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「死に支度」 瀬戸内寂聴

2016-09-23 | 読書

ノカンゾウ・・・かな。昨年広島駅近くの広場で。

 


 

今月初め、本通りフタバ図書で中古本として108円で購入。

内容は嵯峨野の寂庵での毎日を、自分とお手伝いの若い女の子の対話と言う形で、読みやすかった。群像に連載していたらしい。

若いころからの人生のいろいろ、今の思いなどは他の本でも読んだことあるし、以前はテレビにも出てよく発言していたので既視感があるけれど、この本の中に、若き日の今堀誠二先生のことが生き生きと書かれていたので、それにまずびっくりした。

こちらの学校へ来て一年目、今掘先生の東洋史Ⅰを選択。教科書は大部な「毛沢東研究序説」。本は千円くらい。部屋代払って毎月二万円で生活していたので、これは高かった。

だいたい教科書って高いですよね。買うのはそれを選択した学生だけだし、翌年は学校近くの古本屋に出回るので、どういう仕組みか知らないけど、もしかしたら先生の持ち出しだったのかも。

20年くらい前、今掘先生の葬儀に寂聴氏がみえて、弔辞を呼んでいたのでどういうご縁かなあ、北京での知り合いかなと思っていたけれど、破婚のときに先生が出てきた家に行って、立会人を付けて寂聴氏の服を持ちだすあたりは、小説とは言え、ドキドキしながら読んだ。

先生は生涯独身。勉強に忙しくて結婚する暇がなかったそうです。東洋史専攻の友達が言っていた。

教科書は難解でほとんど理解できなかった。講義も内容はすっかり忘れた。時々、アジア情勢を憂うような発言をされていたのを憶えているだけ。

それと先生の服装。地味な服の多い他の先生方に比べて、グリーンのブレザーに明るいグレーのフラノのズボンという軽快な装い。声も高くてよくとおった。

美術部のY村さんと二人で、先生の服装を今堀ルックと命名。偉い先生なのに、私たち、友達みたいに話していました。こちらの能力の範囲でしか人を理解できない例ですね。それにその頃の先生、今の私よりずっと若かったはず。

改めて、ご冥福をお祈りします。

 

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