木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

制度的保障について

2018-05-05 21:42:46 | Q&A 憲法上の権利
制度的保障について (あや)
2018-04-21 23:22:09
木村先生 こんにちは。
初めてコメントさせていただきます。
早速ですが、制度的保障について質問です。
先生は以前ブログにて「『制度的保障』というのは、個人の権利を保障したものではなく、客観法原則として保障されるにすぎない(したがって、その違反について個人の主張適格が認められない)という意味の言葉」と記載されていました。
とすると、司法試験の論文などでは住民訴訟の途がある政教分離以外は、制度的保障を論じる場面はないのでしょうか。
例えば、制度的保障である大学の自治なども論じる場面は想定されないでしょうか。
お時間ありましたら、ご回答宜しくお願い致します。


大学の自治については、「客観保障・制度的保障」ではなく、
大学という団体としての権利だという理解もあり得ます。
その場合には、大学が法主体として、自治権の侵害を訴えることができるでしょう。

また、ポポロ事件では、
問題の「警察官の公務」が適法(客観法違反がない)だったかどうかが問題になり、
正当防衛などを扱う中で、客観法としての大学の自治が議論されております。

なので、住民訴訟以外でも
大学の自治について争われる場面は多くあります。

辰巳の過去問本で確か
客観法問題は検討しているはずですので、どうぞよろしくお願いいたします。

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3 コメント

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Unknown (あや)
2018-05-10 22:57:08
ご回答いただきましてありがとうございます。
児童通報について (匿名)
2018-06-17 21:01:27
先生は児童通報をすべきだ、とおっしゃっておりますが、誤報・または故意による偽通報についての対策も併せて進言して下さい。
先生の周りにはあまりいらっしゃらないかもしれませんが、世の中には腹いせで通報する人間がいます。

偽、または間違いの通報された側の心の傷を考えたことがありますか?児童相談所は、全くそれにはノータッチで、名誉回復されることもありません。
憲法上の権利ビンゴ (新米教師)
2018-08-08 19:44:03
木村草太先生
こんにちは。初めてコメントさせていただきます。
本日講演会で木村先生のお話を伺いました。
お話の中で、娘さんの小学校で「憲法上の権利ビンゴ」というゲームをしているとおっしゃっていたと思います。そのときに子どもたちに憲法の条文をどのように噛み砕いてご説明されているかご教示いただけないでしょうか。
というのも、現在私は小学校の教員として働いており、子どもたちに「権利」というものを実感させる手立てが思い浮かばず、困っているからです。先生がおっしゃっていたゲームのような形であれば、子どもたちに権利がどんなものなのか体感させることができると思いました。簡単ではないと思いますが、自分も教室で実践することができたらと思っています。
子どもの権利を適切に認識するために、これからさらに勉強します。本日のお話は本当に興味深く聞かせていただきました。ありがとうございました。

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