私の場合、アメリカのミュージシャンでもヨーロッパで録音しているアルバム(EnjaやCriss Crossレーベルなど)を聴くことが多いのですが、このアルバムを聴いて、うーん、やっぱりアメリカンテイストだな、と思いました。私が普段聴いていないタイプのジャズです。最近のジャズは、変な言い方をすると演奏でも作曲でも頭でっかちになってしまうので、もっとそこから自由になって気楽に聴けるこのアルバムを、つい何回も聴いてしまいます。それにしても、メンバーもスゴいですね。
City Nights/Frank Morgan(As)(High Note) - Recorded November 28-30, 2003. George Cables(P), Curtis Lundy(B), Billy Hart(Ds) - 1. Georgie On My Mind 2. Cherokee 3. Summertime 4. All Blues 5. I Mean You 6. Round Midnight 7. Equinox 8. Impressions
これぞアメリカン・ジャズといった雰囲気で全編進んでいます。オリジナルがなくて、スタンダードやジャズメン・オリジナルが中心なのもミソ。サックスはおおらかに歌っていて、現代的な頭で聴く部分がないのも、モーガンが’33年生まれで、’80年代に30年ぶりにカムバックしたという点で、納得。知っている歌を自由にアドリブフレーズが流れてくる雰囲気で、どの曲もけっこう楽しめます。それを肉体的でもあるけれども、知性も感じられるジョージ・ケイブルスのピアノでサポートしています。気を楽にして、クァルテットならではの露出度の高い、流れてくるアルトサックスに身をまかせてみるのもいいかも。
ジャズCDの個人ページ 工藤