善は、悪からも生まれる。
製作年度 2006
製作国・地域 アメリカ
監督 スティーヴン・ザイリアン
音楽 ジェームズ・ホーナー
出演 ショーン・ペン/ジュード・ロウ/アンソニー・ホプキンス/ケイト・ウィンスレット/マーク・ラファロ/パトリシア・クラークソン
1949年、ルイジアナ州メーソン市を舞台に、
のちに時の大統領から“最も危険な男”と言われた、叩き上げの政治家ウィリー・スターク(ショーン・ペン)と、彼に興味を惹かれる上流階級出身のジャーナリスト、ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)の物語。
群の出納官で実直だったウィリーは、不正糾弾を契機として州知事への当選を見事果たすが、やがて彼自身も汚職やわいろなどに手を染め始める。
一方のジャックは、貧しい民衆を前に堂々たる演説のウィリーに興味をもち記事にするが、結果的に後押しをすることになり、裕福層を敵にしたとしてクロニクル紙を辞めることに・・・。
ショーン・ペンの演技は、観る者を飽きさせない。
民衆を魅了するカリスマ的政治家の顔。だらしなく女を見つめる一人の好色家の顔。激昂する下品な策略家の顔。
長台詞でまくしたてるシーンの連続なのだが、その迫力は凄い!
しかし、この映画はジュード・ロウの目線で語られていくので、とにかく彼がカッコイイ
壁にもたれて立っていても、ベッドにひっくり返っていても、なにもしゃべらずニヤついていても(笑)
初恋のアン(ケイト・ウィンスレット)との関係ではハッキリしないヘタレなのに、二人のシーンはひと頃のフランス映画のような素敵な雰囲気がある
彼の名づけ親の判事(アンソニー・ホプキンス)とのシーンでは可愛い~とさえ思う(笑)
とくに後半部分は、ジャックを取り巻く人間関係を中心にドラマが展開され、その複雑さを理解しようと字幕を追っていくので
真ん中、後ろ寄りの席だったにも拘らず、首の辺りが疲れてしまった。
とはいえ、政治に終始しているだけではなく、人間ドラマとしての見ごたえも十分の作品だといえるのではないかと思う。
嵐のように人を巻き込みながら、自らも飲み込まれ溺れていくタイプの男。
常にその傍らにいながら、傍観者でいられると思いつつも協力していく抗えない男。
育った環境も性格も信念も、全く違うこの二人の出会い―それは本人だけでなく、周りの人達の人生も影響を受ける・・・
結局、失った物の大きさに比べ、ジャックの得たものは何だったのか―
ひとは自分の人生の傍観者にはなれない、という事ではないか・・・。
なかなか奥深いテーマ性があって、重厚な人間ドラマでしたね。
受け取り方に差が出来そうな作風ですが、キャラクターの存在感と自分好みの映像に後押しされて最後まで堪能いたしました。
ジュード・ロウの繊細さある演技には感心しましたよ。私はショーン・ペンにやはり重きをおいて見ていたのですが、やはりジュードはカッコいいー。…と、言いながら「ホリディ」はまだ未見。笑
後半、妙に思わせぶりな映画になっていったのが気になりましたが、ショーン・ペンの行っちゃってる演技はいつもながら見ものでしたね。
そうですね、皆さんなかなか厳しい点数をつけられているようですね。
>キャラクターの存在感と自分好みの映像に後押しされて
全く、同感です。対照的な二人でしたが、それぞれ持ち味を出し切っていて惹きこまれました。
ヘタレなジュードにやきもきしながらも、結構好きなシーンが多かったり(笑)
「ホリデイ」は、本作の後にご覧になった方が正解かも知れませんよ
冒頭のジャックのナレーションがキーとなっているような作りのドラマではないかと予測はしていました。が、あんな真実だったとは、、
ショーン・ペンは、あのクラブでのあんぐりお口が可愛かったです(笑)
いろんなテーマを含んだ作品ですが、
どうにも描き切れていない、という印象が強いです。
特に初期の舞台となった南部の背景が、
二人の出発地点なのに、あまり描かれていなかったのは残念。
てな感じで、TB&コメントありがとうございました♪
「相反する二人の男の物語」に終らなかったので、チグハグ感がでたのかも知れませんね。
アンソニー・ホプキンスも拡げたいし、ケイト・ウィンスレットも出ちゃってるし・・
~初期の舞台となった南部の背景~
確かにウィリーの演説の内容だけで、その時代の格差社会、特に南部が舞台であることも理解してよ的でしたね~。
でも二人の演技が素晴しかったので、結構入り込んで楽しめましたょ
「それは、ヤかな。」と言われました。トホホっ
そして「ウチ、コナン(アニメ)観たいんだけど、行かない?」と言われ・・・。
「それは、ヤかな。」と言う母
好みって、なかなか合わないね~。
それにしても、kiraさんトコは映画情報満載だねぇ~。なかなか観に行けない私は、観に行った気分にさせてもらってまーす
今晩は
いつもありがとうございます
そうなんです。監督はウィリーだけを
描くつもりじゃなかったようです。
彼のインタビューの記事で、知りました。
私も読まなければ、分からなかったです
権力は人の心を変えちゃうんですよね
日本でも地位のある方の汚職が取りだたされている
けど。同じですね。
「ドラえもん」は一緒に観ましたが「ウルトラマン」「忍たま」あたりから、映画館のお姉さんにおねがいして、子供達だけで観てましたね、、ウチは
まだこういう映画は一人で観てもいいんですが、ジャッキーのは・・・ね?
面白い、大笑い系は誰かと行きたいですよね
この先、と映画館に行くこと、あるのかなぁ~
やはり原作を読んだ時点での捉え方も色々だと云う事なんでしょうね。
監督も同じ本を読まれたのでしょうから。
ウィリーの演説シーンでは日本の今は亡き政治家の演説スタイルとだぶってしまいました