CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

appleJam 12月のお宝盤

2016年12月01日 | 音楽
1999年ロンドン、フィルの勇姿を見事にキャッチした超濃厚ライヴDVD
Phil Guy My / Blues Baby
2016 輸入盤DVD JSP-5810

このところシリーズ連作でご好評を頂いている英BBS所蔵で同じく英JSP制作監修によるブルース・アーカイブDVDの今回はフィル・ガイ編。
1994年にポール・リード(当DVDシリーズのプロデューサー)が発見したとされるこれらBBSブルース・アーカイブには主に単身で渡英した名だたる米国のブルースマンを現地ロンドンのブルース・バンドやセッションマンがサポートしたステージライヴが多く、そのクオリティはすこぶる高いのが特徴です。
本作は1999年収録の映像なので収録もポール・リード氏の手によるものかと思う反面、録音の音質がちょっぴり不満が残る感じなので限られた機材で収録した夜だったのかも知れません。
一方、カメラワークはいつも通りローアングルからのマルチ接写も多く、ステージの上で好き放題密着撮影した感の迫力が大。
御大フィルのノリも申し分なく記録映像としても大変貴重な内容となっています。
巻末の30分にも及ぶインタビューも含めて総収録時間102分超の大作、画面サイズが4:3なのですが特に下部に字幕が出ることもないのでモニター側で画面ズームが可能ならアスペクト比16:9の拡大画面にするとさらにど迫力。
フィルのカバーでは初めて聴く#8.the Things I Used to Do を歌う姿に圧倒されます。
続く#9.Steppin' In も兄バディ・ガイとはひと味もふた味も異なるテイストで実にオーソドックスな中漂う地味派手な気炎が如何にも彼らしい瞬間。

bb白岩(appleJam)

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11月のおススメ盤(工藤)

2016年11月15日 | 音楽
チャーリー・ヘイデンの最後のリーダー作にあたるけれども、2曲(1、5曲目)のライヴ収録だけで、その後彼は体調を崩し、録音できなくなっていたそうです。彼が亡くなったあとに、2-4曲目を収録して、その時のベーシストはスティーヴ・スワロウ。このメンバーだとそうなるな、と思いますが、不思議と一体感というか、流れのある、しかも悲しみを感じさせるような演奏になっています。ベーシストの応援(?)としては大正解。ヘイデンの独特なベースを聴けなくなったのは残念ですけど、こうして新譜も出たことで良かったな、と思います。私がホームページをはじめた’97年は、亡くなっていたのはビル・エヴァンス(P)だけだったのに、トニー・ウィリアムス、マイケル・ブレッカー、ポール・モチアン、ポール・ブレイ他、亡くなられた方が増えてきました。


Time/Life/Charlie Haden(B on 1, 5) Liberation Music Orchestra(Impulse)(輸入盤) - Recorded August 15, 2011(1, 5) and January 14-15, 2015(2-4). Carla Bley(P, Arr, Cond), Steve Swallow(B on 2-4), Tony Malaby(Ts), Chris Cheek(Ts), LOren Stillman(As), Michael Rodriguez(Tp), Seneca Black(Tp), Curtis Fowlkes(Tp), Vincent Chancey(French Horn), Joseph Daley(Tuba), Steve Cardenas(G), Matt Wilson(Ds), Karen Mantler(Copyist) - 1. Blue In Green 2. Time/Life 3. Silent Spring 4. Utvoklingssang 5. Song For The Whales

(16/11/03)チャーリー・ヘイデンの(’11年ライヴ)の録音の1、5曲目と、ベースがスティーヴ・スワロウでの’15年の(2-4曲目)のリベレーション・ミュージック・オーケストラ。ヘイデン作は5曲目、マイルス・デイヴィス作の1曲目、カーラ・ブレイ作の2-4曲目。1曲目では、あの懐かしいヘイデンのねばちっこい感じのベースフレーズを堪能できます。このオーケストラ独特のサウンドは、’15年に録音した曲でも感じます。スワロウのベースも違和感なく、ヘイデンに合わせたような弾き方で、溶け込んでいます。2曲目もスローでじっくりと聴かせる14分台のタイトル曲。荘厳でゆっくり進み8分の6拍子で盛り上がる3曲目、静かで湿り気を含んだメロディが出てくる4曲目、自由に流れていく思いテーマの5曲目と最後に彼の話。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam11月のお宝盤

2016年11月01日 | 音楽
高音質5.1ch + タッチ(粒子)の粗い大迫力・超濃厚欧州産ギター・ブルースの極上ライヴDVD!
B.B. & The Blues Shacks / Live at Vier Linden (DVD)
2006 German CrossCut CVD-5001

2000年頃から当店が独自に導入してきたヨーロッパ産ブルースのファンの方々に特に評価の高いスウェーデン・ブルースと並び、ドイツのブルースバンドも熱心なファンが少なからず定着しています。
そんなドイツ産ブルースの中から、2016年後半に当店のBluesClub Customコースの一部の会員様に今はもう入手不可になっている彼らのアナログ盤をお届けしたところ熱狂的な反響が返ってきました。
そこで当店では改めてPAL方式のDVDしかない本作に再びの注目をした次第です。
日本製の通常のDVDプレイヤーでは再生出来ないことが多いPAL方式のDVD(ヨーロッパ全域とオーストラリアで普及している方式)のため2006年の取り扱い時以降、一部の熱狂的なファンの方のご購入後はずっと倉庫の棚を温めてきた感のある作品です。
でもそんなPAL方式のDVDも何故かパソコンのDVDドライヴだと普通に再生出来る場合がほとんどなのと、例外的にPAL対応でNTFS/PAL自動切り替えの特殊なDVDプレイヤーが実売価格2~3千円台でネットで簡単に購入出来ることから、今般BluesClub会員様を対象に限定蔵出し選盤することにしました。
既に世界的に完売の品ながら欧州産ブルース特有のカマンベール(チーズ)テイストの濃厚さ溢れた絶品ライヴステージをキャッチ。
一切の派手なアクションがないにも関わらず、何故か見た目にド迫力のインパクトを感じるのが特徴です。
それは実は心憎いまでのカメラワークによる画面がもたらす迫力であることをご覧になれば直ぐに気がつかれるはず。
ブロウするハープ奏者を低いアングルからアップで捉えているとき、耳には低重心のスワンピーなブルースサウンドが押し寄せるという展開。
しばしば重低音部分で室内の床が共振するウッドベースにも要注目、5.1chで再生可能な方は是非ともスーパーウーファーの本領発揮状態でご堪能下さい。
画面で見ても判るベースの存在感の大きさと相まってそれは二倍、三倍の効果を生むはず。
この時期のブルース映像にはまだ希だったワイドスクリーンであることに加えてまるで劇場映画を観る感じのやや粒子の粗いスクリーンも恐らくは確信犯の演出効果かと思います。
特に欧州ブルースのファンでなくともこれは何としても大画面映像で体感したい、ド迫力高音質のブルースのライヴ盤DVDなのです。
当時書いた私のコメントの一部を抜粋しますと、~~ 特にギタリストAndreas Arlt の質実剛健なプレイス・タイルはカルトなギターファンにも確実に訴求、 こういうのに出くわすとコメントを書く手も興奮でうわずってしまいます。
懐かしの50年代はもとよりB.B.Kingやジョニー・ギター・ワトソンにその後のファビュラス・サンダーバーズから最近のジミー・ヴォーンまでの時系列を一気に旅した気分。
ブルースギターを知り尽くしているからこそ出来る芸当だよな~とつくづく感じます。~~
以上の気持ちは今も不変です。

bb白岩(appleJam)

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10月のおススメ盤(工藤)

2016年10月15日 | 音楽
ジョン・スコフィールドの新譜を聴きました。カントリーの曲にトライしていて、メンバーも申し分なし。ジョン・スコのマイペースぶりも見事ですけど、カントリー風に演奏したものもあれば、よりジャズ的に演奏したものもあって、変化に富んでいます。値段も手ごろだし、聴いてみる価値はあると思います。それにしても、どこを切ってもジョン・スコ節なのは、聴いていて楽しくなってしまいますね。素材の料理の仕方もあるけど、主役はあくまでもジョン・スコだと思います。彼は今までいろいろなジャンルの演奏をしてきましたけど、カントリーも全然違和感がないどころか、彼のペースになっているところがスゴいですね。


Country For Old Men/John Scofield(G, Ukulele)(Impulse)(輸入盤) - Recorded April 3 and 4, 2016. Larry Goldings(P, Org), Steve Swallow(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Mr Fool 2. I'm So Lonesome I Could Cry 3. Bartender's Blues 4. Wildwood Flower 5. Wayfaring Stranger 6. Mama Tried 7. Jolene 8. Faded Love 9. Just A Girl I Used To Know 10. Red River Valley 11. You're Still The One 12. I'm Ans Old Cowhand

(16/10/04)ジョン・スコフィールドがカントリーを演奏したアルバム。自作曲はなく、トラディショナルやカントリーの名曲が並んでいます。ギターのアプローチも、主に彼のマイペースながら時にカントリーとかフォークタッチで、素朴な良さを感じることがあります(1曲目など)。とは言うものの、ハンク・ウィリアム作の2曲目は、ジャズの4ビート基調でやはりインプロヴィゼーションにもハードさを感じることができますが。個人的にはこちらの方がうれしいかも。曲も変化に富んでいて、スローな曲もあり、アップテンポや4ビートの曲もあり、どちらにしても、ジョン・スコもメンバーも、いい味を出しています。こういうのをジョン・スコ節全開と言います。この枯れた感じは誰にもまねできないですね。なかなか渋い。7、10曲目はおなじみの曲。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam10月のお宝盤

2016年10月01日 | 音楽
Joanne Shaw Taylor Wild ~ Deluxe Edition
2016 輸入盤国内仕様 BSMF-2525

デビュー作を彷彿とする強烈なテレキャス・サウンドが随所で炸裂する会心の作。
このジョアン・ショウ・テイラーもまた今や押しも押されぬ英国屈指のブルース・ウーマン・ギタリストの一人となりました。
何時からかレスポールも交互に愛用するようですがテレキャスターを弾いているときの方が生き生きとしているように感じるのは気のせいではないと思います。
本作でもはじけるようなリフで聞かせるブルース、#6.Wanna Be My Loverに真骨頂を見る瞬間。
1968~69年のビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー時代のジャニス・ジョプリンをカバーした#11.Summer Timeは思わずほろっとする瞬間。
バックにグラスの砕ける音、それをほうきで掃く音が自然と脳裏に蘇ります。
当時高校に上がったばかりの私はまだレスポールにハマる前、ELK(国産)の安いSGを愛用していた頃で、ジャニスのこの曲を飽きるほどコピーした記憶があります。
古い写真、肩まで垂れる長髪でジミー・ペイジを気取っていた頃のショットは多分19才くらいの頃、とにかく当時は次々新しく発売されるorデビューしてくる英米のロック・アーティストにもろに夢中になっていた時期でした。
ジョアンにすればそれらは親世代の音楽になる訳ですが 8才でギターを弾き始めた背景には恐らくご両親の音楽の好みが色濃く反映したのではと想像します。
録音はナッシュビル、超一流のプロデューサーが付いた作品で全編がまさにプロの仕事です。

bb白岩(appleJam)

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9月のおススメ盤(工藤)

2016年09月15日 | 音楽
3月には発売されていたアルバムなんですが、見逃していました。知り合いから、これいいよ、と言われて、ブログ仲間も何人かこのアルバムを取り上げているので、7月に注文した次第。組み合わせの関係で、届くまで時間がかかってしまったうえに、聴くまでまた時間がかかってしまいました。やっぱりヴォーカルアルバムでありながら、メンバーから予想した通り、現代ジャズにもなっていますねえ。むしろこういうヴォーカルアルバムって好きな方なので、ちょっと遅れたけれども、出会えて感謝です。オーソドックスなヴォーカルが好きな方からすると、好き嫌いは出てくるのかもしれませんけれども。10曲目はしっとりと、奇をてらうことなく、歌い上げています。


Traces/Camila Meza(Voice, G)(Sunnyside)(輸入盤) - Recorded January 25 and 26, 2015. Shai Maestro(P, Key, etc.), Matt Penman(B), Kendrick Scott(Ds), Bashiri Johnson(Per), Jody Redhage(Cello pn 2, 4, 8), Sachai Vasandani(Voice on 2) - 1. Para Volar 2. Away 3. Traces 4. Amazon Farewell 5. Mar Elastico 6. Lunchin 7. Greenfinch And Linnet Bird 8. Mangata 9. Merald 10. Little Person

(16/09/11)4、7、10曲目以外はCamila Mezaの作曲。浮遊感があって、変拍子割合もある程度あって、ヴォーカルもギターもカッコいい。特にギターはジャズギタリスト的にうまい。聴きやすいながら、これはもう現代ジャズとしてのヴォーカルアルバムの範疇になるのでは、と思います。参加メンバーからしても豪華だし、サウンドからしても現代ジャズだし。ヴォーカル曲ではあるけれど、器楽的な旋律でのメロディという部分もあって、そこに少し素朴な味わいがあるのは彼女がチリ出身だからか。今っぽい部分と素朴な部分の加減が絶妙。プロデュースは本人とマット・ペンマン。繊細なところもあれば、割と雄大な感じのするところもあって、なかなか変化に富んでいます。時代はこういうヴォーカルを求めているのかも。なかなか。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam9月のお宝盤

2016年09月01日 | 音楽
祝80才のアニバーサリー作品、古典スタイルを貫くブルースピアノの生々しさに改めて心臓がバクバクします
Erwin Helfer / Last Call
2016 USA The Sirens Records SR-5024

シカゴの、というか全米スケールでもこれが唯一のブルースピアノの専門レーベル、サイレン(Sirens)レコードの新作です。
共演作も含めると同社リリースのアーウィン・ヘルファー作品は今回で通算五作目に当たりますが、日本で言えば傘寿(80才)に当たる彼のアニバーサリー・アルバムとなりました。
基本的にはピアノ・ソロ・アルバムなのですが、前作同様合間合間にゲストが加わるので全体の印象は今回も結構分厚いのが特徴です。
独特のセンスだなぁと感じたのが大スタンダード#4.St.James Bluesでのアレンジで、歌は終始一貫したペースで歌われるそのバックでピアノが自由な呼吸で踊る感じに展開。
一方サックスは終始ゆったりとしたオブリやソロを展開する。
そんな瞬間がとても新鮮に響くので、類型のブルースピアノものとは印象面でもはっきりと一線を画した仕上がりです。
さらには曲自体私の大好な#3.St. James Infirmary も星の数ほどあるカバーの中で今回のアーウィンの演奏ほどナチュラルな起伏を感じる演奏は他にありません。
特にカウント1分47秒以降のクライマックス部分のソロは魂を根こそぎ持って行かれる感じで、2分40秒辺りのひらめきときたらこれはまさに天才のセンスが光る瞬間。
昔コンコルドというレーベルが好んだ手法で、リズム隊を抜いてピアノとサックスだけのデュオとか、ピアノとヴォーカルだけのデュオといったシンプルなスタイルでのジャズを彷彿とする作りです。
録音が抜群に良いこともあって改めて21世紀の技術で聴くピアノブルースはその超リアルさに腹の底から感動と魂の真の燃焼を感じます。

bb白岩(appleJam)

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8月のおススメ盤(工藤)

2016年08月15日 | 音楽
フレッド・ハーシュの旧譜で、今年にSunnysideから再発されたもののようです。このアルバムを探している方は、まだ間に合うかも。このアルバムは’86年の録音なんですよね。チャーリー・ヘイデンの参加があったので、買ってみました。ただ、一度注文するも、その時はなかなか入荷せずに、いったん断念してキャンセルしました。今回、注文するときにもう1枚必要だったため、これを探したらズバリ在庫有りだったので、今回はすんなり入ってくれましたけど。ドラムスにジョーイ・バロンというのも購入動機としては大きかったです。なかなかいいメンバーですよね。アルバムもなかなかでした。


Sarabande/Fred Hersch(P)(Sunnyside)(輸入盤) - Recorded December 4 and 5, 1986. Charlie Haden(B), Joey Baron(Ds) - 1. I Have Dreamed 2. Enfant 3. The Peacocks 4. What Is This Thing Called Love? 5. Sarabande 6. This Heart Of Mine 7. Child's Song 8. Blue In Green 9. Cadences

(16/07/31)フレッド・ハーシュ作は3曲(5、7、9曲目)で、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。チャーリー・ヘイデンがベースで加わっていて、割と繊細でスマートなハーシュのピアノに、訥々とした感じでベースを弾いているのが印象に残ります。スタンダード関係は予想した通り、過度な装飾を加えないで、それぞれのやり取りの中で、時に淡々と、時に流れるように曲が進んでいくので心地良いです。ヘイデンの個性がうまく生きています。4、6曲目のように豪快なアップテンポや、ややアップテンポの4ビートもいい感じ。淡いサウンドのバラードで、繊細に音が紡ぎだされていくタイトル曲の5曲目、陽が差し込むような明るい流れるような8ビートの7曲目、明るくメカニカルなメロディとリズムをテーマに持つ、フリー的な9曲目。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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appleJam 8月のお宝盤

2016年08月01日 | 音楽
テンポ良く小気味よく進行する曲と、いなたく木訥と進行する曲と、なんとも言えない素朴な魅力で一杯
Stephen Brown and the Bastion Band featuring Eugene Dowling
輸入盤 Independent

ホーン隊の三管部分がチューバ、トランペット、トローンボンという編成であることに気がついた瞬間、私は昔あるお客様から伺った話を不意に思い出しました。
その方曰く~~本来純粋なブラスバンドの概念は打楽器以外はマウスピースに自分の唇を押し当て唇を震わせることで音を出す管楽器だけで編成したバンドこそがブラスバンドという名前にふさわしい ~~ というお話でした。
その意味ではクラリネットやサックスのようなリード楽器はギターやキーボート類と同じくらいブラスバンドにはふさわしくないというご意見。
その伝で行くと本作でリーダーを務めるのはピアノ奏者でシンガーのステファン・ブラウンだし、他にもレゾ弾き(Rezonator Guitar)も居るしで、その方に言わせればこれをブラスバンドとしてご紹介すると失笑を買ってしまうのかも知れません。
一方で 21世紀の今どきは現地ニューオリンズのアーティスト達でさえ、もしかしたらそのような概念は既に放念している時代なのかもなど思ったりします。
そんなことはともかくもルシール・ボーガンのブルース・トラッド #8.Sweet Black Angel を木訥と弾きそして歌うステファンのピアノの語り口とそのバックでこれもまた実にいなたいチューバを吹くユージンの「語り口」に包まれるとき、このヘタウマなニュアンスは一朝一夕では出せない味わいであることしみじみ感じます。
こういうバンドが街のコーナーコーナーにゴロゴロ居て欲しい街がニューオリンズという街。
じっとりと粘つく重ったるい空気とそれでいてそれがとても心地よく感じるニューオリンズ特有の空気感は他の南部の街とも違ってやはり特別な感じがしたのを覚えています。
あるとき新宿駅南口付近で遭遇した日本のニューオリンズ系ブラスバンドの雰囲気が全然違って聞こえたのも、多分にその空気感の違いによるものが大きかったかも知れません。
というか70年代前半頃の個人的な体験のせいで新宿駅周辺や付近の地下道ではいまだに反戦歌を歌うフォークシンガーの姿こそが似合う気がしているのかも知れませんが(笑)。
ともかく本作が放つ隙間だらけの木訥とした音がこの時代逆にとても自然に聞こえる気がします。
沢山は売れなくても確実に人の心に残る音。

bb白岩(appleJam)

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7月のおススメ盤(工藤)

2016年07月15日 | 音楽
5月発売予定だったのが、入手できたのが6月24日ごろ。そしてやっと今新譜3枚を聴き終えたところです。個人的にはデヴィッド・ギルモアが大好きなので、ギター・トリオのフロントとして演奏しているこのアルバムが今回一番興味がありました。ジャズメン・オリジナル集でもありますし。ギターはいつものファンクではなくて、かなりジャズ・ギターしてますが、それでもやはり彼は彼だし、そしてここの3人が3人ともそれなりにソロなどで露出しての演奏もなかなか良かったでした。こういうアルバムもなかなかないですしね。ジャケット写真がちょっと地味かな、とは思いますけど...。


Conversations At The Well/Boris Kozlov(B)(Criss Cross 1389)(輸入盤) - February 16, 2016. David Gilmore(G), Rudy Royston(Ds) - 1. Five 2. Conversation 3. Orbits 4. Semblance 5. Prelude To A Kiss 6. Eye Of The Hurricane 7. Latin Genetics 8. Headless Blues 9. Pannonica

(16/07/10)8曲目が3人共作(即興?)のブルースの他は、ジャズメン・オリジナルで固めています。ピアノレス・トリオで、ギターのデヴィッド・ギルモアの露出度がかなり高いので、興味深いところ。トリオのソロの配分もなかなか。1曲目から、ビル・エヴァンス作、チャールズ・ミンガス作、ウェイン・ショーター作、キース・ジャレット作、デューク・エリントン作、ハービー・ハンコック作、オーネット・コールマン作、1曲おいてセロニアス・モンク作。オーソドックスにはじまると思ったら、テンポというか、ビートチェンジが加わり面白い1曲目、その後もなかなか聴かせる展開になっています。3曲目はミステリアスだし、4曲目はスリリング。ベースのアルコのテーマが神秘的な5曲目。8曲目の即興のブルースも彼らの個性が出ていて興味深い。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

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