本日は、許可制に関する審査密度についてのご質問です。
許可制に対する審査密度について (shun)
2011-12-14 16:40:41
「急所」を読んでいて分からない部分がありましたので、お忙しい中申し訳ありませんが質問させてください。
疑問に思ったのは、「急所」P.227に記載のある客観的条件と主観的条件の区別です。
主観的条件について「本人の努力で充たし得る条件」と定義すると、距離制限についても場所を移動することは可能なので客観的条件であるは考えられないのでしょうか。
結局客観的条件と主観的条件の区別は権利制約の程度の差を表すものであると考え、距離制限と人数制限の制約の程度を考えてみると、どちらも学習塾経営における収益に直結する要素であると考えられるのでその差はないように思いました。
両者の区別がうまくできません。この点、御教授いただければと思います。よろしくお願いいたします。
>shunさま (kimkimlr)
2011-12-15 21:29:15
こんにちは。どうもありがとうございます。
場所が違うと同じ営業とは言えない、
という前提があるとお考えください。
実際、駅前での営業と駅から遠く離れたところでの営業は
同じ業種でも、同じ業種か?といえるくらい
ビジネスモデルが違うはずです。
こんな感じでどうでしょう?
Unknown (shun)
2011-12-15 22:17:27
御回答ありがとうございます。
ご指摘の通り、ビジネスモデルはかなり異なることになると思います。
これを前提に、例えば原告主張の権利が「他の学習塾から10メートルの地点で、500人規模の学習塾を経営する権利」であるとして、これに対して「①他の学習塾から11メートル離れていないこと、②生徒の定員が10人を超えること」という不許可条件が設定された場合を考えます。
この場合、10メートル地点と11メートル地点の差はビジネスモデル、ひいては権利の内容に重大な影響を与えるとは思いませんから「主観的条件」となるのでしょうか?
また、500人の定員に対して10人以上という不許可条件を設定することはビジネスモデル、ひいては権利内容に重大な影響を与えることになり「客観的条件」となるのでしょうか?
このように考えると、結局は原告主張の権利との関係で個別具体的に決せられることになる主観的条件・客観的条件の区別はあまり意味が無いような気がします。
上記についてどこか誤解している点があれば御教授いただければ嬉しく思います。
>shunさま (kimkimlr)
2011-12-16 06:26:40
そうですねえ。
言い方が悪かったようです。
定員数は、自分の意思でコントロールできます。
これに対し、どこに既存薬局があるかは
自分の意思ではコントロールできません。
なので、後者が客観条件規制になります。
ということなのですが。
どうでしょう?
Unknown (shun)
2011-12-16 10:51:14
御回答ありがとうございます。
確かに既存薬局の位置については自己の意思でのコントロールは不可能と思います。
ただ、これから開業を試みる者にとって、開業場所を変更することは定員数同様自己の意思でコントロール可能ということにはならないのでしょうか?
理解力不足で度々申し訳ありません。
shun様 (kimkimlr)
2011-12-16 12:16:24
ああ、たびたび、ちょっと説明の仕方が不適切でした。
その条件が全員に等しく適用されるかどうか、
という観点で考えてみて下さい。
薬剤師資格や定員は、全事業者に等しく適用されますが、
距離規制(ここで営業してはいけない)は、
既存事業者には適用されず、
他方、他事業者には適用されるわけですね。
世襲制なんかもそうか。
というわけで、客観的条件というのは
そういうことをいっていて、
それを、本人の努力ではいかんともし難い
って表現するわけです。
どうだろう?
Unknown (shun)
2011-12-16 18:00:06
御回答ありがとうございます。
規制の適用があるか否かが分かれる既存業者性というのは本人の努力次第で達成できないと考えられるのですね。
不明確だった部分が非常に明確になりました。
ご丁寧な説明大変ありがとうございました。
許可制に対する審査密度について (shun)
2011-12-14 16:40:41
「急所」を読んでいて分からない部分がありましたので、お忙しい中申し訳ありませんが質問させてください。
疑問に思ったのは、「急所」P.227に記載のある客観的条件と主観的条件の区別です。
主観的条件について「本人の努力で充たし得る条件」と定義すると、距離制限についても場所を移動することは可能なので客観的条件であるは考えられないのでしょうか。
結局客観的条件と主観的条件の区別は権利制約の程度の差を表すものであると考え、距離制限と人数制限の制約の程度を考えてみると、どちらも学習塾経営における収益に直結する要素であると考えられるのでその差はないように思いました。
両者の区別がうまくできません。この点、御教授いただければと思います。よろしくお願いいたします。
>shunさま (kimkimlr)
2011-12-15 21:29:15
こんにちは。どうもありがとうございます。
場所が違うと同じ営業とは言えない、
という前提があるとお考えください。
実際、駅前での営業と駅から遠く離れたところでの営業は
同じ業種でも、同じ業種か?といえるくらい
ビジネスモデルが違うはずです。
こんな感じでどうでしょう?
Unknown (shun)
2011-12-15 22:17:27
御回答ありがとうございます。
ご指摘の通り、ビジネスモデルはかなり異なることになると思います。
これを前提に、例えば原告主張の権利が「他の学習塾から10メートルの地点で、500人規模の学習塾を経営する権利」であるとして、これに対して「①他の学習塾から11メートル離れていないこと、②生徒の定員が10人を超えること」という不許可条件が設定された場合を考えます。
この場合、10メートル地点と11メートル地点の差はビジネスモデル、ひいては権利の内容に重大な影響を与えるとは思いませんから「主観的条件」となるのでしょうか?
また、500人の定員に対して10人以上という不許可条件を設定することはビジネスモデル、ひいては権利内容に重大な影響を与えることになり「客観的条件」となるのでしょうか?
このように考えると、結局は原告主張の権利との関係で個別具体的に決せられることになる主観的条件・客観的条件の区別はあまり意味が無いような気がします。
上記についてどこか誤解している点があれば御教授いただければ嬉しく思います。
>shunさま (kimkimlr)
2011-12-16 06:26:40
そうですねえ。
言い方が悪かったようです。
定員数は、自分の意思でコントロールできます。
これに対し、どこに既存薬局があるかは
自分の意思ではコントロールできません。
なので、後者が客観条件規制になります。
ということなのですが。
どうでしょう?
Unknown (shun)
2011-12-16 10:51:14
御回答ありがとうございます。
確かに既存薬局の位置については自己の意思でのコントロールは不可能と思います。
ただ、これから開業を試みる者にとって、開業場所を変更することは定員数同様自己の意思でコントロール可能ということにはならないのでしょうか?
理解力不足で度々申し訳ありません。
shun様 (kimkimlr)
2011-12-16 12:16:24
ああ、たびたび、ちょっと説明の仕方が不適切でした。
その条件が全員に等しく適用されるかどうか、
という観点で考えてみて下さい。
薬剤師資格や定員は、全事業者に等しく適用されますが、
距離規制(ここで営業してはいけない)は、
既存事業者には適用されず、
他方、他事業者には適用されるわけですね。
世襲制なんかもそうか。
というわけで、客観的条件というのは
そういうことをいっていて、
それを、本人の努力ではいかんともし難い
って表現するわけです。
どうだろう?
Unknown (shun)
2011-12-16 18:00:06
御回答ありがとうございます。
規制の適用があるか否かが分かれる既存業者性というのは本人の努力次第で達成できないと考えられるのですね。
不明確だった部分が非常に明確になりました。
ご丁寧な説明大変ありがとうございました。
質問させていただきたいのですが,この記事中の「全員」の範囲はどのように考えたらよろしいのでしょうか?“許可制の対象者全員”よりも広そうだなと思ったのですが,明確な基準がわからず迷っております。
というのは,“許可制の対象者全員”に適用されるか否かで判断すると,例えば薬局の開設規制はこれから初めて開設する者を対象とした規制なのだから,既に開設済の既存業者は「全員」に含まれない…ということになってしまいそうです(そうだとすると距離規制は「全員」に適用されることになるので客観的条件)。
漠然とですが,既存業者がいたらソイツも含める,という考え方で合ってますでしょうか?
この考え方に立つと,例えばこれから初めて土地開発行為を行うものを対象に,新たに土地開発規制(面積要件など)を設ける場合(※H19新司法試験をイメージしております),既に開発行為を完了した者も「全員」に含めることになり,面積要件は「全員」のうちの新規開発事業者のみに適用される主観的条件ということになりそうですが,結論がおかしいような気がするのです。
ご指導よろしくお願い致します。
営業行為の制限になるのでしょうか?
というのが、まず最初の問題です。
平成19年って、営業の自由主張する人がおおいんでしたっけ?
という問題に加えて、ええと、次のような感じです。
開発行為を規制すると、
既にショッピングモールをつくってしまった業者は、営業ができ、
新規参入ができなくなる、というイメージでしょうか。
この場合、許可制ではなく、
単純な営業禁止規制になりますね。
完全営業禁止は、客観的条件による許可制よりも
更に厳しい規制なので、
客観主観を云々するまでもなく、
厳格な審査になるような気がします。
許可制なら他の憲法上の権利に対する制約場面でも段階理論が使えるものと勘違いしていたことに、木村先生のご指摘で気づきました。その勘違いのため一般化して考えようとして、上記のような疑問に突き当たった次第です。営業(職業選択)の自由の制約場面だけで用いる概念だとすれば、特に困らず振り分けできそうです。
ただ、主観的条件より客観的条件を厳しく審査する理由(規制態様がより厳しいとみる理由)が、「本人の努力ではどうにもならないものだから」ということに尽きるのであれば、許可制によって財産権が制約される場面においても同様の議論があてはまりそうな気がするのですが、このような発想は根本的に誤りでしょうか?
どのような自由権でもそういう風に言えるかもしれませんが、
あまり聞いたことがない気がします。
恐らく、そのほかの自由権について、
客観的条件の規制がかかることがまれだ、
という事情と、
客観的条件規制は平等原則が非常に問題になる
という事情がからんでいるかと思います。
もちろんありうる立論と思います。
私も少し考えてみます。
他の自由権について客観的条件の規制がかかることは稀なのですね。他の自由権を制約する許可制,例えば都市計画法による土地開発規制や農地法による農地転用などであっても客観的条件と呼び得る許可条件は多く存在しそうな気がしていたのですが,今まで自分が抱いていた客観的条件と主観的条件の分類イメージが誤っていたかも知れないので,こちらの記事を読み返しつつ自分で具体的なイメージが持てるように調べてみたいと思います。
平等原則が非常に問題になるというのは,14条違反のおそれがあるため客観的条件に分類されるような許可要件を定めにくいということですね。許可制において普通は主観的条件が定められているイメージなのかなと理解しました。客観的条件の絶対数自体が少ないとすれば,議論が生まれにくそうです。この点についても,記事を読み返しつつ特別法の条文や文献を探して勉強したいと思います。
結局何故財産権等の許可制については同様の議論が存在しないのか,という点はまだ気になるのですが,営業の自由と財産権に関する判例の変遷,特に段階理論がドイツから持ち込まれた背景について自分は全
記事とズレた内容だったにもかかわらずお返事いただきありがとうございました!