1986年の『ボートF-8クルーセイダー』の発行以来35年、
読者の皆さんのあついご支持と応援のおかげをもちまして
このたび新シリーズ第200号発行へと至ることができました。
永らくのご支援、ご愛読、誠にありがとうございます。
その記念すべきNo.200につきましては、その内容の告知以前から
「なにかエポックメーキングなものが採り上げられるのでは…」と
ファンの方々の間で囁かれていたようですが、このモスキートも
ある意味画期的で、歴史にその名を残すべき機材といえるでしょう。
ごく一部を除いてほとんどが全木製という構造は、その製作に
高度な技術と経験が必要であり、第二次世界大戦機のなかで
ほかに成功した機材といえばソビエトのポリカルポフ、ヤコブレフ、
ラヴォチキンといった設計局が作った戦闘機があるくらいです。
しかし、それらの大多数は要所要所に金属を用いた木金混成機でした。
しかもモスキートはライバル機に比して頭ひとつ抜けた性能を発揮、
欧州戦線においてドイツ軍に対しジャブのような攻撃を執拗にしかけ
相手の継戦能力を徐々に削ぐというまさに藪蚊のような活躍をみせます。
ところで多くの功績をもつ本機は「Wooden Wonder」と呼ばれ賞賛されています。
これを日本語に直訳すると「木製の驚異」となりますが、あまりピンときません。
それもそのはず、Wooden Wonderは英語でうまく韻を踏んだ並びとなっていて、
直訳ではその雰囲気が伝わらないのです。そこでこれを敢えて日本語風にするならば、
「瞠目の材木機」とでもなりましょうか…
というわけで、四半世紀以上前に出たNo.48の同タイトルを
完全リニューアルしてボリュームアップしたこんどのNo.200、
カラー写真やモノクロ写真を大増量したその内容は
皆さんのご期待にそえるものと自負しております。
ぜひご購読くださいますようお願い申し上げます。
なお、前述のとおり本号で記念すべきNo.200となりますが、
同時に本シリーズにとってはひとつの通過点にすぎません。
今後も数ある世界の傑作機(に限らず…)に焦点を当てていきますので、
変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
↓ 好評の佐竹先生のボツイラスト、一挙公開です。ご覧ください