CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

appleJam1月の入魂!Discを聴く(工藤)

2007年01月27日 | 音楽
appleJam白岩さんのオススメ盤は今月もオルガン盤です。日本よりもアメリカの方がオルガンってジャズ(あるいはR&B)には一般的な楽器なのでしょうか。テクニックを競うことよりも、そのオルガンの渋さと味わいで、ラフに攻めていく感じがあって、ジャズは理屈ではないんだよ、ということを教えてくれるような感じの演奏ですね。ものすごく渋いわけではなくて、どちらかというと楽器の重さの割には軽快な印象もあるのですが、それでも土臭さというのか、アメリカの大地の香りが漂ってくるのは見事かも。直球勝負の1作です。


The Hal Tsuchida Trio / Midnight Shuffle (2006 USA Self Released) - Hal Tsuchida(Org), Larry Frazier(G), Zach Kreuz(Ds) - 1. Midnight Shuffle 2. Broadway 3. Don't Get Around Much Anymore 4. In A Happy Mood 5. Honeysuckle Rose 6. Moonlight In Vermont 7. Blues For Mr. B 8. Take The "A" Train 9. If I Could See You Again 10. Girl From Ipanema 11. All Blues

土田晴信氏の作曲は11曲中4曲(1、4、7、9曲目)。アメリカでの自主制作盤らしいですが、本場の味わいを持ったオルガンを聴くことができます。ちょっとラフで日本人らしくないところがまたいい、そして分かりやすいオルガン。ブルース進行でそのラフさ加減を出して盛り上がっていく1曲目、アップテンポのスタンダードもやっぱり彼のオルガンミュージックのまま突っ走っていく2曲目、エリントンナンバーの有名なテーマをミディアムで明るく歌い上げていく感じの3曲目、アップテンポでも明るさはそのままに突き進む4曲目、オルガンでスタンダードをやったときのモッタリ感がまた味になっている5曲目、ややスローなバラードで淡い陰影を持った6曲目、ややアップテンポでカラッとした天気のようなブルースを聴かせる7曲目、「A列車で行こう」をアップテンポでやはり温かめのサウンドで進んでいく8曲目、ポップスのようなノリでメロディアスな曲を聴かせる9曲目、ジョビン作の有名なボッサがあって全体の流れに彩りを添える10曲目、最後はこれまた有名な「オール・ブルース」で渋めに幕を閉じる11曲目。

ジャズCDの個人ページ 工藤




工藤さんの1月のオススメ盤(bb白岩)

2007年01月24日 | 音楽
そのまんま東氏が知事選に当選したことの意味は、今までの過去のタレント議員の当選とは根本的に別な現象だと思うのに・・・・民主党というか菅さんも鳩山さんもやっぱりダメだなーと思ったのは、それを知名度がものを言ったと勘違いして、筑紫さんを来る都知事選候補に口説きにかかったこと。民主党が有権者の期待とは裏腹にほとんど存在感を示せない理由として、私はいつまでも菅さんや鳩山さんが党を牛耳っているからだと感じていますが(小沢さんはもともと党首としては論外の人物と感じていましたのであえて名前を出しません)私が何故その二人を嫌うかは、全く現実が見えてない人たちだからです。今時はほんとうに志のある人が政治に携わるべき時代です。その意味でそのまんま東氏の当選は、有権者がそのことを判っていて投じた一票が大きくものを言っていると感じました。筑紫さんの都知事というのも確かに大変な魅力ですが、筑紫さんらしさは、あくまでも報道という活動の中から矛盾やゆがみを鋭く突くあの姿こそ筑紫さんの魅力が最大限発揮される生き方だと感じています。餅は餅屋という言葉がふいに浮かびました。民主党はもっとそれ以前に、前原さんや原口さんの時代の民主党が今最も望ましい民主党だと私は感じています。能力と意欲を持つ若手をつかず離れずサポートする老兵の姿の何と美しいことか。私はそういった道もベテランにはあることを菅さんや鳩山さんに強く再認識して欲しいなとつくづく感じています。もう時代はとっくに変わっています。

またまた枕が長くなってしまいました。m(_''_)m

Mantra/Austin Peralta

Austin Peralta(P、Kalimba)
Buster Williams(B),
Ronald Bruner Jr.(Ds)
Marcus Strickland(Ts, Ss)
Steve Nelson(Vib)

金髪のイケメンで冴えたジャズ・ピアノを弾く、吹き込み時15才の少年。注目されない訳がないといった存在と感じました。キータッチに生硬さは感じるものの、やたら元気がいいのが実に好感度大です。この元気はやはり若さからくるのでしょうか。またそれ以上にドラムの張り切り度が凄く、シンバルをトゥーマッチなくらい強打・連打するこういったドラムは個人的には苦手なものの、恐らくはペラルタがここでは好んでそうさせたような気配も感じます。若いうちはやってみたいことをストレートに形にするのがベストと思いますので、その意味でこの作品はかなり燃焼しきった仕上がりになっているように感じます。「アフロ・ブルー」をどう料理しているかわくわくしていたのですが、これに関してはまた十年後くらいのペラルタに再度チャレンジして欲しくなりました。バスター・ウィリアムスのベースソロの部分でほっと一息ついてしまったのはきっと私がもうおぢさんさんだらですね(笑)。次回作がとても楽しみです。今度はドラムを別な人がやると、ぐっと雰囲気が変わりそうです。

bb白岩(appleJam)


appleJam1月の入魂!Disc(bb白岩)

2007年01月07日 | 音楽
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。季節がらみの習慣とはかなり縁遠い生活ながらも、年越しそばと七草がゆだけは例年欠かかさないことを今日改めて気が付きました。やはり日本人なんですね(笑)。それはさておきまして昨夜からの冬の嵐に包まれた一日、意外なくらいCTIジャズが似合うことを実感しました。G.ベンソンの「ジェントル・レイン」やS.タレンタインの「サンシャイン・アレイ」等、特にギターとオルガンが全面に出たサウンドが、轟々と唸っている強風のSEと奇妙なくらいマッチングした一日でした。そして今月の入魂ディスクもまたオルガン・トリオものです。ちょっと今までと違うのは、今回主役の日本の青年 土田晴信氏 はもともとはヴィンテージ・シカゴ・ブルース・スタイルのピアニストとして渡米、シカゴの住人となったのが彼の海外での活動の幕開けだったという経緯を持つ人。数々のビッグネームとの共演歴はもとより独立系のシカゴ・ブルースマンの作品にもピアニストとしての吹き込みも残していますが、今回のこの作品は完璧なまでの直球勝負で挑んだジャズ作品。恐らくは今後もずっとオルガン奏者としての活動の方がメインになるのではと想像しています。そんな日本の若武者が米ジャズ界のオールドスクール達と組んだナイスなトリオ作品です。

the Hal Tsuchida Trio / Midnight Shuffle (2006 USA Self Released)

Hal Tsuchida - organ
Larry Frazier - guitar
Zach Kreuz - drums

もしもブラインドでこれを聴いたら多くの方が、それもコアなオルガン・ファンの方ほどこんな素晴らしいオルガン奏者でとっさに誰とも特定出来ない人が居るはずがない・・・と頭を抱えるはず。それくらいこの土田のパフォーマンスは新人離れしています。渡米後ギグにギグを重ねて早7年、夢の自己のトリオはソウル・ジャズ・オルガンの列強達との共演歴が40年余というギターのLarry Frazier 、シャーリー・スコットやジョーイ・デフランセスコとの共演歴があるドラムのZac Kreuzとが相棒。最強のベテラン達と組んだ彼のこれが最初の切り札、何よりも非常に端正な演奏スタイルが印象に残ります。Take the A Train に続くハル'sブルースの何と自然でスムースな流れであることか、そして締めくくり All Blues に見るCTI風オルガン・ジャズの醍醐味、すべてがクールです!

bb白岩(appleJam)


1月のオススメ盤(工藤)

2007年01月04日 | 音楽
新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。

さて、オースティン・ペラルタのアルバムは1枚目も良かったですけれど、この2枚目の「マントラ」もさらに良くって、愛聴盤になりそうです。若いので、アップテンポが好き、それをめったやたらにプッシュするバック(特にドラムス)、そして若いのにモード奏法を完全に自分のものにしている主人公と、お膳立ては揃っていますね。若すぎる(録音時は15歳)といって聴かないのは非常にもったいないな、と思います。すでに、新しいもの好きの人たちの間ではこのアルバム、評判になっているので、新年からいいアルバムを紹介できたと思っています。


マントラ/オースティン・ペラルタ(P、Kalimba)(Eighty-Eight's)
Mantra/Austin Peralta(P, Kalimba)(Eighty-Eight's) - Recorded October 10, 2006. Buster Williams(B), Ronald Bruner Jr.(Ds), Marcus Strickland(Ts, Ss), Steve Nelson(Vib) - 1. Mantra 2. Black Narcissus 3. Goodbye Pork Pie Hat 4. Astral Tides 5. Butterfly 6. Ablaze 7. All The Things You Are 8. Afro Blue 9. D. Redman

オースティン・ペラルタ作は4曲(1、4、6、9曲目)。メンバーを一新、ここでも15歳録音の驚きのモーダルな音を聴かせてくれます。ドラムスも強力。アップテンポでどことなくエキゾチックな、総攻撃を仕掛けているような1曲目、やはりアップテンポのワルツでこれまたモーダルに責める2曲目、チャールズ・ミンガス作をベースとのデュオで静かに語りかけてくる3曲目、ついでにモーダルのアップテンポでもう一撃を食らわす4曲目、ハービー・ハンコック作のちょっと落ち着いたサウンドでの有名な5曲目、アップテンポでここでも勢いのあるピアノのソロを見せつける6曲目、オーソドックスかと思いきや意外に元気な7曲目、やっぱりアップテンポでとにかくモーダルな8曲目、やや静かなソロピアノに情念が宿っているような9曲目。(06年12月20日発売)

ジャズCDの個人ページ 工藤