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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

エデンより彼方に

2009-11-07 23:47:21 | the cinema (ア行)
永遠(とわ)に輝く地を探して…
原題 FAR FROM HEAVEN
製作年度 2002年
上映時間 107分
監督 トッド・ヘインズ
出演 ジュリアン・ムーア/デニス・クエイド/デニス・ヘイスバート/パトリシア・クラークソン/ヴィオラ・デイヴィス

50年代のアメリカ東部を舞台に、ブルジョア家庭に暮らす模範的な主婦の“楽園”からの転落を見つめたメロドラマ。
偏見や差別意識がごく普通に存在した1957年の秋、コネチカット州ハートフォード。キャシー・ウィテカーは誰もが認める“理想の主婦”。一流企業の重役に就く夫フランクの貞淑な妻として、また愛する2人の子供の良き母として、地域社会の中でも一目置かれる存在だった。だがある日、残業のフランクのもとへ夕食を持って行った彼女は、そのオフィスで見てはならない夫の秘密を知ってしまう。以来、心の安定を欠いてしまったキャシー。そんな彼女を新しくやってきた黒人の庭師レイモンドが気遣うようになり、2人は次第に打ち解けていくのだったが…。

舞台が1950年代のアメリカ、コネチカット州というと、今年の春に公開された
レボリューショナリー・ロード」と全く同じ。
ところが、若くノーブルなレオとケイトと全く違うこちらの夫婦は、
鮮やかな色彩と艶やかなファッションの中に、後戻りできない強い疎外感を焼き付けていく。

誰もが認める幸せなエリート一家。
キャシーは誰からも好かれ地域社会の女性の中心的存在だったが、夫の裏切りに深く傷つく。
そんな彼女に好意的なレイモンドが、黒人だったことから、
閉鎖的な白人社会は彼女を異端扱いしていき―、

秘密を抱えた夫とこれまでの生活を送ることができるのか?

ゲイと人種差別。
この時代に、この問題に立ち向うには、キャシーはあまりにも自分の属する社会を知らなさ過ぎたというか、
進歩的ともいえるキャシーではあるけれど、どうにも彼女の心情が恋にみえない。
レイモンドにしても、好意が愛に変わったとは思えなかったし…。
心の安息が得られる人が、黒人であったことが双方に傷を負わせてしまう。
それは誰の目にも明らかな結末のはず…。夫にだけは言われたくないけれど。

冒頭、友人たちにアカと言われてしまうほど偏見の無い女性であるにしても、
夫からの決別がなければレイモンドの娘を見舞っただけで終わったのではないかと、
終盤の盛り上がりに、気持ちはいまひとつ添いきれなかったですが、
美しい理想の主婦が巻き込まれる悲劇に、釘付けでした。。。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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デニスが若い! (ituka)
2009-11-08 01:12:21
いや!実年齢は、もうそこそこいってますが
この画像のデニス兄さんは、ほんとうに若いですね。
『ホースメン』の画像辺りだと、もうアクションは無理な印象を受けます^^;

もう7年前の作品なんですね。
wowowで観た記憶があります。
キャシーと庭師(?)が絵画について語り合うシーンが興味深かったです。
できれば油絵じゃなくてデフォルメされた著名人の似顔絵だったら、その会話に参加したい(爆)
返信する
itukaさん* (kira)
2009-11-10 00:09:03
wowowでご覧になっていたのですか?

こちらは古すぎて、皆さんの記事では探せなかったですが、
気になっていました。

>キャシーと庭師(?)が絵画について語り合うシーン
そうですね!
あそこはまさに、”群れの中でたった一人の”二人を象徴していたと思います。
みんなが理解できないア^トについて二人は語れたのですよね~。
白人の集団の中に、子供連れでレイモンドがやってきた、あのシーンが
悲劇を決定付けたような気がします。
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