「起終点駅 ターミナル」
北海道出身で在住の直木賞作家・桜木紫乃が釧路を舞台に描いた短編小説の
映画化で、誰も裁くことの出来ない罪を抱えた主人公と孤独な女性が、心を閉ざ
し立ち止まっていた男女が出会い、新たに一歩を踏み出していく姿を描いた内容
です。
監督は「はつ恋」「深呼吸の必要」などの篠原哲雄。出演は佐藤浩市、本田翼、
中村獅堂、泉谷しげる、尾野眞千子ほかです。
様々な挿話がバラバラでご都合主義もいいところで進行するので、見ている側は
中々中に入っていけません。佐藤浩市はまだしも、本田翼は演技に奥行きがなく
作品を台無しにしている感じだし、監督もテレビ出身だからなのでしょうアップ多用
で映画には不向きの演出です。テーマや佐藤浩市の出演に期待していただけに
落胆も大きい作品でした。
「木屋町 DARUMA」
過激過ぎる内容で物議をかもした丸野裕行の同名小説を、「捨てがたき人々」など
監督としても活躍する俳優・榊英雄のメガホンで映画化したもので、京都の歓楽街・
木屋町の裏社会を舞台に、四肢をなくし文字通り這いつくばるように生きる裏稼業
の男がたどる運命を描き出しています。
主演はベテラン俳優の遠藤憲一で、寺島進、三浦誠己、武田梨奈、木下ほうか、烏
丸せつこ、木村祐一ほかです。
このような凄絶な内容を映像化したものだと驚くし、それに対する敬意を呈したいと
思いますが、映画の全体的な出来としては決して上手いとは言えません。見る側は
この手の作品が好きか嫌いかの選択になりそうです。私は嫌いです。
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