CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

3月のおススメ盤(工藤)

2013年03月19日 | 音楽
新譜が少したまっているので、発売日の順番に聴いていこうかな、と思ったのですが、ゲイリー・ウィリスのこのアルバムだけは早く聴きたくて、とりあえず先に聴いてみました。やっぱりキーボード、ベース、ドラムスという編成だと、ベースがメロディを奏でるリード・ベースという役割が多くなるのですが、彼だと嫌味がなくて自然に聴けるところがあります。そして、曲によってボトムを受け持つところは、小刻みなスレーズを多用しつつもグル―ヴ感を保っていて、かなり存在感はありますし。まあ、ベース奏者のリーダー作なんで当たり前ですけれども彼のフレットレスベースが非常に目立って、エレキ・ベース好きの私には、かなり好感触なアルバムとなりました。


Retro/Gary Willis(B)(Abstract Logix)(輸入盤) - Recorded December 2012. Gergo Borlai(Ds), Albert Bover(Key) - 1. Change Agent 2. Amaryllis 3. Disconnectivity 4. Norwegian Wood 5. Old School 6. Dream 7. Move 8. Tarde 9. We Will Meet Again 10. For All We Know

(13/03/16)1、3、5-7曲目がゲイリー・ウィルス作で、オレゴン作(2曲目)、ビートルズ(4曲目)、ミルトン・ナシメント(8曲目)、ビル・エヴァンス(9曲目)、スタンダード(10曲目)と、選曲が多彩。既成の曲の混ざり具合がいい。リード・ベースかと思うとアップテンポの4ビート攻めてくる1曲目から、他の曲もベースがメロディを奏でている場面が多く出てきます。フレットレス・ベースなので、なかなか印象的なサウンドで、彼ならメロディを弾いても違和感のない感じです。それでいて、3曲目のようにハードコア・フュージョンのボトムを支えるような小刻みなフレーズも、それにのっとったソロも見事。硬軟緩急とり混ぜての曲の構成は、こういうトリオの編成で聴いても飽きないです。7曲目はアップテンポの4ビートジャズで、これもカッコいい。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam3月のお宝盤

2013年03月01日 | 音楽
Tommy Sancton & Lars Edegran / Hymns & Spirituals
輸入盤 2013 USA New Orleans Legacy Records

ラーズ・エデグランという、スウェーデン出身でニューオリンズ在住のピアニストが好きでかねてより彼の絡んだ作品は出来る限り取り扱うようにしています。ここでエデグランと共演しているクラリネット奏者のトミー・サンクトンのことは実はよく判っていないのですが、その演奏は実に癒やし成分が充満したとても優しいタッチの音色が特色です。本作はニューオーリンズのTrinity Episcopal Church(教会)でライヴ収録された1枚で、ほとんどが賛美歌や(神の)祝福をテーマにした楽曲が多く、幕開けの#1.What a Friend We Have in Jesus から既に聴く者を優しくそっと包み込んでくれる展開です。スウェーデンを始め北欧からのニューオリンズへの移住組はアンダース・オズボーン他有名処も沢山居て、恐らくはそんな中での彼は長老的存在なのかななんて感じています。音楽がその人の人生を大きく左右する、まさに人の生き方とセットになるエンターテインメントはそのことだけでも芸術の領域にあることを実感します。#13.At the Crossは、たまたまネットで賛美歌の曲名検索をしていたとき、希望の讃美歌291番「At the Cross」をオルガンをバックに子供達のコーラスで歌っているのを鑑賞したせいか、そのハッピーさは二乗倍に感じました。この作品全曲心の底から至福感がこみあげてくるのが凄いです。

bb白岩(appleJam)