CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

2月のオススメ盤(工藤)

2004年01月30日 | 音楽

実は昨年の10月に出たCDで、少々買うのが遅れてしまったのですが、聴きやすさでヘビー・ローテーションになっているのが下記のCDです。
ジョン・トロペイというと、フュージョン系のセッション・ギタリストというイメージが強いですが、ここではけっこうジャズしています。ただ、スティーヴ・ガッドにアンソニー・ジャクソンという取り合わせなので、オーソドックスなジャズを目指しつつも純ジャズではないところが、また面白いと思います。



スタンダード・インフルエンス/ジョン・トロペイ(G)(Videoarts)



スティーヴ・ガッド(Ds)、アンソニー・ジャクソン(B)、ルー・マリーニ(Ts)、クリス・パルメロ(Org、Key)、ニッキ・パロット(B)。売れっ子のセッション(フュージョン)・ギタリストがジャズに挑戦したアルバム、というよりも、もともとジャズ出身の力加減と渋さを持っていて、ずっとこういう演奏をやってきたかのような味わいがあります。彼のオリジナルは2曲のみで、あとはジャズメン・オリジナルとスタンダード。メンバーがベテランで強力かつ個性的なので、オーソドックスではないけれど、カッコ良いサウンドで、かつ幅広い演奏。3曲目のように、3人だけで演奏している曲もけっこう良いです。ウェス・モンゴメリーの曲も2曲演奏していて、オクターヴ奏法もやっていて、大きい影響があるのかな、と思わせます。うーん、この人のオリジナルは抑制が効いていて渋い、やっぱり。6曲目のブルースや、7-8、10曲目のバラードのメロディもなかなかのもの。(10月29日発売)



ジャズCDの個人ページ 工藤




appleJam 1月の面白盤

2004年01月20日 | 音楽

年明け早々に実施したフロアの防火対策工事で
予想以上に業務に遅延が生じてしまいました。
元旦を含めて休めたのもまだ2日だけという
何とも「働け!」モードの新年となてしまいました(笑)。



そんな訳で面白盤のご紹介もやや出遅れてしまいましたけど
その分強烈に面白いのを掲載することが出来ました。
満を持しての1月の面白盤、一言で言うと
New Orleansのジャズ~ファンク・シーンは
ジャムバンドを超えたジャムバンドによる
新たな展開の幕開けを予感させます。



曲そのものが生命体で出来てるような感触、思わず興奮します
Johnny Sketch and the Dirty Notes / Bandicoot



とにかく勢いのあるバンドで、そのうねりはそれぞれの曲に
活かされているアイデアと気持ちよく癒合していて、まさに
これが進行形のニューオリンズなんだな~と感じ入ってしまい
ます。特にタイトル曲"Bandicoot"はその小刻みなビートとその
後の二拍四拍の展開も含めて曲の立体化に成功しています。
中でもここでのイレクトリック・ヴァイオリンは、中盤の
ベースのバースを挟んで実に効果的に投入されています。
曲に頭部と手足が付いてるっていうこの感じ、最高です。



2003 USA Full Frontal CD-0014



以上、こんなに面白い盤は久しぶりです!



appleJam bb白岩




’04年新年のオススメCD(工藤)

2004年01月04日 | 音楽

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。



実は新年第1弾はSTEPの片桐さんと同じ「ブルース&バラード/カーリン・クローグ&デクスター・ゴードン」でいこうと思ったのですが、先に書かれちゃいました(笑)。サックスのみならず、ヴォーカルも存在感のある、いい演奏です。私の持っているCDは最近出たものではなくて、10数年前に買ったものですけれど。



そんなわけで方針を大幅に変更して「ゼフィロス/藤井郷子クァルテット」(P.J.L.)を新年第1弾にします。ただし、フリーや変拍子、ファンク、アヴァンギャルド、ロック、メタルなどがキーワードのかなり激しい演奏なので、ちょっと聴く人を限定します。そんな方面が好きな方は、けっこうハマるんではないでしょうか。



Zephyros/Satoko Fujii(P) Quartet(P.J.L.) - Recorded September 17, 2003. Natsuki Tamura(Tp), Takeharu Hayakawa(B), Tatsuya Yoshida(Ds) - 1. The Future Of The Past 2. As Usual 3. Flying To The South 4. First Tango 5. One Summer Day 6. Clear Sky - For Christopher 7. 15 Minutes To Set To The Station



このメンバーでは3枚目で、全曲藤井郷子の作曲。フリーとファンクが混ざった過激なサウンドで、エレキベースと音数の多いヘヴィーなドラムスが強力。1曲目は既出の曲ですが、いきなり音の塊がぶつかってきて、静かな場面では叙情性を感じます。ゆったりとした不安感を演出したテーマから、スピーディーでやや暴力的な展開になる2曲目、ワールド的で浮遊感のある変拍子のテーマから、強力に盛り上がっていく3曲目、タイトルの「タンゴ」を意識しつつ変拍子が混ざり、エキゾチックなメロディとあわせて不思議な感触のある4曲目、バラード風の美しいテーマではじまって強力な場面もある5曲目、変拍子でサーカス風ファンクとでも言うべき6曲目、ヴォイスも一部入って緩急自在に展開するファンクの7曲目。(03年12月17日発売)



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