乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント
02月18日(木) 24 : 25 ~ [地デ] UHB(北海道文化放送)『乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学』の第1回がオンエア。放送は全5回の予定。スポーツ報知の関連記事
02月21日(日) 16:00~ 伊藤万理華が出演する映画『アニバーサリー』が香川県・アルファあなぶきホールにて上映。5つの短編映画で構成された作品で、まりっかは、高橋栄樹監督『記念日が行方不明』に主演。この映画上映は「さぬき映画祭」の一環。乃木坂公式サイトの関連記事
02月21日(日) 20 : 05 ~ 23 : 00 [AM] NHKラジオ第1「らじらー!SUNDAY」。中元日芽香がMCを担当する乃木坂回に、前日、20歳の誕生日を迎えた伊藤万理華が登場。「個性派オシャレ回答対決」という、双方にとって、得になりそうにない企画が予定されています(笑)。
星野みなみ主演ミニドラマの全話を一挙放送する特番!
02月26日(金) 22 : 30 ~ 23 : 00 [CS] 『乃木坂46 星野みなみ「あたし、本と旅する」 一挙放送スペシャル』。全46話を一度に流す特別番組。スペースシャワーTV プラス公式サイトの特設ページ
乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のページをご参照下さい。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 30Jan16 ~ テレビ・ラジオ番組と重要イベントの日程 ['16Feb~]
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 01Nov15 ~ テレビ・ラジオ番組と重要イベントの日程 ['15Nov~'16Jan]
2013年8月19日(月)から30日(金)の期間、乃木坂46は、「真夏の全国ツアー2013」と銘打って、5都市10公演のZeppライブを実施します。
乃木坂が初めて行う全国ツアーですが、当時は、締めくくりの神宮ライブがなく、その代わり「FINAL!」と位置付けられたのが、夜公演で堀未央奈のセンター抜擢が発表され、大騒ぎとなった10月6日(日)の代々木ライブですね(笑)。
ナタリーの2013年8月20日付記事は、前日、札幌で行われた初日公演の様子を紹介しています。
この記事には、持ち歌ステージだけでなく、コント、クイズ、タップダンスなど多彩な企画があったことを伝える本文の後、橋本奈々未と桜井玲香のコメントが載っていて、二人が興味深いことを述べている。
橋本奈々未コメントの一部抜粋
あと、「君の名は希望」はピアノ伴奏だけで歌うので、1人ひとりの歌声をよく聴いてもらえたらと思います!
桜井玲香コメントの一部抜粋
それと特に今回はリハのときからボイトレの先生に、メンバー全員で発声や歌うときのポイントなどを指導してもらって、今まで以上に力を入れてがんばったんです。もっとうまくなって、もっとレベルアップした歌を聴いてもらいたいなと思って。なので、これからライブに来る方はぜひ楽しみにしていてください。
ナタリーの2013年8月20日付記事
二人の発言から、2013年の夏、乃木坂は歌唱力を向上させ、全国ツアーにおいて、生歌ライブを行うつもりだったことが窺えます。
おそらく、ツアー開始の半月程前、7月31日(水)の『FNSうたの夏まつり』で披露した「おいでシャンプー」が、あまりに合唱が不揃いで、正直、歌としては散々な出来だったため、その反省から、歌声をキレイに揃えるなど、歌唱力の強化が、ツアーにおけるテーマの一つとなったのでしょう。
ところが、そのツアーから2年以上経った2015年大晦日、初出場を果たしたNHK紅白歌合戦では、ななみんが「1人ひとりの歌声をよく聴いて」欲しいと述べていた「君の名は希望」は、どう見ても生歌ステージではなかった。
昨年2月25日(水)に行われた『スカパー!音楽祭 2015』で、乃木坂は「命は美しい」と「君の名は希望」を披露しています。
『スカパー!音楽祭』は、前年まで『MUSIC FAIR』や『FNS歌謡祭』のチーフプロデューサーであり、「口パク禁止」で知られる「きくちP」が関わっていて、ほとんどのステージが生歌仕様で、ピアノ伴奏だけ、あるいはアカペラ合唱すらありの、徹底した歌唱重視型コンサートだった。
そして、乃木坂も、生田絵梨花が武部聡志氏と二人で一台のピアノを弾く、珍しい形式の伴奏によって「君の名は希望」を歌います。
このステージは、お茶の間に流れた音声から判断しても、ほぼ100%と思える生歌でしたが、出演メンバー18人のうち、数人が無線マイクではなく、ケーブル付きの有線マイクを持っていました。
無線マイクは、周波数帯を分ける必要から、数に限りがあって、そのため、多人数の歌唱では、有線マイクを持つ人が出てくる。
そこで、多人数がステージに出て、生で歌ったり、しゃべっているケースで、最高何人が無線なのかを数えてみると、12人くらいが上限ということが分かりました。
つまり、周波数帯の分割は、それくらいが限度なのだと思います。
振り返って、昨年大晦日の紅白。
乃木坂は全メンバー37人がステージに立ち、合唱形式で「君の名は希望」を歌いましたが、有線マイクを持っている人はおらず、全員が無線マイクでした。
つまり、かりに生歌だったとしても、ステージ上の声をマイクで拾えているのは、12人くらいまでということになる。
乃木坂メンバーに関しては、それぞれの声質や声量が分かっていて、さらに生歌には独特の揺らぎやカスレがあるので、大晦日のステージが「口パク」、もしくは「被せ」だったのは、聴けば大体推測出来ますが、マイクの本数と形式も、生歌でないことを示唆しています。
また、紅白の裏側を紹介した『乃木坂46紅白SP!』や『拡大版』には、WARNERさんがダンスの振り付けをチェックするシーンはあるのだけど、誰かが歌唱をチェックしたり、メンバーが発声練習する場面は出て来ません。
2年前の全国ツアーでは、キャプテンが述べたように、ボイトレの先生がいて、おそらく「君の名は希望」を歌う際のポイントを指導していたと思われますが、肝心の紅白では、そういった専門家によるレッスンや直前修正が行われた形跡がない。
初の全国ツアーに臨むとき、あれほど意欲を見せていた生歌ステージへのこだわりは、いつ、どこで、乃木坂から消えてしまったんでしょう?
今日は、乃木坂の生歌について、ちょっと考えてみます。
白石麻衣は、2015年3月30日付スポニチのインタビュー記事において、「乃木坂にはいつかアーティストになってほしい。アーティストとして見てもらえるように頑張りたい」と述べ、いわゆる「アーティスト宣言」を行います。
ファンの間に賛否両論を巻き起こしたコメントですが、それ以降、「乃木坂らしさ」とは歌詞の良さである、乃木坂はMVが優れている、乃木坂は衣装が秀逸、シングルのジャケット写真が素晴らしいなど、アーティストとしての質の高さが強調され、さまざまなメディアを通して、作品に関わったクリエイターついて、大量の情報が出て来ます。
つまり、まいやんの発言が合図であるかのように、2015年の乃木坂は、アーティスト路線を疾走し始めた感がある。
ところが、不思議なのは、作詞者、作曲者、振り付け師、MV&PV監督、カメラマン、衣装デザイナーなど、多くのクリエイターにスポットが当てられているのに、なぜか、乃木坂の歌唱を担当する人は、全然、名前が挙がらない。
歌手にとって、楽曲をどう歌うかは、非常に重要な問題の筈で、乃木坂が音楽アーティストであるならば、常日頃のボイストレーニングを含め、声に関する部分は、最大の注目点と言っていい。
例えば、全盛期のモーニング娘。では、基礎的な訓練はボイストレーナーが行い、レコーディングに際しては、つんく♂が直接指導していたようです。
新入メンバーの合宿では、ボイトレの先生から、とくに厳しく熱い指導を受けるのが恒例になっていて、道重さゆみの6期では、田中れいなに対して、男性の先生が、涙を流しながらプロとしての心得を説くという、壮絶なシーンがありました(笑)。
一方、つんく♂は、作詞作曲者である上に、自身がボーカルとして、複数のヒットを飛ばした人気歌手なので、楽曲における声の重要性をよく理解していて、歌詞に込められた感情をより適切に表現するよう、レコーディングスタジオで、メンバーにきめ細かい指示を出す場面が、テレビ番組で流れたことがあります。
あまりに凝り過ぎて、各メンバーの声帯を撮った写真を見ながら、作曲や歌割りしていたと言われていたほどです(笑)。
そして、確かに、モー娘。のステージは、声質や声域、あるいは歌唱レベルに合わない歌割りはほとんどなく、当時のメンバーが、全部を生で歌い切れる構成になっていた。
ところが、乃木坂の場合、作詞者である秋元康氏は、メンバーと滅多に会うことがなく、さらに、杉山勝彦氏やAkira Sunset氏が、レコーディングを指導したという話も聞いたことがない。
まあ、レコーディングのときは、音楽関係の人が誰か付くのだと思うけど、乃木坂楽曲のCD音源は、どのメンバーがどのパートを歌っているのか、長年のファンでも分からないくらいに加工されるケースが多く、そもそも現場での細かい指示がどこまで意味を持っているのか、疑問を感じる部分はあります。
さらに、単独ライブや大型歌謡祭において、『乃木坂46紅白SP!』が示唆するように、歌唱をチェックしたり、指導する人がいるように見えません。
そういった人物が当日会場に来ていなくとも、歌唱に関する事前のトレーニングがあれば、2013年全国ツアーのように、何らかの情報が出てくると思うのだけど、それもほとんど目にしたことがない。
ダンス、MV&PV制作、ジャケット撮影などに関して、色々な話が出てくるのとは対照的です。
後藤真希が在籍した頃のモー娘。では、多くのメンバーが、口を開けば、ダンスレッスンと喉ケアの話をしている感じで、当時、歌と踊りの練習に明け暮れていたことが分かります。
一方、乃木坂メンバーの場合、振り付けに関しては、あれこれ裏話などが出てくるけど、歌唱に関しては、こういった点に苦労しているとか、こういったトレーニングをしている、こんな喉ケアをしてるなどの話は、少数の例外を除いて、ほとんど出てこない。
例外というのは、生田絵梨花が風船や浮き輪を使って肺活量をアップしている、衛藤美彩がボイストレーニングを受け始めた、川村真洋は毎日カラオケで歌っているなどですが、全部、個人的に行っている練習で、乃木坂が組織として歌唱力強化を図っていることを示す話はほとんど聞かない。
つまり、乃木坂メンバーは歌唱に関して、日頃のボイトレはおろか、新曲レコーディングや大型ライブに際してすら、専門家の分厚い指導を受けていない可能性があります。
2013年の夏に、確かに生歌ステージを目指していた乃木坂は、いつの間にか、それを諦めてしまったように見える。
しかし、考えてみると、2014年8月30日(土)の神宮ライブで、休業していた生田絵梨花が、10th選抜センターとして久しぶりにステージに登場、新曲「何度目の青空か?」を歌ったとき、いくちゃんの出だしパートと、続く西野&白石によるパートは、全部、生歌だったと思います。
私はスタジアムにいたのですが、表題曲を大箱で生歌披露したことで、いよいよ、紅白歌合戦に向かって、運営は本気モードに入ったのだと興奮したのを覚えています。
ところが、その年の11月下旬に紅白に出場出来ないことが分かり、年末の大型音楽祭では、出だしの生歌パートもなくなり、全編、「被せ」か「口パク」という形になってしまった。
そして、2015年初めの11枚目「命は美しい」から、徹底した握手会主義とメディアを巻き込んだ「アーティスト路線」にのめり込んで行くことになる。
なぜ、乃木坂は生歌への意欲を失ってしまったのでしょう?
紅白「落選」によって、当時の運営が考えていた生歌戦略が頓挫して、紅白出場を掴むには、圧倒的なCDセールスしかないと方針転換したのでしょうか。
あるいは、『MUSIC FAIR』や『FNS歌謡祭』などのチーフプロデューサーで、生歌ステージをとくに重視する「きくちP」氏が、地上波の現場を離れたことが、何らかの影響を与えたんでしょうか。
運営の内部事情が表に出ない限り、何があったのか、本当のところは分かりません。
ただ、可能性の高い理由を推測することは出来ます。
考えられるのは、生歌ステージにすると、歌唱力の優れたメンバーが注目を集め、握手会人気のより高いメンバーを、選抜のより目立つ位置に配するという「秩序」が崩壊してしまう危険です。
例えば、川村真洋をセンターにして、生歌ステージを展開すると、音楽番組や大型歌謡祭で、見事な歌唱を披露するろってぃに、多くの人の視線が行くのは当然です。
このような歌手としての注目は、少なからぬメンバーが憧れることだと思いますが、一方で、握手会人気が高くなくとも、歌が上手ければ、乃木坂のトップに立てるという例を作ってしまうことになる。
すると、握手会人気を上げることではなく、歌唱力を磨くことに専念するメンバーが続出するかもしれない。
どんなに歌やダンスが優れていても、あるいは外仕事でどんなに結果を出しても、握手会成績が奮わなければ選抜には入れないし、前には出さないという方針が、乃木坂のCDセールスを伸ばす原動力になっていると、運営が考えているなら、まさに由々しき事態と言えます。
10th選抜のセンターに抜擢された生田絵梨花は、休業直前のシングルである8枚目「気づいたら片想い」では、個別握手会の最終成績が25部中21部完売の11位、7枚目「バレッタ」は28部中25部完売の8位で、30部全完売メンバーではなかった。
従って、当時すでに握手会人気トップだった白石麻衣と西野七瀬を差し置いて、生田絵梨花をセンターに据えるのは、「大抜擢」という側面がある。
ところが、いくちゃんのセンターは、歴代センターと比べて、意外なことに、ファンからの批判が非常に少なかった。
しかも、彼女はピアノが弾ける上に、歌が上手く、演技力も抜群で、才能の宝庫のようなメンバーです。
2014年夏の神宮で披露した、生田絵梨花の生歌で始まる「何度目の青空か?」は、握手会人気ではなく、音楽的実力で乃木坂を引っ張るセンターの象徴であり、10thはまさに激動の選抜だった。
そして、運営は、握手会主義を崩壊させかねないこの流れに危機感を覚え、もう一度、握手会人気なくしてセンターなし、という原則に戻そうとした。
そんな可能性があります。
2015年に入って、激しいダンスを展開する「命は美しい」11th選抜のセンターに西野七瀬を据え、その脇に白石麻衣を置いて、踊れるなーちゃん、踊れるまいやんを披露。
また、ななせまるには、1stアルバム「透明な色」収録の「ひとりよがり」を皮切りに、11枚目は「ごめんね ずっと…」、12枚目は「もう少しの夢」と3作連続でソロ曲を用意して、歌える西野を見せる。
さらに、連続ドラマ『初森ベマーズ』の主役抜擢で、演技に強いという点も押さえておく。
一方、まいやんは、2015年4月から始まったフジテレビ『水曜歌謡祭』に、頻繁に出演して、多くの歌手と生歌でのコラボを行います。
和田アキ子や杏里といった、錚々たる大物アーティストとのステージを通して、白石麻衣の歌唱力が宣伝されることになる。
また、『初森ベマーズ』では、もう一人の主人公と言っていいポラリス学園の主将を演じ、芝居の才能を披露する。
つまり、11枚目以降、乃木坂の2015年は、西野七瀬と白石麻衣の大フィーチャー時代で、二人がダンス、歌唱、演技と三拍子揃ったパフォーマーであることを証明しようとした1年だった。
これらの試みが成功したかどうかは分かりませんが(笑)、握手会人気の高いメンバーは、パフォーマーとしての実力も高いことを、運営が言いたかったのは確かだと思います。
握手会主義は決して、アーティスト路線と矛盾しない。
それが運営の求めた「アーティスト宣言」の本質だったんじゃないでしょうか。
生田絵梨花という実力主義センターが握手会主義を弱め、CDセールスの伸びが鈍ることを危惧して、運営は握手会主義の範囲内でのアーティスト路線を求めた。
ところが、それが乃木坂の生歌指向を廃れさせてしまった。
なぜなら、握手会主義アーティスト路線の鍵を握る西野七瀬と白石麻衣が、歌唱において、音の精度、声量、声域が十分でないからです。
決して歌が下手なわけじゃないけど、乃木坂は多彩な音楽性を持つ楽曲を特徴としていて、それらを生歌で実現するには、相当にハイレベルな歌唱力が要求されます。
もっとも歌が上手い川村真洋や、生田絵梨花、桜井玲香、中元日芽香、衛藤美彩といった面々を駆使しても、歌いこなすのは、なかなか難しいと感じる楽曲が結構あって、それらを西野七瀬と白石麻衣が常にリードして歌唱するのは、非常に厳しい。
ただ、乃木坂はアーティストなので(笑)、ネットに「ど下手!」という言葉が溢れ返るようなステージは絶対に見せられない。
そこで、「被せ」や「口パク」の割合が増えていく。
とくに、紅白のような、失敗出来ない場面では、手堅くという意識が強く働くので、「君の名は希望」という歌唱ナンバーですら、生歌ステージにならない。
個人的には、「口パク」のアーティストより、歌が下手なアイドルで良いと思うのですが(笑)、運営はそう考えていないのでしょう。
ただ、最近の歌唱サポート技術は凄まじく高度で、手間暇かけても、どこまで仕上げられるか未知数の生歌より、そちらに頼った方が楽なのは確かです。
その典型例が、昨年の神宮ライブです。
司会の高橋大輔アナウンサーが、スタジアム全体に声を響かせるため、首筋を立てんばかりに、力を入れてしゃべっているのに、その後のステージで、西野七瀬は、ほとんど力みを感じさせない歌い方で、ソロ曲「もう少しの夢」を歌いあげていました。
低音部ですら、スーと苦もなく伸びて行く歌唱を聴いて、西武球場ライブの渡辺美里を越えていると、腰を抜かしそうになりました(笑)。
また、最後の合唱では、オーケストラの演奏をものともせず、メンバーの歌声が球場に響き渡って、星野みなみは、実は、オペラ歌手並の声量を持っているんじゃないかと、一瞬、マジで考えてしまった(笑)。
これだけ技術が進歩すると、お金と時間を投入して、所属タレントに、コツコツとボイトレを積み重ねることに疑問を感じる事務所が出てきてもおかしくない。
ただ、高度なシステムを使うには、それなりの額が必要なのは間違いないと思いますが。
14th選抜は、13枚目個別握手会の売り上げ順に上から16人が抜擢され、唯一、生駒里奈だけが、20位ながら選ばれています。
そのため、いつものように、「ゴリ推し」「特別枠」といった批判が一部のファンから出ている。
しかし、運営は、こういった声は、さほど気にしていないと思います。
むしろ、握手会人気とは別の尺度で選抜入りさせるメンバーを、生駒里奈だけでなく、もっと増やすべきだという声の方が、気になるんじゃないでしょうか。
ライブでのMC力やバラエティでのコメント力で、生駒里奈が握手会主義の例外になり得るなら、歌唱力で川村真洋を選抜に、『らじらー!』で大活躍している中元日芽香を、ずば抜けた美人でスポーツにも詳しい斎藤ちはるを、発想力の素晴らしい川後陽菜を、といったことを多くのファンが言い出すと、それは運営が保持したい「秩序」を崩壊させるかもしれない。
握手会人気が選抜枠に届いていない生駒の抜擢はおかしいという発想は、選抜全員をCDセールスに従って選ぶべきという握手会主義と完全に合致するもので、運営にとっては、自らの考え方を支持する、同じ価値観を共有する考え方でしょう。
生駒里奈の選抜入りが理不尽なのではなく、生駒里奈以外のメンバーをすべて握手会人気順に選んでいることこそが理不尽だと、批判するファンが少ないことは、CDセールスの上昇が至上命題である運営にとって、実は、歓迎すべき状況だと思います。
もし、選抜内に、生駒里奈だけでなく、歌唱枠、ダンス枠、バラエティ枠、発想力枠など、握手会人気枠以外の座席が多数用意されたら、生駒ちゃんを批判するファンは激減するでしょう。
しかし、そうなると、握手会主義が崩壊する危険があり、CDセールスが下がる心配が出てくる。
唯一の例外である生駒里奈に対する、握手会人気が低いのにおかしいという批判が、逆に、握手会主義の流れを定着させる。
そんな風に見えます、今の状況は。
握手なくして選抜なし。
この発想が、激動の幕開けになる筈だった実力主義センターを1回で終わらせ、握手会主義アーティスト路線を誕生させ、生歌指向を廃らせ、選抜固定化につながっていった。
ところが、こういった流れに対するファンの不満は、握手会主義批判ではなく、むしろ、「唯一の例外」へと向かい、結果として、握手会主義はますます盤石となっていく。
もし、この見方が正しいとすれば、切ない話ですね、メンバーにとっても、ファンにとっても。
ところで、今年2016年の『スカパー!音楽祭』は、2月28日(日)に開催されるようですが、欅坂46は出演するものの、乃木坂46は参加しないようです。
同日に京都での13枚目最終個別握手会が入っており、スケジュール的に無理でしょう。
14枚目表題曲を披露する絶好のチャンスだったけど、単に都合が合わなかったのか、お呼びが掛からなかったのか分かりません。
ただ、この音楽祭に関わっている、きくちPも、武部聡志氏も、上述のように、人一倍、生歌にこだわる方なので、乃木坂の不参加は気になるものがあります。
さらに、他アーティストとのセッションが多い『FNSうたの夏まつり』と『FNS歌謡祭』において、昨年、乃木坂が行ったコラボは1ステージだけで、しかも、それは生田絵梨花が、ピアノ伴奏で参加したものです。
生歌を避ける方向性が、テレビ系大型音楽祭での乃木坂のステージ数を減らしている可能性もあって、今年、どのくらいのステージが貰えるのか、注目する必要がある。
運営やレコード会社の論理が、必ずしも音楽の現場で通らないこともあるわけで、生歌に対する考え方を始め、さまざまなポイントで、乃木坂が、両者の板挟みになって、出番が少なくなるとすれば、ファンとして残念極まりないことです。
CDの売り上げ枚数をいくら上げても、音楽関係者に評価され、認められるグループにならなければ、乃木坂が長続きすると思えません。
2016年が乃木坂の明るい未来を拓くような、そんな年になることを期待しています。
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2015年9月 ~
アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Oct15 ~ 関連記事の目次 (02Sep15 ~)
2014年7月 ~ 2015年8月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡11Aug14 ~ 関連記事の目次 (01Jul14 ~ 31Aug15)
2013年11月 ~ 2014年6月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Nov13 ~ 関連記事の目次 (01Nov13 ~ 28Jun14)
2013年4月 ~ 2013年10月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Nov13 ~ 関連記事の目次 (19Apr13 ~ 31Oct13)
// 星野みなみの溢れる魅力
7月18日14:18 星野みなみ
乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える
乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」
乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
さらに詳しく
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー
// 特集ページ
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 09Oct15 ~ シングル&アルバム収録全曲ハンドブック (11th-)
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 09Oct15 ~ シングル&アルバム収録全曲ハンドブック (1st-10th, 1stAb)
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 19Jun14 ~「16人のプリンシパル trois」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 06Jun14 ~「16人のプリンシパル deux」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Dec13 ~ 7枚目「バレッタ」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 6枚目「ガールズルール」の関連情報
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 和田まあやのコーナー
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 10Jul13 ~ えくせれんとブログの目次
# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
02月18日(木) 24 : 25 ~ [地デ] UHB(北海道文化放送)『乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学』の第1回がオンエア。放送は全5回の予定。スポーツ報知の関連記事
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そして、乃木坂も、生田絵梨花が武部聡志氏と二人で一台のピアノを弾く、珍しい形式の伴奏によって「君の名は希望」を歌います。
このステージは、お茶の間に流れた音声から判断しても、ほぼ100%と思える生歌でしたが、出演メンバー18人のうち、数人が無線マイクではなく、ケーブル付きの有線マイクを持っていました。
無線マイクは、周波数帯を分ける必要から、数に限りがあって、そのため、多人数の歌唱では、有線マイクを持つ人が出てくる。
そこで、多人数がステージに出て、生で歌ったり、しゃべっているケースで、最高何人が無線なのかを数えてみると、12人くらいが上限ということが分かりました。
つまり、周波数帯の分割は、それくらいが限度なのだと思います。
振り返って、昨年大晦日の紅白。
乃木坂は全メンバー37人がステージに立ち、合唱形式で「君の名は希望」を歌いましたが、有線マイクを持っている人はおらず、全員が無線マイクでした。
つまり、かりに生歌だったとしても、ステージ上の声をマイクで拾えているのは、12人くらいまでということになる。
乃木坂メンバーに関しては、それぞれの声質や声量が分かっていて、さらに生歌には独特の揺らぎやカスレがあるので、大晦日のステージが「口パク」、もしくは「被せ」だったのは、聴けば大体推測出来ますが、マイクの本数と形式も、生歌でないことを示唆しています。
また、紅白の裏側を紹介した『乃木坂46紅白SP!』や『拡大版』には、WARNERさんがダンスの振り付けをチェックするシーンはあるのだけど、誰かが歌唱をチェックしたり、メンバーが発声練習する場面は出て来ません。
2年前の全国ツアーでは、キャプテンが述べたように、ボイトレの先生がいて、おそらく「君の名は希望」を歌う際のポイントを指導していたと思われますが、肝心の紅白では、そういった専門家によるレッスンや直前修正が行われた形跡がない。
初の全国ツアーに臨むとき、あれほど意欲を見せていた生歌ステージへのこだわりは、いつ、どこで、乃木坂から消えてしまったんでしょう?
今日は、乃木坂の生歌について、ちょっと考えてみます。
白石麻衣は、2015年3月30日付スポニチのインタビュー記事において、「乃木坂にはいつかアーティストになってほしい。アーティストとして見てもらえるように頑張りたい」と述べ、いわゆる「アーティスト宣言」を行います。
ファンの間に賛否両論を巻き起こしたコメントですが、それ以降、「乃木坂らしさ」とは歌詞の良さである、乃木坂はMVが優れている、乃木坂は衣装が秀逸、シングルのジャケット写真が素晴らしいなど、アーティストとしての質の高さが強調され、さまざまなメディアを通して、作品に関わったクリエイターついて、大量の情報が出て来ます。
つまり、まいやんの発言が合図であるかのように、2015年の乃木坂は、アーティスト路線を疾走し始めた感がある。
ところが、不思議なのは、作詞者、作曲者、振り付け師、MV&PV監督、カメラマン、衣装デザイナーなど、多くのクリエイターにスポットが当てられているのに、なぜか、乃木坂の歌唱を担当する人は、全然、名前が挙がらない。
歌手にとって、楽曲をどう歌うかは、非常に重要な問題の筈で、乃木坂が音楽アーティストであるならば、常日頃のボイストレーニングを含め、声に関する部分は、最大の注目点と言っていい。
例えば、全盛期のモーニング娘。では、基礎的な訓練はボイストレーナーが行い、レコーディングに際しては、つんく♂が直接指導していたようです。
新入メンバーの合宿では、ボイトレの先生から、とくに厳しく熱い指導を受けるのが恒例になっていて、道重さゆみの6期では、田中れいなに対して、男性の先生が、涙を流しながらプロとしての心得を説くという、壮絶なシーンがありました(笑)。
一方、つんく♂は、作詞作曲者である上に、自身がボーカルとして、複数のヒットを飛ばした人気歌手なので、楽曲における声の重要性をよく理解していて、歌詞に込められた感情をより適切に表現するよう、レコーディングスタジオで、メンバーにきめ細かい指示を出す場面が、テレビ番組で流れたことがあります。
あまりに凝り過ぎて、各メンバーの声帯を撮った写真を見ながら、作曲や歌割りしていたと言われていたほどです(笑)。
そして、確かに、モー娘。のステージは、声質や声域、あるいは歌唱レベルに合わない歌割りはほとんどなく、当時のメンバーが、全部を生で歌い切れる構成になっていた。
ところが、乃木坂の場合、作詞者である秋元康氏は、メンバーと滅多に会うことがなく、さらに、杉山勝彦氏やAkira Sunset氏が、レコーディングを指導したという話も聞いたことがない。
まあ、レコーディングのときは、音楽関係の人が誰か付くのだと思うけど、乃木坂楽曲のCD音源は、どのメンバーがどのパートを歌っているのか、長年のファンでも分からないくらいに加工されるケースが多く、そもそも現場での細かい指示がどこまで意味を持っているのか、疑問を感じる部分はあります。
さらに、単独ライブや大型歌謡祭において、『乃木坂46紅白SP!』が示唆するように、歌唱をチェックしたり、指導する人がいるように見えません。
そういった人物が当日会場に来ていなくとも、歌唱に関する事前のトレーニングがあれば、2013年全国ツアーのように、何らかの情報が出てくると思うのだけど、それもほとんど目にしたことがない。
ダンス、MV&PV制作、ジャケット撮影などに関して、色々な話が出てくるのとは対照的です。
後藤真希が在籍した頃のモー娘。では、多くのメンバーが、口を開けば、ダンスレッスンと喉ケアの話をしている感じで、当時、歌と踊りの練習に明け暮れていたことが分かります。
一方、乃木坂メンバーの場合、振り付けに関しては、あれこれ裏話などが出てくるけど、歌唱に関しては、こういった点に苦労しているとか、こういったトレーニングをしている、こんな喉ケアをしてるなどの話は、少数の例外を除いて、ほとんど出てこない。
例外というのは、生田絵梨花が風船や浮き輪を使って肺活量をアップしている、衛藤美彩がボイストレーニングを受け始めた、川村真洋は毎日カラオケで歌っているなどですが、全部、個人的に行っている練習で、乃木坂が組織として歌唱力強化を図っていることを示す話はほとんど聞かない。
つまり、乃木坂メンバーは歌唱に関して、日頃のボイトレはおろか、新曲レコーディングや大型ライブに際してすら、専門家の分厚い指導を受けていない可能性があります。
2013年の夏に、確かに生歌ステージを目指していた乃木坂は、いつの間にか、それを諦めてしまったように見える。
しかし、考えてみると、2014年8月30日(土)の神宮ライブで、休業していた生田絵梨花が、10th選抜センターとして久しぶりにステージに登場、新曲「何度目の青空か?」を歌ったとき、いくちゃんの出だしパートと、続く西野&白石によるパートは、全部、生歌だったと思います。
私はスタジアムにいたのですが、表題曲を大箱で生歌披露したことで、いよいよ、紅白歌合戦に向かって、運営は本気モードに入ったのだと興奮したのを覚えています。
ところが、その年の11月下旬に紅白に出場出来ないことが分かり、年末の大型音楽祭では、出だしの生歌パートもなくなり、全編、「被せ」か「口パク」という形になってしまった。
そして、2015年初めの11枚目「命は美しい」から、徹底した握手会主義とメディアを巻き込んだ「アーティスト路線」にのめり込んで行くことになる。
なぜ、乃木坂は生歌への意欲を失ってしまったのでしょう?
紅白「落選」によって、当時の運営が考えていた生歌戦略が頓挫して、紅白出場を掴むには、圧倒的なCDセールスしかないと方針転換したのでしょうか。
あるいは、『MUSIC FAIR』や『FNS歌謡祭』などのチーフプロデューサーで、生歌ステージをとくに重視する「きくちP」氏が、地上波の現場を離れたことが、何らかの影響を与えたんでしょうか。
運営の内部事情が表に出ない限り、何があったのか、本当のところは分かりません。
ただ、可能性の高い理由を推測することは出来ます。
考えられるのは、生歌ステージにすると、歌唱力の優れたメンバーが注目を集め、握手会人気のより高いメンバーを、選抜のより目立つ位置に配するという「秩序」が崩壊してしまう危険です。
例えば、川村真洋をセンターにして、生歌ステージを展開すると、音楽番組や大型歌謡祭で、見事な歌唱を披露するろってぃに、多くの人の視線が行くのは当然です。
このような歌手としての注目は、少なからぬメンバーが憧れることだと思いますが、一方で、握手会人気が高くなくとも、歌が上手ければ、乃木坂のトップに立てるという例を作ってしまうことになる。
すると、握手会人気を上げることではなく、歌唱力を磨くことに専念するメンバーが続出するかもしれない。
どんなに歌やダンスが優れていても、あるいは外仕事でどんなに結果を出しても、握手会成績が奮わなければ選抜には入れないし、前には出さないという方針が、乃木坂のCDセールスを伸ばす原動力になっていると、運営が考えているなら、まさに由々しき事態と言えます。
10th選抜のセンターに抜擢された生田絵梨花は、休業直前のシングルである8枚目「気づいたら片想い」では、個別握手会の最終成績が25部中21部完売の11位、7枚目「バレッタ」は28部中25部完売の8位で、30部全完売メンバーではなかった。
従って、当時すでに握手会人気トップだった白石麻衣と西野七瀬を差し置いて、生田絵梨花をセンターに据えるのは、「大抜擢」という側面がある。
ところが、いくちゃんのセンターは、歴代センターと比べて、意外なことに、ファンからの批判が非常に少なかった。
しかも、彼女はピアノが弾ける上に、歌が上手く、演技力も抜群で、才能の宝庫のようなメンバーです。
2014年夏の神宮で披露した、生田絵梨花の生歌で始まる「何度目の青空か?」は、握手会人気ではなく、音楽的実力で乃木坂を引っ張るセンターの象徴であり、10thはまさに激動の選抜だった。
そして、運営は、握手会主義を崩壊させかねないこの流れに危機感を覚え、もう一度、握手会人気なくしてセンターなし、という原則に戻そうとした。
そんな可能性があります。
2015年に入って、激しいダンスを展開する「命は美しい」11th選抜のセンターに西野七瀬を据え、その脇に白石麻衣を置いて、踊れるなーちゃん、踊れるまいやんを披露。
また、ななせまるには、1stアルバム「透明な色」収録の「ひとりよがり」を皮切りに、11枚目は「ごめんね ずっと…」、12枚目は「もう少しの夢」と3作連続でソロ曲を用意して、歌える西野を見せる。
さらに、連続ドラマ『初森ベマーズ』の主役抜擢で、演技に強いという点も押さえておく。
一方、まいやんは、2015年4月から始まったフジテレビ『水曜歌謡祭』に、頻繁に出演して、多くの歌手と生歌でのコラボを行います。
和田アキ子や杏里といった、錚々たる大物アーティストとのステージを通して、白石麻衣の歌唱力が宣伝されることになる。
また、『初森ベマーズ』では、もう一人の主人公と言っていいポラリス学園の主将を演じ、芝居の才能を披露する。
つまり、11枚目以降、乃木坂の2015年は、西野七瀬と白石麻衣の大フィーチャー時代で、二人がダンス、歌唱、演技と三拍子揃ったパフォーマーであることを証明しようとした1年だった。
これらの試みが成功したかどうかは分かりませんが(笑)、握手会人気の高いメンバーは、パフォーマーとしての実力も高いことを、運営が言いたかったのは確かだと思います。
握手会主義は決して、アーティスト路線と矛盾しない。
それが運営の求めた「アーティスト宣言」の本質だったんじゃないでしょうか。
生田絵梨花という実力主義センターが握手会主義を弱め、CDセールスの伸びが鈍ることを危惧して、運営は握手会主義の範囲内でのアーティスト路線を求めた。
ところが、それが乃木坂の生歌指向を廃れさせてしまった。
なぜなら、握手会主義アーティスト路線の鍵を握る西野七瀬と白石麻衣が、歌唱において、音の精度、声量、声域が十分でないからです。
決して歌が下手なわけじゃないけど、乃木坂は多彩な音楽性を持つ楽曲を特徴としていて、それらを生歌で実現するには、相当にハイレベルな歌唱力が要求されます。
もっとも歌が上手い川村真洋や、生田絵梨花、桜井玲香、中元日芽香、衛藤美彩といった面々を駆使しても、歌いこなすのは、なかなか難しいと感じる楽曲が結構あって、それらを西野七瀬と白石麻衣が常にリードして歌唱するのは、非常に厳しい。
ただ、乃木坂はアーティストなので(笑)、ネットに「ど下手!」という言葉が溢れ返るようなステージは絶対に見せられない。
そこで、「被せ」や「口パク」の割合が増えていく。
とくに、紅白のような、失敗出来ない場面では、手堅くという意識が強く働くので、「君の名は希望」という歌唱ナンバーですら、生歌ステージにならない。
個人的には、「口パク」のアーティストより、歌が下手なアイドルで良いと思うのですが(笑)、運営はそう考えていないのでしょう。
ただ、最近の歌唱サポート技術は凄まじく高度で、手間暇かけても、どこまで仕上げられるか未知数の生歌より、そちらに頼った方が楽なのは確かです。
その典型例が、昨年の神宮ライブです。
司会の高橋大輔アナウンサーが、スタジアム全体に声を響かせるため、首筋を立てんばかりに、力を入れてしゃべっているのに、その後のステージで、西野七瀬は、ほとんど力みを感じさせない歌い方で、ソロ曲「もう少しの夢」を歌いあげていました。
低音部ですら、スーと苦もなく伸びて行く歌唱を聴いて、西武球場ライブの渡辺美里を越えていると、腰を抜かしそうになりました(笑)。
また、最後の合唱では、オーケストラの演奏をものともせず、メンバーの歌声が球場に響き渡って、星野みなみは、実は、オペラ歌手並の声量を持っているんじゃないかと、一瞬、マジで考えてしまった(笑)。
これだけ技術が進歩すると、お金と時間を投入して、所属タレントに、コツコツとボイトレを積み重ねることに疑問を感じる事務所が出てきてもおかしくない。
ただ、高度なシステムを使うには、それなりの額が必要なのは間違いないと思いますが。
14th選抜は、13枚目個別握手会の売り上げ順に上から16人が抜擢され、唯一、生駒里奈だけが、20位ながら選ばれています。
そのため、いつものように、「ゴリ推し」「特別枠」といった批判が一部のファンから出ている。
しかし、運営は、こういった声は、さほど気にしていないと思います。
むしろ、握手会人気とは別の尺度で選抜入りさせるメンバーを、生駒里奈だけでなく、もっと増やすべきだという声の方が、気になるんじゃないでしょうか。
ライブでのMC力やバラエティでのコメント力で、生駒里奈が握手会主義の例外になり得るなら、歌唱力で川村真洋を選抜に、『らじらー!』で大活躍している中元日芽香を、ずば抜けた美人でスポーツにも詳しい斎藤ちはるを、発想力の素晴らしい川後陽菜を、といったことを多くのファンが言い出すと、それは運営が保持したい「秩序」を崩壊させるかもしれない。
握手会人気が選抜枠に届いていない生駒の抜擢はおかしいという発想は、選抜全員をCDセールスに従って選ぶべきという握手会主義と完全に合致するもので、運営にとっては、自らの考え方を支持する、同じ価値観を共有する考え方でしょう。
生駒里奈の選抜入りが理不尽なのではなく、生駒里奈以外のメンバーをすべて握手会人気順に選んでいることこそが理不尽だと、批判するファンが少ないことは、CDセールスの上昇が至上命題である運営にとって、実は、歓迎すべき状況だと思います。
もし、選抜内に、生駒里奈だけでなく、歌唱枠、ダンス枠、バラエティ枠、発想力枠など、握手会人気枠以外の座席が多数用意されたら、生駒ちゃんを批判するファンは激減するでしょう。
しかし、そうなると、握手会主義が崩壊する危険があり、CDセールスが下がる心配が出てくる。
唯一の例外である生駒里奈に対する、握手会人気が低いのにおかしいという批判が、逆に、握手会主義の流れを定着させる。
そんな風に見えます、今の状況は。
握手なくして選抜なし。
この発想が、激動の幕開けになる筈だった実力主義センターを1回で終わらせ、握手会主義アーティスト路線を誕生させ、生歌指向を廃らせ、選抜固定化につながっていった。
ところが、こういった流れに対するファンの不満は、握手会主義批判ではなく、むしろ、「唯一の例外」へと向かい、結果として、握手会主義はますます盤石となっていく。
もし、この見方が正しいとすれば、切ない話ですね、メンバーにとっても、ファンにとっても。
ところで、今年2016年の『スカパー!音楽祭』は、2月28日(日)に開催されるようですが、欅坂46は出演するものの、乃木坂46は参加しないようです。
同日に京都での13枚目最終個別握手会が入っており、スケジュール的に無理でしょう。
14枚目表題曲を披露する絶好のチャンスだったけど、単に都合が合わなかったのか、お呼びが掛からなかったのか分かりません。
ただ、この音楽祭に関わっている、きくちPも、武部聡志氏も、上述のように、人一倍、生歌にこだわる方なので、乃木坂の不参加は気になるものがあります。
さらに、他アーティストとのセッションが多い『FNSうたの夏まつり』と『FNS歌謡祭』において、昨年、乃木坂が行ったコラボは1ステージだけで、しかも、それは生田絵梨花が、ピアノ伴奏で参加したものです。
生歌を避ける方向性が、テレビ系大型音楽祭での乃木坂のステージ数を減らしている可能性もあって、今年、どのくらいのステージが貰えるのか、注目する必要がある。
運営やレコード会社の論理が、必ずしも音楽の現場で通らないこともあるわけで、生歌に対する考え方を始め、さまざまなポイントで、乃木坂が、両者の板挟みになって、出番が少なくなるとすれば、ファンとして残念極まりないことです。
CDの売り上げ枚数をいくら上げても、音楽関係者に評価され、認められるグループにならなければ、乃木坂が長続きすると思えません。
2016年が乃木坂の明るい未来を拓くような、そんな年になることを期待しています。
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