認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の最初の段階と「不活発病」Q/A Room(A-62)

2012-10-04 | 認知症に対する正しい知識のQ&A

Q: 世界に先駆けて「超高齢化社会」を達成した喜びとは裏腹に、我が国では、認知症のお年寄りの数が300万人もいるそうです。この先高齢化が更に進展していく中で、認知症のお年寄りの数も増え続けていくと予想されているようです。認知症の人数の大多数90%以上を占めるとされる「アルツハイマー型認知症」は、原因もわからないし、治すこともできない病気と聞いています。打開策がないまま「少子化」が進む中での「高齢化」も予想以上の速さで進展しているようですね。この先どうなるのか、(1000兆円を超えるとされる巨額の累積債務の問題とも併せて)、子や孫たちのことを考えると、我が国の将来がとても心配です。

     

  夢もなければ、希望ももてない我が国の明日

     意欲もなければ、することもない我が身の今日

       時の流れに身を任せ、脳の老化が進んでいくだけ

A: (撰者 斉藤藻吉の講評) 厚生労働省がこの8月に発表したところによると、これまで200万人と予測されていた認知症の末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りの数が一気に100万人も激増して、300万人にも達しているのです。このブログは、いろんな種類に分けられる認知症の人数の大多数、90%以上を占めていて、「原因もわからないし、治すことも出来ない」とされている「アルツハイマー型認知症」について、出来るだけ分かりやすく世の中に、(特に、東日本大震災を被災された高齢者と地域予防活動の担い手となる市町村の保健師さん達に)知らせたいとの思いから、根拠となるデータの開示を含め、私たちが開発した「二段階方式」の考え方の概要を公開しています。

「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム、早期発見と認知症からの「回復」、症状の「進行の抑制」と適切な介護の在りかた、そして個人及び地域単位での「予防」の仕方がテーマです。マニュアル化され、システム化された「二段階方式」と呼ばれるそのシステムの使用は、有償となっていますが、(契約の対象は、市町村の健康・保健・福祉課など、在宅介護支援センター、地域包括支援センター、医療機関、介護施設事業者及びNPO法人に限定されています)このブログの中で、その考え方の概要を逐次みなさんに公開していく「手技」は、非公開ですものです。

     

 「アルツハイマー型認知症」発病の原因について、末期の段階でしか認知症であるか否かの判定が困難な方法である脳の萎縮を基準に考える説や、原因ではなくて結果を示しているに過ぎないアミロイドベータやタウタンパクによる老人斑の生成や神経原線維変化による神経細胞の脱落等を原因と考える「仮説」などが、専門家と呼ばれる人たちの間では主流です。脳の働きと言う物差しを使い、「脳の機能データと症状をリンク」させて解析し、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを突き止め、認知症の有無や段階を判定し、或いは早期診断による「回復」と生活習慣の改善による「予防」を提案する私達の考えは、世間一般のアプローチと比べて、根本的に異なるものです。

 エイジングライフ研究所では、独自に開発した「二段階方式」と呼ばれる脳の働き具合とそのアウトプットである症状をリンクさせて判定する方法により、アルツハイマー型認知症」の早期診断と「回復」及び「予防」を目的とする「地域予防活動」を17年間に亘って440を超える市町村で実践する中で、極めて多数のデータを蓄積してきました。私達がこの3月に予告し警告してきたように、東日本大震災の被災地の高齢者たちの間に、驚くほど高率で大量に「アルツハイマー型認知症」が発症してきていることにより、これまで主流とされてきた学説の「根拠」が根底から覆され、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム、早期診断と「回復」及び「生活習慣」の改善による発病の「予防」についての私達の考え方が、「疫学的に証明される」こととなって、世界の主流となる日は近いと考えています。(ここを「クリック」してください

     

kinukototadao からの説明) ところで最近、「不活発病」という名称を冠された「病気」がマスコミでしばしば取り上げられるようになってきているのをご存知でしょうか。東日本大震災の被災地の高齢者の間に、流行しているとの報道が増えてきているのです。「前頭葉」を含む「脳の働き具合」を神経心理機能テストその他の方法で調べることもなく、「症状」だけから判定し、「不活発病」と言う名称を冠されて取り上げられているその病気は、実は、お年寄りの皆さんが最も恐れている、あの「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)のことなのです。このことについて、このブログで世の中(研究者とマスコミ)に注意を喚起しておきたいと思います。(ここを「クリック」してください) 

 認知症の専門家たちから、原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用性の機能低下により加速度的に衰えた脳の働き具合(機能レベル)のアウトプットが「症状」として発現してくるものなのです。その最初の段階が、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の機能だけが異常なレベルに衰えてきている「軽度認知症」(小ボケ)なのです。この段階で発現する「症状」は、理解、考察、発想、創意、企画、計画、観察、分析、洞察、推理、予見、シミュレーション、抑制、忍耐、工夫、修正、機転、興味、創造、感動、判断及び決断等の高度な「前頭葉」の諸機能(B)の発揮度(C)を下支えし、支配(「二重構造/層構造」)する「三本柱」の機能(A)である、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」が異常なレベルに衰えたことに起因する「軽度」の機能障害の症状だけなのです。{C=A×B}

「不活発病」のレッテルを貼られたお年寄りたちに、「二段階方式」による神経心理機能テストを実施して、「前頭葉」を含む脳の働き具合(脳の機能レベル)を判定すれば、(「高次機能」は正常なレベルにあって、最高次の「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに衰えている)ことが容易に分かるはずなのです。参考までに、「軽度認知症」(小ボケ)の「症状」を載せておきますので、読んで比べてみてください。両者の特徴とされる「症状」が一致していることが、分かるはずです。(ここを「クリック」してください)。

       

 このブログで何度も指摘しているように、認知症の専門家たちは、「DSM-4」という米国精神医学会の誤った診断基準に基づいた診断を行うのです。その基準は、末期段階にならないと発現してこない、「重度の記憶障害」(第一の要件)と(失語、失行又は失認)という「重度の症状」(第二の要件)が共に確認されるようにならないと、「アルツハイマー型式認知症」であるとは、診断してはならないとされているのです。そのため、回復容易な「軽度認知症」(小ボケ)も回復可能な「中等度認知症」(中ボケ)も、見落とされ放置され、末期段階の回復が困難な「重度認知症」だけが取り上げられているのです。 

 早期の段階で見つければ、脳のリハビリ(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)で回復が容易又は可能であるのに、この段階は「不活発病」や「老化現象」の名前を張られるだけで、見過ごされ、放置されたままなのです。「不活発病」のレッテルを貼られている症状が、アルツハイマー型認知症の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状(回復容易)であり、「老化現象」と混同されているのが「中等度認知症」(中ボケ)の段階の症状(回復可能)であり、原因も分からないし治らない介護の対象とされているのが末期の段階の「重度認知症」(大ボケ)の症状(回復困難)なのです。(ここを「クリック」してください

             

(コーヒー・ブレイク-その1) 日本では、若年での発症が特徴の「狭義のアルツハイマー病」(「若年性アルツハイマー病」とも言います)と老年での発症が特徴の「アルツハイマー型認知症」とをまとめて「アルツハイマー病」と総称する人が多いのですが、これは誤解を生むものです。若年性アルツハイマー病(狭義のアルツハイマー病)は、「アルツハイマー型認知症」とは性質が根本的に異なるものなのです。

 「狭義のアルツハイマー病」は、特定の遺伝子に生まれつき異常が認められる人にしか認知症の症状が発症してこないのです。しかも、発病する年齢は、早いと30代で遅くても50代どまりなのです。そして、発病後に症状が進行する速さも、「アルツハイマー型認知症」の場合の症状の進行度合いとは全く異なる、比べ物にならない速さで進行するのです。

そのうえ、現在の医療レベルでは、症状の進行を抑制する方法も、症状を回復させる方法もありません。認知症全体に占める割合も、老年での発症を特徴とする「アルツハイマー型認知症」が90%を超えるのに対し、若年での発症を特徴とする狭義の「若年性アルツハイマー病」は1%程度なのです。

       

(コーヒー・ブレイクーその2) 最後にもう一度:東日本大震災を被災した高齢者達が他のどの地域の高齢者とも比較にならないほどの高い割合で、且つ大量に「アルツハイマー型認知症」を発病してくること(「小ボケ」)及びその症状が進んでいくこと(「小ボケ」→「中ボケ」→「大ボケ」)を予告し、警告しておきたいと思います。そうすれば、「原因不明で治らない病気である」とか、「脳の萎縮が原因である」とか、「アミロイドベータやタウ蛋白による神経線維の脱落等が原因である」とか、専門家と言われている人達の見解が全て誤ったものであることが、疫学的に証明されることとなり、世の中の考えを変える契機ともなることでしょう。 

(まとめ) 「アルツハイマー型認知症」は、一言で言えば、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。廃用性の機能低下(使われる機会が極端に少ないために、働きが衰えて行く)により、何年もかけて「脳の機能」が徐々に衰えていく結果として、徐々に、段階的に「症状」が進んでいくのが特徴なのです。正常者が発病して「小ボケ」となり、「小ボケ」の症状が進んで「中ボケ」となり、「中ボケ」の症状が進んで「大ボケ」となるのです。世の中で認知症の専門家と言われている人たちは、「DSM-4」の規定を金科玉条として信奉しているので、末期の段階である「大ボケ」の段階になって初めて「アルツハイマー型認知症」だと騒ぎ出すのです。「大ボケ」(重度認知症)の段階にまで進んでしまうと、(脳の機能低下が進んだ結果として症状が出てきているので)、この段階で見つけても、回復は困難なのです。この段階で見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れ、レッテルを張るだけであって見つける意味がないのです。(ここを「クリック」してください

注)本著作物(このブログA-62に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

     エイジングライフ研究所のHPここをクリックしてください)

  脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)


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