to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ヘルプ ~心がつなぐストーリー~

2012-04-06 23:06:23 | the cinema (ハ行)

製作年度 2011年
上映時間 146分
原作 キャスリン・ストケット
脚本 監督 テイト・テイラー
出演 エマ・ストーン/ヴィオラ・デイヴィス/オクタヴィア・スペンサー/ブライス・ダラス・ハワード/ジェシカ・チャステイン/アリソン・ジャネイ/シシー・スペイセク/シシリー・タイソン/メアリー・スティーンバージェン

1960年代、人種差別が横行していたアメリカの田舎町に変化をもたらした実在の女性たちについて記したベストセラー小説を映画化した人間ドラマ
アメリカ・ミシシッピ州。1960年代当時、白人家庭でメイドとして働く黒人女性は“ヘルプ”と呼ばれていた。作家志望のスキーター(エマ・ストーン)はメイドの置かれた立場に疑問を抱き、彼女たちにインタビューをすることに。仕事を失うことを恐れて、皆が口をつぐむ中、一人の女性の勇気が社会を揺るがすことになる。

この時代の同じ南部を舞台とした作品は幾つか観てきましたが、最近だと
ダコタちゃんの「リリィ、はちみつ色の秘密」も同じ時代背景でした。
アチラも同じように白人女性と黒人女性が、新しい時代の扉をこじ開けていくといったものでしたが
コチラの方はそういう時代の雰囲気の中にあって、女同士の自尊心を懸けた戦いの方が楽しめる展開で、
明るく痛快なバトルにグッときて後味も爽やかな作品でした。

アメリカ南部の上流階級の幾つかの家庭を舞台に、その家のHELPと呼ばれる家事を手助けする黒人の女性の目を通して描かれていきます。
主人公のスキーターも、幼い頃から母親代わりに自分を育ててくれたのは大好きだったメイド。
公民権運動が盛んになっても尚、この南部では公然と人種差別が行われていて――というより
それを抑え付けるように、一部の差別主義者は徒党を組んで黒人への虐めに精を出すのです。
それはまるで今の子供社会の虐めの原型のようです・・・。

ただ、富裕層のオトナのイジメですから、ここではバスやトイレといったものが描かれますが、
現実にはレストランや映画館など、全てにおいて隔離されていたのは周知の通り。
しかし、メイドたちが我が子同然に子供を愛して育て、他の家事もこなす中で、
信頼を寄せるどころか、トイレ問題はあまりにも非人道的だと思わずにはいられません。



スキーター自身が子供の頃にイジメに遭い、そんな時も母親のように自分を見つめ育ててくれたナニーが素晴らしかったのもあって、
この故郷ジャクソンの恥ずべき実態を、自分のデビュー作にしようと頑張るのですが、、、

何かと仕切るエリザベスや、手ごわい婦人会リーダーのヒリーの目を盗みながら
エイビリーンやミニーへの取材を開始するスキーターは、実はホンの案内役。
彼女の埋めたバクダンで物語が動き出すと、何もしない母親・エリザベスvsエイビリーン、
見栄っ張りで母親をないがしろにするヒリーvsミニー+シーリアの攻防が楽しめます

少しお弱い、白痴美人シーリアはとある理由で、ボス的存在のヒリーに虐められるけど、
それすら気づかないほどの善人振りで、ナイスボケナイスキャラでした
この戦いを傍で見守るミセス・ウォルターズ=シシー・スペイセクが楽しませてくれ♪
真っ直ぐなスキーターから逃げていた母親のアリソン・ジャネイもなかなかの存在感でした


まぁ、女性の為の女性による物語、っていうことでロクな男は出てきませんが、
それぞれが幸せを見つけていくラストはやっぱり清々しい。
約2時間半と長いですが、面白く観れました


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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シシー・スペイク (バラサ☆バラサ)
2012-04-07 00:06:08
と言ったら、その昔「キャリー」で母親に酷い目にあっていましたが、今回は娘に逆襲って面白い役どころでした。
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こんばんは☆彡 (ひろちゃん)
2012-04-07 01:28:56
>女性の為の女性による物語、っていうことでロクな男は出てきませんが

そそ(笑)私もそう思った(*^.^*)
良かった男は、シーリアの旦那さんくらいでしたよね(笑)

二人の母親も、スパイスになってて良かった~♪

こういうテーマだと、辛い、重い作品が多いけれど、明るく軽快なバトルで(笑)、楽しく観ながらも、テーマがずっしりと伝わってきた作品でした。
完全なハッピーエンドとは言えないラストでしたが、後味も良い作品でした\(^O^)/
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バラサ☆バラサさん♪ (kira)
2012-04-07 03:58:19
おお~~!「キャリー」
殆ど観れませんでした~~
実の娘にないがしろにされた母とはいえ、サバサナとして明るくて良いキャラでしたー
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ひろちゃん~♪ (kira)
2012-04-07 04:07:23
そうなのよ、そういった意味では目の保養にはならなくて(笑)
最初なんてバカップル~と思っていたふたりが
結果的に一番偏見もなく自然にステキな人間でしたよね~

これは皆さんほどには高評価じゃないんですが、
(このテーマの作品としてはまあ普通かな~
女優陣は嵌っていたし、楽しくて元気になれる作品だったですよね
こういう白人女性の人種差別に奮闘~というテーマはいかにも賞受けしそうでもありました
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Unknown (mig)
2012-04-07 10:01:56
kiraさんおはよう☆

ドライヴにコメしたかったけど、すぐ表示されないからしたかどうかわかんなくなっちゃって(笑)

あ、わたしそういえば「リリィはちみつ色の~」方が好きだなぁ。
kiraさん同様
これはまぁ良かったは良かったんだけど
私も皆さんほどいいとは思ってなく、、、アカデミー賞作品賞ノミニーされるほどかなぁって。
わかり易く黒人差別問題をユーモラスに描いてたから受け入れやすいのかな。

比べるのも違うけどリリィの方が泣いたし、良かったナ。
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migちゃん♪ (kira)
2012-04-07 14:39:06
こんにちはー

コメ、なるべく気づいたら直ぐに表示してるんだけど、
認証制だとそういう事あるわよね~ゴメンネ

この作品、余りにみなさんの評判、評価が高いので予定変更で観にいったのですが、
予告で粗方読める内容で、私もアカデミー作品賞ノミニーはへぇ・・?でした。
まあ、普通には面白かったけど。
こういう白人による黒人開放モノは、賞に絡みやすいのは今までもたくさんあったし、ね

比べるのは違うと思いながら、、私もリリィの方が凄くよかったと思う
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良い作品・・・ (マリー)
2012-04-07 20:51:50
こんばんは~~♪
あ~~私、東京で予告編観て観たかったんだ・・・「リリィはちみつ・・・」結局こなかったんだ・・・。
あれもこの時代のお話だったんだ~。

それにしても、本当にロクな男が出てこなかった。その中でシーリアを選んだジョニーは素敵!

ラストもただのハッピーエンドじゃなくて余韻もあって、よかったよね。
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Unknown (ノルウェーまだ~む)
2012-04-08 00:08:30
kiraさん☆
シーリアの存在がほっとしましたね。
彼女のナイスボケが周りを和ませてくれました。
ヒリーを捨ててシーリアと結婚した夫は賢いですね。
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こんにちは! (こに)
2012-04-08 10:24:00
笑ったり泣いたり頷いたりしながら、あっという間に映画は終ってしまいました。
ヒリーたちも悪人ではないのでしょうが、そういう価値観の時代にも、もう少し全体を見る目があれば人種差別も少しは解消されていたでしょうねぇ。
でも、その闘いは現在も続いているのですよね。
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60年代ファッション楽しめた (ituka)
2012-04-08 11:15:16
すべての女性が主張してましたね。
こういうイザコザが発生したときに、概ね仲介役というか流れを変えてしまう人物が必ず出てきますね。
シーリアの天然美人がまさにソレ(爆)

シシー・スペイセクもお婆ちゃん役になってしまうましたか。
『キャリー』のころが懐かしい(苦笑)
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