CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

2月のおススメ盤

2018年02月14日 | 音楽
ヨアヒム・キューン、今月3日に発売された新譜です。11曲目など、数曲を除き、ゆったりめの耽美的な演奏が多いように感じますが、もうキューンも年齢的にもこういう方向でもいいんじゃないかと思います。時折昔見せたようなフレーズがバシッと出てくるところは、昔を知っている人にとってはいいですねえ。それにしても大手通販などを覗いて見ると、彼のリーダー作や共演作、まだまだ聴いてないものがいっぱいあるし、もう入手困難なものもありますね。彼に関しては、今回も4枚買ってしまったし、無理せずに気が付いたら追いかけて行きたいなあと思っています。ニュー・トリオで何枚出るかなあ。


Love & Peace/Joachim Kuhn(P) New Trio(ACT)(輸入盤) - Recorded May 15 and 16, 2017. Chris Jennings(B), Eric Schaefer(Ds) - 1. Love And Peace 2. Le Vieux Chateau 3. The Crystal Ship 4. Mustang 5. Barcelona - Wien 6. But Strokes Of Folk 7. Lied Ohne Worte No.2 8. Casbah Radio 9. Night Plans 10. New Pharoah 11. Phrasen

(18/02/11)ニュー・トリオ第2作。ヨアヒム・キューン作が6曲(1、4-6、10-11曲目)、ムソルグスキー作(2曲目)、The Doors作の3曲目、オーネット・コールマン作の10曲目など。46分で11曲と、こちらも全体的にまとまった感じの演奏。やはりゆったりとして耽美的な演奏が多めか。それでも昔をほうふつとさせるような11曲目のような活発な曲もありますけど、ワンマン的でトリオとしてまとまっているタイプのサウンドです。やはり年齢を経て、円熟味を増しているという気もしてます。これはこれでいい感じだし、時々速い16分音符のパッセージも聴かせてくれるしと、タダものではないところもあります。ただ曲の並びもあってか、美旋律的に流れていくような印象が強いです。それでも6曲目のような緩急自在な曲もあり。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam2月のお宝盤

2018年02月01日 | 音楽
Jane Lee Hooker / Spiritas!
2017 輸入盤国内仕様 BSMF

パンチ力満点、もろガレージ系のパンキッシュなロッキン・ブルースが信条のNY女子5人組。
デトロイトでもなくカンザスシティでもなく、ニューヨーク発のワイルドなガールズ・バンドなのはその前身がパンクバンドだったと聞くと納得です。
2013年のデビュー後手堅く沢山のブルースクラブをサーキット活動していたようですが2015年にドイツのRUFと契約して初めてアルバムリリースしたのが昨年の前作でした。
本国アメリカでこれだけの実力をしたバンドと契約するレコード会社がないことの事実が、如何に現在の米国が文化的不毛国になっているかを如実に語っている気がする次第。
それはここ日本も同じで、安直なアイドル、それもサイン会のチケット目当てにCDを大量購入し、あとはそのCDを大量に不法投棄するといったファンを生み出してしまう日本も相当にいびつな国ではありますが。
そんなことはともかく、超元気炸裂のこの熱血ブルースパワーは聴いた人を一瞬でハッピーな気分にする即効性が大。
ブルースシーンの未来は明るいと改めて嬉しくなる瞬間です。

bb白岩(appleJam)

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1月のおススメ盤

2018年01月15日 | 音楽
国内廉価盤再発。このグループ、ロスト・トライブは最近になって知って、そのメンバー構成から一度聴いてみたいと思うようになったのですが、つい先日、このグループのファーストが国内廉価盤で出たばかりだったのですね。通常なら中古盤市場でそれなりの価格がついているので、安く(1,080円)新品を入手できてラッキーでした。このグループでは3枚出ていて、2枚目も、うまく国内未開封中古を安くゲットできてます。3枚目が輸入盤しかなく、少し高かったかな。これももうすぐ到着予定。思えば’90年代前半はこういうサウンドの曲、割と聴いてました。その時はこれらメンバーの名前もほとんど分からなかったので、やっと今回巡り合えた、というわけ。


失われた部族/ロスト・トライブ(Sony)
Lost Tribe(Sony) - Recorded 1993. Fima Ephron(B), David Binney(As), David Gilmore(G), Ben Perowsky(Ds), Adam Rogers(G) - 1. Mythology 2. Dick Tracy 3. Procession 4. Letter To The Editor 5. Eargasm 6. Rhinoceros 7. Mofungo 8. Space 9. Four Directions 10. Fool For Thought 11. T.A. The W. (Tender As The Wind) 12. Cause And Effect

プロデュースがウォルター・ベッカーの、当時の先端のファンクアルバム。メンバーそれぞれの作曲で、「とっ散らかった印象」との評も見るけど、ラップや変拍子の曲もあり、いろいろな方向性が詰め込まれてます。ベースはアコースティックとエレクトリック両方で、曲によりM-Baseから派生した感じの超絶技巧ファンクのフレーズやリズムのトンガリ具合が心地よい。メジャーがかかわったマイナーなアルバム。ディープな人向けという事には変わりないですけど、無機的になりそうなフレージングを逆手に取って、どうだ、とのせてしまう技量は大したもの。割とソフトな感じの曲も入っています。今では有名なミュージシャン達だけど、当時は無名だったらしく、それが当時国内盤も発売されていたのに、気が付かなかった原因かも。(17年11月29日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam 1月のお宝盤

2018年01月01日 | 音楽
Samantha Fish / Belle of the West
2017 輸入盤国内仕様 BSMF

今回やけに土臭く骨っぽい作りだと思ったらプロデューサーが何とノース・ミシシッピ・オールスターズのルーサー・ディッキンソン!
道理で、と納得した次第です。
ドブロを効果的に使ったデルタブルース特有のドッスンバッタン系のリズムがベリーナイスで、ほのかに絡むハーモニカもデルタ風のブルースハープ。
フォーキーなテイストを重厚なエレキバンドに落とし込むことに成功していて、それは当然ディッキンソンの手腕によるところかと。
今回特にアメリカーナのテイストが大ですが、毎作品あらゆるスタイルにナチュラルに対応出来るサマンサの凄さを改めて知る気がします。
地味ながら絶品!の1枚。
デビュー時、3アーティストで1枚のCDという構成だった中で一際個性を放っていたことの事実を懐かしく思い出しました。

bb白岩(appleJam)

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12月のおススメ盤(工藤)

2017年12月15日 | 音楽
大西順子の同時発売のアルバムの2日目。こちらはピアノ・トリオだし、本命に思っている人が多いんじゃないかな。確かにその通りで、日曜の朝聴かなくて良かったと思います。いやはや、聴いていてスゴいインパクトがあります。もうすぐ今年のベスト3をきめることになりますけど、この時期これが出たという事は、その選定にも影響してくるんじゃないかなあ、と思います。いかに複雑なことをさりげなく、そしてダイナミックな表現でやっているかという事は、解説にも書いてありますし、自分もアマチュアバンドの端っこのベース弾きですが、やってることはおぼろげながら理解しているつもりです。到着後、すぐ聴けばよかった。


グラマラス・ライフ/大西順子(P)トリオ(Somethin' Cool)
Glamorous Life/Junko Onichi(P) Trio(Somethin' Cool) - Recorded September 4-6, 2017. 井上陽介(B)、高橋信之介(Ds) - 1. Essential 2. Golden Boys 3. A Love Song (a.k.a. Kutoubia) 4. Arabesque 5. Tiger Rag 6. Almost Like Me 7. Hot Ginger Apple Pie 8. Fast City 9. 7/29/04 The Day Of(From "Ocean's 12")

1-4、7曲目が大西順子の作曲、5曲目はアート・テイタムの演奏曲(ジャズの最初の録音の1曲だそうだ)、8曲目はジョー・ザヴィヌルの作曲と、いろいろ。やはり彼女は大物でした、と、個人的な思いがあります。1曲目は彼女にしては珍しく少し思索的な出だしかなとも思いますが、ダイナミクスも健在。解説を読んでいるとけっこう複雑な演奏をしているようですが、すんなりと入ってきてしまうところも、それでも、難しそうだなと思うところも、いろいろ。相変わらず半端ではないテクニックを見せつけてくれます。そこまで目が行くと気難しい印象ですけど、繊細さとダイナミックさ(こちらの方が大きいか)に心地よく身をゆだねながら聴くと、なかなかの傑作ではないかと思います。6曲目はスゴい彼女の演奏。8曲目はなかなか圧巻。(17年11月15日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam12月のお宝盤

2017年12月01日 | 音楽
Casey Hensley / Live
2017 輸入盤国内仕様

ポスト キャンディ・ケインの呼び声も高いケイシー・ヘンズレイのデビュー・ライブ盤で、相棒のギターが何とローラ・チャベス!
ローラと言えばララ・プライスと組んでいた頃から実に渋いオヤジ臭い西海岸系ブルース・ギターを弾くことで熱烈なファンが少なくない人。
そのスタイルの源泉がジョニー・ギター・ワトソンにあることはフレージングからも明白ですが、ここでもまんまワトソン・スタイルのソロが炸裂する瞬間も。
2016年に惜しくも亡くなったパワフル・ブルース・ウーマン、キャンディ・ケインの後継と言われるケイシーだけあって、実に魅力的なシャウトを聴かせてくれます。
そのキャンディはシングル・マザーで子育てのために一時期はポルノ女優にもなったという豪傑な面もある人で、歌でもそんな突き抜け感のある強力シャウトが印象的でした。
本作のケイシーもまたキャンディなみの爆裂パワーで全曲を快調に飛ばします。
ローラのギターも最強の共演で、文句なし絶品のウーマン・ブルース・アルバム!!です。

bb白岩(appleJam)

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11月のおススメ盤(工藤)

2017年11月15日 | 音楽
国内盤新譜が1枚届いています。桑原あいは以前から注目しているピアニストで、どちらかと言うと、上原ひろみを連想させるような曲調だけど、今はフォロワーという感じは全然しなくて、独自のジャズ・フュージョン路線を行っているテクニシャンです。通常のジャズとは違いますし。仮バンドのライヴにゲスト出演するくらいだから、その腕はたいしたもの。ここでの石若駿との変幻自在な一体感は、やはりたたものではありませんでした。ベースがいなくても全然不足感はないですし、こういうケースも珍しいです。まあ、ここでとにかくすごい、と言ってもはじまらないので、どこかで聴いてみて下さい、としか言うしかないのですが...。


ディア・ファミリー/桑原あい(P) X 石若駿(Ds)(Verve)
Dear Family Ai Kuwabara(P) x Shun Ishiwaka(Ds)(Verve) - Recorded Mar 17, 2017(on 1) and August 8-11, 2017. - 1. Dear Family -TV Version- 2. Idea For Cleanup 3. The Great U's Train 4. Improvisation #1 5. Family Tree 6. Tuneup 7. Andy And Pearl Come-Home 8. Granpa's Sunglass 9. Inprovisation #2 10. Dog DOesn't Eat Dog World 11. Dear Family Bonus Tracks: 12. Saturday COme Slow 13. Sunday Morning

1曲目のみTVのオープニング曲の録音なので、日付が違います。2人の共作が1、4、9、11曲目、桑原あいの作曲が3、6、10曲目石若駿の作曲が2、5、7-8曲目。ほぼ対等な関係。ボーナストラックは他人の曲でも境がない。13曲で47分と短めだけど、ピアノとドラムスのデュオでも音の不足を全然感じさせず、旋律とか変拍子とか、この2人ならではのテクニックが大いに生かされた曲が多いです。でも、静かな曲もあり、そういう曲ではしっとり感も。TVのオープニングの、爽やかでかつ複雑な面を持つ1曲目は印象が強いです。よくこういう曲ができるなあと。ところどころ瞬間的に変幻自在になるので、このコンピネーションは鉄壁と思われる曲が随所にあり。インプロヴィゼーションもなかなか面白い。現代のジャズ。(17年11月8日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam11月のお宝盤

2017年11月01日 | 音楽
Eilen Jewell / Down Hearted Blues
2017 輸入盤国内仕様

本作で小粋で小洒落たタッチの戦前~60年代フォーク・ブルースを歌うイーリン。
これまでの作品ではロカビリーやカントリー、フォーク、ゴスペルを歌ってきたという。
とってもキュートなヴォイスでレトロな曲を歌う姿には時代を超えた天然の魅力が充満、幅広い音楽ファンにストレートに訴求することと思います。
アイダホ州出身で現在はボストンで活躍中とのこと、ニューヨークでもなくシカゴでもなくボストンを選んだ人らしいテイストをしています。
古くはラウンダー・レコードの牙城でブルザイやフィロといった秀逸なアメリカンルーツの宝石のようなレーベルを輩出してきた街特有のエッセンスに溢れた作品。
いつか何処かで聴いた曲ばかりなので、聴く人によってそれぞれの曲で瞼に浮かぶ既知のビッグネームの女性シンガーの顔が次々浮かんでくるかと思います。
歌もアレンジも演奏もすべてが最高♪

bb白岩(appleJam)

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10月のおススメ盤(工藤)

2017年10月15日 | 音楽
クリスチャン・マクブライドのMack Avenueからのビッグ・バンド作2曲目。アレンジは6曲目がノーマン・シモンズで、11曲目がスティーヴ・デイヴィスの他は、全曲マクブライドだというのだから、スゴいです。確か、前作のビッグバンド作はグラミー賞だったとか。普段はフレンチホルンなどの入ったマンハッタン・ジャズ・オーケストラとか、マリア・シュナイダー・オーケストラとかを中心に聴いていたので、こういうオーソドックスで男性的な演奏を聴いたのも久しぶり化もしれません。聴いていてなかなかスカッとするジャズですね。バラードもなかなか素晴らしいし。選曲も良く、これまたけっこう男性的。6、8曲目のヴォーカル入りの曲も印象的だし。


Bringin' It/Christian McBride(B) Big Band(Mack Avenue)(輸入盤) - Released 2017. Frank Greene(Tp), Freddie Gendrix(Tp), Brandon Lee(Tp), Nabate Isles(Tp), Michael Dease(Tb), Steve Davis(Tb on 11), Joe McDonough(Tb ecept 11), James Burton(Tb), Douglas Purviance(Btb), Steve Wilson(Sa, Ss, Fl), Todd Bashore(As, Fl Piccolo), Ron Blake(Ts, Fl), Dan Pratt(Ts, Cl), Carl Marachi(Bs, Bcl), Xavier Davis(P), Rodney Jones(G on 1, 7), Quincy Phillips(Ds), Merissa Walker(Vo on 6, 8) Brandee Younger(Harp on 10) - 1. Gettin' To It 2. Thermo 3. Youthful Bliss 4. I Thought About You 5. Sahara 6. Upside Town 7. Full House 8. Mr. Bojangles 9. Used 'Ta Could 10. In The Wee Small Hours Of The Morning 11. Optimism

(17/10/04)クリスチャン・マクブライド作が1、3、9曲目、スティーヴ・デイヴィス作が11曲目、フレディ・ハバード作が2曲目、マッコイ・タイナー作が5曲目、ウェス・モンゴメリー作が7曲目で、他はスタンダードその他。編成といい、アレンジといい、変則的なものがもてはやされる中、スタイルなど正攻法で攻めています。それがなかなか豪快で、気分のいい演奏となっています。各管楽器のソロも、曲によってはブロウしての、男っぽいビッグバンドです。それでもきっちりとアレンジをきめている部分も目立ちます。バラードではゆったりと安心して聴けるし。マクブライド自身がベースなので、元気な曲では押しまくるタイプですが、10曲目はベースのアルコがテーマでバンドがバックにまわります。バラードも含め、69分お腹いっぱい。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam10月のお宝盤

2017年10月01日 | 音楽
Bonsoir, Catin / L'aurore
CD 2017 USA Independent

美魔女ばかり5人のケイジャン・バンドとして2006年に当店が初めて導入した頃はまだルイジアナ音楽を中心に注目作を毎月お届けしている、当店の倶楽部会員の方くらいにしか認知されていなかったバンドですが、本作では普通に音楽雑誌の誌面を飾るレビューの対象になっていました。
メンバーも何時しか男性一人が増え計6人に増え、音的もかなり分厚くなってきています。
私の場合ケイジャン音楽の何が好きって、底抜けに陽気で脳天気な音が文句なしハッピーな気分にしてくれるからですが、このアルバムでもその点文句なし。
全体がとても柔らかくかつゴージャスでまさに心うきうきワクワクの瞬間です。
限定数しか入手出来なかったので本倶楽部限定ですが気持ちとしてはすべての会員様に聴いて欲しいくらいです。
内容的にも当店の年間ベスト10というかベスト5間違いありません。
どうぞお届け月をお楽しみに♪

appleJam(bb白岩)

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