四角葱坊主           波多野爽波


     海鳴りは離れきくもの葱の花           鈴木真砂女 


     葱の花エンタシスてふ青柱            山口青邨


     葱坊主愛のことばは道化めく           平井照敏


     葱坊主どこをふり向きても故郷          寺山修司



          

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4月 26日

2021-04-26 05:59:32 | Weblog
                      鳶尾草・いちはつの花・一八


     一八の屋根ならびたる小村かな          正岡子規


     鳶尾草にさつぱりとした顔を出す         飯島晴子


     一八や雨をさらひてゆきし雲           片山由美子


     一八やはや程ケ谷の草の屋根           泉 鏡花


     のけぞつて一八咲けり海の音           荒島禾生


     西山荘ぐしのいちはつ咲き揃ふ          松崎鉄之介


     一八の白は夜の花風荒ぶ             阿部みどり女


     のけぞつて一八咲けり海の音           荒島禾生


     一八のはじけて白き南風かな           小松崎爽青


     濡れ傘のばつたり倒れ一八に           辻 桃子


     一八の花のしてゐし丈くらべ           後藤比奈夫



          



     鳶尾草を活けて陶工異邦人            日野圭子


     一八や山の風くる陶干場             堀内恵美子




          

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4月 25日

2021-04-25 06:04:59 | Weblog
                      竹皮を脱ぐ・竹の皮散る・竹の皮


     実朝の墓で拾ひし竹の皮             細見綾子


     竹皮を脱がず白壁越えにけり           河原地英武


     竹皮を脱ぐかそけそよ業平寺           下里美恵子


     竹の皮脱ぎ散らしたるけものみち         国枝隆生


     竹皮の終ひの一枚反りて付く           梅田 葵


     竹皮をぬぐや真青な露しづく           武田稜子


     竹皮を脱ぐ静けさの師弟句碑           大島知津


     竹皮の散る音かすか綾子句碑           塩坂恵子


     竹皮を脱ぐや清浄無垢の肌            夏目隆夫


     師の句碑へ如庵の竹の皮脱げり          山本光江


     竹皮を脱げり小町の化粧井戸           伊藤旅遊


     竹の皮脱ぎし真竹に絹の雨            高橋幸子



          



     朝月や竹の皮散る小督塚             相島虚吼


     水湧けり水の香に竹皮を脱ぎ           宮津昭彦


     竹皮を脱ぐ押し合ひし光かな           長谷川久々子


     三回も幹にあたりて竹皮落つ           今瀬剛一


     竹皮を脱いで一気に反抗期            杉山とし


     竹皮脱ぐ少し迷ひのあるように          摂待信子


     竹皮を脱ぐひとときの退屈に           宇多喜代子



          

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4月 24日

2021-04-24 06:38:51 | Weblog
                      杜若・燕子花・白かきつばた


     天然の風吹きゐたりかきつばた          細見綾子


     綾子亡し風と遊べるかきつばた          栗田やすし


     かきつばた男川女川のひゞき合ふ         下里美恵子


     咲き揃ふ花びら重き杜若             内田陽子


     縄文土器大目まんまる燕子花           山 たけし


     綾子師と吹かるる心地かきつばた         熊澤和代


     池の面の光やまずよ杜若             利行小波


     湿原の風の粗さよかきつばた           幸村志保美


     風渡るばかり綾子のかきつばた          角田勝代


     産卵の鮒が揺らせり杜若             中本紀美代


     水音の絶えぬ木曽路や杜若            清水聡子


     戒壇を叩く雨粒かきつばた            金原峰子


     こーひーの湯気のむかふに杜若          長谷川しげ子



          



     蓬莱も比良も雲中かきつばた           鷲谷七菜子


     さざなみや弥陀階前の燕子花           水原秋櫻子


     おそろしきまで深庇杜若             上野 泰


     夕暮は人美しく杜若               高木晴子


     藍色をもて光琳の燕子花             清崎敏郎


     かきつばた伊勢の夕日は櫛比して         八田木枯


     杜若切ればしたゝる水や空            高浜虚子



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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4月 23日

2021-04-23 06:05:37 | Weblog
                      鉄線花・クレマチス<園芸品種>・てつせんかづら


          鉄線花はもともと中国に自生している野草を指し、白または紫の6弁花。
          一方で、日本に自生している野草はカザグルマと呼ばれ、花弁は8枚です。
          「クレマチス」というのは、これらの品種を園芸用の草花に海外で品種改良したものを指します。



     鉄線花砂にこぼるる在原寺            栗田やすし


     てつせん花新聞記者の賜ひたる          細見綾子


     鉄線にからみ豌豆花奢る             沢木欣一


     牧水の遺愛徳利や鉄線花             上田博子


     鉄線花藍工房の垣のぼる             伊藤範子


     鉄線の花幾鉢も寡婦の家             武藤光晴


     垣越して風ともみあふ鉄線花           清水弓月


     嵐去り鉄線の花野放図に             高橋幸子


     晴れてほ空の重たく鉄線花            山 たけし


     むらさきの鉄線光悦垣のぼる           森 靖子


     いつ見てもどこか揺れをり鉄線花         近藤文子


     大八の輪に鉄線のからみ咲く           山下 護



          



     濃紫黒よりくろし鉄線花             阿波野青畝


     鉄線花うづ巻く蕊をのこしけり          正木ゆう子


     鉄線の花空中に遊び咲く             高木晴子


     亡き妻の植ゑし鉄線白ばかり           松崎鉄之介


     木洩れ日に白惜しまずよ鉄線花          石田あき子


     甲冑はこんこん眠るクレマチス          宮澤山彦


     挫折後の藍あざやかなクレマチス         佐藤鬼房



          

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4月 22日

2021-04-22 06:13:51 | Weblog
                      若葉・里若葉・窓若葉・若葉風・柿若葉・若葉影


      朴若葉胎蔵界の風吹けり             沢木欣一


     柿若葉まぶし余魚田過ぐあたり          細見綾子


     白壁に凭りて師を恋ふ柿若葉           栗田やすし


     疫病や梅の若葉のみな捩れ            河原地英武


     若葉風浴ぶ野舞台に足垂らし           都合ナルミ


     修行僧いつも小走り樟若葉            岸本典子


     碑の享年みな十六よ柿若葉            佐藤とみお


     柿若葉土蔵に柱時計鳴る             国枝洋子


     キャンパスに多きリュックや若葉風        鈴木みすず


     蘆若葉細波たてて潮引けり            関根切子


     若葉影踏板軋む勝手口              武藤光晴


     手に触れて椎の若葉のやはらかし         太田滋子


     野火止に名ばかりの橋若葉影           ころころ



          



     どの枝も風を囃して杜若葉            加藤耕子


     葛若葉京みゆる方に蔓を伸ぶ           能村登四郎


     濡れゆく人を羨しと見たり若葉雨         野澤節子


     酒断ちの旅なり瑞の夕若葉            林 翔


     椎若葉一重瞼を母系とし             石田波郷


     川底までとどく夕焼若葉どき           古賀まり子


     傘にすけて擦りゆく雨の若葉かな         杉田久女



          

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4月 21日

2021-04-21 06:29:37 | Weblog
                       花林檎・林檎の花


     みちのくの雨に烟れり花りんご         栗田やすし


     山水でとぐ米白し林檎の花           細見綾子


     岩越えてをどる沢水桷の花           国枝洋子


     山国の夕日が淡し花林檎            清水弓月


     一族の墓を囲みし花林檎            高橋悦子


     暮れなずむ穂高の峰や花りんご         牧野一古


     信濃晴れ水田に映る花林檎           倉田信子


     枝先の雨こぼるるや花林檎           奥山ひろ子


     藤村の円きかな文字花林檎           日野圭子



          



     みちのくの女色白花りんご           下村梅子


     祝唄も津軽訛よ花りんご            伊藤京子


     見上ぐるや伽藍の上も花りんご         及川 貞


     畑打に林檎の花のさかりかな          瀧澤伊代次


     武士の血は土もて伝ふ花林檎          古舘曹人


     牛鳴いてのどかなるかな花林檎         星野立子


     馬も農夫も憩ふ林檎の花の前          有馬朗人



          

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