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川内原発再稼働の地震耐震設計がデタラメ!審査書決定は無効だ、驚く程いい加減!地震学者・石橋克彦氏

2014-11-04 11:02:54 | 脱原発
川内原発再稼働の

地震耐震設計がデタラメ!

審査書決定は無効だ、

驚く程いい加減!

地震学者・石橋克彦氏




週刊朝日…

これまで川内原発の

審査書に対する批判は、

火山噴火が軽視されているとか、

避難計画が不十分である

とかが大半でした。

しかし、地震に関して

重大なこ とが見過ごされています。

ところが、新基準自体の欠陥は

脇に置くとしても、

新基準のもとで規制委員会が

きちんと審査したかというと、

実はそれが驚くほどいい加減なのです。

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柏崎刈羽 震度6で「放射線漏れ」と「変電所火災」

福島 震度6で電源喪失、水素爆発

女川 震度5で通常電源喪失

東通 震度5で通常、予備電源ともに喪失


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「内原発再稼働の審査書決定は無効だ!」

「原発震災」を予言した地震学者

石橋克彦氏が告発


「内原発再稼働の審査書決定は無効だ!」

2014年9月24日(水)0時0分配信 週刊朝日

九州電力の川内原発(鹿児島県)が再稼働に向けて急ピッチで動き始めた。審査書を原子力規制委員会が正式決定し、政府は再稼働を進めるという文書を交付した。だが、「原発震災」を早くから警告してきた地震学者の石橋克彦・神戸大学名誉教授は、審査書は無効だと訴える。

 これまで川内原発の審査書に対する批判は、火山噴火が軽視されているとか、避難計画が不十分であるとかが大半でした。しかし、地震に関して重大なことが見過ごされています。

 福島原発事故の反省に立って原子力規制行政が抜本的に改められ、国民の不安と不信を払拭(ふっしょく)すべく新規制基準が作られたはずです。全国初となる川内原発の審査書は、その試金石です。

 ところが、新基準自体の欠陥は脇に置くとしても、新基準のもとで規制委員会がきちんと審査したかというと、実はそれが驚くほどいい加減なのです。

 九州電力の申請書は9月10日、規制委員会によって「新規制基準に適合する」と認められた。12日には政府が再稼働を進めることを明記した文書を、上田隆之・資源エネルギー庁長官が鹿児島県の伊藤祐一郎知事と同県薩摩川内市の岩切秀雄市長に手渡した。政府のお墨付きを得たことで、九電は再稼働に向けた準備を着々と進めていくことになる。

 だが、石橋氏は月刊誌「科学」9月号に、そもそもの審査がおかしいと批判する論文を発表した。どういうことなのか。

一言でいうならば、耐震設計の基準とする揺れ=「基準地震動」を策定する手続きが規則で決められているのに、それを飛ばしているのです。これは基準地震動の過小評価につながり、法令違反とさえ言えます。

 原発の安全上重要な施設は、基準地震動に対して無事であることが求められています。そのため、「内陸地殻内地震」「プレート間地震」「海洋プレート内地震」について、敷地に大きな影響を与えると予想される地震を複数選び、それらによる地震動を検討することになっています。

 しかし九電は、活断層による内陸地殻内地震しか検討しませんでした。プレート間地震と海洋プレート内地震については、揺れは震度5弱に達せず、原発に大きな影響を与えないとして無視したのです。

 実は、けっしてそうは言い切れません。地震学的に、具体的な懸念があるのです。ところが審査では、九電の言いなりにしてしまった。

 プレート間地震については、社会問題にもなっているように、内閣府の中央防災会議が駿河湾~日向灘にマグニチュード(M)9級の南海トラフ巨大地震を想定しています。そこでは、川内付近の予想最大震度は5弱に達しています。

 しかも、これは全体の傾向をみるための目安にすぎないので、特定地点の揺れは別途検討するように言われています。震源のモデルを安全側に想定すれば、川内では震度6になるかもしれません。

海洋プレート内地震については、九州内陸のやや深いところで発生する「スラブ内地震」が重要です。「スラブ」というのは、地下深部に沈み込んだ海洋プレートのことです。

 1909年に宮崎県西部の深さ約150キロで推定M7.6のスラブ内地震が起こり、宮崎、鹿児島、大分、佐賀で震度5を記録して各地に被害が生じました。

 スラブは鹿児島県の地下にも存在しますから、もっと川内に近いところのスラブ内大地震を想定すべきです。そうすれば川内原発は震度6程度の揺れを受ける恐れもあります。

 基準地震動は1万~10万年に1度くらいしか起きない地震を想定すべきものです。だからプレート間巨大地震とスラブ内大地震も検討する必要があるのに、九電も審査側も、規則を無視して「手抜き」をした。

 九電は、内陸地殻内地震による基準地震動については、原発から少し離れた活断層で起こるM7.2~7.5の地震を想定して、最大加速度540ガル(加速度の単位)としました。

 南海トラフ巨大地震とスラブ内地震では、この値を超えるかもしれません。前者については、九電は免震重要棟のために長周期地震動をいちおう検討しましたが、内閣府の震源モデルの一部をつまみ食いしただけの不十分なものです。



 仮に最大加速度が540ガルより小さかったとしても、プレート間地震とスラブ内地震は活断層地震とは非常に違った揺れ方をするので、基準地震動を策定して重要施設の耐震安全性をチェックすべきです。

■杜撰(ずさん)審査続けば、再び原発震災も

 川内原発の基準地震動は620ガルとよく言われますが、これは直下で震源不詳のM6.1の地震が起きた場合の想定最大加速度です。しかし、活断層がなくてもM7程度までの大地震は起こりうるので、これは明らかに過小評価です。

 2007年新潟県中越沖地震(M6.8)では東京電力柏崎刈羽原発の1号機の岩盤で1699ガルを記録しました。地震の想定と地震動の計算の不確かさを考えれば、最低その程度の基準地震動にすべきです。

 しかし、そういう技術的な話とは別に、規則に定められた手続きを飛ばしたのは、「耐震偽装」ともいえる大問題でしょう。

 川内原発の審査書を決定する前に、規制委員会は7~8月に審査書案への意見(パブリックコメント)を募った。その結果、全国から1万7千件余りの意見が寄せられた。

 実は石橋氏も、前述のような意見を提出して、審査に過誤があり結果的に規則に違反していると指摘した。だが規制委員会が公表した文書では、この意見に対する回答として〈申請者は、プレート間地震及び海洋プレート内地震については、(中略)敷地に大きな影響を与える地震ではないと考えられることから、検討用地震として選定していません〉という「考え方」が示されただけだ。

 石橋氏は憤る。

これでは規制委員会は九電の代弁者にすぎません。まるで“子供の使い”です。審査メンバーに地震がわかっていて真剣に考える人がいないか、再稼働路線に屈服したかでしょう。

 石橋氏といえば、東大助手だった76年に東海地震の可能性を指摘し、社会現象にもなった。97年からは「原発震災」という言葉を使って大地震による原発事故の危険性を訴え続け、11年の東日本大震災でその正しさが図らずも実証された。

 その石橋氏が、今はこう警告する。

 これほど杜撰(ずさん)な審査なのですから、無効にしてやり直すべきです。これが前例になって手抜き審査が続けば、第二の原発震災を招きかねません。

構成 本誌・藤村かおり

いしばし・かつひこ 1944年生まれ。神戸大学名誉教授。専門は地震学、歴史地震学。『大地動乱の時代─地震学者は警告する』『原発震災─警鐘の軌跡』など著書多数。近著は『南海トラフ巨大地震』(岩波書店)。

週刊朝日 niftyニュースより
http://s.news.nifty.com/magazine/detail/asahi-20140924-02_1.htm


==========


幕末にはじまった首都圏の大地震活動期は、関東大震災(一九二三)をもって終わり、その後、東京圏は世界有数の超過密都市に変貌した。しかし、まもなく再び「大地動乱の時代」を迎えることは確実である。小田原地震が七十年ごとに発生することを明らかにした地震学者がその根拠を明快に説き、東京一極集中の大規模開発に警鐘を鳴らす。
Amazon.co.jp: 大地動乱の時代―地震学者は警告する (岩波新書): 石橋 克彦: 本


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生活と原子力 06

なぜ「東通原発」は非常電源が入ったか?


武田邦彦 (中部大学)

4月7日深夜、東北地方は再び最大震度6を記録する余震に見舞われた。被災者の人はとても心配だろう。なんと言ったら良いか判らないぐらいの過酷な仕打ちだ。

でも、ここではそのような状態でも、「原発」のことを冷静に考えておきたい。

この余震で青森の東通原発と六ヶ所村の再処理施設の電源が切れ、ディーゼル発電の非常用電源を使った。震度は5と推定される。

ディーゼル発電機が動くということは「耐震設計を越えた地震に見舞われた」ということだ。

また、停止中の女川原発も震度6で通常電源がとまり、予備電源に切り替わった。ここも「耐震設計を越えた地震」ということになる。

・・・・・・・・・

5年前から私は「原発は地震で壊れる」として、安全委員会部会、講演、書籍などで原発の耐震性を考え直さなければならないと訴えてきた。

自分が「予言」したからということではない。実は予言などという大げさなものではなく、「科学的な合理性を持って原発は地震で倒れる」のであり、実に簡単な原理なのである。

それを「原発は地震で大丈夫」と口で言ってきただけなのだ。

もし、それを日本社会が理解してくれれば、原発は少しは安全になる可能性がある。

原理は簡単だ.

1) 耐震設計自体が低い(柏崎、福島は震度5、今回の地震の結果から見ると、女川は震度5、東通は震度4で設計したと考えられる)

2) 原子炉だけを守るようになっていて「原子力発電所」や「付近住民」を守ろうとはしていない。

これが現実なのに、政府、原子力委員会、原子力安全委員会、保安院、電力会社、県、市町村の首長は、いずれも、

「原発は地震で壊れない。安全だ」

と言い続けてきた。

・・・・・・

国民の安全を守るのがもっとも大切な指導者なのに、「耐震設計は4で震度5なら損傷する。そして、付近住民や電気設備ではなく原子炉だけを守る」ということを知っていながら、よくそんな発言ができると思う。

昨日、 文化系の見識のある方とディスカッションをした。なぜ、「震度4、原子炉だけ」という設計を「地震で大丈夫」と言うのか、科学者の私には理解ができないからだ。

・・・・・・実績・・・・・・

柏崎刈羽  震度6で「放射線漏れ」と「変電所火災」

福島    震度6で電源喪失、水素爆発

女川    震度5で通常電源喪失

東通    震度5で通常、予備電源ともに喪失

・・・・・・それでも全国の原発は大丈夫??・・・・・・

100%の確率で損傷、倒壊している。だから、電力会社が自主的に他の原発を止めて欲しい.

今回の東通原発は震度5で通常電源、予備電源が喪失し、ディーゼル発電機を動かした。普通の人なら「最後の砦が役に立った」と思うかも知れないが、筆者の専門の工学から見ると、「設計が4だったら、設計通り、設計が5だったら、設計ミスか施工の手抜き」という事になる。

工学というのは「まあまあ、なあなあ」ではない。震度5で設計したら、震度5で「非常事態」になってはいけない。震度5では「ビクともしない」というのが震度5の設計である.

その意味で、東通原発が震度5でディーゼル発電が動いたということは、設計か施工の欠陥である.東北電力は直ちにどちらに問題があったかを公表すべきだ。

さらに、福島原発にもトリックがある。

福島原発が「地震で倒れない」と言った政府、福島県の発言がウソではないことを印象つけるために「津波の損傷」と言ってきた。

しかし、作業員は「地震直後に上からザーッと水が降ってきた」という証言や、1号炉の圧力容器の亀裂などを見ると、震度6の最初のアタックでかなり損傷していたと考えられる.

また、たとえ津波であっても、日本には38メートルの津波を経験しているのだから、10数メートルの津波が「想定外」というなら「地震や津波で壊れる怖れがある」ということだろう。

・・・・・・・・・

いや、そんな細かいことを議論していては、大筋を見失う.

原発は、

1) 原子炉だけ守ればよい.だから、電力の供給がなくなるのは「原発の安全性」の問題では無いとしている、

2) 設計震度は「電力会社が地震学者を呼んで勝手に決めれば良い」としている、

という事実をもう一度、認識することだ。

東通原発では、震度5で最後の砦になるディーゼル発電以外の電源を失った。まるで、個人病院のようだ。

個人病院でも停電に備えて予備の小型発電機ぐらいは備えている.予備の電源があるからと言って「地震で大丈夫です」などと言うのはまったく非常識で、原発は多重防御ではなく、ほぼ1重だ。

そして、問題なのは「原子炉だけを守る」という思想だから、柏崎で変電所(場内)が燃えても「関係ありません」と言い、今度も「停電だから仕方ありません」と言うだろう.

でも、ディーゼル発電機が故障したら、東通原発は、冷却系を失い、福島原発と同じようになるのだ。電力会社の方は、「原発は地震で倒れます」と地元に行って欲しいし、自治体は「原発は地震で倒れるから、止めろ」と言うべきだろう.

再び、被曝する人を出さないために。

(平成23年4月8日 午後1時 執筆)

武田邦彦より
http://takedanet.com/2011/04/post_255b.html


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