龍多美子さんは、ランジェリーショップ「リュー・ドゥ・リュー」のオーナーです。下着に対する真摯な姿勢と的確なアドバイスをすることで広い支持を集めています。
何気なく、ブックオフ105で、この本を買いましたが、読み進むうちに、下着に対する彼女の思いがビシビシと伝わってきて、あっという間に最後まで読んでしまいました。
そのなかで、バストづくりに悩む女装子さんが驚く文章があります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− まだ代官山に店があった頃のこと。 常連客に連れられて、ひとりのチャーミングな若い女性がやってきた。
「この娘、胸が小さくて悩んでるの。何とかしてあげて」 私は、いつものように、いくつかのブラジャーを選んで、早速フィッティングに取りかかった。
彼女は小柄で華奢な身体つき。皮下脂肪が薄く、胸全体も流れ気味で広がっていた。たとえるなら、鉄板にお好み焼きのタネを流したような(失礼)薄いバストだった。そこで脂肪を脇から寄せることに命を賭けたタイプのパターンのブラジャーにパッドを入れたものを勧め、その日彼女はそれを着けて帰っていった。
1カ月経過。今度はひとりで店に現われた彼女。私の予想どおり、彼女が夢にまで見たというゴム鞠みたいなきれいな丸みが、胸の谷間に出現していたのだ。
「お姉さん、ありがとうございます」
フィッティングルームの中で彼女は、三つ指をついて深々と頭を下げ、こう続けた。 「私、女に生まれなかったこと、どれほど侮やんだかしれません。でも、こんなにきれいな胸になれるなんて思わなかった。すっごく嬉しい。本当に、本当にありがとうございます。もっと胸が大きくなると思うと、痛いホルモン注射も、これからは楽しみになりました」
年齢、性別を問わず、ブラジャーのサイズを前向きに変え、「大丈夫。大きくなる」と信じて疑わなければ、見違えるような肉体的変化が起こるのである。
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