2000年に発表した短編「岸辺のふたり」でアカデミー短編アニメーション賞を受賞した
オランダのマイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督が、8年の歳月をかけて完成させた初長
編作品で、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で特別賞を受賞しています。
更にこの作品は、スタジオジブリが初めて海外作家の映画製作に参加し、高畑勲監督
がアーティステックプロデューサーとして、シナリオや絵コンテ作り等に関わっています。
セリフが一つもないということから、少々内容を紹介しますと、嵐で荒れ狂う海に放り出
された男が、九死に一生を得て無人島に漂着。男は島からの脱出を試みるが、不思議
な力で何度も島に引き戻されてしまう。そんな絶望状況の中、男の前にひとりの女が現
れ・・・。
全編的に詩情があふれていて気持ちよく見終わりました。ジプリの新しい生き方として成
功の部類と思います。セリフ無しが宣伝文句ですが、セリフ以外は音は入っているのです
から、大事なセリフが一つか二つか入っていた方が逆にインパクトが強かったのではない
でしょうか。それにしても新方向のジプリ次回作が期待されます。