もう書き尽くしたかと思っていると、次から次へと戦友が出てきます。大映東京-京都
で主に小悪党役が多かった村上不二夫さんも大映に最後まで所属し、最後の社員名
簿にも載っている俳優さんです。
彼は映画よりも大映後のテレビ出演の方が顔も名前も売れた変わり種です。テレビド
ラマと並行して出演した、テレビ朝日「アフタヌーンショー」のレポーターとか、一時は同
局「お昼の独占!女の60分」のメイン司会をやったり、「特別機動捜査隊」では事件現
場にヒョコッと現れる村上記者でお馴染みでしょうし、晩年は白髪パーマ頭でワイドシ
ョーのリポーターとしての活躍を覚えておられる方も多いと思います。
先に大映後のことを書いてしまいましたが、彼は昭和3年(1928)東京生まれで、明治大
学を出てまず新東宝に入り、その後大映に入ってきた人です。何をやらしても出来る器
用さとおしゃべりが上手い俳優ですが、大映では数多くの作品に出ていても私の記憶に
あるのは「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」「野良犬」「貴様と俺」「復讐の牙」「ど根性物
語 銭の踊り」「風速七十五米」「沓掛時次郎」「大菩薩峠」「白子屋駒子」「月の出の決闘」
などくらいです。
現在も講演や執筆活動を続けていると聞きますが、彼も今年で88歳。元気で過ごされて
いることを祈ります。
私の世代ですと、村上さんを最初はワイドショーのおじさんとして認識し、その後映画で出会う、というパターンになります。特に「ガメラ対ギャオス」では、北原義郎さんとのコンビで、ギャオスの弱点を解明し、それを突く作戦を遂行するという役回りで、作品中盤でご活躍でした。また、見たことはありませんが、テレビの「遊星王子」でタイトルロールですね。「遊星王子」は東映で映画化され、すごくすごくスマートな梅宮辰夫さんが主演でした。
「特別機動捜査隊」は、「通報を受けた機動捜査隊○○班は・・・」というナレーションが定番でしたね。この番組で青木義朗さんを知った、というのも私の世代だと思います。早川雄三さんや倉石功さんも刑事役で出演されていたように思います。
話は全然変わりますが、マリリン・モンローも立ち寄ったという福岡のロイヤルは、今のロイヤルホストの母体というか親会社というか、そのような関係ということでよろしいのでしょうか。学生の頃、少しお金がある時の贅沢な食事先として府中のロイヤルホストを利用していました。3日に新宿に行くということで、昔のことを思い出しています。
福岡市中洲にあったロイヤル本店は一階がファミリー向、二階が高級レストランで、
この同じ建物の三階~五階が大映九州支社でした。
ロイヤルはここから映画館向けのアイスクリーム、支店展開、航空機の機内食などを
展開しながら今日に至っています。
そうですね、ロイヤルは機内食を手掛けているとのこと、思い出しました。
3日に備えてご著書を読み返していますが、「野火戦車事件」のところで、ふと思いつきました。中島様は「キングコング対ゴジラ」をご覧になりましたか?有島一郎さんが、製薬会社の宣伝部長の役で出てきます。有島さんの出てくるシーンは、温厚誠実な本多猪四郎監督の演出ではなく、まるでいけいけどんどんの古沢憲吾監督の演出のようです。「宣伝にやりすぎはない!」というせりふがありました。業種は違えど、同じ宣伝というお仕事を担当される立場として、有島さんの宣伝部長にどのような感想を持たれたか、伺いたいと思いました。ゴジラの相手にキングコングを呼んでくるというのは、座頭市の相手に用心棒を呼んでくるというのと同じ発想ですね。キングコングの方が先ですが。
いつも有難うございます。
宣伝部の仕事というより、宣伝マンの仕事は簡単にご説明できませんが、だから宣伝なのです。
「宣伝にやりすぎはない」は宣伝の真髄を知らない人のセリフです。入ってはいけない領域や
限度は絶対にありまして、映画の宣伝文句に世界一とか日本一の傑作なんて文案がありますし、
他人を傷つける文句なども絶対だめです。それらは後からモロに返ってくる言葉とは思いませんか。
口では上手く説明がつきませんので機会があればお話します。
確かにおっしゃる通りだと思います。「やりすぎはない」というのはあくまでも作劇上の方便ということですね。
またいろいろ教えてください。
ご理解いただけたら嬉しいです。
映画の宣伝って、だから楽しいのです・・・に持って行けたら
最高なのですが。
タム親父さんの仰る通り、ワタシも村上さんを初めて見た記憶が「アフタヌーンショー」のリポーターとNHKの時代劇「天下堂々」(篠田三郎さんが主演)でのコミカルな町方悪役人スッポンの市兵衛役でした。
しかし、レポーターや市兵衛の役でペラペラと饒舌にまくしたてる村上さんと、「帰ってきたウルトラマン」での善良な宇宙人ミステラー星人人間態での村上さんは対照的に寡黙で静かな演技をされていて、演技の奥の深さを子ども心に見せて頂きました。
今もお元気でいらっしゃると良いですね。(^。+;
そうそう、ワタシ、以前は医薬品商社に勤務していたので、「キンゴジ」のパシフィック製薬のモデルになった会社にも研修で行きましたが、有島さんみたいなモーレツ宣伝部長さんは御見掛けしなかったなぁ・・・・(^。+;
「天下堂々」、懐かしいですね。「イクベヨイヒト」でしたっけ?柴俊夫さんの「ちょっとの左門」もいましたね。ニキビ面の次郎長が出てきたのは「天下堂々」と「天下御免」とどちらでしたでしょうか。
村上さんについては、ミステラー星人(善玉)も欠かせませんね。「帰ってきたウルトラマン」のラスト5話くらいは、印象に残る作品が多いです。最終話では東京スタジアムが出てきたと思います。東京スタジアムが最後に映像作品に出てきたのは、映画版「月光仮面」でしょうか。鈴木瑞穂さんが教祖のような役で、その下に地井武男さんと志穂美悦子さんだったように記憶しています。
それから、パシフィック製薬の「パシン錠」、飲んで見たいです。高島忠夫さんがバンバーン!とドラムをたたいて。「パシン坊や」のフィギュアも欲しいですね。
器用貧乏という言葉がありますが、村上不二夫さんはこの言葉か
まさしく当てはまるような気がします。
この人は映画よりテレビの方がふさわしい俳優さんですね。
映画の宣伝マンはみんなモーレツ社員ですよ。但しわきまえる時は
ちゃんとわきまえ方を知っています。
レポーターとしての村上さんと 時代劇で
》お代官様、山伏色の上生菓子にございます。抜け荷の件はなにとぞ・・・・・
》フッフッフ!・・・・ おぬしも悪よのぅ。
なんて、場面に登場していそうな方と、同一人物とは知りませんでした。