１１月 ３０日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日向ぼこ・日向ぼつこ・日向ぼこり



　　　　　　　　　　耳遠くなりしと母の日向ぼこ　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　繕ひの針の手休め日向ぼこ　　　　　　　　　　　太田滋子


　　　　　　　　　　クッキーのかけらが膝に日向ぼこ　　　　　　　　梅田　葵


　　　　　　　　　　百歳の姉の愚痴聞く日向ぼこ　　　　　　　　　　森　妙子


　　　　　　　　　　竿竹の声を遠くに日向ぼこ　 　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　欲ばりな嫗いつまで日向ぼこ　　　　　　　　　　黒田杏子 　　　　　


　　　　　　　　　　みどり児の足先ぴんと日向ぼこ　　　　　　　　　今井千鶴子


　　　　　　　　　　一生を島に老いたる日向ぼこ　　　　　　　　　　上野　泰


　　　　　　　　　　人間が猫に加はり日向ぼこ　　　　　　　　　　　山田弘子 


　　　　　　　　　　日向ぼこ日向がいやになりにけり　　　　　　　　久保田万太郎



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で129,899人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう　昨日5回目のワクチン接種　只今体温37.0℃　接種部位近くの筋肉痛が少し
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+5,894人　）　　　　　　　　　　

１１月 ２９日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冬菜・冬菜畑・かぶ菜・野沢菜・小松菜・漬菜



　　　　　　　　　　海を負ふ暮らし漬菜の石探す　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　磴千段来て堂守の冬菜畑　　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　軒先に冬菜を売れり洋品店　　　　　　　　　　市原美幸


　　　　　　　　　　籾殻を畝間に厚く冬菜畑　　　　　　　　　　　石原進子


　　　　　　　　　　山畑の婆鈴つけて冬菜つむ　　　　　　　　　　大倉カツ江



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　海に尽く一村冬菜濃かりけり　　　　　　　　　鷲谷七菜子 


　　　　　　　　　　冬菜漬け終り全身きしきしす　　　　　　　　　菖蒲あや


　　　　　　　　　　火の山の高曇りゐし冬菜かな　　　　　　　　　吉田鴻司


　　　　　　　　　　一つかかへて二つをこぼす冬菜婆　　　　　　　今瀬剛一


　　　　　　　　　　茹で上げし冬菜の湯気が顔を撫で　　　　　　　西村和子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で47,809人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう　ころころは今日5回目のワクチン接種です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+6,361人　）　　　　　　　　　　　　　　

１１月 ２８日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　短日（たんじつ）・日短か・暮れはやし



　　　　　　　　　　短日や一書を探しあぐねをり　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　客死せる画家の手紙や暮早し　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　一吹きで伸ばす金箔日の短か　　　　　　　　中根多子


　　　　　　　　　　短日や首都高速に黒き富士　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　即身仏見て短日の山下る　　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　ねこ舌にうどんのあつし日短か　　　　　　　久保田万太郎


　　　　　　　　　　短日や小銭で渡る神の島　　　　　　　　　　林　佑子


　　　　　　　　　　手毬買ひ旅の越後は日短し　　　　　　　　　中山純子


　　　　　　　　　　中宮寺訪ふをあきらめ日短　　　　　　　　　稲畑汀子


　　　　　　　　　　看護婦の声に短日はじまりぬ　　　　　　　　石田波郷



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で97,678人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+20,741人　）　　　　　

１１月 ２７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　枯蓮・蓮の骨・枯はちす



　　　　　　　　　　暖かき枯蓮の色日暮れても　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　夕ぐれの風吹けば鳴る蓮の骨　　　　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　蓮枯れて水面の空の細切れに　　　　　　　　　　　伊藤範子


　　　　　　　　　　枯はちす音符のやうな影ゆるる　　　　　　　　　　小澤明子


　　　　　　　　　　山積みの蓮の骨焚く輪中村　　　　　　　　　　　　国枝隆生



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　枯蓮のうごく時きてみなうごく　　　　　　　　　　西東三鬼


　　　　　　　　　　氷るには美しかりし蓮の骨　　　　　　　　　　　　吉田鴻司


　　　　　　　　　　蓮の枯極まる朱き浚渫機　　　　　　　　　　　　　岡本　眸


　　　　　　　　　　枯蓮にてのひらほどの水残る　　　　　　　　　　　三村純也


　　　　　　　　　　薬師寺や破れぬまゝに蓮枯るゝ　　　　　　　　　　松藤夏山



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で125,381人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+34,841人　）　　　　　

１１月 ２６日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マスク



　　　　　　　　　　マスクは三冬の季語ですが、2020年の2月から春も夏も秋もそして冬もマスクが手放せない
　　　　　　　　　　状況になってしまいました。風邪・インフルエンザだけでなく新型コロナウイルスの感染をたった一枚の
　　　　　　　　　　ガーゼ・布・不織布で減少させてくれます　
　　　　　　　　　　日本人はマスクを付けることに余り抵抗は無いようですが俳句の季語として季感が薄れているように感じます



　　　　　　　　　　桃色の大きなマスク遅刻生　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　終電車マスクばかりを吐き出せり　　　　　　篠田法子


　　　　　　　　　　マスクしたまま居眠りの三限目　　　　　　　荒深美和子


　　　　　　　　　　眉と目の賢く見ゆる児のマスク　　　　　　　服部富子


　　　　　　　　　　マスクして敵の陣地に入る心地　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　咳こぼすマスクの中の貌小さし　　　　　　　吉田鴻司


　　　　　　　　　　マスクしてゐても猫にはわかるらし　　　　　北川沙羅詩


　　　　　　　　　　マスクして隠さふべしや身の疲れ　　　　　　林　翔


　　　　　　　　　　修道尼澄める瞳もてるマスクかな　　　　　　森田　峠


　　　　　　　　　　つき添ひの母の特大マスクかな　　　　　　　指澤紀子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で118,764人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+34,494人　）　　

１１月 ２５日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冬薔薇・冬の薔薇



　　　　　　　　　　待つ人あり睫毛の影と冬の薔薇　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　問診の女医は教へ子冬薔薇　　　　　　　　　　　　櫻井幹郎


　　　　　　　　　　下町や都電の柵に冬の薔薇　　　　　　　　　　　　武藤光晴　


　　　　　　　　　　農学部冬薔薇束で売られをり　　　　　　　　　　　太田滋子


　　　　　　　　　　グラバー園茎たくましき冬薔薇　　　　　　　　　　矢野愛乃



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　冬薔薇は色濃く影の淡きかも　　　　　　　　　　　水原秋桜子


　　　　　　　　　　冬薔薇石の天使に石の羽根　　　　　　　　　　　　中村草田男


　　　　　　　　　　銀座には銀座の生活冬薔薇　　　　　　　　　　　　高木晴子


　　　　　　　　　　冬ばらや弱き人のみ傷つきて　　　　　　　　　　　長谷川秋子


　　　　　　　　　　四季咲きの薔薇の小さき冬の色　　　　　　　　　　今井千鶴子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で57,892人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比-34,900人　）　　

１１月 ２４日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　浮寝鴨・鴨・鴨の陣



　　　　　　　　　　鴨射ちの下げたる鴨の目は見ざり　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　鴨の陣ひとつが抜けて崩れける　　　　　　　丹羽康碩


　　　　　　　　　　いつときの鴨の騒ぎや夕川面　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　佇めば寄り来る鴨にパンの屑　　　　　　　　山鹿綾子


　　　　　　　　　　漣の上へさざなみ番ひ鴨　　　　　　　　　　ころころ　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　鳰まぎれこみたる鴨の陣　　　　　　　　　　清崎敏郎


　　　　　　　　　　中天を翔び来る鴨の跡ひかり　　　　　　　　加藤耕子


　　　　　　　　　　鴨飛来水没村の墓碑をかすめ　　　　　　　　伊丹三樹彦


　　　　　　　　　　鴨のこる池が真中競馬場　　　　　　　　　　飯島晴子


　　　　　　　　　　お手玉の置かれしやうに浮寝鴨　　　　　　　永野絢子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で133,095人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+26,400人　）　　

１１月 ２３日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一葉忌・樋口一葉の忌日



　　　　　　　　　　小説家・歌人として明治期に活躍した樋口一葉（1872～1896）の忌日
　　　　　　　　　　母と妹を養いながら小説家として立つ決意をし、半井桃水の指導を受けながら、
　　　　　　　　　　『闇桜』『たま襷』『別れ霜』『五月雨』などの小説を執筆した。　『大つごもり』『たけくらべ』
　　　　　　　　　　『にごりえ』『十三夜』など今も読み継がれる作品や多くの和歌を残している。
　　　　　　　　　　本名　奈津　24歳８か月の短い生涯でした　（写真は台東区竜泉にある一葉記念館）



　　　　　　　　　　荷札小さき古本届く一葉忌　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　一葉忌暗き三和土のしみ抜き屋　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　竹筒に禿びたる小筆一葉忌　　　　　　　　　　　　佐藤とみお


　　　　　　　　　　一葉忌出さずじまひの恋の文　　　　　　　　　　　幸村志保美


　　　　　　　　　　一葉忌母にまだある糸切り歯　　　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　千束稲荷神社の境内にある一葉文学碑



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　一葉忌折目を六ツに薬包紙　　　　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　昏れ際の露地に豆腐屋一葉忌　　　　　　　　　　　菖蒲あや


　　　　　　　　　　頼まれし妻の足袋買ふ一葉忌　　　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　貝殻に残る紅色一葉忌　　　　　　　　　　　　　　下山宏子


　　　　　　　　　　酒すこし甘しと思ふ一葉忌　　　　　　　　　　　　有馬朗人



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　一葉が18歳から21歳まで住んでいた本郷菊坂に生活用水として使っていた井戸一葉井戸と呼ばれています



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で124,007人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+18,797人　）　　
　　　　　　　　　

１１月 ２２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雪蛍・綿虫・雪虫・雪婆・大綿



　　　　　　　　　　体調５mm前後で、全身綿で包まれたように見えるアブラムシです
　　　　　　　　　　あの白いふわふわした物体は蝋（ロウ）です、つまりアブラです。ほぼ全国的に生息しているよう
　　　　　　　　　　ですが四国、九州ではあまり見られないようです　（サイトからお知恵拝借）



　　　　　　　　　　掌にのせて綿虫吹けば抗へり　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　捕へんとすれば高みへ雪蛍　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　大綿やガス燈ともる坂の町　　　　　　　　　国枝洋子


　　　　　　　　　　逃げ易き峡の日差や雪蛍　　　　　　　　　　二村美伽


　　　　　　　　　　雪虫や目鼻潰えし道祖神　　　　　　　　　　武藤光晴



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　大綿や古道いまも越えがたき　　　　　　　　水原秋櫻子


　　　　　　　　　　捉へむとせし綿虫の芯曇る　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　この指にとまれ夕日も綿虫も　　　　　　　　大石 悦子


　　　　　　　　　　雪婆ばんばと呼ばれ漂へり　　　　　　　　　長谷川双魚


　　　　　　　　　　綿虫の双手ひらけばすでになし　　　　　　　石田あき子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で41,449人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+4,871人　）　　

１１月 ２１日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山茶花　＜　季＝冬　＞



　　　　　　　　　　山茶花は咲く花よりも散つてゐる　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　烈公の蟄居の庭や白山茶花　　　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　山茶花や縁切状の女文字　　　　　　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　散り敷きてなほ山茶花の花盛り　　　　　　　　　　　　熊澤和代


　　　　　　　　　　山茶花の闇へ火を噴く登り窯　　　　　　　　　　　　　朝生孝子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　山茶花に戀ならで病める女あり　　　　　　　　　　　　正岡子規


　　　　　　　　　　山茶花のこぼれつぐなり夜も見ゆ　　　　　　　　　　　加藤秋邨


　　　　　　　　　　山茶花の咲くだけ咲いて星出づる　　　　　　　　　　　永井龍男


　　　　　　　　　　山茶花の散る月光に畳職　　　　　　　　　　　　　　　黒田杏子


　　　　　　　　　　山茶花の大輪旦暮おだやかに　　　　　　　　　　　　　中村汀女



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で76,935人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比+8,524人　）