CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

2月のおススメ盤(工藤)

2019年02月14日 | 音楽
このアルバム、昨年の10月には出ていたんですが、グループ名(?)での表記のため、デイヴ・リーブマンとマーク・コープランドが参加しているのに気が付かなくて、お知り合いから教えてもらい、慌てて注文したものです。いつもはスタジオ録音が多いこのメンバー、ライヴでスタジオ録音では繊細なはずのコープランドも爆発していて、70分、割と一気に聴かせてくれました。リーブマンなら分かるけど、ライヴだとこういう発散するジャズ、演奏しているんですね。そういう意味でも聴いて良かったアルバムになりました。けっこうスタジオ録音とライヴ録音とキャラクターが違うというミュージシャン、多いですね。


Quartette Oblique(Sunnyside)(輸入盤) - Recorded June 3, 2017. Michael Stephans(Ds), David Liebman(Ts, Ss), Marc Copland(P), Drew Gress(B) - 1. Nardis 2. Vertigo 3. You The Night And The Music 4. In A Sentimental Mood 5. All Blues 6. Vesper 7. So What

(19/02/02)2曲目はジョン・アバークロンビー作、6曲目はDrew Gress作、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。ライヴの演奏ですが、デイヴ・リーブマンやマーク・コープランドを知っている人には割とおなじみの曲が並んでいます。ライヴのせいか1曲目からかなり元気のいい活発な4ビートの演奏になっていて、いつもは繊細なコープランドも、ここでは発散タイプのピアニストになっている部分も。2曲目はアバークロンビーのナイーヴな面を見せる曲で、盛り上がりはあるにしろ、このメンバーらしいと思います。スタンダードなどは派手ではないにしても割とアグレッシヴなアレンジが多いような気が。ライヴで音質が少し違いますが、やはりこういう感じの曲がいいと思います。なかなか渋い出だしのバラードの6曲目もいい。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam 2月のお宝盤

2019年02月01日 | 音楽
スー・パルマー
タイムマシンで一気に駆け抜けるグッド・オールド・アメリカン・ミュージック・ツアーという感じ、文句なし総ナイス!です♪
Sue Palmer / Gems Vol.1
2018 USA Independent CD


2005年盤導入時に数名のお客様とはいえ絶対的に凄い、面白かった!という熱い高評価を頂戴したスー・パルマーの久々の新作です。
今回、ピアノと歌はもちろん絶好調ですが、それに加えて作風のワイドな拡がりがまた凄い。
ジャグバンド風のいなたい曲からゴキゲン度MAXのビッグバンド風、1920年代のニューヨーク・ジャズ風からもろルイジアナ~ニューオリンズ・テイストのブルースにまたまた1920年代の古典ジャズブルースと。
とにかく古き良き時代のアメリカをタイムマシンで一気に駆け抜ける感じがたまりません。
全曲プロ集団の作品という実感が大で、2005年盤から相当のスケールアップをしています。
文句なし21世紀のベストアメリカン・ミュージック100選の1枚に入ること間違い無しの作品!!♪

bb白岩(appleJam)

1月のおススメ盤(工藤)

2019年01月15日 | 音楽
昨年12月に発売されていたのだけど、気が付いてなくて、お知り合いのブログにアップされていたので、慌てて注文したものです。そして届いたその日に聴いてみて、やはり木住野さんはメロディの人だな、と思った次第です。発売後しばらく経ってから購入した時期もあったのだけど、考えてみればデビュー作の頃からリーダー作の追っかけはしていたので、今回は早く購入してみました。かなりスマートだけど、盛り上がりの場面はけっこう迫力があります。そして曲によってはドラマチックな展開で、構成も考え抜かれているものが多い感じです。ゴリゴリはしないですけど、こういう方面が好きな方にはいいんじゃないでしょうか。


Nuage~ニュアージュ~/木住野佳子(P)(Universal) - Recoreded September 12 and 13, 2018. 竹中俊二(G)、早川哲也(B)、加藤樹麻(Ds)、岡部洋一(Per) - 1. Nuage 2. Kissing Piano 3. Azur 4. La Costa 5. New Cinema Paradise - Love Theme 6. Somewhere Before 7. Ocean 8. My Favorite Things 9. Dance With Dinosaur 10. Only Trust Your Heart 11. Akari

全11曲中8曲(1-4、6-7、9、11曲目)が木住野佳子作。他はスタンダードや映画音楽。聴きやすいサウンドでメロディアスなところは彼女らしい。解説にもメロディを重視していると書いてあり、やはりメロディを中心に聴くべきアルバムかと。4ビートは少なく、欧州的な流れのビートを感じますが、3曲目のようにギターとのデュオでボッサのオリジナルも。そして静かにはじまって、後半に行くにつれて盛り上がっていく曲が多くて、きれいなメロディとそのダイナミックな雰囲気、そして4曲目のようにドラマチックな進行の曲もあります。割と静かに演奏しているエンリオ・モリコーネの5曲目もメロディアス。そんな中で6曲目はジャジーな場面も。7、9曲目はラテン、8曲目はやや端正な感じ。ソロの11曲目が日本情緒を感じます。(18年12月12日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam 1月のお宝盤

2019年01月01日 | 音楽
マイルス型遺伝子を持つ現代ジャズシーン破格の超才能 ハイノートにも感電しまくりの絶品三部作!
Christian Scott the Centennial Trilogy 3CD
2018 輸入盤国内仕様BSMF

ニューオリンズの、マルディグラ・インディアンのビッグチーフを祖父に持つ家庭に生まれたクリスにトランペットを指導したのがこれまたクリスの叔父に当たるドナルド・ハリソンでした。
そういったサラブレッド的な背景抜きでも2003年盤のクリスを聴いたときの私は全身がハイヴォルテージなジャズ・エネルギーに感電しまくったことを記憶しています。
ポストマイルスとして日本でいち早くクリスに注目した当店が2003年当時 New Orleans Club会員を中心にお届けしたそのアルバム「S/T」は瞬く間に世界のジャズマニアを魅了。
今では文字通り世界的な鬼レアコレクションと化し、そのアルバムの存在を知っているだけでもジャズの神様と呼ばれるくらいの超貴重盤となりました。
07年には富士通コンコード・ジャズ・フェスで来日も果たし普通にジャズ雑誌で名前を見るくらい有名な存在となり今に至ります。
本作はジャズ誕生100周年を祝う彼の三部作「ルーラーレベル」「ディアスボラ」「ジ・エマンシペイション・プロクラスティネーション」をセットにした画期的な3枚組。
こちらもすぐに世界的に入手不可になりそうな予感、先端のジャズが大好物という方は迷わず今この瞬間にGETされることをお薦めします。
全編全曲が強烈に聴く者の心を揺さぶる破格の仕上がり。
間違いなく21世紀ジャズの歴史に残る優れた作品!♪♪♪

bb白岩(appleJam)

12月のおススメ盤(工藤)

2018年12月15日 | 音楽
今月1日に2時間も人前で演奏をやったのはアマチュアには体力的にも精神的にもけっこう負担でしたし、その後じわじわと仕事の繁忙期が来てます。昔は平気だったのだけど、やはり歳ですかねえ。今日のアルバム、まるでアルバムコメントになってません。ただ、個人的に11月までに聴いたアルバムということでベスト3を決めてますが、それを取っ払って12月までにしてしまえば、このアルバムが今年のベスト3に食い込んでいる可能性がだいぶ高いです。来年に持ち越しかな。まあ、とりあえずは聴いてみてくださいということで(現時点では日本盤しかないのがちょっと残念ですけど)。


トリロジー2/チック・コリア(P)・トリオ(Universal)
Trilogy 2/Chick Corea(P), Christian McBride(B), Brian Brade(Ds)(Universal) - Recorded October 3 and 11, December 3, 2010, November 16 and 23, 2012, June 21, 28 and 30 , July 7 and 26, 2016. - 1. How Deep Is The Ocean 2. 500 Miles High 3. Crepuscule With Nellie 4. Work 5. But Bueautiful 6. La Fiesta 7. Eidertown 8. All Blues 9. Pastime Paradise 10. Now He Sings, Now He Sobs 11. Serenity 12. Lotus Blossom

CD2枚組のライヴで、収録時期もいろいろ。このメンバーでのベストの演奏を集めたという感じ。チック・コリア作が2、6、10曲目に合って、その間をスタンダートやジャズメン・オリジナルがあるという内容。セロニアス・モンクの曲も3、4曲目にあります。スティーヴィー・ワンダーの曲も9曲目に。正攻法で行って、なおかつコリアのカチッとしたジャストな感覚はあるし、音もいいしで、2枚組なのにあっという間に聴いてしまった印象。やはりこのメンバーは最強なんじゃないかと思えるほどです。彼のラテンフレイバーを残しつつ、音も良いので、どの曲をどうかというよりも、あっという間に2枚組を聴いてしまったという印象。やはり一流のミュージシャンはこういうサウンドになるんだなという印象。非の打ちどころが見つからないです。(18年12月5日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam12月のお宝盤

2018年12月01日 | 音楽
のっけからゴキゲンに仰け反る絶品快調ブルースが連発、M.ZitoにT.EllisにA.Osborneも集った凄い盤!
Jimmy Carpenter Play the Blues
2018 USA Independent

いつからかマイク・ジトバンドのレギュラーメンバーになった気がするジミーの、今回はとことん直球でブルースをプレイしたアルバム。
今回のパッケージ写真(裏面)は、ぱっと見デクスター・ゴードンを思わせるごついタッチで、そのデックスが渋いアーバン・カウボーイに変身したかのような風貌も印象的です。
盟友のマイクジトがプロデュースしただけあってまさにいかにもの仕上がりが総ナイス。
当店のCD頒布会「Blues Club」のお客様なら冒頭の一発目から仰け反ること間違いなし♪
文句なしのお薦め盤!!

収録曲
You Belong to Me
Too Late
Jimmy Plays the Blues
Kid in My Head
Blues With a Feeling
Surf Monkay
Change is Gonna Come
Preach
All Your Love (I Miss Lovin’)
Shotgun

バンドメンバー
Jimmy Carpenter sax, vocals
Mike Zito guitar, vocals
Matthew Johnson drums
Bob Bridges bass
Marc Adams piano, organ

参加ゲスト
Tony Diteodoro, Lewis Stephens, Dave Keyes, John Del Toro Richardson, Tinsley Ellis, Anders Osborne


bb白岩(appleJam)

11月のおススメ盤(工藤)

2018年11月15日 | 音楽
このアルバムも、発売しばらく経ってから入手。輸入盤のつもりで買ったら、輸入盤国内仕様になってました。MQA-CDという通常のCDでもかけられる仕様のハイレゾCD(ハイレゾの部分を再生するのは、専用の機器が必要)でした。私は中学生の時「ボブ・ジェームス2」を聴いて、それがその後の音楽を聴く運命を左右したほどに、やはりそのアルバムも人生の何枚かに入っているのですが、今回のアルバムもやっぱり彼らしいなあ、と思います。ただ、純ジャズファンからしたら、オーバーダブやシンセサイザーの多用もあって、どうかなあ、と思う面もあります。なのでジャンルも、ジャズとフュージョンの両方のカテゴリーに入れることにしました。


Espresso/Bob James(P, Key, Synth) Trio(Evolution)(輸入盤) - Released 2018. Billy Kilson(Ds), Michael Palazzolo(B), Luisito Quintero(Per Overdub), Angela Scates(Oboe on 4), Hugh Char(Ds Prog on 1), Dayne Stewart(Add Key on 6, 11), Mark Falebook(Add Key on 6, 11) - 1. Bulgogi 2. Shadow Dance 3. Ain't Misbehavin' 4. One Afternoon 5. Mister Magic 6. Topside 7. Il Boccalone 8. Mojito Ride 9. Promenade 10. Boss Lady 11. Submarine

(18/11/04)他人の曲は3曲目(ファッツ・ウォーラーらの作曲)と5曲目で、他は全てボブ・ジェームスの作曲ないし共作。他に演奏者が加わったり、シンセなどをオーバー・ダブしている部分もあって純粋にトリオではないアルバムだけれど、彼も80歳になろうとしていてこういう演奏が聴けるのはいいことです。特に11曲目は過去作「ノーチラス」を今に再現した曲として、興味をひく部分。ロックノリで割と淡々とソロを弾いていきますが、インパクトは大きめ。1、8曲目のように複雑そうな曲もあったり、メロディ重視の曲、フュージョン的なノリなどの決め事の多い曲が大半だけど、トリオ・ジャズとして気軽にノレる部分も少しあります。そういう意味では高度かも。ジャズの曲というよりは、やはりボブ・ジェームスの演奏という感じが強い。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam 11月のお宝盤

2018年11月01日 | 音楽
普段ジャズやジャズヴォーカルを聴かない人でも愛聴盤になりそうなトーマスの魅力がしみ出す作品
Thomas Brewer Holy Moly CD
2018 USA Independent CD

「枯葉」~ Autumn Leaves の軽妙なジャズヴォーカルからやはり同様に数多カバー・チューンがあるニューオリンズ・ミュージックの名曲"With you in Mind"まで、トーマスの羽毛のような触感の歌が心地よい作品。
普段ギターやピアノやサックスといった楽器の音をメインに聴くことが多い私にも、これはしばし緊張を緩和してくれるまさに憩いのひとときみたいなサウンドです。
どんなに時代が進んでも往年の名曲が人々の心を優しく包むことの証でもあり、アルバムタイトルのホーリーモーリーが、直訳すると「なんてこったとか、えらいこっちゃ」といったネガティヴな意味の言葉の割に、作品の内容はいたってジェントリーなヴォーカル作品です。
この手のゆるいジャズヴォーカルを生活のBGMにするという習慣は、私の場合20代の東京暮らしの頃に多かったような気が。
50~60年代のモダンジャズと平行して特に70年代後半~80年代前半にかけての新興ジャズレーベルの音をよく聴いていた時代で、時には新宿ピットインで生のジャズを聴いたり、日常的にもジャズ喫茶によく通っていました。
今の時代はそんなライフスタイルの20代の人がもしかしたらかなり少なくなっている気がしますが、かつてのジャズスタンダードに心癒やされる人がこれからも絶えることがないことを願っている次第です。

bb白岩(appleJam)

10月のおススメ盤(工藤)

2018年10月15日 | 音楽
ジョン・スコフィールドの新譜。ちょっと後回しになってしまったのは、彼はマイペースの人なので、アルバムコメントをどう書いたらいいのか分からない、ということもあり、結局書いたら少しグダグダになってしまいました。でも、それがアルバムの内容を表しているような気がして、まあ、いいか、と思っています。ジョン・スコは何を演奏してもジョン・スコだ、といういい例のアルバムでしょうね。ビート感も8ビートなんだか4ビートなんだか分からないような曲も何曲かあって、そこを行ったり来たりしている自由さが、やっぱり彼の演奏だなあ、と思わせるところもいいですねえ。最近の彼の演奏を知らない人には、どんな感じかはそれこそ聴いてみないと分からないかも。


Combo 66/John Scofield(G)(Verve)(輸入盤) - Recorded April 9 and 10, 2018. Gerald Clayton(P, Org), Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Can't Dance 2. Combo Theme 3. Icons At The Fair 4. Willa Jean 5. Uncle Suthern 6. Dang Swing 7. New Walzto 8. I'm Sleeping In 9. King Of Belgium

(18/10/12)全曲ジョン・スコフィールドの作曲。メンバーがいいし、渋い味わいがあります。8ビートと4ビートを行ったり来たりする曲が多めなのも特徴か。キメのある8ビートの、ジャズというよりいなたいロックを聴いている感じで途中が4ビート的にもなる1曲目、これがテーマ曲でしょうけど、この野暮ったさがまたいい2曲目、ちょっとアップテンポで渋く4ビートでせまる3曲目、ワルツというか6拍子というか、という感じの4曲目、3拍子のおっとりとしたサウンドが懐かしいような5曲目、アップテンポの4ビートでウネウネとスウィングして見せる6曲目、これもロック的な6拍子に聴こえる、ノリの良い7曲目、マイペースながらしっとりとしたバラードを奏であげていく8曲目、4ビートなのか8ビートなのか相変わらず彼流の演奏の9曲目。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam 10月のお宝盤

2018年10月01日 | 音楽
ベルトが緩んでしまいそうなくらいにゆる~いbutダンディなブルースヴォーカル
James Winfield / Lonely, Lonely Nights
2018(2007)輸入盤CD USA Independent

最近になって新装ジャケットで再発されたと思われる(詳細データ不明のためそれ以上は??ですが)ニューオリンズのレア・ブルース盤。
軽量級かつゆるゆるのファンクブルースで、テイスト的にはルイジアナ~ニューオリンズ・ブルースの全盛期を彷彿とする音。
根っこからもろハッピーなテイストが噴出しているのが特徴で、私自身80年代にこの手の音にかぶれまくりついに1990年にニューオリンズに旅した頃の空気がムンムンしています。
そのときに生で見た上にワンコーラス、デュエットまで出来たジョニー・アダムスのサングラス姿を懐かしく思い出しつつ、こちらのジェームスはゆるゆるの歌がまたツボにハマる次第。
ことファンクブルースに関しては1980年代に構築されたスタイルからあとは特に進化も変化もなくずっとその時代の音が今も根付いている気がします。
というか新しいスタイルで登場する新人がほぼゼロという悲しい現実もありますが。
そんかことはともかく本作は全ブルースファンに文句なしのお薦め盤です。

bb白岩(appleJam)