STAP細胞に次ぐ奇跡の技術か?
【放射性廃棄物の無害化に道】?!
三菱重、実用研究へ… 元素変換技術!
大掛かりな施設必要なく…!?
岩村氏は「現在、決定的な解決策がない
放射性廃棄物の無害化は価値が最も高い。
当社は原発メーカーでもある。
10年後には実用化したい」という。
日本経済新聞より抜粋引用
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/
日本経済新聞 2014/4/8
放射性廃棄物の無害化に道?
三菱重、実用研究へ
三菱重工業は重水素を使い、少ないエネルギーで元素の種類を変える元素変換の基盤技術 を確立した。原子炉や大がかりな加速器を使わずに、例えばセシウムは元素番号が4つ多い プラセオジウムに変わることなどを実験で確認した。将来の実証装置設置に向け、実用化研 究に入る。放射性セシウムや同ストロンチウムを、無害な非放射性元素に変換する放射性廃 棄物の無害化処理に道を開くもので、原発メーカーとして実用化を急ぐ。
■百数十時間で元素変換
3月下旬、米ボストンのマサチューセッツ工 科大学の講義室。世界から集まった100人以上 の研究者を前に、三菱重工・先進技術研究セン ターの岩村康弘インテリジェンスグループ長は 「元素変換はマイクロ(100万分の1)グラム 単位で確認できた」と報告した。多数の質問を受け、同社の実験を説明する理論の提案も数多く発表されたという。
三菱重工の横浜市の先進技術研究センター。 700を超える幅広い製品群を擁する同社の次世 代研究を一手に引き受ける秘密基地だ。研究棟の1階の約3分の1を占めるクリーンルームで研究者が白衣に身を包み、約25ミリ四方の 薄膜の金属板を装置にセットする。超高温や超高圧をかけることなく、数日で内部で元素が 変わり、新たな元素が生まれてくる。
具体的には厚さが数十ナノ(ナノは10億分の 1)と極めて薄い金属のパラジウムと酸化カルシ ウムの薄膜を交互に積層した多層膜に変換したい 金属を付ける。この膜に重水素を透過させると百数十時間で元素番号がそれぞれ2から4、6多い 元素に変わった。
セシウムはプラセオジウムに、ストロンチウム はモリブデン、カルシウムはチタン、タングステンは白金に変わることを確認した。特殊な薄膜に重水素を透過させる独自技術は日本での特許に続き2013年、欧州でも特許を取得した。
先進研の石出孝センター長は「ここ数年で研究 が大きく加速した」という。様々な手法で重水素の濃度を高めることで、新しい元素の収量 がナノグラムからマイクログラムへ3桁増えた。測定精度も上がり、1平方センチメートル 当たり最大数マイクログラムの元素変換を確認したとしている。
セシウムの元素変換率は、ばらつきはあるものの100%近いものもあるという。元素変換 を示唆するガンマ線も微量ながら検出している。同社はセシウムの場合、パラジウム多層膜 の内部で4個の重水素が1個のセシウムの原子核に十分近づき、陽子4個と中性子4個が加 わりプラセオジウムになったとの仮説を立てている。ただ、詳しいメカニズムや理論は分かっていない。
元素変換は「エネルギー収支が合わず、従来の物理学の常識では説明できない」などの指 摘がある。新しい元素の量が少なく「外から混入した可能性も完全には排除できない」との声もある。
■未知の現象を解明する実験
もともと低いエネルギーで元素が変わるのは、1989年に 提唱された常温核融合と同じ考え方。1億度などという超 高温でなくても核融合が起こり、過剰熱が発生するという夢の現象を再現しようと世界中で再現実験が研究された が、ほぼ否定された。
三菱重工も当時から研究を始めた。途中からエネルギー の発生を証明するより、元素の変換を示す方が実証しやすいのではないかと考え、元素変換に的を絞った。微量の元素が生まれたことは、兵庫県にある世界最高水準の物質分析技術を持つ大型の放射光施設「SPringー8」を 使っても確認している。
同社の研究に協力した独立行政法人物質・材料研究機構の西村睦水素利用材料ユニット長 は「現在まだ解明されていない新種の元素変換反応の可能性を示唆している」としている。 トヨタグループの研究開発会社、豊田中央研究所(愛知県長久手市)も元素変換の研究を続 けており、成果が出ているようだ。
昨年12月の東京工業大学。元素変換や低温核融合などをテーマに研究する研究者や技術者が全国から集まった。三菱重工のほか、大学の発表も行われた。岩手大学工学部の成田晋 也教授もその一人。「未知の現象の解明を進める」ための実験を続けている。
岩村氏は「元素変換を確信できる量が取れた。理論 的なメカニズムはわかっていないが、我々はメー カー。次のステップに進みたい」という。大学の研究者の間でも「もっと変換の量が増えれば、文句がつけ られなくなる」との声がある。
三菱重工は実験の規模を拡大し、収量を増やし実用 化のメドを付ける方針。これまで小規模な体制で先進 技術研究センターで研究していたが、他の事業本部や外部の大学や研究機関との共同実験を増やす。
金属薄膜を大きくしたり、ハニカム構造にして表面 積を大きくしたりする方策などを検討している。放射 性元素の変換の実験はまだ始めていないが、例えば放 射性のセシウム137はユーロピウムに変換する可能性 があるという。
放射性廃棄物の処理以外にもレアメタルなどの希少元素の生成や、新エネルギー源としての応用を想定している。ただ、レアメタルや新エネルギーは既存技術があり経済性との比較になる。
岩村氏は「現在、決定的な解決策がない放射性廃棄物の無害化は価値が最も高い。当社は 原発メーカーでもある。10年後には実用化したい」という。
《記者の目》細々と続けてきたのが実情
3年前の東日本大震災。放射性物質を拡散する東京電力福島第1原子力発電所の光景を前 に、ある三菱重工業関係者は「元素変換をもっと大規模に研究していれば」と叫んだ。三菱 重工は約20年、元素変換を研究してきたとはいえ、予算も人員も「細々と何とか続けてき た」というのが実情だ。
三菱重工は1990年代前半に元素変換の研究を始めた。一般に内容が知られたのは、関連 学会の論文誌に岩村氏が論文を発表した後の2002年ころだ。ただ、常温核融合の負のイメージもあり「現代の錬金術」との見方もされ、同社は対外的なアピールに慎重だった。
岩村氏は技術統括本部のインテリジェンスグループ長という肩書を持つ。「技術もマーケ ティングが必要」との考えから10人のチームを束ね、エネルギー・環境分野を中心に他社 の技術開発動向を探る。
「グループ長の仕事に専念してほしい」と遠回しに元素変換の研究からはずれるように言 われたこともある。社内の研究予算はついていたが「07、08、09年ごろはけっこう危なかった」という。
岩村氏は「この10年で研究の精度が飛躍的に上がり、世界で研究仲間も増えてきた。中 国の大学は我々そっくりの装置で研究している」と元素変換の認知度向上とともに、競争の激しさを実感している。
10年前から大がかりな研究体制をとれば、現時点で放射性廃棄物処理の具体的な実証実 験ができていた可能性がある。しかし、実態は「基礎から実用研究へ移行できそうな段階」 にとどまる。
元素変換は重工幹部も時折、「おもしろい研究をしているんだ」と口にする。「あんな研 究を続けられるのも重工くらいだよねぇ」という外部の声もある。研究を途切れさせなかっ たのは三菱重工の懐の深さだが、現状の体制で、10年後に大きな成果が期待できるのか。 そろそろ企業として腹をくくる時だ。
(企業報道部 三浦義和)
日本経済新聞より抜粋引用
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/
STAP事件簿07 本当か?という質問は/科学の進歩にとってきわめて危険である!武田邦彦
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【放射性廃棄物の無害化に道】?!
三菱重、実用研究へ… 元素変換技術!
大掛かりな施設必要なく…!?
岩村氏は「現在、決定的な解決策がない
放射性廃棄物の無害化は価値が最も高い。
当社は原発メーカーでもある。
10年後には実用化したい」という。
日本経済新聞より抜粋引用
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/
日本経済新聞 2014/4/8
放射性廃棄物の無害化に道?
三菱重、実用研究へ
三菱重工業は重水素を使い、少ないエネルギーで元素の種類を変える元素変換の基盤技術 を確立した。原子炉や大がかりな加速器を使わずに、例えばセシウムは元素番号が4つ多い プラセオジウムに変わることなどを実験で確認した。将来の実証装置設置に向け、実用化研 究に入る。放射性セシウムや同ストロンチウムを、無害な非放射性元素に変換する放射性廃 棄物の無害化処理に道を開くもので、原発メーカーとして実用化を急ぐ。
■百数十時間で元素変換
3月下旬、米ボストンのマサチューセッツ工 科大学の講義室。世界から集まった100人以上 の研究者を前に、三菱重工・先進技術研究セン ターの岩村康弘インテリジェンスグループ長は 「元素変換はマイクロ(100万分の1)グラム 単位で確認できた」と報告した。多数の質問を受け、同社の実験を説明する理論の提案も数多く発表されたという。
三菱重工の横浜市の先進技術研究センター。 700を超える幅広い製品群を擁する同社の次世 代研究を一手に引き受ける秘密基地だ。研究棟の1階の約3分の1を占めるクリーンルームで研究者が白衣に身を包み、約25ミリ四方の 薄膜の金属板を装置にセットする。超高温や超高圧をかけることなく、数日で内部で元素が 変わり、新たな元素が生まれてくる。
具体的には厚さが数十ナノ(ナノは10億分の 1)と極めて薄い金属のパラジウムと酸化カルシ ウムの薄膜を交互に積層した多層膜に変換したい 金属を付ける。この膜に重水素を透過させると百数十時間で元素番号がそれぞれ2から4、6多い 元素に変わった。
セシウムはプラセオジウムに、ストロンチウム はモリブデン、カルシウムはチタン、タングステンは白金に変わることを確認した。特殊な薄膜に重水素を透過させる独自技術は日本での特許に続き2013年、欧州でも特許を取得した。
先進研の石出孝センター長は「ここ数年で研究 が大きく加速した」という。様々な手法で重水素の濃度を高めることで、新しい元素の収量 がナノグラムからマイクログラムへ3桁増えた。測定精度も上がり、1平方センチメートル 当たり最大数マイクログラムの元素変換を確認したとしている。
セシウムの元素変換率は、ばらつきはあるものの100%近いものもあるという。元素変換 を示唆するガンマ線も微量ながら検出している。同社はセシウムの場合、パラジウム多層膜 の内部で4個の重水素が1個のセシウムの原子核に十分近づき、陽子4個と中性子4個が加 わりプラセオジウムになったとの仮説を立てている。ただ、詳しいメカニズムや理論は分かっていない。
元素変換は「エネルギー収支が合わず、従来の物理学の常識では説明できない」などの指 摘がある。新しい元素の量が少なく「外から混入した可能性も完全には排除できない」との声もある。
■未知の現象を解明する実験
もともと低いエネルギーで元素が変わるのは、1989年に 提唱された常温核融合と同じ考え方。1億度などという超 高温でなくても核融合が起こり、過剰熱が発生するという夢の現象を再現しようと世界中で再現実験が研究された が、ほぼ否定された。
三菱重工も当時から研究を始めた。途中からエネルギー の発生を証明するより、元素の変換を示す方が実証しやすいのではないかと考え、元素変換に的を絞った。微量の元素が生まれたことは、兵庫県にある世界最高水準の物質分析技術を持つ大型の放射光施設「SPringー8」を 使っても確認している。
同社の研究に協力した独立行政法人物質・材料研究機構の西村睦水素利用材料ユニット長 は「現在まだ解明されていない新種の元素変換反応の可能性を示唆している」としている。 トヨタグループの研究開発会社、豊田中央研究所(愛知県長久手市)も元素変換の研究を続 けており、成果が出ているようだ。
昨年12月の東京工業大学。元素変換や低温核融合などをテーマに研究する研究者や技術者が全国から集まった。三菱重工のほか、大学の発表も行われた。岩手大学工学部の成田晋 也教授もその一人。「未知の現象の解明を進める」ための実験を続けている。
岩村氏は「元素変換を確信できる量が取れた。理論 的なメカニズムはわかっていないが、我々はメー カー。次のステップに進みたい」という。大学の研究者の間でも「もっと変換の量が増えれば、文句がつけ られなくなる」との声がある。
三菱重工は実験の規模を拡大し、収量を増やし実用 化のメドを付ける方針。これまで小規模な体制で先進 技術研究センターで研究していたが、他の事業本部や外部の大学や研究機関との共同実験を増やす。
金属薄膜を大きくしたり、ハニカム構造にして表面 積を大きくしたりする方策などを検討している。放射 性元素の変換の実験はまだ始めていないが、例えば放 射性のセシウム137はユーロピウムに変換する可能性 があるという。
放射性廃棄物の処理以外にもレアメタルなどの希少元素の生成や、新エネルギー源としての応用を想定している。ただ、レアメタルや新エネルギーは既存技術があり経済性との比較になる。
岩村氏は「現在、決定的な解決策がない放射性廃棄物の無害化は価値が最も高い。当社は 原発メーカーでもある。10年後には実用化したい」という。
《記者の目》細々と続けてきたのが実情
3年前の東日本大震災。放射性物質を拡散する東京電力福島第1原子力発電所の光景を前 に、ある三菱重工業関係者は「元素変換をもっと大規模に研究していれば」と叫んだ。三菱 重工は約20年、元素変換を研究してきたとはいえ、予算も人員も「細々と何とか続けてき た」というのが実情だ。
三菱重工は1990年代前半に元素変換の研究を始めた。一般に内容が知られたのは、関連 学会の論文誌に岩村氏が論文を発表した後の2002年ころだ。ただ、常温核融合の負のイメージもあり「現代の錬金術」との見方もされ、同社は対外的なアピールに慎重だった。
岩村氏は技術統括本部のインテリジェンスグループ長という肩書を持つ。「技術もマーケ ティングが必要」との考えから10人のチームを束ね、エネルギー・環境分野を中心に他社 の技術開発動向を探る。
「グループ長の仕事に専念してほしい」と遠回しに元素変換の研究からはずれるように言 われたこともある。社内の研究予算はついていたが「07、08、09年ごろはけっこう危なかった」という。
岩村氏は「この10年で研究の精度が飛躍的に上がり、世界で研究仲間も増えてきた。中 国の大学は我々そっくりの装置で研究している」と元素変換の認知度向上とともに、競争の激しさを実感している。
10年前から大がかりな研究体制をとれば、現時点で放射性廃棄物処理の具体的な実証実 験ができていた可能性がある。しかし、実態は「基礎から実用研究へ移行できそうな段階」 にとどまる。
元素変換は重工幹部も時折、「おもしろい研究をしているんだ」と口にする。「あんな研 究を続けられるのも重工くらいだよねぇ」という外部の声もある。研究を途切れさせなかっ たのは三菱重工の懐の深さだが、現状の体制で、10年後に大きな成果が期待できるのか。 そろそろ企業として腹をくくる時だ。
(企業報道部 三浦義和)
日本経済新聞より抜粋引用
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/
STAP事件簿07 本当か?という質問は/科学の進歩にとってきわめて危険である!武田邦彦
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