くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「日本語の冒険」阿刀田高

2013-01-03 05:11:06 | 文芸・エンターテイメント
 読めない読めない言いながら、さっさか読んでしまいましたよ。阿刀田高「日本語の冒険」(角川書店)。友人が阿刀田さんファンだったため、高校時代からよく読みました。「ギリシア神話を知っていますか」や「街の観覧車」とかですね。しばらくぶりなんですけど、すとんと入ってくる。自分の興味の範囲にストライクだったからでしょう。
 あるときは「いろはカルタ」の語句の意味を調べ、あるときは昔話に登場する動物の性別を考える。おばあちゃんが歌ってくれた歌に想いをはせる。(でも、「粉雪は舞い立ち風は呼ぶ」と書いてあるけど「叫ぶ」では?)
 やりましたよ、クロスワード。「オランウータン」が「モリノヒト」なのは分かったけど、「じゃじゃ馬ならし」の「ハミ」はわかんなかったよ。「時の人」で「ノダソウリ」なのは、いつまで有効なのか……。「漢字分解」や「5W1H」は授業で取り上げます。
 「私の好きな五十の歌」が個人的におもしろかった。高校生の少年が冬休みの宿題で好きな俳句と短歌を十首選んでくることになる。担当の先生が授業で彼の選句を俎上に上げて話してくれる場面があるのですが、草田男の「雪女郎おそろし父の恋恐ろし」という句にこだわっている様子が見られます。
 この本、図書館ではエッセイに分類されていますが、小説だと思うんです。この少年も研一と名前がついているし、他の話も小説仕立てなんですが、帯には「絶品エッセイ! 奇妙な小説?」と書いてある。日本語に関わるうんちくと考えが書いてあるからそういう判断なんでしょうか。
 わたしも、好きな短歌五首は選んでいますが、俳句も考えてみようかな。「三月の甘納豆のうふふふふ」とか……。
 あ、「橇の字は、木と三匹の毛犬かな」はちょっと気に入りました。


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