このブログのスタートは2010年12月ですから、現在で5年と2ヶ月になります。更に
大映の思い出を書き始めたのが2011年で、永田社長のことを手始めに週1回書い
ていて、それも前回で187回を迎えました。
段々と書く人が少なくなり、中々思い浮かべるのも大変になって最近は大映最後の
社員名簿を引っ張り出しながら書いています。その名簿を見ると私が忘れている人
が続々出て来て、ラストは長谷川一夫先生をと考えているのですが、もう暫くは大丈
夫のようです。
今回は松竹の俳優さんと言うイメージが強い山下洵一郎さんですが、この人も大映
最後の名簿にちゃんと載っている一人です。山下洵一郎さんはモデルから昭和34年
(1959)にスカウトされて松竹に入社、デビュー作は「危険なラブレター」で、入社して4
年間で30本近い作品に出ていますので、如何に松竹から嘱望されていたかが判りま
す。理由は判りませんが急に松竹を退社し、俳優座の聴講生を経由して昭和38年(1
963)に大映入社、大映倒産時までいたことになります。
大映でのデビュー作は若尾文子の相手役として「越前竹人形」に抜擢されましたが、
後はこれはといった作品に恵まれなかったものの大映でも約20本の作品に出演して
います。この人について私は詳しいことは知りませんが、とても真面目で人がいいと
伝えられていますので、仕事に対する貪欲さがいま一つ足りないと誤解されたのかも
知れません。
大映倒産後は日活や東宝に、加えてテレビドラマに活躍の場を移しましたが、最近の
動向は全く聞きません。昭和14年(1939)生れですから、今年で77歳、元気だといいの
ですが・・・。
山下洵一郎さんも、中島様の「戦友」だったわけですね。われわれの年代だと、「大怪獣ガメラ」のカメラマン役が最初の出会いだと思います。「陸軍中野学校 密命」の、雷蔵さんの助手的な役は大きな役でした。雷蔵さんに服毒を命じられて、ためらいつつも思い切って飲んで、それが毒ではないと分かってほっとした、というシーンが目に浮かびます。この作品は雷蔵さんの椎名中尉がいきなり逮捕され、拷問され、上等兵に降格され、内地に送還され、頼みの草薙中佐にも見放され、・・・という、不条理劇のような出だしでした。シリーズではこれが最高傑作だと思いますが、中島様のご意見はいかがでしょうか。
ご意見といえば、中島様や、このブログの読者の皆様にぜひご意見を伺いたいことがあります。東宝の作品で恐縮なのですが、市川崑監督の作品なので、お許しいただきたいと思います。
「芸術か記録か」という論争を巻き起こした「東京オリンピック」についてです。映画の後半、クライマックスのマラソンのシーンで、沿道の観衆の中に円谷英二監督らしい年配の方が写ります。私は円谷監督に間違いないと思っているのですが、円谷プロに問い合わせても返事がなく、この作品を放送したスカパーの日本映画専門チャンネルに問い合わせたら「確認できなかった」という返事でした。「東京オリンピック」をご覧になった方で、このシーンを覚えている方がいらっしゃったら、ぜひご意見を伺わせてください。
ちなみに、銅メダルを獲得した円谷幸吉選手と、円谷英二監督は、同じ福島県須賀川市の出身です。東京オリンピックの時期には、キングギドラのデビュー作である「三大怪獣 地球最大の決戦」の企画が進行中という頃だと思います。同郷の選手を応援に行ってもおかしくないと思うのですが、いかがでしょうか。なお、お2人の姓は、「つむらや」と読むのが正式だそうです。
よろしくお願いいたします。
山下洵一郎の大映での代表作は、デビュー作の「越前竹人形」だと思います。
「陸軍中野学校 密命」は監督が井上昭に変わったこともあり、正直言って満足
する仕上がりになっていなかった記憶があります。それによって生きる筈がうまく
生かされていなかったという事です。
「東京オリンピック」について、私はご指摘のことについて全く判りません。
ごめんなさい。
「密命」については、言葉が足りませんでした。増村保造監督の第一作が最高であることは異論のないところだと思います。「最高傑作」というのは、シリーズの他の作品の中では、というつもりでした。失礼しました。
「東京オリンピック」についても、ちょっと肩に力が入りすぎた書き方になってしまいました。福島県の人間で特撮ものが好きでないとこんなことは思いつかないと思います。読者の皆様も、もし何かご意見があればどんなことでも、ということでお願いいたします。
香港のホテルに潜入してからのカメラワークや、当時の記録映画のフィルムの挿入という編集の絶妙さを買いたい(雷蔵さんは、ナレーターとしても超一流でした)。エンディングも良かった。
もちろん「密命」も悪くはありません。ただ、山形勲扮する元外務大臣が軍人に殺された直後の展開にご都合主義を感じてしまうのです。
まだ見ていない人にしたらネタバレになるし、詳しく書けないのが残念です。
「開戦前夜」は、確かに香港のホテルの緊迫感やラストシーンが素晴らしいと思います。雷蔵さんの病気のせいか、細川さんや船越さんなど、助演の方のウェイトが高いので、それまでの4作に比べると少し異質だと思いました。
どんな映画もそうですが、個人それぞれで評価が違うのは当たり前で、
試験の結果のようにどれが正解はありません。
それに好き好きもありますからね。相手が自分の意見に同調するまで
押し通す人もたまにはいますが、我々はこれからも気楽に行きたいもの
です。
旧作をよく見ていただいているのに感心します。
作品に関する批評や感想に関する私の考えは、上↑に書いた通りですので、
ご一読下さると嬉しいです。
了解しました。つい熱くなってしまいました(苦笑)。申し訳ありませんです。