3月 1日

2019-02-28 15:23:27 | Weblog
                三月・如月(きさらぎ)・梅見月・雪解月




     萩の筆買ふ三月の雨強し           沢木欣一




     きさらぎが眉のあたりに来る如し       細見綾子




     如月や師の句碑とゐて影二つ         栗田やすし




     きさらぎの風の尖りや遠伊吹         国枝洋子




     如月の伊吹も比良も輝やけり         福田邦子




     三月の影やはらかしインク壜         山 たけし




     如月の夜を重ね来し醪の香          伊藤範子




     きさらぎの昼月淡し子規の墓         武田稜子




     三月の雪舞ひこめり宗祗水          金田義子




     如月や柘植の櫛かふ京都展          平 千花子




     如月の朝日まぶしみシーツ干す        豊田紀久子




     如月のひかり背山に窯開き          小栁津民子
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2月 28日

2019-02-27 14:52:06 | Weblog
                     二月尽・二月果つ




     厨芥車滴り長し二月尽            沢木欣一




     二月尽天城山葵に涙して           細見綾子




     雨あとの畦のもろさよ二月尽         下里美恵子




     杼を通す音軽やかや二月尽          岸本典子




     わが名記す護摩木の炎二月果つ        山下 護




     桟橋に僧衣の二人二月尽           小栁津民子




     雨あがる青空閏二月尽く           松本恵子




     二月尽句友と出湯へ一夜旅          山下智子




     二月尽ピアノのくもり拭ひたる        中川幸子




     竹林の濡れて明るし二月尽          中山ユキ





         



     書きながす俳句手帳に二月尽 
          
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2月 27日

2019-02-26 14:01:11 | Weblog
                 初蝶・蝶




     反射炉に初蝶の来て影落とす         栗田やすし




     鯉の背に初蝶来れば父恋し          沢木欣一




     初蝶のまた戻り来はせざりけり        細見綾子




     退院のきまりし窓辺初の蝶          栗田せつ子




     初蝶のひかりこぼせり草の上         桜井節子




     初蝶のついと隠れてそれつきり        梅田 葵




     初蝶を野辺の光に見失ふ           八尋樹炎




     蝶飛べりきりんの足を縫ふやうに       中斎ゆうこ




     都府楼の礎石伝へり春の蝶          伊藤範子




     シャガールを見し目にやさし蜆蝶       谷口千賀子





          
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2月 26日

2019-02-25 15:13:31 | Weblog
                   春風・春の風




     春風に足浮かせたる観世音             栗田やすし




     春風につい置きしほどの寺門かな          細見綾子




     丁字屋の柴折戸揺らす春の風            下里美恵子




     フランスパン抱へくる子や春の風          上杉和雄




     高砂の軸のことりと春の風             伊藤範子




     春風や木の香溢るる新校舎             小原米子




     春風や両手で上げし汽車の窓            渡辺慢房




     少女弾くショパンのワルツ春の風          上杉美保子




     春風やかつぱ出ますと注意札            武藤光晴




     節つけて試すマイクや春の風            井沢陽子




     刀匠の破れ座布団春の風              米元ひとみ        




     

        




         芋十の干割れ看板春の風   
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2月 25日

2019-02-24 16:04:54 | Weblog
                 薺の花・ぺんぺん草・三味線草




     芭蕉の道たどればなづな花咲けり         細見綾子




     十字架の丘にペンペン草茂る           河原地英武




     花なづな牛が鼻づら寄せて嗅ぐ          下里美恵子




     長江やほこりまみれの花なづな          井沢陽子




     花薺鳴らしてみたり休耕田            松原和嗣




     屈み見るペンペン草に小さき影          牧 啓子




     夕映えの平城宮趾なづな咲く           山本光江




     氷見線の鉄路に沿ひし花なづな          夏目悦江




     城壁にぺんぺん草や島日和            山下善久




     無住寺に三味線草の吹かれをり          山下帰一




     田一枚埋め尽したり花薺             磯田なつえ





     
     



     花なづな海光匂ふ越後線
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2月 24日

2019-02-23 16:02:21 | Weblog
                  まんさく・万作・満作・金縷梅・銀縷梅




     まんさくは煙りのごとし近よりても        細見綾子




     まんさくの開きて十指十方に           上田五千石




     まんさくに水激しくて村静か           飯田龍太




     金縷梅の一枝足せり大花瓶            奥山ひろみ




     金縷梅や民家の庭に城趾の碑           尾﨑 孝




     まんさくの雨が明るし伊勢の海          田畑 龍




     まんさくの花のほぐるる石舞台          角田勝代




     満開のまんさく見ゆる雑木山           加藤百世




     まんさくの花の細やかマタギ村          長江克江




     まんさくや荒れ放題の母の庭           熊澤和代



          


          阿哲まんさく




          


          常盤まんさく



     ☆ 春に先駆けて咲くので”まず咲く花”から”まんさく”
       花がたくさんつくので「豊年満作」と呼ばれるようになったとか
 





                    
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2月 23日

2019-02-22 15:35:55 | Weblog
                椿・落椿・白椿・紅椿・乙女椿




     伊吹晴れ母なき庭の白椿          栗田やすし




     落椿墓の鉄扉の錆流れ           細見綾子




     落椿毛布身体の容に寝る          沢木欣一




     あをあをと多度の山並椿咲く        河合義和




     慶喜の泊まりし湯宿紅椿          森 妙子




     おびただし踏絵の寺の落椿         篠田法子




     独り居の背戸にこぼるる白椿        内田陽子




     下鴨の馬場に箒目つばき落つ        牧野一古




     椿落ちたり山寺の座禅石          加藤洋子




     花椿蜂もろともに落ちにけり        上杉美保子




     蜜吸ふて野猿の放る藪椿          平松公代





          





     ☆ ころころの好きな椿の俳句


     端座して師とあるこころ白椿          柴田白葉女     




          



          乙女つばき               
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2月 22日

2019-02-21 15:25:53 | Weblog
                  蒲公英・鼓草・たんぽぽ




     蒲公英や石垣匂ふ海のふち             沢木欣一




     しあはせに短かたんぽゝ昼になる         細見綾子




     縄文の土葺き屋根に鼓草             栗田やすし




     たんぽぽの絮貴婦人の風情あり          河原地英武




     たんぽぽの鮮やかな黄よ塩の道          小島千鶴




     古希近したんぽぽの絮吹き飛ばす         佐藤とみお




     たんぽぽや画板の下に小さき膝          服部鏡子




     たんぽぽや寝ころんで見るグライダー       関根切子




     たんぽぽの野となる弥生古墳塚          田畑 龍




     廃校に子らの手形や鼓草             中村たか




     道の辺に狸の墓や鼓草              市江律子





          



          しろばなたんぽぽ
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2月 21日

2019-02-20 16:02:48 | Weblog
                   蕨・早蕨・初蕨・老蕨・蕨狩




     酢のわらび夜学教師のひとり酒          細見綾子




     ティショット逸れし茂みに蕨の芽         栗田やすし




     子とゆくや崖跳び降りて初わらび         沢木欣一




     蕨摘む鬼の雪隠見下ろして            国枝洋子




     話し声みなこだまして蕨狩り           安積敦子




     引売りの荷に裏山の初蕨             中村たか




     蕨採るポキンポキンと音させて          河村惠光




     学校名入りし蕨を朝市に             谷口悦子




     ほつほつと生ふる蕨の背くらべ          鈴木みすず




     蕨摘む明るき湖を見下ろして           描布光子





          




     峡の湯へつづく間道初わらび         
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2月 20日

2019-02-19 15:09:15 | Weblog
               土筆・つくづくし・つくしんぼ・筆の花




     山姥の目敏く土筆見つけたり           沢木欣一 




     頭の黒きつくし野におく旅かばん         細見綾子




     土筆摘む土手揺るがして汽車過ぐる        栗田やすし




     太りたる染屋の庭のつくしんぼ          岸本典子




     土筆摘屈めば遠く波の音             矢野孝子




     雪抜けて小指ほどなるつくしんぼ         青山美佐子




     大佛の丘丈長きつくしんぼ            石原進子




     土筆摘む傍に錆びし大錨             福田邦子




     膝つけば土の温さよ土筆摘む           笹邊基子




     波静か遠流の島に土筆摘む            鈴木みすず




     野仏のまはりの土筆ほほけゐし          沢田充子




     土筆摘む狂言一つ見過して            国枝隆夫





          




     園児らの声四方からつくし原
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