２月 １９日

　　　　　　　　　　　　　　（　菜の花・花菜・油菜　）



菜の花がしあはせさうに黄色して 　　　　　　　　　


虻が来て動かしてゐる花菜かな 　　　　　　　　　　細見 綾子







花菜風水ゆたかなる美濃の国 　　　　　　　　　　　皆川盤水


片頬に菜の花あかり授業の子 　　　　　　　　　　　安部敏子


単線ゆく花菜の海を浮き沈み 　　　　　　　　　　　井上純郎


菜の花といふ平凡を愛しけり 　　　　　　　　　　　富安風生


印南野は花菜曇りの神代より 　　　　　　　　　　　鈴鹿野風呂



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２月 １８日

　　　　　　　　　　　　　（　仏の座・三階草　）


昨日は眼科の検診、受付に診察券を出して待ち時間は約１時間、目の前にある
少し大きめな公園で日向を探しながら散歩してきました　
やっと犬ふぐりが咲き始め、仏の座が紫がかった蕾を膨らませています



遠来のもののごとくに仏の座 　　　　　　　　　鷹羽狩行


児の声の届く辺に摘む仏の座 　　　　　　　　　磯貝ひろし


雪消えてゆく足もとのほとけのざ 　　　　　　　梶田光枝


百坊の跡の日だまり仏の座 　　　　　　　　　　竹村竹聲


むらさきを地に低くして仏の座 　　　　　　　　笹木弘







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２月 １７日

　　　　　　　　　　　　　（　クロッカス・花さふらん　）


朝から風花の舞う東京、夕方からは春の雪となりました


忘れゐし地より湧く花クロッカス 　　　　　　　　　手島靖一


クロッカスの花に冷たき風のあり 　　　　　　　　　中川 民子


クロッカス地中より色押し出せり 　　　　　　　　　白石順子


並びゐて日向日陰のクロッカス 　　　　　　　　　　本井英






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地を割つてひかりの束に福寿草

２月 １６日

　　　　　　　　　　　　　（　木瓜　）


一昨日は、仕事の合間に向島百花園に行ってきました
百花園は隅田川添いにあり古くから文人に愛さた梅の名所です
２月３日から始まった「梅まつり」、まだまだ蕾は固く、早咲きと呼ばれる梅が二輪
泥濘や土橋には莚が敷かれ来園者を迎える準備は万端でも人も少なく寂しい梅まつりです
唯一、色彩が際立っていたのが写真の木瓜、本来晩春の季語ですが寒木瓜が今ごろ咲いて
いるのかも知れません


寒木瓜の影や濡れたる土の上 　　　　　　　　川崎展宏


寒木瓜のつぼめる力しかと見き 　　　　　　　岸風三樓


赤き木瓜揺れをはり我揺れゐたり 　　　　　　加藤楸邨






園内の土橋に敷かれた莚












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２月 １５日

　　　　　　　　　　　　　　（　山茱萸　）


今年は山茱萸の蕾がまだ固いです



山茱萸の蕾のはなればなれなる 　　　　　　　　　高濱年尾


枯色に山茱萸の黄の新しや 　　　　　　　　　　　高木晴子






山茱萸の黄を解きしより雨がちに 　　　　　　　　新井智恵子


山茱萸の花や眼の奥の冷え 　　　　　　　　　　　菅原鬨也






山茱萸の黄が流れ出す雑木山 　　　　　　　　　　山本富枝


山茱萸の盛りの枝の錯落す 　　　　　　　　　　　富安風生



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２月 １４日

　　　　　　　　　　　（　三椏・黄瑞香　）



三椏の蕾のまゝの長かりし 　　　　　　　　　平山愛子


三椏の蕾の礫びかりかな 　　　　　　　　　　山西雅子


三椏の蕾の声よ鳩と歩く 　　　　　　　　　　平井久美子







三椏の花に寒さのとどまりし 　　　　　　　　今井千鶴子


三椏の花頷けり黄を溜めて 　　　　　　　　　藤田章子


三椏や皆首垂れて花盛り 　　　　　　　　　　前田普羅



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２月 １３日

　　　　　　　　　　　　　　　（　冬萌・冬芽・冬木の芽　）　　　＜　紫陽花の芽　＞


暦の上では立春をすぎても草花にはまだ遠い春のようです
毎週のように散策をしている板橋区立赤塚植物園、一年を通しての楽しみは開花した花
そのものは勿論、その匂い、その実、その種、その新芽そして花や実に集まる虫や鳥たち
草花を俳句に詠んでゆくのは本当に難しいと誰もが思うことだと思います
ころころもそれを実感しつつ、出来るだけ接する事でいつか良い句を詠めると信じて
通っています


木々冬芽凍のゆるみに濃紫 　　　　　　　　　　前田普羅


富士きびし桑は冬芽を爪立てて 　　　　　　　　峰尾北兎


月光も朴の冬芽も矢の如し 　　　　　　　　　　藤田湘子


栃冬芽鋼びかりよ受験前 　　　　　　　　　　　宮坂静生




木蓮





五葉つつじ





猫やなぎ




牡丹



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２月 １２日

　　　　　　　　　　　　　（　福寿草　）


今年の福寿草です


福壽草の蕾をいぢる机かな


猫の居る椽の日南や福壽草


福壽草影三寸の日向哉


南山をかざすや窓の福壽草


名をかへてことぶき草や歌に詠む


福壽草影三寸の日向哉 　　　　　　　　　　　　　　　　正岡子規












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２月 １１日

　　　　　　　　　　　　　（　建国記念日　）



建国の日のあめつちの美しき 　　　　　　　　　　　大隈 草生


箸といふ文化が不思議建国日 　　　　　　　　　　　林 翔


空高く風音はしる建国祭 　　　　　　　　　　　　　太田鴻村


建国日祝ふ老人ばかりにて 　　　　　　　　　　　　鈴木無肋


勾玉は胎児のかたち建国日 　　　　　　　　　　　　合屋多久美


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２月 １０日

　　　　　　　　　　　　（　寒桜　）



打ち合わせまでの時間を、少し早めに出て早春の小石川植物園を歩きました
例年より一ヶ月ほど季節がずれているのか、開花している草花、樹花の少なさに驚きます
梅林では白梅紅梅のそれぞれ一樹の開花、緋寒桜はまだ蕾のまま、阿哲まんさくが開花し
やっと咲いた寒桜ですが確かな春を感じました


寒桜淡きいのちを宙に揺る 　　　　　　　　　　　三宅一鳴


ひと雨に空洗はれて寒桜 　　　　　　　　　　　　豊田義久


薄葉の一朶の雲か寒桜 　　　　　　　　　　　　　山口青邨


寒桜人もをらずに咲きにけり 　　　　　　　　　　大峯あきら


雨雫よりひそやかに寒桜 　　　　　　　　　　　　稲畑汀子















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