ジャン・アレチボルトの冒険

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永島聖羅のいない乃木坂、らりん卒業を巡るグループの現状と未来 [19Dec15]

2015-12-19 02:00:00 | 芸能
永島聖羅さんが、『乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館』の初日、乃木坂46からの卒業を発表されました。

あまりに突然のことで、衝撃を受ける以前に、まだ本当なのかどうかを疑う気持ちすらあります。

それほど、永島聖羅のいない乃木坂なんて、ちょっと想像出来ないというか、自分の心の中に、彼女の存在が深く入り込んでいたというか。

しかし、せいらりん自身が直後に更新したブログで卒業について綴り、乃木坂公式サイトのトップ記事にも載っているので、受け止めざるを得ないんだと思います。


今後、時間が経つにつれて、ジワジワと喪失感や寂しさが広がっていきそうで怖いです。

でも、永島さんが考えに考え抜いた末の大きな決断なので、気持ちを切り換えて、彼女の未来を応援していきたいと思っています。

ふぅ~(笑)、メンバーの卒業発表で、これほどショックを受けたのは初めてで、気持ちが整理出来ないんですが、冷静になるためにも、今日は、永島聖羅の卒業を巡る背景や乃木坂の今後について、考えてみます。

永島聖羅の2015/12/17_23:55ブログ
乃木坂公式サイトの永島聖羅卒業に関する記事


永島聖羅は、2013年3月13日(水)発売の5枚目「君の名は希望」で、5th選抜の3列目に抜擢されましたが、選抜に入ったのはその1回だけで、それ以後、今日まで8作連続、2年5ヶ月に渡って、選抜から遠ざかっています。

しかし、せいらりんの存在感は、選抜常連メンバーに匹敵するほどで、乃木坂を支えてきた中核メンバーと言っていいでしょう。

実際、これまでの乃木坂の歩みを語るとき、彼女の活躍は決してスルー出来ない、欠かせない要素になっています。

何と言っても、『NOGIBINGO!』や『乃木坂って、どこ?』などのバラエティで、持ち前の元気キャラを生かして、番組を盛り上げてきた。

大人しいメンバーの多い乃木坂にあって、らりんの明るい「騒々しさ」は(笑)、スタジオの空気を華やかにする効果があって、バラエティには必須の存在だった。


また、公式ブログなどに、絶えず、印象的で面白い画像をアップ、「らりん!そこ代われ」という、乃木坂ファンの誰もが知る人気「企画」など、多くの名作を生み出しました。

さらに、トークがパワフルで、2013年12月11日(月祝)のbayfm78「K・WEST ENTAME GENERATION」に伊藤寧々、井上小百合と出演した公開生放送や、2014年1月13日(月)のNACK5「The Nutty Radio Show おに魂」に、衛藤美彩と出演した3時間の生放送ラジオなど、数々の名場面を残しています。

個人的には、2013年12月7日(土)の『開運音楽堂』が好きで、全国ツアーの感想を聞かれて「生の刺身が食べられるようになった!」と堂々回答、さらに、「初恋の人を今でも」のMV制作に話が及ぶと、「蜂に刺されて、腕が腫れ上がったんですよ!」と、MVの内容はそっちのけで、刺された詳細な内容を報告。

当時MCだった衛藤美彩があからさまに焦りの色を見せるほど(笑)、破壊力抜群の暴走っぷりで、こんなアグレッシブな『開運音楽堂』は、後にも先にも、観たことがない。

こういったトークの才能が買われたのでしょう、現在、FM FUJI『沈黙の金曜日』と@FM『メガネ赤札堂presents 乃木坂46永島聖羅のデリシャス・ミュージック』のMCを務めています。

ラジオで、2本のレギュラーを持っているのは、乃木坂の中で、永島聖羅だけで、トーク方面での、彼女の活躍ぶりが窺えます。

アンダーライブが始まってからは、MCとしてステージを盛り上げると共に、2期メンバーを含めた混成チームのまとめ役として、大きな役割を果たしたようです。


選抜入りは1回ながら、バラエティやトークを中心に活躍して、乃木坂の中核と言えるほどの存在感がある永島聖羅。

そんな彼女が卒業を決意した理由は、何だったのでしょう。

本当のところは、本人に訊いてみないと分からないし、今後、メディアで発信される言葉も、100%の本音なのかどうか、判断するのは難しいと思います。

ただ、個人的には、二つのことが大きかったんじゃないかと推察しています。


一つは、女優仕事がほとんどなかったことです。

雑誌のインタビューなどで話していますが、せいらりんは、基本的に女優志望なんですね。

2014年2月14日(金)に日テレで放送された特別ドラマ「仮面ティーチャー」は、白石麻衣が準主役級で出演しましたが、それ以外に、短いシーンだったけど、乃木坂からは永島聖羅が、窪田正孝にブレザーの襟を掴まれる女子高生役を演じています。

おそらく、せいらりんが女優志望であることから、この仕事が回ってきたのだと思います。

ところが、それ以降、『プリンシパル』以外は、ドラマや舞台の仕事が来なくなってしまった。

とくに2015年は、乃木坂メンバーの多くが参加する『じょしらく』と『すべての犬は天国へ行く』という二つの大きな舞台がありましたが、永島聖羅はそのどちらにも出演していません。

さらに、井上小百合と樋口日奈の『帝一の國』や能條愛未の『カードファイト!! ヴァンガード』のような、個人で参加する舞台もなかった。


永島さんは、ある雑誌のインタビューで、「仮面ティーチャー」での演技を悔やむ発言をしていて、女優の外仕事が回ってこないのは、あのときの自分に問題があったからだと、考えているようです。

私は、「仮面ティーチャー」での演技は、怯える表情が真に迫っていて、短いシーンながら、非常に良い仕事をしたと、当時から評価しているので、知らない内部事情があるのかもしれないけど、せいらりんのコメントには頷けませんでした。

ただ、真相はどうあれ、喉から手が出るほど女優の仕事を欲していたのに、なかなかチャンスが巡ってこない現状に、少なからず悩んでいたのは間違いないでしょう。


『すべての犬は天国へ行く』のような舞台は、経験と実績を積み、演技スキルを磨けるだけでなく、共演するプロの役者や演出家などのスタッフと顔見知りになることが出来ます。

こういったコネクションは、女優を目指す新人タレントにとって、何ものにも代え難いアドバンテージです。

実際、出演したメンバーが、一流の舞台女優さんたちと仲良くなっていく様子を、公式ブログにアップしています。

しかし、永島聖羅はその輪の中に入れなかった。

『じょしらく』と『すべての犬は天国へ行く』の舞台に立てず、個人として参加する、ドラマや舞台の仕事も回ってこないことで、女優を志すせいらりんが、苦悩していたのは、容易に想像出来ることです。

乃木坂に留まる限り、年18日間に及ぶ握手会ノルマもあって、オーディションを思うように受けられないとすれば、卒業という選択肢が心に浮かんでも、不思議ではありません。


私は、永島聖羅は、お世辞抜きで、非常に高い演技力を持っていると思います。

むしろ、トークより、芝居の方が向いている気がする。

「仮面ティーチャー」の女子高生役も良かったけど、とくに評価したいのは、『NOGIBINGO!』で「花魁」に扮した写真です。

メンバーがペアで、1人がカメラマンとなり、もう1人がモデルとなって写真を撮り、その出来を競う企画でしたが、中田花奈が撮影した、永島聖羅の花魁姿が写った「清純じゃない大人」は、美しいだけでなく、キセルを手に、もの憂げな表情で振り返る横顔が、花魁の気の強さと儚い身の上まで伝わってくるようで、腰を抜かしそうになるほど、圧巻のクオリティだった。

スタジオにいたメンバーから歓声が上がり、プロカメラマンを含む審査員も全員が満点を出して、一番の優秀作品となりました。


こういった表情を作れるのは、もの凄い才能で、繊細な感受性と豊かな表現力を持っていることの証明です。

実は、「らりん!そこ代われ」など、彼女の写真が評判を呼ぶのは、ハイレベルな感情表現力がそこに生かされているからだと思います。

これほどの表現力を備えている人が、演技が下手な筈はなく、「仮面ティーチャー」での女子高生役も、まさに、私の想像通りのクオリティでした。

なぜ、明らかに才能のある永島聖羅に、演技の仕事がなかなか来なかったのか、運営が何を考えていたのか、よく分かりませんが、彼女に卒業を決意させる大きな要因になった可能性は高いんじゃないでしょうか。


女優志望にも関わらず、ドラマや舞台に出演する機会がほとんどなかったことに加えて、2015年の乃木坂で、究極まで進んだ、握手会人気による選抜の「固定化」が、卒業を決めるに至った、もう一つの要因だった気がします。

以下に、13枚目「今、話したい誰かがいる」個別握手会のメンバーごとの最新完売状況と、選抜アンダーのポジションを示しています。

(表) 13枚目個別握手会第18次応募終了時点の推定売り上げ枚数による順位表

凡例
[順位] 完売部数/担当部数 (完売率; 全完売の場合それを達成した次数) メンバー名

#「完売率」は、小数点以下3桁目を四捨五入
# メンバー名の色は、13th選抜におけるポジョションを表し、青色は1列目緑色は2列目オレンジ色は3列目赤色はアンダーフロント「サンクエトワール」の意味
# 「C」はセンター、「UC」はアンダーセンター、「*」は2期メンバー
# 複数同順位でのメンバーの並べ方に意味はない

[01] 30部/30部 (1.00; 03次) 白石麻衣(C) 西野七瀬(C)
[01] 30部/30部 (1.00; 05次) 橋本奈々未 秋元真夏 生田絵梨花 衛藤美彩
[01] 30部/30部 (1.00; 06次) 深川麻衣 若月佑美 齋藤飛鳥
[01] 30部/30部 (1.00; 07次) 桜井玲香
[01] 30部/30部 (1.00; 11次) 高山一実 伊藤万理華 星野みなみ
[01] 30部/30部 (1.00; 13次) 松村沙友理
[15] 26部/26部 (1.00; 10次) 堀未央奈*(UC)
[16] 25部/25部 (1.00; 11次) 井上小百合
[17] 23部/23部 (1.00; 10次) 中元日芽香(UC)
[18] 20部/21部 (0.95) 新内眞衣*
[19] 15部/19部 (0.79) 生駒里奈
[20] 18部/18部 (1.00; 14次) 中田花奈
[21] 17部/18部 (0.94) 寺田蘭世* 北野日奈子*
[23] 15部/18部 (0.83) 永島聖羅
[24] 11部/18部 (0.61) 斉藤優里
[25] 12部/13部 (0.92) 樋口日奈
[26] 04部/12部 (0.33) 能條愛未
[27] 02部/12部 (0.17) 山崎怜奈*
[28] 04部/11部 (0.36) 鈴木絢音*
[29] 09部/10部 (0.90) 渡辺みり愛*
[30] 04部/08部 (0.50) 相楽伊織*
[31] 02部/08部 (0.25) 佐々木琴子*
[32] 07部/07部 (1.00; 13次) 川後陽菜
[33] 06部/07部 (0.86) 斎藤ちはる
[34] 06部/06部 (1.00; 13次) 伊藤かりん*
[35] 05部/06部 (0.83) 伊藤純奈*
[36] 03部/06部 (0.50) 川村真洋
[37] 04部/05部 (0.80) 和田まあや

(参考記事)
2期枠なし、新規抜擢ゼロ、13枚目は握手会主義厳密適用の「設定部数であらかじめ語られる選抜」[31Aug15]


感嘆の声を上げたくなるほど、見事な握手会主義です(笑)。

30部全完売の14人は、全員が選抜入りして、しかも、1列目、2列目、3列目の割り振りに、完売を出した次数順が色濃く反映されている。

さらに、続く15位の堀未央奈から21位の寺田蘭世と北野日奈子までの8人で、選抜3列目かアンダーフロント「サンクエトワール」に入っていないのは、新内眞衣だけ。

つまり、選抜フロントからアンダーフロントに至るまで、個別握手会の売り上げ枚数順に、ほぼキレイに配置されている。

そして、例外である新内眞衣は、乃木坂で唯一、個人名の入った冠番組『OL兼任アイドル 新内眞衣のまいちゅんカフェ』をラジオbayfm78に持っていて、きめ細かいフォローがなされている(笑)。


永島聖羅は、売り上げ順では、寺田蘭世と北野日奈子の次、23位に入っていて、決して低い順位ではありません。

しかし、これほど厳密な握手会主義が実践されている現状を考えると、14th選抜に新たに入る候補としては、堀未央奈と中元日芽香が最有力で、新内眞衣、中田花奈、寺田蘭世、北野日奈子が第2グループとして名前が挙がる感じとなってしまいます。

握手会人気順という現在優勢な視点を当てはめると、永島聖羅の選抜入りは、なかなか厳しいと言わざるを得ません。

13枚目では、18部中15部の完売率83%と、ほとんど売り切れに近いセールスだったので、14枚目では、担当部数が増えて、より売り上げを伸ばせる位置に来ると思います。

しかし、15位から21位の8人も、今回、全完売かほぼ全完売を達成しており、堀未央奈や井上小百合は30部を任される可能性が高く、他のメンバーも軒並み絶好調なので、上位に食い込んで行くのは、並大抵のことではない。

握手会主義という運営の基本方針が変わらない限り、選抜入りは、さらに先の出来事になると、せいらりんが考えても不思議ではないでしょう。


乃木坂46は、新しいシングルを出す度に、フジテレビ『MUSIC FAIR』、テレビ朝日『MUSIC STATION』、NHK『MUSIC JAPAN』など、有名音楽番組にほとんど出演、さらに、FNS歌謡祭など、大型音楽祭にも、ほとんど参加しています。

従って、もし選抜メンバーになれば、メディア露出の量は、アンダーとは比べものにならないくらい、飛躍的に増大します。

将来、グループを卒業して、個人として活動する場合、それがバラエティであれ、歌手であれ、女優であれ、乃木坂在籍中に知名度を上げておけば、断然、仕事の獲得に有利になる筈です。

かりに、自分がやりたい外仕事がなかなか回って来なくとも、1年に1度でも、選抜入りしていれば、メディア露出のアップという大きなプラス面があるので、卒業という決断は避けたかもしれません。

しかし、4年間13枚のシングルで、選抜入りは1回だけ、しかも、近年、握手会主義によるメンバーの「固定化」が加速していて、今後も、しばらくは抜擢を期待出来ないとなれば、グループを出て行くことが視野に入るのは、当然じゃないでしょうか。


乃木坂からの卒業は、永島聖羅の将来にとって、マイナス面よりプラス面の多い、優れた決断だと、私は思います。

通常の芸能プロダクションは、タレントを売ること第一に考えるので、歌唱力、ダンス力、演技力、トーク力、モデル力といった、個々の才能を見極めて、もっとも活躍出来そうな仕事を、所属タレントに割り振っていきます。

ところが、乃木坂は、レコード会社が直接、芸能事務所を運営しているような形で、すべての発想の出発点が、CDセールスになってしまっている。

CDセールスが伸びれば成功、伸びなければ失敗という驚くほど機械的な基準が、グループの活動を支配しています。

そのため、メンバーの能力は、まず第一に握手会での売り上げによって評価され、上位の人が選抜に入り、優先的に、メディア露出や外仕事を割り振られていく。


しかも、あまりにCDセールスに忠実に割り振るので、歌唱力の有無と無関係に、歌をうたうポジションに据えられたり、トーク力を考慮せず、バラエティ番組に出演させるといった、無茶ぶりが頻発することになる。

乃木坂は、CDを売ることが、常軌を逸して重視されるため、メンバーが持っている才能を伸ばし、それによって金を稼ぐという、ごく当たり前の発想が乏しいのだと思います。

卒業して普通の芸能事務所に入れば、永島聖羅は、女優としての素質を見てもらえる筈で、さまざなオーディションを受ければ、これだけの逸材ですから、頭角を現すのに、さほど時間は掛からないんじゃないでしょうか。


運営が握手会人気を重視するのは、CDセールスがグループの経営を支えているからだという見方がありますが、私は、むしろ、CDセールス最優先という「主義」がまずあって、そこから握手会人気重視が発生してるのだと考えています。

というのも、握手会商法によって、乃木坂が大いに儲かっているとは、どうしても思えないからです。

乃木坂は8枚目「気づいたら片想い」以降、個別握手会の第14次から第16次の応募に、新しいシングルあるいはアルバムの第1次応募を重ねる手法を続けています。

こういった手法は、あるシングルの握手会が全部終わる前に、次のシングルを発売するような、無理を生んでしまうので、極力避けた方が良いのだけど、何かに急かされるかのように、次作の応募に入っていく。

続々とやって来る握手会の開催費を捻出するために、次シングルの応募を開始している節があって、乃木坂運営の台所事情が、余裕しゃくしゃくには、到底見えない。

最近のシングルでは、握手会の開催日を、1ヶ月近く空けて設定することが多いけど、これも1ヶ月に行える握手会の回数に、経済的な限度があるからじゃないでしょうか。

(参考記事)
従来通りなら14th選抜発表11月29日、CD発売2月10日、発表年内回避なら発売は3月以降が有力 [21Nov15]


現在の乃木坂の経営的アキレス腱は、かつての「メガシャキ」のような、大手企業との継続的なテレビCMのタイアップを持っていないことだと思います。

握手会商法は、大規模握手会を開催するための多額の費用を、著作権の塊であるCDの「おまけ」として捻出することが求められるので、これだけに頼って、安定した運営が出来るとはちょっと考えづらい。

やはり、通常の芸能事務所と同じく、タレントの人気番組へのレギュラーなテレビ出演や、長期に渡るテレビCMといった形での、分厚いスポンサー契約が、安定運営には不可欠じゃないでしょうか。

第14次応募に次の第1次を被せる手法が、「メガシャキ」のCMをあまり見かけなくなった頃から、本格化しているのが、単なる偶然の一致には見えないんですが。


また、最近、気になっているのは、フルバージョンをYouTubeに無料公開していたMVを、ショートバージョンに差し替えたことです。

紅白初出場を決めた今は、一般層の関心を上げる絶好のチャンスの筈だけど、乃木坂に興味を持った人が最初に観る確率の高い、無料MVというコンテンツを、パワーダウンしてしまった。

ファンの間からも疑問の声が出ている措置ですが、興味深いのは、CS放送で、乃木坂のフルバージョンMVを放送する特集が、ここのところ多くなっている。

CS契約を促進する目的で、テレビ局が乃木坂運営と何らかの契約を交わし、その結果、YouTubeの無料MVが、フルバージョンからショートバージョンになったのだとすれば、あれこれ合点の行く話になる。


そもそも乃木坂のMVは、シングルを売るために付けられた特典の筈ですが、MV集の発売は、一度使った特典で、もう一度儲けようとする試みです。

CS放送でのMV特集と合わせ、運営は、乃木坂のMVを、過去シングルの「特典」ではなく、単独の新たな「商品」として再利用しているわけです。

しかも、より多く稼ぐために、デビューシングルのMVのように、4年も前にリリースした映像ですら、無料で鑑賞出来るのは、ショートバージョンに限定するほどの徹底ぶりを示している。

まあ、台所事情に関する話は、あくまで憶測の域を出ず、本当のところは分かりませんが、握手会の切れ目のない連続応募にせよ、YouTube公開MVのショートバージョン差し替えにせよ、こういった乃木坂運営の世知辛いやり方を眺めていると、CDを60万枚以上売って、ざっくざっく儲けている風には、ちょっと思えません。


乃木坂運営が、あくまでCDセールスにこだわるのは、儲かるからではなく、母体が、レコード会社だからじゃないでしょうか。

通常の芸能プロダクションのように、メンバーのタレント性から出発して稼ぐ手法も、乃木坂で十分可能なんだけど、CDセールスをとことん重視する主義を、敢えて採用している。

そうであれば、違う主義の事務所に移るのは、大いに意味のあることで、とくに永島聖羅のように、女優として大きな可能性を秘めたメンバーは、チャンスが巡ってこないのであれば、新天地を目指した方が、タレントとしてブレイクする確率が高まると思います。


しかし、永島聖羅にとって、卒業がプラスであっても、乃木坂にとっては、痛いマイナスになるでしょう。

好調なCDセールスと紅白初出場で、見えにくくなっているけど、近年、グループの音楽的存在感は、低下傾向にあります。

(表2)『FNSうたの夏まつり』と『FNS歌謡祭』において乃木坂46が関わったステージ数の変遷

[総ステージ数の推移]
2013年 : 7 stages
2014年 : 6 stages
2015年 : 3 stages

[他アーティストとのコラボ数の推移]
2013年 : 6 stages = 選抜参加 6
2014年 : 5 stages = 選抜参加 2 + 個人参加 3
2015年 : 1 stage = 個人参加 1

[ステージ内容と乃木坂CDリリースの年表]

2012/12/19 [04枚目]「制服のマネキン」
2013/03/13 [05枚目]「君の名は希望」
2013/07/03 [06枚目]「ガールズルール」

2013/07/31『夏まつり』
===== 5 stages =====
持ち歌 1 ;「おいでシャンプー」
コラボ 4 ; 山下久美子、榊原郁恵、松本伊代、宮沢和史
==================

2013/11/27 [07枚目]「バレッタ」

2013/12/04『歌謡祭』
===== 2 stages =====
コラボ 2 ; 郷ひろみ&ゆず、松本伊代
==================

2014/04/02 [08枚目]「気づいたら片想い」
2014/07/09 [09枚目]「夏のFree&Easy」

2014/08/13『夏まつり』
===== 2 stages =====
コラボ 2 ; 杏里、前田亘輝
==================

2014/10/08 [10枚目]「何度目の青空か?」

2014/12/03『歌謡祭』
===== 4 stages =====
持ち歌 1 ;「何度目の青空か?」
コラボ 3 ; Dream5&氣志團&ゴールデンボンバー&T.M.Revolution&高見沢俊彦 (白石)、キング・クリームソーダ&高見沢俊彦&Dream5 (白石)、ゴスペラーズ&EXILE TAKAHIRO (生田ピアノ)
==================

2015/01/07 [01枚目]「透明な色」(アルバム)
2015/03/18 [11枚目]「命は美しい」
2015/07/22 [12枚目]「太陽ノック」

2015/07/29『夏まつり』
===== 1 stage =====
持ち歌 1 ;「太陽ノック」
==================

2015/10/28 [13枚目]「今、話したい誰かがいる」

2015/12/02『歌謡祭』
===== 2 stages =====
持ち歌 1 ;「今、話したい誰かがいる」
コラボ 1 ; 山崎まさよし&miwa (生田ピアノ)
==================

(参考記事)
輝いた乃木坂のビジュアルと生田絵梨花のピアノ、しかし存在感の低下が止まらない in FNS歌謡祭 [06Dec15]


「制服のマネキン」や「君の名は希望」をリリースした2013年の始め頃は、音楽関係者から楽曲を評価する声が複数上がり、実際、その年は、『FNSうたの夏まつり』と『FNS歌謡祭』を併せると、7個のステージを任されていました。

とくに、大物歌手とのコラボに、歌とダンスで、選抜全員が参加するステージが6個もあり、グループが音楽面で、一定の信頼を得ていたことが分かります。

ところが、2014年に入ると、ステージ数は6個ですが、複数メンバーが参加するコラボが2個に減り、白石麻衣のみ、あるいは、生田絵梨花のピアノのみといった、個人参加が3個になります。

そして、上に述べたように、この年、「メガシャキ」のCMがなくなり、第14次応募に次の第1次を重ねる手法が始まります。

さらに、2015年になると、ステージ数が3個に減り、コラボは生田絵梨花のピアノによる1個だけに留まってしまいます。

この3年間で、音楽プロデューサーの乃木坂に対する期待が、急速にしぼんでしまったかのようなステージ数の変遷で、グループを取り巻く環境が、決して順風満帆ではないことを示しています。


選抜は、本来、シングル表題曲をパフォーマンスする音楽ユニットなんですが、歌唱力、ダンス力、さらには、楽曲イメージすら考慮に入れず、握手会成績の順番にメンバーを並べている。

おまけに、歌割りにおいて、無理なユニゾンを組むので、生歌ステージを上手く作れず、ここ数年で、歌えない踊れない乃木坂という評価が、出来つつある気がします。

有名アーティストとの、歌やダンスでのコラボが、2015年にゼロになってしまったのは、それを象徴する出来事じゃないでしょうか。


歌唱力、ダンス力、個々のキャラといった、メンバーの才能や個性から出発する発想を、選抜選考にもう少し取り入れないと、乃木坂の存在感は、2016年、さらに低下し続ける危険があります。

永島聖羅は、花魁姿で見せたように、抜群のイメージ提供能力を持っていて、しかも、何と言っても、元気で明るい。

楽曲に合わせて、こういったパンチのあるキャラを選抜前列に入れれば、それだけで、ステージの印象が変わって、違う乃木坂を見せられるのだけど、そういった「転調」の機会は、もう期待出来そうにありません。


伊藤寧々さんが卒業したときにも、書きましたが、今後、何回オーディションをやっても、永島聖羅の代わりになる人を見つけることは不可能です。

乃木坂が永島聖羅を失うということは、彼女しか持っていない、ビジュアル、才能、笑顔、キャラ、イメージといったものを、グループが永久に失うことに他なりません。

グループにとって重要なカードを、また1枚、永遠になくしてしまうわけで、その損失は計り知れない。

高校を卒業したとき、乃木坂1本に専念しますと宣言して、意欲満々だった、これだけのメンバーが、乃木坂を離れてしまうという、グループにとっての悲劇が、なぜ起こってしまったのか。

運営は、もう一度、検証すべきじゃないでしょうか。

伊藤寧々、矢田里沙子、米徳京花の卒業、松村沙友理の苦悩、それでも乃木坂は進んでいく [23Oct14]


最後に、永島さん、乃木坂での4年半、本当にお疲れ様でした。

私のように、あなたの美貌と才能に、心酔している人間が、世の中には、確実にいます。

また、ご自分で考えるより、遥かに高く、あなたを評価している人が、本当に大勢いると思います。

だから、どうか自信を持って、次のステップへ進まれることを願っています。

卒業までは、まだ少しあるようなので、乃木坂での最後の時間を、楽しんで下さい。


私も、その頃には、「卒業おめでとう!」と真っ直ぐ書けるよう、気持ちを整理していきます。

これほど大きなショックを受けるとは、正直、自分でも想像しませんでした。

私は、永島聖羅の熱烈なファンだったのかもしれません。

ファンを愛し、ファンに愛された永さん。

あるいは、すべての乃木坂ファンは、潜在であれ、顕在であれ、本質的に、らりんのファンなのかもしれない。

そんなことすら考えたくなった、彼女の卒業発表でした。


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アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Nov13 ~ 関連記事の目次 (19Apr13 ~ 31Oct13)


// 乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

星野みなみ主演のSTATION ID『あたし、本と旅する』
毎週月曜から金曜 24 : 30 ~ 25 : 00 [CS] スペースシャワーTV プラス『アイドルヒッツ』。『あたし、本と旅する』は、この30分番組の真ん中あたりに、毎回、30秒ドラマとしてオンエア。
スペースシャワーTV プラス公式サイトの特設ページ

年内の放送スケジュール
[第14話] 12月18日(金)
[特集番組] 12月19日(土) 22:30~23:00。
オリジナルインタビューを交えて、撮影風景を紹介。12月27日(土) 24 : 30 ~ と12月30日(水) 18 : 00 ~ に再放送。

アンダー武道館2DAYS 開催!
12月17日(木)『乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館』[初日] 第1公演(18:30~)
12月18日(金)『乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館』[2日目] 第2公演(18:30~)

週刊プレイボーイ人気連載の単行本が発売開始
12月18日(金) 書籍 『乃木坂46物語』(集英社)が発売。乃木坂公式サイトの関連記事

乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のページをご参照下さい。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 01Nov15 ~ 注目されるテレビ・ラジオ番組と重要イベントのスケジュール


// 星野みなみの溢れる魅力

7月18日14:18 星野みなみ

乃木坂の風 09Oct13 ~ 星野みなみが放つ紺碧の輝き、代々木ライブの魅力と今後を考える

乃木坂の風 16Sep13 ~ 「みさ、原宿行くの?」、星野みなみに激怒する衛藤美彩! in 乃木坂の「の」

乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる

さらに詳しく

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 星野みなみのコーナー


// 特集ページ

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 01Nov15 ~ 注目されるテレビ・ラジオ番組と重要イベントのスケジュール

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 09Oct15 ~ シングル&アルバム収録全曲ハンドブック (11th-)

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 09Oct15 ~ シングル&アルバム収録全曲ハンドブック (1st-10th, 1stAb)

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 19Jun14 ~「16人のプリンシパル trois」の関連情報

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 06Jun14 ~「16人のプリンシパル deux」の関連情報

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Dec13 ~ 7枚目「バレッタ」の関連情報

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 6枚目「ガールズルール」の関連情報

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Sep13 ~ 和田まあやのコーナー

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 10Jul13 ~ えくせれんとブログの目次


# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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